著者
田中 昌孝 中村 広隆 小久保 秀之 陳 偉中 張 トウ 相馬 隆郎 山本 幹男
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.152-158, 2001-03-01

気功師が手かざしを他者に行うと、それをされた部位に温度変化を感じたと答える人がいる。気功師の掌に温度変化があるのか。また、その時の生理について解明するため、次の実験データの分析を行った。実験は、気功鍛錬者を被験者とし、右掌から発気するイメージをさせた。掌皮膚表面温度をサーモグラフとサーミスタにより測定した。また、その時の呼吸パターン、脈派も測定した。その結果、右掌温度は全体的に、安静では上昇、発気イメージでは下降した。この時の呼吸時間と呼吸深度は、安静では短く浅く、発気イメージでは長く深かった。また、発気イメージした右手労宮では温度変化があったが、発気イメージしなかった左手のそれはほとんど見られなかった。
著者
田中 薫
出版者
宮崎公立大学
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.111-125, 2006-03-20

「出版産業」は東京の一極集中であると言っても過言ではない。また、「出版は東京の地場産業である」という日本出版学会の会員もいる。したがって、東京から遠く離れた地である九州の各県で、主要都市を中心に出版活動を行っている出版社はきわめて少ない。そして印刷・製本という製作面でのハンディがあるほか、出来上がった出版物を、地方かから全国の書店に向けて発送するという流通問題に関しても、条件的には不利である。さらに出版活動を企業として成立させ、継続していくためには、慢性的な書き手不足の状態から脱し、確保し、さらに発掘し、養成していくことが不可欠であるという意味では、それらのこともまた大きなネックとなっている。そこで、まず九州7県の各県における出版状況の現状について把握することとし、沖縄の現在についても、視野に入れて見てみたい。そして、地方で出版活動を行うことに伴う問題点はどこにあるのかについても検討し、そのポイントをあぶりだしてみることとしたい。
著者
田中 朋之 KHAN NADAR KHAN Nadar
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

コメは全世界の約半数以上の人々が主食とする重要な食糧であり、特にアジアの発展途上国では貴重なタンパク源でもある。そこで、パキスタンで収集された約300種類のイネ在来品種・系統における種子貯蔵タンパク質の種内変異を評価した。その結果、主要な貯蔵タンパク質グルテリンのα鎖に関して、ポリペプチドの数と蓄積量に関し大きな変異があることが認められた。特に、リジン含有率の高いグルテリンサブユニットGluB4を認識するanti-B4(No.4b)抗体に対する反応性が品種・系統ごとに大きく異なり、その反応性の違いから、3つのグループに分類できた。その変異パターンと収集地域(N.W.F.P,Punjab,Balochistan,Sind,Azad Jamu Kashmir)ごとに特徴的な農業生態系との間には関連性は認められなかった。一方、グルテリンα鎖における変異の他に、グルテリン前駆体を高蓄積する品種・系統が多く見出された。グルテリン前駆体を高蓄積する品種・系統の出現頻度は、5つの農業生態系により異なり、Punjab由来の品種・系統で最も出現頻度が高く(22%)、次いでSind由来の品種・系統(13%)、Balochistan由来の品種・系統(3%)であり、N.W.F.PとAzad Jammu Kashmir由来の品種・系統には認められなかった。パキスタン由来のイネ遺伝資源におけるそれらの出現頻度は、世界のイネ・コアコレクション約60種類の中で見出された頻度に比べ著しく高かった。世界のイネ・コアコレクションで見出されたグルテリン前駆体を高蓄積する品種・系統が、インド由来の良食味系統local basmati(collection number 40)であったことから、南アジア地域における良食味系統の分布と、グルテリン前駆体を高蓄積する系統の分布との間に関連があることが推察された。
著者
村上 悟 神谷 茂保 濱谷 義弘 長渕 裕 田中 敏 示野 信一
出版者
岡山理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

