著者
藤井 正美 石丸 泰隆 高橋 幸広 惠上 博文 西田 秀樹 岡 紳爾 調 恒明
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.62, no.10, pp.609-616, 2015 (Released:2015-11-25)
参考文献数
16
被引用文献数
1

目的 てんかんは人口の約 1%を占める決して珍しくない病気であり,近年,高齢化とともにてんかん患者が増加している。また就学,就労,運転免許などの社会生活面や障がい者福祉などでも患者は多くの問題を抱えている。しかしてんかん患者の抱える問題が地域保健行政に十分理解されているとは言い難く,医療・介護・福祉の連携体制の不備も指摘されている。そこで,てんかんに関する地域保健活動の実態を把握し,今後の支援体制や啓発活動に活用することを目的に全国保健所を対象に実態調査を行なった。方法 全国490か所の保健所を対象にてんかんの地域保健支援体制に関するアンケートを実施した。方法は自記式調査票を保健所に郵送,担当保健師 1 人が代表して回答・返送する形式とし,平成26年 9~10月に実施した。調査内容は保健所で受けたてんかんに関する相談の有無および内容,研修会等実施の有無,保健所で扱う難病および感染性疾患の研修との対比等とした。結果 全国347保健所から回答を得た(回収率71%)。内訳は都道府県型保健所(県型)263か所(72%),指定都市・中核市・政令市・特別区保健所(市型)84か所(67%)であった。保健師がてんかんに関する相談を受けた経験は73%(県型69%,市型88%)であり,市型に多かったが(P<0.01),適切に対応できるという回答はわずか10%であった(県型,市型で差はなし)。相談の内容は医療機関,症状・将来の不安が多かった。保健師が把握している研修会の開催は専門職,住民対象がともに 8%であり,県型(専門職,住民ともに 5%)に比べ市型(専門職17%,住民18%)で多く開催されていた(P<0.01)。またこの割合は他の保健所が扱う疾患の研修会(21%~70%)と比べ有意に少なかった(P<0.01)。てんかんについての知識は保健師の76%が必要と考え,60%は研修会があれば参加したいと回答した。結論 多くの保健所保健師はてんかんに関する相談を受けている反面,適切には回答できていないと感じている。またてんかんの知識は必要と感じているが,研修等を通して知識の修得ができない境遇にある。これらの結果を踏まえ,今後はてんかん学会・協会,医師会,医療機関等が行政と恊働し,てんかんの啓発活動を地域保健に取り入れることが重要である。さらに都道府県単位に包括的高度専門てんかんセンター等を設置し,行政保健師や介護・福祉・教育等専門職が情報収集のできる環境整備が望まれる。
著者
白石 直 渡壁 壽人 佐郷 ひろみ 中村 友道 石谷 嘉英 此村 守 山口 彰 藤井 正
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2004, no.7, pp.103-104, 2004-09-04

A flow-induced vibration test facility that simulates a hot leg piping of the Japanese sodium-cooled fast reactor (JSFR) with 1/3 scale is used to investigate the flow pattern and pressure fluctuations of the pipe. As the observation of flow pattern, the velocity distributions measured by LDV show the flow pattern is independent of Reynolds number at high Reynolds number. The maximum velocity is about 15 times the mean velocity in the elbow. A statistical analysis of the pressure fluctuations in a separation region shows the power spectrum is of white noise up to 20Hz, the autocorrelation sharply drops to zero less than 1 sec of time interval and the probability density distribution figures almost the Gaussian distribution, excepting its flatness-3 is 3.
著者
山下 博樹 藤井 正 伊藤 悟 香川 貴志
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

