著者
伊藤 慶明 田中 和世 大川 茂樹 伊藤 憲三
出版者
岩手県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

地域FM ラジオ放送のオンデマンド放送化および検索技術の研究開発の推進を行った.ラジオ音声を対象と想定し,音声中の聞きたい区間を容易に検索できる技術の研究を推進し、地域FMでは方言などが含まれるため「語彙外の言葉」でも検索できるように,音素およびさらに細かな系列を開発し,任意の語彙での検索と性能向上を実現・成功した。さらに、様々な音声検索研究手法を公正・公平に評価するため、情報処理学会においてワーキンググループを立ち上げ、共通の音声データ、評価方法の整備を推進し研究者への公開を実施し社会貢献を果たした。
著者
田中 勝久 児玉 真史 熊谷 香 藤本 尚仲
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.163-172, 2004-03-05
被引用文献数
10

筑後川河口域において濁度とクロロフィル蛍光の連続観測をノリ施業期の2002年9月から2003年4月初旬まで約半年間にわたって実施し,潮汐変動との関連を調査研究した。クロロフィル蛍光強度は高濁度の大潮干潮時に増大し,濁度と対応した大きな短期的増減を示した。しかし,濁度の低下する満潮時のデータで比較するとクロロフィル蛍光強度から推定される植物プランクトン現存量は,日射量が極端に低下した2002年12月後半および小潮時に塩分が低下した2003年2月を除くと,小潮時から中潮にかけて増大するが大潮時以降には安定または減少する傾向が認められた.小潮時には,表層塩分の低下(弱混合化・成層化)が進み,表層へ高栄養塩濃度の河川水が影響するとともに透明度の上昇による光条件の好転などにより表層での植物プランクトンの増殖が促進されたものと考えられる。一方,強混合となる大潮時は淫祀の巻き上がりにより透明度が低下し,植物プランクトンは光量不足や物理的分散作用(鉛直混合および沖合水との混合),さらに淫祀による凝集作用により現存量の増大が抑えられると考えられる。
著者
田中 正義 藤原 守 郡 英輝 高松 邦彦
出版者
神戸常盤大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

超偏極^3Heガスを造影剤とした^3He-MRI(磁気共鳴イメージング)を目指して、極低温と、強磁場による強制偏極法(BFM : Brute Force Method)による超偏極^3Heガス生成法の開発を行った。今回BFMを用いたのは、従来のレーザー光ポンピング法では超偏極^3Heガスの収率が高々1〓/日程度しか期待できないが、BFMではその千倍の収率が期待できるからである。極低温(~10mK)を実現するのに、オランダ・ライデンクライオジェニクスから導入した^3He/^4He希釈冷凍機(DRS2500)を用い、17 Tの強磁場発生には超電導ソレノイドコイルを用いた。本研究では、BFMで生成された超偏極固体^3He生成用のポメランチュクセル、減偏極が起こらないように短時間で気化させる急速融解法を開発し、予備実験を行っている。
著者
小林 義行 山本 修司 徳永 健伸 田中 穂積
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.47, pp.1-8, 1994-05-27
被引用文献数
3

複合名詞の解析は、実用的な自然言語解析システムの実現において、解決しなければならない困難な問題の1つである。本論文では、語の共起の統計的な情報とシソーラスを用いて日本語複合名詞の構造を解析する方法について述べる。語の共起関係は16万語の4文字熟語から獲得した。新聞、用語集から抽出した平均4.9の漢字からなる複合名詞を解析し、最終的に約80%の精度で解析することができた。Analyzing compound nouns is one of the crucial issues for natural language processing systems, in particular for the systems that aim wide coverage of domains. In this paper, we propose a method to analyze structures of Japanese compound nouns by using both statistics of word collocations and thesauruses. An experiment is conducted in which 160,000 word collocations are used to analyze compound nouns of which average length is 4.9. Finally, the accuracy of the method is about 80%.
著者
木村 竜 新巻 洋一 五百蔵 重典 田中 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.252, pp.17-22, 2008-10-15