時間遅れをもつ方程式の典型例である関数微分方程式,積分微分方程式,ボルテラ差分方程式を中心に研究した.関数微分方程式に対する相空間における定数変化法の公式を利用して,摂動項をもつ関数微分方程式の解の漸近挙動を調べた.また,非線形関数微分方程式に対し,いくつかの不変多様体の存在定理を確立した.さらに,積分微分方程式を中心に,方程式の正値性を調べ,正値方程式に対する安定条件をより明確な形で与えた.
著者
瀬下 仁志 田中 明通 丸山 美奈 鈴木 英夫 高橋 時市郎
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.359-369, 2006
被引用文献数
1

学習活動におけるITの利用が進むなかで,学習者主導の学習活動が盛んになってきた.加えて,そうした学習をより深めるための情報として,各学習者の学習履歴を豊富に取得することも可能となっている.しかしながら,豊富で詳細であるがゆえに取り扱いも難しく,収集された履歴を各学習者への適切なフィードバックに活用することは困難であった.そこで我々は,多量な学習履歴をより手軽に活用することを目的として,各学習者の学習履歴を,想定される学習活動の段階に基づいて抽象化することで,活動の変遷や特徴を端的に表現する可視化手法を提案する.本可視化手法は,学習者の活動状況や活動の特徴を,意味内容に立ち入らず,定量的に俯瞰することを可能にする.本論文では,提案する可視化手法の概要と,我々がこれまでに開発した,調べ学習支援システムを用いた授業実践結果への適用とその分析について述べる.
著者
中村 健二 田中 成典 北野 光一 寺口 敏生 大谷 和史
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.90-104, 2012-01-15

携帯電話利用者の低年齢化にともない,インターネットを介して子ども同士がコミュニケーションを図ることによって,有害な影響を受けたり事件に巻き込まれたりする事案の増加が問題となっている.しかし,現実世界とは異なり,インターネット上では保護者が子供の振舞いや交友関係を把握することは難しいため,十分な見守りが行えないという課題がある.そのため,人手によるネットパトロールなどの活動が実施されているが,膨大な人的コストが必要となるうえに,監視漏れが発生してしまうため,Webマイニング技術を活用した支援が検討されている.しかし,インターネットでは,各ユーザが複数のWebページを用いてコミュニケーションを図るという特性があるため,一般的なWebクローラでは十分な情報収集が行えない.さらに,インターネット上には膨大な量のWebページが開設されているため,解析対象をランダムに選択する手法では,解析効率が悪いという問題がある.そこで,本研究では,インターネット上から非行逸脱傾向が高い有害ユーザを効率的に発見するマルチエージェントクローラを開発し,ネットパトロールの効率化の実現に取り組んだ.The use of mobile phones is increasingly spreading among younger people. This phenomenon leads to a concern that more children are susceptible to harmful information on the Internet or are even involved in criminal cases. It is rather difficult for parents or guardians to constantly watch their children's behavior and know everything about their interactions on the Internet. This is why activities such as "Net Patrol" have been implemented. However, such activities require an enormous labor cost and can't observe whole children's behavior without omission, and thus, web mining tools are needed to support. Ordinary web crawlers are incapable of collecting sufficient information because of the characteristic of the Internet that communication happens with a multiple services combined. In addition, random analyses using crawlers are inefficient. For these reasons, a new approach is needed to identify an individual on the Internet and collect that person's information efficiently. This study aims to develop a multi-agent crawler that can identify harmful users who tend to indulge in misconduct efficiently, and thus, improve the efficiency of Net Patrol.
著者
田中 弘美 平井 慎一 陳 延偉 田中 覚 島田 伸敬 森川 茂廣 来見 良誠 山口 哲 小森 優
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

