著者
田澤 直幸 岩鼻 幸男 今井 篤 清山 信正 都木 徹 鳥原 信一
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会年次大会講演予稿集 2009 (ISSN:13431846)
巻号頁・発行日
pp._7-8-1_-_7-8-2_, 2009-08-26 (Released:2017-05-24)

This paper describes a trial study for reproducing adequate very high-speed speech for visually handicapped person. At times, visually handicapped people rely on the use of recorded speech content such as in the case of reading some books or newspaper and so on. In such cases, many of them have wondered whether "rapid playback" might be possible because it is difficult to take a general view of the whole contents.
著者
田澤 実
出版者
法政大学キャリアデザイン学会
雑誌
生涯学習とキャリアデザイン = Lifelong Learning and Career Studies (ISSN:13493051)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.15-29, 2021-03

This study investigated and clarified how flood survivors narrate stories of their disaster experiences. Previous studies have indicated two types of collective representations: those derived from shared perceptual experiences and those derived from shared conceptual propositions. We conducted a quantitative text analysis of survivors’ reports of Typhoon Kathleen in Ashikaga City, Tochigi Prefecture, about their experiences. In Study 1, we analyzed the entire narration for co-occurrence networks, and in Study 2, we analyzed noun frequencies of only passages in which survivors directly mention the disaster. The results indicated that the survivors of Typhoon Kathleen mainly developed representations derived from shared conceptual propositions and relatively few representations of shared perceptual experiences. We have discussed these results from the perspective of community disaster prevention.
著者
佐藤 江奈 菅谷 知明 岩村 佳世 長谷川 信 田澤 昌之 和田 直樹
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.193-198, 2020-08-01 (Released:2020-09-03)
参考文献数
22

【目 的】 変形性股関節症患者の術前後の関節可動域および筋力について明らかにすること.【対象と方法】 後外側進入法により人工股関節全置換術を施行した14名を対象とし,股関節周囲の関節可動域(ROM)および筋力を術前,術後1週,術後2週で測定した.術側と非術側の比較は対応のある差の検定を行い,術前から術後2週の変化については分散分析および多重比較を行った.【結 果】 術前ROMでは股関節内転以外は非術側に対して術側が有意に低かったが,術後2週では有意な差はなかった.術側の股関節外転ROMは,術後有意に改善した.筋力は非術側に対して術側が術前,術後2週ともに低かった.術側の股関節屈曲,伸展筋力は術後1週で有意に低下し,術後2週で有意に改善した.【結 語】 術側ROMは術後2週で非術側程度に改善した.術側筋力は術後2週で術前レベルに回復するが,非術側に比べて有意に低かった.術後1週の筋力は,術前よりも低下していることを考慮し,理学療法介入をするべきである.
著者
梅崎 修 八幡 成美 下村 英雄 田澤 実
出版者
法政大学キャリアデザイン学会
雑誌
生涯学習とキャリアデザイン : 法政大学キャリアデザイン学会紀要 = Lifelong learning and career studies (ISSN:13493051)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.123-134, 2010-02

This thesis explores the relation between the lives of high-school students and their course consideration by conducting the “high-school students’ questionnaire survey.” In particular, we comprehensively surveyed the social networks of high-school students. Our subsequent analysis clarified the following three points: (1) Social networks of high-school students comprise their schoolmates and peers; these networks are characterized by fewer interpersonal relationships, as compared to those of adults. However, there are large individual variations in these networks. (2) High-school students are content with their interpersonal relationships among the group that they belong to; thus, interpersonal relationships with individuals outside their group are rare. (3) Our statistical analysis assumes that “the high-school students’ course consideration” is an explained variable. Therefore, we verify that the quality of a social network has greater influential power on course consideration than its extent. Thus, it can be interpreted that the improvement in course consideration arising from an interaction with a “different person” is greater than that arising from an interaction with a “similar person.”
著者
中田 光 井上 義一 中垣 和英 田澤 立之
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