本論文では,GPS機能を内蔵する携帯電話を用いて得られる位置情報とモバイルネットワーク,インターネットそして家電ネットワークを統合した知的環境実現のためのアーキテクチャを提案し,その具体的一例として,エアコン制御へ適用したシステム構成とその結果を示す.まず,携帯電話サービスの加入事業者に依存しない位置情報共有・表示システムとして,データベースマネージメントシステムとGoogleMapsを用いて地図上にGPS携帯電話所有者の移動履歴を図示するとともに,その位置精度を評価,確認した.そして,その位置情報と携帯電話所有者の行動パターンを考慮して,所有者の居室のエアコンを自動的に制御するシステムを構築し,その有用性を実証した結果を述べる.
著者
田中 俊行 グェン ミンティ 中川 博之 田原 康之 大須賀 昭彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.11, pp.1751-1761, 2011-11-01

インターネットの普及に伴い,Web上には商品やサービス(対象物)に対する多くの評判情報が蓄積されている.しかし,誰でも発信できるが故に,情報は膨大となり,それら全てに目を通すことは利用者にとって多大な負担となる.そのような背景から,レビューから意見を自動的に抽出する研究が盛んに行われており,意見を<対象物,評価視点(属性),評価値>の三つ組と捉え抽出する研究も行われている.しかしながら多くの研究は,評価視点や評価値の抽出に辞書を用いており,ジャンルごとに必要となる辞書の構築のためのコストは小さいとはいえない.また,単に辞書を用いてマッチングを行っただけでは,精度が上がらないのが現状である.そこで本論文では,教師あり学習を用いて,レビューサイトから意見を抽出する手法を提案する.提案手法は,従来の手法のように大規模な辞書をあらかじめ用意する必要がないため,コストを大幅に抑えることが可能である.実験の結果,辞書をあらかじめ用意しない既存手法と比較して,最大で適合率は約26%,再現率は約47%向上した.また,既存研究では個別の辞書を必要とするような他ジャンルに対して本手法を適用した結果,ほぼ変わらない精度で抽出することができ,他ジャンルへの適用の可能性を示すことができた.
著者
田中 正司
出版者
神奈川大学
雑誌
商経論叢 (ISSN:02868342)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.1-51, 1991-03

論説
著者
高見 真也 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.65, pp.283-288, 2007-07-03

ウェブ検索エンジンは、ウェブページを発見するためだけではなく、知識やサービスにアクセスするための道具としても使われるようになってきている。そのため、ユーザが入力した検索語に応じて、広告コンテンツやサービスへの誘導リンク等も検索結果に表示されるようになった。しかし、検索語だけでますます多様化するユーザの検索目的を把握することは難しく、検索語で表示内容、表示順序が一意に決定される検索結果では、求める情報までの経路が最適化されているとはいえない。我々はユーザの検索目的に適した検索結果を提供するために、検索結果として示すべき概要文(スニペット)を二種類の軸で分類した。そして、最適化された検索結果を実現するためのスニペットの動的再生成を紹介する。我々は、このように検索目的に適した検索結果表示を行うことを SPO (Search Purpose Optimization) と呼んでいる。Web search engines are used as a tool not only to find web pages but also to access some knowledge and services. Therefore, the links to advertising contents and services etc. came to be displayed in the search results according to the search query that the user had input. However, it is difficult for such systems to know user's search purpose because it is more and more diversified. The route to target information is not necessarily optimized in the search results when the search query defines both the ranking and the content in the search results. We classified the outline (Web-Snippet) in the search result by two criteria to offer a suitable search result for user's search purpose. Then we introduce dynamic re-generation of the Web-Snippet to achieve the optimization of search results. We call such display of search result suitable for the search purpose SPO (Search Purpose Optimization).
著者
尾上 直之 橋本 周司 田中 章喜
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-03-06

近年、マルチメディア技術はコンピュータの性能向上にともない、目覚ましい発展を遂げている。しかしながら、マルチメディア技術を用いた情報の制作のための環境は十分であるとはいえない。特に、映像のための背景音楽(BGM)の多くは、作曲家によって作曲されており、簡単なBGM制作についても自動化はほとんど行われていない。我々は、動画像から背景音楽を自動生成するシステムの制作を行っている[1,2,3]。BGMを生成する試みはこれまでにもいくつか報告されている[4]が、我々は動画像の内容に立ち入らず、動画像から単純な構造的特徴を抽出し、これらをリアルタイムで音楽的特徴と結び付けBGMを生成している。本稿では、システムをネットワーク上にエージェントとして分散させて置き、これを用いたリアルタイムでのBGMの生成について報告する。
著者
白石 順二 山崎 勝 田中 克尚 岸本 健治 畑川 政勝
出版者
公益社団法人日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術學會雜誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.1726-1734, 1994-10-01
被引用文献数
7