触覚情報が重要な遠隔協働タスクとして医療分野における低侵襲手術訓練を想定し,触覚フィードバックによる遠隔実地訓練を可能にする遠隔協働型超臨場感仮想環境を実現した.そのために,(1) マイクロセンサを用いた内部センシングに基づく,生体軟組織等の非一様変形パラメータ群推定法,(2) オンラインリメッシュ型インタラクティブ柔軟物シミュレーションの実装と高速化法,(3) 腫瘍や血管などの微細構造の変形と連動させた大規模ボリュームデータの可視化法を確立し,(4)遠隔3地点間で低侵襲胆嚢摘出手術と穿刺手術訓練が可能となるボリュームベース遠隔触覚協働環境システムのプロトタイプの実現し,検証実験により有効性を実証した.
著者
田中 哮義 西野 智研 樋本 圭佑 大宮 善文
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

機構の物理的延焼モデルの計算手法を時間微分方程式をオイラー法で解く方法から、準定常状態に対する代数方程式を解く方法に変更することにより、延焼予測計算の高速化を実現した。被災地域を市街地火災から発生する火災気流による危険度と、避難者が安全な避難場所を志向する心理的志向から構成される非難危険度ポテンシャル場と考える地震火災時住民避難行動モデルを開発した。両者を統合して都市地震火災時の住民避難性状予測モデルを構築した。実務者が、地震火災に備えた住民避難リスクを評価し、また安全対策を講じる上での避難予測を容易に行えるようにするための住民避難危険度評価支援システムを構築した。
著者
佃 洸摂 中村 聡史 山本 岳洋 田中 克己
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.3471-3482, 2011-12-15

映像の編集や検索を行う際に,ある人物がより視聴者の注目を集めている映像を検索したいということはよくある.また,現在視聴している映像の関連映像として,登場人物の活躍パターンが似ている映像を推薦してほしいということもよくある.しかし,映像に登場する人物がどの程度視聴者の注目を集めているかは,映像のテキストデータや画像解析だけでは判断できないことが多く,視聴者の反応に基づいて注目されている人物を推定する必要がある.そこで本稿では視聴者の反応として映像の再生時刻に沿って付与されたコメントを用いて,映像に登場する人物が視聴者の注目を集めているシーンの推定と各シーンにおける各登場人物の活躍の度合いの推定を行う手法の提案をする.ただし,本稿ではニコニコ動画に投稿された映像の中で,コメントが一定数以上付与された映像に登場する,視聴者に名前が広く知れわたっている人物を対象とする.When a user edits or searches a video clip, he/she often hopes to extract a scene or search video clips in which a character is active. Moreover, he/she also often hopes to be recommended a video clip that has a similar activity pattern of characters as a relevant video clip that he/she is watching. However, it is difficult in many cases to judge the active characters from only text data or image analysis. We estimate the degree of attention based on viewers' reaction. In this paper we use comments posted to a video clip as the viewers' reaction. We propose a method to estimate the spotlighted scenes of each character in a video clip and the degree of it. We especially target video clips that is uploaded to Nico Nico Douga and a character whose name is known widely.
著者
馬場 良二 和田 礼子 木部 暢子 甲斐 朋子 木部 暢子 島本 智美 甲斐 朋子 吉里 さち子 田川 恭識 嵐 洋子 平田 真理子 木下 泰臣 (きのした) 船本 日佳里 田中 翔太郎
出版者
熊本県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

外国人留学生が日本で勉学や研究にいそしむには、日常的な生活を円滑に行うことが大切です。そのためには、クラスメートや研究室の日本人、そして、アルバイト先の同僚や上司と日本語で円滑にコミュニケーションをとる必要があります。地方中核都市、ここでは熊本市内に住む外国人留学生を対象に、生活の基盤となる熊本市内方言を学習するためのテキストとそのテキストの会話や練習の音声を作成しました。
著者
田中 稔彦 亀好 良一 秀 道広
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.134-139, 2006
被引用文献数
12