エラー!平成18年度に引き続き、19年4月〜20年3月までは、特発性肺胞タンパク症(自己免疫性肺胞タンパク症)の末梢血及び気管支肺胞洗浄液中のマクロファージ、リンパ球のFACS解析を行った。末梢血では、リンパ球中でもT細胞とNK細胞の減少が見られた。サブセットではCD8陽性細胞が減少していた。CD4T細胞のうち、memory, effectorの数は減少していないが、naiveT細胞が減少していた。興味深いことにCD4T細胞の一部はautoMLRで増殖期に入っており、活性化していることが示唆された。CD19陽性B細胞では、B1cell, B2cellの割合は健常者と変わりないが、CD138陽性形質細胞の割合が上昇していた。単球では、CD86陽性細胞の割合は変わらないが、抑制性のシグナルに関与するPDL1の発現が低下していた。この低下は、単球をGM-CSF存在下で培養することで、回復した。以上のことから、本症では、抗GM-CSF自己抗体の存在により、単球マクロファージのPDL1の発現が低下し、抑制性のシグナル伝達障害により、T細胞の活性化やB細胞の成熟促進がおこるのではないかと思われる。一方、患者肺胞洗浄液では、リンパ球の増加が見られ、洗浄液中のMCP-1濃度と相関していた。また、抗GM-CSF自己抗体価とMCP-1濃度に相関が見られた。肺においては、GM-CSFシグナル伝達障害により、MCP-1濃度が上昇し、リンパ球の遊走と流入が起こると思われる。
著者
田澤 信二
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.217-221, 2001-03-01 (Released:2011-07-19)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1
著者
田澤 祐太 酒井 久治 大木 伸一郎 井元 俊之
出版者
日本水産工学会
雑誌
日本水産工学会誌 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.201-205, 2015

船外機は,プロペラを含む動力伝達部とディーゼル機関またはガソリン機関の原動機部を組み合わせた可担式の小型舟艇用推進装置である。これを無動力船のトランザムに取り付けるだけで,動力化を可能にするものであり,沿岸漁業における重要な小型漁船用推進装置である。海面漁業における船外機付漁船数は25400隻であり,漁船総数の38%を占めている。また,近年では環境問題への対応策として,同装置の原動機は4ストローク機関が主流になっている。一方,船外機の冷却は海水による直接冷却方式である。独立した熱交換器がなく,シリンダブロック内にある狭隘な冷却通路を海水が通過することにより冷却する方式である。帰港後には冷却水通路の清水洗浄が容易でないため,冷却水通路内に残る海水が蒸発して塩が析出し,またスライムなども蓄積しやすくなる。その結果,冷却水通路が閉塞され,冷却海水の流量不足によるオーバーヒートを起こしやすくなる。これは,船外機の寿命を大幅に縮めて,廃棄される原因になっている。これらの防止対策は,フラッシングキットや水洗キットと呼ばれるものが市販され,冷却水通路に取り付けたプラグから,また船外機の冷却海水取り入れ口から,清水を供給し,清水によるフラッシングを行なうものである。冷却水通路内に塩の析出を防止することに重きをおいたものであるが,閉塞気味の冷却水通路を直接的に復旧するものではない。このため,冷却水通路を簡単に洗浄し,析出物および堆積物を積極的に除去できる装置の開発が望まれる。一方,著者らは,プレート式熱交換器を対象として,同熱交換器を通過する冷却海水に,胡桃の粒子や,ホタテガイの貝殻の粉末(以降,貝殻粉末という)と微小径の空気を混入させて,汚れを除去する洗浄システムを構築し,洗浄効果を報告した。これらのシステムでは,熱交換器の開放清掃やブラシによる清掃を伴わず,海水および清水を冷却伝熱面に沿って通過させるだけで,洗浄を可能にした。以上の背景と現在までの研究成果を踏まえて,本研究は船外機の狭隘な冷却水通路に析出した塩や堆積したスライムを除去するため,清水に貝殻粉末および圧縮空気を混入させて循環させる洗浄装置を試作した。そこで,堆積物を付着させたアクリル管を用いて,貝殻粉末の混合率などの最適条件を洗浄効果である付着物の除去率から求めた模擬実験,実機の洗浄実験を実施したので報告する。
著者
田澤 遥香
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.383-384, 2019-02-28