In the past years, receiver operating characteristic (ROC) studies that has been used in medical imaging system have involved data collected on a discrete confidence-rating scale with five categories, though in principle ROC studies which are called method for continuously-distributed test results can be conducted with continuous scale. In this study, we investigate the advantage of this new rating method. Advantages were obtained from our experiments that used both discrete and continuous rating scale with same sample sets. From the results of ROC analysis using the CR mammography with simulated mamma phantom, the method for continuously-distributed test results performs identical estimation of area under the ROC curve (Az) compared with the discrete confidence-rating method, but performs good (1/3) standard deviation of Az between readers. When the range of Az lies 0.65-0.70 which are "difficult" performance of ROC experiment, we concluded that the method for continuously-distributed test results has the advantages of good statistical power and reliability of results compared with the discrete confidencerating method.
著者
田中 学 井上 晃一
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.39-45, 1962-03-30

わが国の球根の生産上,また輸出のうえにも大きな障害になっているネダニに対し,適確な防除法を確立する目的で防除上必要な生態の研究および殺虫試験を実施した。防除について検討した結果は次のとおりである。<br>1 ユリほ場における球根ネダニの発生消長は,高温で降水量が特に多い時期に増殖が盛んになる傾向が認められた。それ以外の時期は一般にネダニの発生は著しくない。<br>2 球根内のネダニの生息部位を見ると,り病箇所の多い外側部が最も多く,次いで発根部,中間部,中心部の順となっている。<br>3 ネダニの発生と腐敗病との関係については,ネダニの加害のほうが二次的であると考えられる。<br>4 球根の掘り取り直後または植え付け前に球根を薬剤に浸漬処理した結果,浸透殺虫剤およびパラチオンを45°Cに加温浸漬した場合がネダニに対し最も効果が高い。しかし無加温で浸漬した場合は若干効果が低く,また浸漬時間を長くしても効果にほとんど差が認められない。<br>5 くん蒸処理ではメチルブロマイドが最もすぐれている。<br>6 浸漬処理およびくん蒸処理したユリ球根をほ場に植え付け,発芽およびそののちの生育状況を見たが薬害は認められない。しかしナイメットの粉衣は発芽障害が著しい。<br>7 ユリの立毛中における浸透剤の葉面散布および土壌灌注はネダニに対しほとんど効果がないようである。
著者
徳永 美貴子 齋藤 和義 中塚 敬輔 中山田 真吾 中野 和久 辻村 静代 大田 俊行 田中 良哉
出版者
The Japan Society for Clinical Immunology
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 = Japanese journal of clinical immunology (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.304-309, 2003-10-31
被引用文献数
2

症例1;14歳女性,平成13年5月多関節痛,蝶形紅斑を認め当院受診.抗核抗体陽性,腎障害,溶血性貧血(Hb 63g/dl, D-クームス(3+)), 抗ds-DNA抗体高値より全身性エリテマトーデス(SLE)と診断. PSL 60mg/日に免疫吸着・ステロイドパルス療法,シクロスポリン併用したが溶血性貧血は持続. 7月シクロホスファミドパルス療法(IV-CY) 500mg/回を開始し, 6回終了後Hb 11.4g/dlと改善.症例2;53歳女性,昭和53年SLEと診断, PSL 5mg/日で維持療法中の平成13年6月発熱と貧血(Hb 5.9g/dl)の為7月当科入院. Hb 3.4g/dl, D-クームス(3+)と進行性溶血性貧血に対しPSL 50mg/日とステロイドパルス療法施行するも改善なく8月IV-CY (500mg/回)開始. 3回終了後Hb 13.2g/dlと改善した. SLEに併発する治療抵抗性溶血性貧血に対し, IV-CYの著効例の既報は乏しく,今後の治療選択に於いて貴重な症例と考え報告する.