【背景】蕁麻疹の病態・原因は多様であり,これまでに様々な分類法が用いられてきた.平成17年に日本皮膚科学会より「蕁麻疹・血管性浮腫の治療ガイドライン」が作成され,必要となる検査の内容と意義,治療内容,予後の視点を重視した病型分類が示された.【方法】平成15年から17年に広島大学病院皮膚科外来を受診した260名の蕁麻疹患者をこの分類法に準拠して病型を診断し,その内訳を調査した.【結果】物理性蕁麻疹10.0%,コリン性蕁麻疹6.5%,外来物質による蕁麻疹は6.5%であり,残りの76.9%が明らかな誘因なく生じる特発性の蕁麻疹であった.また38.8%の患者で複数の病型が合併しており,特に慢性蕁麻疹と機械性蕁麻疹あるいは血管性浮腫との合併が多く見られた.【結語】多くの蕁麻疹は丁寧な病歴聴取と簡単な負荷試験により病型を診断することができ,それを踏まえて検査,治療内容の決定および予後の推定を行うべきであると考えられる.
著者
徳岡 聖二 田中 美栄子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.48, no.19, pp.68-74, 2007-12-15

株価の日中変動を記録したtickデータが研究資料として手に入るようになってまだ日が浅いが,日次変動とは異なる様相を示すことが様々な分野の研究者の興味を惹きつけ,精力的な数値解析が行われてきた結果,株価は完全なランダムウオークではなく,数分以下の短期価格変動には強い相関が存在することが明らかになってきた.このことは数分先の株価が上昇するか下降するかを科学的手法に依拠して予言できることを示唆している,そこで本論文では,過去の価格情報から抽出した様々な知識を活用しながらそのときどきの価格パターンに即した戦略的意思決定を自動生成するシステムを設計することを試みた.価格情報としては,時系列そのもののほかに,過去の平均価格や長期・短期移動平均との比較等,テクニカル分析において用いられる複数の指標を同時に利用しつつ,進化計算により過去の価格変動のパターンを学習することによって10-tick先,すなわち数秒から数分後の価格の上昇/下降を予測するシステムを作成し,それを用いて過去の実データにより予測を行った結果,IBM株で80%以上,8銘柄の平均で65%という予測的中率を得た.これにより,tick価格が少なくとも10-tick先までの記憶を有すること,および上記の方法により価格変動のトレンドを自動予測するシステムが機能することが実証された.While tick-wise price data have become available for computer-aided analysis only recently, novel patterns observed in those new data have attracted much attention of researchers in wide range of expertise. The results of extensive numerical work have shown that the stock price fluctuations are not strictly the random walk, but are strongly correlated to the prices at other times. This fact implies predictability of future trends of price movement in high precision. In order to see this, we have constructed a computer program utilizing multiple technical indices, including moving averages, etc., implemented in the framework of evolutional computation. As a result, we have obtained a positive result having 80% of correct hitting rate for IBM, and 65% for the average over 8 different stocks in New York Stock Exchange Market in the year of 1993. The result strongly supports the existence of long-term memory to extend at least for 10-ticks, and the effectiveness of our prediction generator system.
著者
高塚 皓正 田中 正行 奥富 正敏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.93, pp.73-80, 2006-09-08
被引用文献数
2