機器間のデータ連携方式を検討する為に家庭用エアコンを題材として、制御用データの検討や、データの収集・分析に取り組んでいる。連携するデバイスとして、家庭用エアコン、スマートフォン、スマートウォッチ、センサー類を用意し、ユーザが快適に過ごせる環境を維持するように家庭用エアコンを制御することを目的に各種データを収集・分析し、自動運転する方式を検討した。制御プログラムを試作・評価した結果、ネットワークやセキュリティにおいてプロトコル等のバージョン間の互換性を考慮する必要があることなどの知見が得られた。今後、これら知見を活用し、様々な家電製品を含む機器連携における動作の仕組み作りに取り組む。
著者
田中 愛子 関 太輔 落合 宏 田澤 賢次
出版者
富山医科薬科大学看護学会
雑誌
富山医科薬科大学看護学会誌 (ISSN:13441434)
巻号頁・発行日
no.2, pp.49-58, 1999-03

消毒剤の皮膚刺激性を成人30名の前腕の皮膚を用いて検討した.臨床で繁用される消毒剤の調査結果をもとに, ポビドンヨード製剤(PVP-1), 日局消毒用エタノール(EtOH), グルコン酸クロルヘキシジン製剤(CHG), およびチオ硫酸ナトリウム製剤(STS)を選択し, 対照群として生理的食塩水(SCI)を用いた.消毒剤塗布部に加え無処理の皮膚において, 単回及び一週間の連続使用後の皮膚表面のpH, 角質水分量, 経表皮水分喪失量, 皮表皮脂量の生理機能の変化を多角的に検討し, 皮膚刺激の調査も加えた.健康な皮膚の表面はpH5.5~7.0であり, 今回使用した消毒剤のうちPVP-I, CHGの塗布部では低値を示し, STSの塗布部では高値を示していたが, pHはいずれにおいても生理的中性範囲内に留まり, 消毒剤の刺激に対する皮膚の緩衝作用が有効に働いていた.肉眼的皮膚刺激, 皮表皮脂量は, どの薬剤も有意差は認められなかったが, 消毒剤一週間連続使用後のPVP-I, EtOH, CHG塗布部においては, 角質水分量が低値を示し, 皮膚刺激が長期にわたると角質水分保持能が低下する可能性が示唆された.
著者
田澤 安弘
出版者
心の諸問題考究会
雑誌
心の諸問題論叢
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.61-69, 2004

幅広い領域の研究者からコメントを受けることによって、この論文を様々な角度から見直すことができた。多くの糧を受け取ったような気がする。今後も、古い定説を超えた考え方を実践できるように自分を鍛え、ロールシャッハ・テストに関する新たな考え方を提示できるよう努力したい。
著者
藤原 俊義 黒田 新士 吉田 龍一 田澤 大
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では、テロメラーゼ依存性アデノウイルスOBP-301(Telomelysin)に多機能がん抑制遺伝子であるp53を搭載した次世代型武装化ウイルス製剤 OBP-702(Pfifteloxin)の膵癌間質細胞による免疫抑制機構への効果を検証し、臨床試験用ロットの大量製造が進む本製剤の難治性膵癌を対象とした実用化を目指す。特に、がん関連線維芽細胞(cancer-associated fibroblast; CAF)の免疫抑制分子であるTGF-β発現調節や免疫活性化に繋がるPTENがん抑制遺伝子の膵癌細胞での発現調節に着目してin vitroおよびin vivoでの解析を進める。
著者
田澤 実 梅崎 修
出版者
法政大学キャリアデザイン学会
雑誌
生涯学習とキャリアデザイン = Lifelong Learning and Career Studies (ISSN:13493051)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.89-94, 2020-11