平成16〜17年度の2年間における本研究課題では、リバブル・シティとしての評価が高いカナダ・バンクーバーとオーストラリア・メルボルンにおける公共交通網を基軸とした都市圈整備に関する現地調査を実施し、わが国における都市圈整備の方向性を検討することを目的とした。その研究成果の概要は、次の通りである。1.バンクーバー都市圈では、1970年代からの取り組みをベースにしたGVRDによる"Livable RegionStrategic Plan"を基に、公共交通網の再整備と結びついたコンパタトで高密度な街づくりが郊外タウンセンターで実践され、利便性の高い日常生活拠点として整備されている。2.メルボルン都市圈では、1990年代から取り組んできた市街地拡教化防止のための土地利用規制に加えて、2002年に第定されだMelbourne 2030"による持続可能な都市圈整備の取り組みがスタートし、郊外のディストリクト・センターを中心に公共交通でもアクセズ可能で、多様な機能集積による利便性の高い中心地形成が進められている。3.これらの両都市圈での詳細な土地利用調査や公共交通網整備の状況などから、21世紀の持続可能な都市整備方針としてのリバブル・シティの特性の一端を明らかにすることができた。4.わが国でのリバブル・シティ形成の可能性は、東京、大阪など公共交通網の発達した大都市部では高い実現性を有するが、反面、過密な人口密度などによる弊害をどのように緩和するか等の新たな課題が生じる。地方都市部では、低い人口密度とモータリゼーションにより、持続可能な市街地整備の必要性が一層高まっているが、その状況はむしろ悪化しつつある。高齢化の進展などに対応したバリアフリー化などの視点からの再整備が有効であると考えられる。
著者
西園 昌久 高橋 流里子 対馬 節子 松永 智子 福屋 靖子 土屋 滋 大貫 稔 高橋 美智 浅野 ふみぢ 小松崎 房枝 鈴木 小津江 平山 清武 中田 福市 鈴木 信 壁島 あや子 名嘉 幸一 鵜飼 照喜 福永 康継 浪川 昭子 高田 みつ子 岩渕 勉 森脇 浩一 加藤 謙二 早川 邦弘 森岡 信行 津田 司 平野 寛 渡辺 洋一郎 伴 信太郎 木戸 友幸 木下 清二 山田 寛保 福原 俊一 北井 暁子 小泉 俊三 今中 孝信 柏原 貞夫 渡辺 晃 俣野 一郎 村上 穆 柴崎 信吾 加畑 治 西崎 統 大宮 彬男 岩崎 徹也 奥宮 暁子 鈴木 妙 貝森 則子 大橋 ミツ 川井 浩 石川 友衛 加世田 正和 宮澤 多恵子 古賀 知行 西川 眞八 桜井 勇 三宅 史郎 北野 周作 竹洞 勝 北郷 朝衛 橋本 信也 斉藤 宣彦 石田 清 畑尾 正彦 平川 顕名 山本 浩司 庄村 東洋 島田 恒治 前川 喜平 久保 浩一 鈴木 勝 今中 雄一 木内 貴弘 朝倉 由加利 荻原 典和 若松 弘之 石崎 達郎 後藤 敏 田中 智之 小林 泰一郎 宮下 政子 飯田 年保 奥山 尚 中川 米造 永田 勝太郎 池見 酉次郎 村山 良介 河野 友信 G. S. Wagner 伊藤 幸郎 中村 多恵子 内田 玲子 永留 てる子 石原 敏子 河原 照子 石原 満子 平山 正実 中野 康平 鴨下 重彦 大道 久 中村 晃 倉光 秀麿 織畑 秀夫 鈴木 忠 馬渕 原吾 木村 恒人 大地 哲郎 宮崎 保 松嶋 喬 桜田 恵右 西尾 利一 森 忠三 宮森 正 奥野 正孝 江尻 崇 前沢 政次 大川 藤夫 関口 忠司 吉新 通康 岡田 正資 池田 博 釜野 安昭 高畠 由隆 高山 千史 吉村 望 小田 利通 川崎 孝一 堀 原一 山根 至二 小森 亮 小林 建一 田中 直樹 国府田 守雄 高橋 宣胖 島田 甚五郎 丸地 信弘 松田 正己 永井 友二郎 向平 淳 中嶌 義麿 鎮西 忠信 岡田 究 赤澤 淳平 大西 勝也 後藤 淳郎 下浦 範輔 上田 武 川西 正広 山室 隆夫 岡部 保 鳥居 有人 日向野 晃一 田宮 幸一 菅野 二郎 黒川 一郎 恩村 雄太 青木 高志 宮田 亮 高野 純一 藤井 正三 武内 恵輔 南須原 浩一 佐々木 亨 浜向 賢司 本田 麺康 中川 昌一 小松 作蔵 東 匡伸 小野寺 壮吉 土谷 茂樹 岡 国臣 那須 郁夫 有田 清三郎 斎藤 泰一 清水 強 真島 英信 村岡 亮 梅田 典嗣 下条 ゑみ 松枝 啓 林 茂樹 森 一博 星野 恵津夫 正田 良介 黒沢 進 大和 滋 丸山 稔之 織田 敏次 千先 康二 田中 勧 瓜生田 曜造 尾形 利郎 細田 四郎 上田 智 尾島 昭次 大鐘 稔彦 小倉 脩 林 博史 島 澄夫 小池 晃 笹岡 俊邦 磯村 孝二 岩崎 栄 鈴木 荘一 吉崎 正義 平田 耕造
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.145-173, 1984-06-25 (Released:2011-08-11)
著者
土屋 剛史 八木 貴博 塚本 充雄 福島 慶久 島田 竜 岡本 耕一 藤井 正一 野澤 慶次郎 松田 圭二 石田 剛 斉藤 光次 橋口 陽二郎
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.374-378, 2016 (Released:2016-06-24)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