顔検出はコンピュータビジョンにおいて,近年注目されている技術の一つであり,様々な研究が行なわれている従来の顔検出に関する研究の多くは,切り取られたサブウィンドウが顔かどうかを判別する識別器を改良することを主な目的としている.この識別器は顔検出を行なう際の?プロセスとして重要であるしかし,これらの識別器は各サプウィンドウに対して,独立に顔または非顔を判定するため,識別器の出力(顔らしさ)の高い非顔画像を誤検出してしまうことがよくある.本報告では,顔と非顔における顔らしさ分布の違いに着目し,この違いを陽に利用した新しい顔検出の枠組みについて提案する.提案手法では,顔らしさ分布を生成し,統合処理により顔と非顔の違いを強調することで,従来手法で誤検出していた非顔を正しく分類することが可能になる.実験では,テストデータセットと実画像を用いて,提案手法の有効性を確認したその結果,それぞれ20%と10%の検出率の向上が見られた.Face detection is a useful technique in computer vision. Many face detectors have been developed in the literature. Almost all approaches for face detection focus on the face detectors which classify a given subwindow into face or non-face. However, in face detection process, since the detectors also evaluate the scanned sub-windows independently, non-faces with high face likelihood are often misdetected. In this paper, we propose a novel face detection algorithm which explicitly uses difference of face likelihood distribution between faces and non-faces. The proposed algorithm can correctly classify the non-faces misdetected by the existing algorithm. The face likelihood distribution is generated and integrated to emphasize the difference between faces and nonfaces. Experiments with pre-scanned data set and real-world images show that the proposed algorithm improves the detection rate approximately by 20% and 10%, respectively.
著者
三ツ峰 秀樹 田中 君明 鈴木 秀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.98, no.421, pp.17-22, 1998-11-19
被引用文献数
1

ドラマ番組の製作ではリアルな情景を実現するためにセットや俳優のメイクが重要な要素として位置付けられている。時代劇においては、とりわけカツラ装着の自然さが番組の完成度にも影響を及ぼす。ハイビジョン番組制作では、その精細さ、質感の再現性という長所の反面で、こうした問題がより顕著になる。現状ではより決め細かな作業を伴った労力および多大なコストをかけてこれに対応しているが、場合によっては演出の自由度までもが制限される。そこで、我々は撮影後に画像処理を施すことで映像中の不自然な箇所を補正する手法の検討を行っている。今回、検討した手法のコンピュータシミュレーションを行い良好な結果が得られたので、ここに報告する。
著者
田中 淳 纐纈 裕美 大藪 崇司 藤原 道郎 田中 賢治 朝日 伸彦 杉浦 弘毅
出版者
JAPANESE SOCIETY OF REVEGETATION TECHNOLOGY
雑誌
日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.139-142, 2011-08-31
被引用文献数
2 3

土壌化学性の改質による外来植物の防除技術の開発実験を実施した。土壌 pH を 4.6,5.5,6.8 に調整した土壌にナルトサワギクならびセイタカアワダチソウを移植した。土壌 pH 4.6 では,移植後約 1 ヶ月で 2 種ともほぼ枯死した。土壌 pH 5.5 の地上部の生育は,pH 6.8 とあまり変わらなかったが堀取った根は生育不良であった。また,土壌を酸性にする溶液をろ紙にひたし発芽実験を行った。ススキの発芽率は,精製水をろ紙にひたしたものと比較して発芽率の低下が少なかったが,ナルトサワギクの発芽率は低下し 0%となった。これらのことから,土壌化学性の改質が,外来植物から在来植物への植生構造の転換技術へ応用できることが示唆された。
著者
田中 俊明 亀田 修一 高 正龍 吉井 秀夫 井上 直樹 東 潮 井上 直樹 東 潮
出版者
滋賀県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

古代史料が極端に不足する韓国古代史を再構成する上で、出土文字資料の重要性は極めて高い。木簡・石碑も新たな発見がつづくが、ここでは文字瓦をとりあげ、歴史資料として使用に耐えうるかたちで集成・提示し、またそれを利用した研究をめざした。特に百済圏において、王都のみならず、地方山城からも刻印瓦が出土するが、それを中心に、可能な限りで網羅的に調査し、刻印の目的や瓦の製作時期を考察した。それ以外の文字瓦についても、現物調査を進め、個体に関する新知見を得るとともに、総体として文字瓦の資料化をはかった。ただし多くは報告書にもとづく検討であり、当初の課題であるデータベース構築のための予備的な研究を終えて、今後、実際調査しえたものとあわせ、データベースとしての作成・公開をめざしていきたい。