The purpose of this study was to investigate the relationship between university students' time orientation at the start of their job hunting and the acquisition of job offers. A total of 2,971 third-year university students who were monitors on a job search website, responded to the question of their time orientation at the start of their job search and whether they received a job offer. Similar to the procedures of previous studies, time orientation was classified into five types: Positive Future Orientation, Positive Present Orientation, Negative Future Orientation, Negative Present Orientation, and Past Orientation. The results showed that the positive present-oriented job hunters were more likely to get job offers. It was also found that those who were negatively present-oriented at the beginning of their job search were not offered job offers.
著者
田澤 和子 白川 真一 長尾 智晴
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.800-809, 2008-10-15
参考文献数
24

従来の神経回路網では,与えられた問題に応じて階層型や相互結合型などの基本構造を選択し,対応する学習方法を用いて結合荷重やしきい値を調整するのが一般的である.しかし,あらかじめ選択した構造で,与えられた問題を必ず解けるとは限らない.そこで,遺伝的アルゴリズム(GA)を用いて,任意性が高く未知の問題に柔軟に対応できる神経回路網の獲得を可能とするFlexibly Connected Neural Network(FCN)が提案されている.FCNはエイリアス問題を含むエージェントの行動制御などで有効性を示している.しかし,従来のFCNでは中間ユニットの個数は経験的に決定していた.あらかじめ与えた中間ユニットの個数が適切な場合は問題を解くことができるが,中間ユニット数が足りなければ問題の解は得られず,多過ぎると冗長な部分が増え最適化が困難になるという問題点があった.本論文では,FCNに進化過程で中間ユニット数を増減させる拡張を導入する.本手法は,中間ユニット数を進化によって自動的に決定するため,中間ユニットの個数に対する試行錯誤を必要としない.このユニット数自動決定型FCNを,静的環境での未学習マップにおけるエージェントの行動制御を扱うタルタロス問題に適用し,有効性を示すとともに,獲得した構造による行動規則の解析結果について述べる.
著者
高宮 彰紘 田澤 雄基 工藤 弘毅 岸本 泰士郎
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.15-23, 2019-01-01