症例は50歳,女性.検診で上部消化管造影検査施行後7日目に,急激な腹痛が出現した.前医に緊急入院となったが,排便なく,貧血の進行も認めたため,当院へ転院となった.腹部CT検査で,S状結腸周囲に腹腔内遊離ガス像と,腸管外へのバリウムの漏出を認めた.また,骨盤底には強いアーチファクトを引く巨大なバリウム陰影を認めた.下部消化管穿孔疑いにて,同日緊急手術を施行した.術中所見では,S状結腸の腸間膜側へ穿孔を起こしており,同部では壊死性の変化を伴っていた.また,直腸内には鶏卵大の硬い異物を触知した.ハルトマン手術,腹腔ドレナージを施行した.直腸内異物を用手的に肛門から排出させると,バリウム塊であった.標本上は,34mm大の穿孔部を認めた以外,憩室や腫瘍性病変は指摘できなかった.バリウムによる上部消化管造影検査後の大腸穿孔はまれであるが,重篤な転帰をとる場合もあるため,若干の文献的考察を加えて報告する.
著者
藤田 朗 後藤 武 藤井 正昭 百武 ひろ子 久米 由美 豊田 晶子 岡田 曜子 高 美玲
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究論文集 (ISSN:18802702)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.67-77, 2005 (Released:2018-01-31)

本研究は,固有の地域文化を活用して地域再活性化を図るには,どのようなアプローチが有効であるかを考察することを目的としている。筆者らは,典型的な密集市街地である墨田区京島および横浜市鶴見区において,地域文化の使い方に関わる「まちの家」および「鶴見スタジオ」プロジェクトを実践してきた。それらを調査対象とし,そのプロセスや成果を「文化政策」「空間化」の観点から分析することを研究の方法としている。地域資源として見出された「長屋」「レストラン」「公共空間」「社会関係資本」といった要素を文化政策として扱っていくには,「空間の読解可能性」が重要な要件であることがわかった。
著者
藤井 正
出版者
地理科学学会
雑誌
地理科学 (ISSN:02864886)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.166-175, 2016-09-28 (Released:2018-03-28)
参考文献数
28
被引用文献数
1
著者
藤井 正希
出版者
早稲田大学大学院 社会科学研究科
雑誌
社学研論集 (ISSN:13480790)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.152-167, 2006-03-25

論文
著者
山上 隆正 藤井 正美 西村 純 村上 浩之 平島 洋 奥平 清昭 梶原 正男 小玉 正弘
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.p901-920, 1977-09