精神科診断は主に患者の訴える症状をもとに行われており,脳画像などの生物学的な検査は診断補助ではなく器質性疾患の除外目的で行われることが多い。近年は主に機械学習といった人工知能技術を脳画像検査に応用し,精神疾患の診断や治療反応に用いるための研究が行われている。人工知能技術は,個別の症例の診断補助となり得るうえ,精神疾患の病態解明に寄与する可能性がある。
著者
阿部 洋太 武井 健児 高橋 和宏 山本 敦史 長谷川 信 田澤 昌之 白倉 賢二
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】胸郭出口症候群(TOS)は,胸郭出口において腕神経叢または鎖骨下/腋窩動静脈が圧迫あるいは牽引されて生じる病態の総称である。TOSのリハビリテーションに際しては圧迫型・牽引型・混合型といった病態の把握とともに,斜角筋間三角・肋鎖間隙・小胸筋深部といった症状誘発部位の鑑別が必要とされる。鑑別方法としてAdson test,Eden test,Wright testといった脈管圧迫テスト(テスト)があり,これらは本邦におけるTOS診断に際して用いられている。現在のTOS病態の理解では,神経原性の牽引型が9割を占めるとされており,圧迫型においても血管原性は希であるとされているため,上記のテストは血管と同時に圧迫を被る腕神経叢の圧迫症状を推測するものとして使用される。しかし,テスト時の症状としては痺れなどの神経性の症状に伴い,脈拍減弱や色調変化といったいわゆる血管性の症状も出現しており,どの部位で何が圧迫を受けているのかという点とそのときの症状の関連性には不明な点が多い。我々はテスト実施時の血管の状況をリアルタイムで確認出来る超音波診断装置に着目し,その有用性を検討してきた。そこで本研究では,超音波診断装置より得られる各テスト時の血管面積の変化と,その際の症状との関連性を検討し,TOSにおける脈管圧迫テストの在り方を再考することを目的とした。【方法】被験者は日常生活においてTOS症状を有さない健常成人9名とした。測定には超音波診断装置(MyLab 25,日立メディコ社製)を用いた。測定部位は斜角筋間三角,肋鎖間隙,小胸筋深部の3箇所とし,1)上肢下垂時,2)Adson test時(頸部最大後屈+検査側回旋位,最大吸気位),3)Eden test時(両肩関節軽度伸展,両肩甲骨最大下制+内転+後傾位),4)Wright test時(肩関節90°及び130°外転位)のそれぞれにおいて,各箇所の血管面積を計測した。また,各測定時に出現したTOS症状の部位及び性質を聴取するとともに,脈拍及び指尖の色調を確認した。統計学的解析にはWilcoxonの符号付順位検定を用い,上肢下垂位と各テスト時の血管面積を部位ごとに比較した。【倫理的配慮,説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言に沿った研究であり,群馬大学臨床研究倫理委員会の承認を得て実施した。また,対象者全員に本研究について文書と口頭にて十分な説明を行い,同意を得た後に測定を行った。【結果】上肢下垂位と比較し,Adson test時では全ての部位において有意に血管面積が減少していた。Eden test時では,肋鎖間隙において有意に血管面積が減少していた。Wright test時では,全ての部位において有意に血管面積が減少していた。各測定時のTOS症状出現状況は,Adson test時が1名,Eden test時が3名,Wright test時が6名であり,その部位は上腕内側及び外側が1名ずつ,手掌全体が1名,残り7名が第2指尖から第5指尖のいずれか複数部位であり,症状の性質は全員が痺れやだるさであった。なお,症状出現者全てにおいて,脈拍減弱が確認された。【考察】Adson testでは全ての部位において有意な血管狭窄が生じていたものの,症状出現者は1名であった。このテストは,深呼吸に起因する全身の循環動態と神経反射により生ずる一過性の血流低下が大きく関与するため,血管圧迫の意味合いは少なく,診断に際する特異度も高いことが明らかとされている。本研究においても同様のメカニズムが血管面積に関与し,同様の症状出現状況であったと考えられる。Wright testでは全ての部位において有意な血管狭窄が生じ,症状出現者も6名と最も多く,多彩な部位に痺れが誘発されていた。先行研究ではWright testによる肋鎖間隙での有意な血管狭窄がすでに報告されており,本研究結果とは異なる傾向となった。そのため圧迫部位は定かでないが,症状としては,第4及び第5指尖を筆頭に,上腕内側及び外側や手掌全体など様々な部位に出現しており,対象者によって異なる高位の腕神経叢神経幹部が血管と同時に圧迫を被ったと考えられる。Eden testに関して,本研究では肋鎖間隙においてのみ有意な血管狭窄が生じていた。肋鎖間隙では鎖骨下動静脈が腕神経叢よりも後下方を走行しているという解剖学的特徴があるため,血管よりも神経の圧迫が先行すると報告されているが,本研究では痺れやだるさといった症状に加え,指尖の色調が暗赤色に変化するといった静脈圧迫性の症状が出現しており,神経性及び血管性の所見が複合する結果であった。【理学療法学研究としての意義】本研究のようなデータの蓄積は各テストの特徴を明らかにし,TOSの病態解明の一助となるとともに,超音波診断装置のTOS評価としての有用性など,様々な点でリハビリテーションへの応用が可能である。
著者
佐々木 剛 田澤 大 長谷井 嬢 国定 俊之 吉田 晶 橋本 悠里 矢野 修也 吉田 亮介 宇野 太 香川 俊輔 森本 裕樹 浦田 泰生 藤原 俊義 尾﨑 敏文
出版者
岡山医学会
雑誌
岡山医学会雑誌 (ISSN:00301558)
巻号頁・発行日
vol.124, no.2, pp.105-110, 2012-08-01 (Released:2012-09-03)
参考文献数
15

骨・軟部肉腫は, 一部に治療抵抗性で予後の悪い症例が存在するため, 新たな治療法の確立が重要な課題である. 我々は, 5型アデノウイルスを基本骨格として, テロメラーゼ活性に依存して増殖する腫瘍融解ウイルス(OBP-301)や, coxsackie and adenovirus receptor(CAR)陰性の腫瘍細胞に感染するファイバー改変型ウイルス(OBP-405)を用い, 骨・軟部肉腫細胞に対する抗腫瘍効果を検討した. 14種類の骨・軟部肉腫細胞株に対してOBP-301の細胞障害活性を検討し, 12種類の細胞株でOBP-301に感受性を認めた. また, OBP-301の細胞障害活性はCARの発現と相関していた. さらに, テロメラーゼ活性の低い細胞に対しても, 5型アデノウイルスの複製に必須のE1Aによりテロメラーゼ活性の増強効果がおこり, 強い抗腫瘍活性を示すことを明らかにした. 次に, 骨肉腫脛骨同所性移植動物モデルを作成しOBP-301を投与したところ, OBP-301投与群では対象群と比べて有意に腫瘍増殖を抑制した. 最後に, OBP-301に感受性を認めなかったCAR陰性細胞株に対してOBP-405を用いて検討し, OBP-405が有効に作用することを確認した. OBP-301やOBP-405を用いたウイルス療法は, 骨・軟部肉腫に対する新たな治療法となる可能性がある.
著者
田澤 実 梅崎 修
出版者
法政大学キャリアデザイン学会
雑誌
生涯学習とキャリアデザイン = Lifelong Learning and Career Studies (ISSN:13493051)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.37-46, 2020-03

The purpose of this study was to clarify the effect of College Life Perspective and Motives for Continuing Education at a University on Career consciousness. A questionnaire survey was conducted on 2,229 university 3rd year students who are looking for a job, asking them about how they spend their university life, their reasons for going to university, and their career consciousness. Multiple regression analysis was carried out using career consciousness as an explained variable and College Life Perspective and Motives for Continuing Education at a University as explanatory variables. In general, more time spent on extracurricular study and reading had a positive impact on career action, and more time spent on games and comics had a negative impact on career action and vision. More time spent with friends and circles had a positive impact only on career actions. In addition, the perception that they entered university without any purpose had a negative impact on the actions and visions of their careers. Finally, consideration is given from the viewpoint of career education.
著者
田澤 一二 阿部 利徳 笹原 健夫
出版者
日本植物細胞分子生物学会
雑誌
植物組織培養 = Plant tissue culture letters (ISSN:02895773)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.7-14, 1996-04-01
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

本研究では, シオデの節間由来のプロトコーム様体 (PLB) を液体培養することによって大量に形成させ, シオデの大量増殖を可能にした. すなわち, NAAを含む液体培地でシオデのPLBを液体振盈培養することによって, 1個のPLBから大量のPLB (クラスター) を形成させ, これらが幼芽に生長したのち, 一定期間の前培養を行い, ホルモン・フリーの固体培地に移植して発根させ, 大量の植物体を順化させた.<br>さらに, 液体培養したPLB-クラスターから人為的に切り取ったPLBを再度液体培地に移植した. この二次増殖系では, ホルモン・フリーの固体培地に移植することによってより多くのPLB-クラスターおよび幼芽・幼根が形成された. この手法によって, 多循環的にPLB-クラスターおよび植物体の再生・増殖が可能となった.<br>なお, 固体培地と異なり, 液体培地は褐変し, PLBおよびクラスターも褐変し枯死する結果となった. また, 褐変とともに液体培地のpHが低下した. この褐変とpHの低下は, 液体培地を2ないし3日間隔で新鮮培地で交換することによって緩和することができた.