トンプソン(地磁気緯度66.9゜N)でオーロラX線の気球観測を1975年4月8日UT,9日UTに行った.観測装置としては天頂方向を向いた全視野角70°のNaI(TI)カウンタ,天頂角17.5°に傾いた全視野角35゜のNaI(TI)カウンタ,および天頂方向で10°のtransmission hand幅をもったmodulation colhmator付きNaI(TI)カウンタを用いた X線のエネルギー範囲は15~85KeVである. カウンタをとりつけたゴンドラを3 rpmで回転させ,方位角をGAで測定した.ノマックグラウンドX線の10~10^4倍に達する活発なオーロラX線バーストを多数回観測した.特に4月9日UTの観測ではLTで真夜中頃,特長あるオーロラX線バーストの2 eventsが観測され,それらのeventsの詳しい解析が行われた.0532 UTに観測したeventでは直経20 kmのオーロラX線源が16秒間,2km s^<-1>の速さで北西から南東に移動した.もう一つのeventでは0613 UTから2分間にわたって真南の方向からのオーロラX線を観測した.この場合は,オーロラX線源として円板型とarc型の二通りのモデルを仮定してsimulation計算を行い,観測と比較しオーロラX線源の方向と大きさをきめた.資料番号: SA0124790000
著者
西園 昌久 高橋 流里子 対馬 節子 松永 智子 福屋 靖子 土屋 滋 大貫 稔 高橋 美智 浅野 ふみぢ 小松崎 房枝 鈴木 小津江 平山 清武 中田 福市 鈴木 信 壁島 あや子 名嘉 幸一 鵜飼 照喜 福永 康継 浪川 昭子 高田 みつ子 岩渕 勉 森脇 浩一 加藤 謙二 早川 邦弘 森岡 信行 津田 司 平野 寛 渡辺 洋一郎 伴 信太郎 木戸 友幸 木下 清二 山田 寛保 福原 俊一 北井 暁子 小泉 俊三 今中 孝信 柏原 貞夫 渡辺 晃 俣野 一郎 村上 穆 柴崎 信吾 加畑 治 西崎 統 大宮 彬男 岩崎 徹也 奥宮 暁子 鈴木 妙 貝森 則子 大橋 ミツ 川井 浩 石川 友衛 加世田 正和 宮澤 多恵子 古賀 知行 西川 眞八 桜井 勇 三宅 史郎 北野 周作 竹洞 勝 北郷 朝衛 橋本 信也 斉藤 宣彦 石田 清 畑尾 正彦 平川 顕名 山本 浩司 庄村 東洋 島田 恒治 前川 喜平 久保 浩一 鈴木 勝 今中 雄一 木内 貴弘 朝倉 由加利 荻原 典和 若松 弘之 石崎 達郎 後藤 敏 田中 智之 小林 泰一郎 宮下 政子 飯田 年保 奥山 尚 中川 米造 永田 勝太郎 池見 酉次郎 村山 良介 河野 友信 Wagner G. S. 伊藤 幸郎 中村 多恵子 内田 玲子 永留 てる子 石原 敏子 河原 照子 石原 満子 平山 正実 中野 康平 鴨下 重彦 大道 久 中村 晃 倉光 秀麿 織畑 秀夫 鈴木 忠 馬渕 原吾 木村 恒人 大地 哲郎 宮崎 保 松嶋 喬 桜田 恵右 西尾 利一 森 忠三 宮森 正 奥野 正孝 江尻 崇 前沢 政次 大川 藤夫 関口 忠司 吉新 通康 岡田 正資 池田 博 釜野 安昭 高畠 由隆 高山 千史 吉村 望 小田 利通 川崎 孝一 堀 原一 山根 至二 小森 亮 小林 建一 田中 直樹 国府田 守雄 高橋 宣胖 島田 甚五郎 丸地 信弘 松田 正己 永井 友二郎 向平 淳 中嶌 義麿 鎮西 忠信 岡田 究 赤澤 淳平 大西 勝也 後藤 淳郎 下浦 範輔 上田 武 川西 正広 山室 隆夫 岡部 保 鳥居 有人 日向野 晃一 田宮 幸一 菅野 二郎 黒川 一郎 恩村 雄太 青木 高志 宮田 亮 高野 純一 藤井 正三 武内 恵輔 南須原 浩一 佐々木 亨 浜向 賢司 本田 麺康 中川 昌一 小松 作蔵 東 匡伸 小野寺 壮吉 土谷 茂樹 岡 国臣 那須 郁夫 有田 清三郎 斎藤 泰一 清水 強 真島 英信 村岡 亮 梅田 典嗣 下条 ゑみ 松枝 啓 林 茂樹 森 一博 星野 恵津夫 正田 良介 黒沢 進 大和 滋 丸山 稔之 織田 敏次 千先 康二 田中 勧 瓜生田 曜造 尾形 利郎 細田 四郎 上田 智 尾島 昭次 大鐘 稔彦 小倉 脩 林 博史 島 澄夫 小池 晃 笹岡 俊邦 磯村 孝二 岩崎 栄 鈴木 荘一 吉崎 正義 平田 耕造
出版者
Japan Society for Medical Education
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.145-173, 1984
著者
藤井 正徳
出版者
京都薬科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は,脳ニューロステロイドであるアロプレグナノロン(ALLO)とアトピー性皮膚炎における痒みとの関係を明らかにし,新規掻痒治療薬ターゲットを創出することである。特殊飼料給餌によりアトピー性皮膚炎様症状を発症したマウスにALLOを全身投与すると掻痒様行動が顕著に増加した。このALLO誘発掻痒には,脳内GABAA受容体機能亢進作用が関与することを明らかにした。また,ALLO合成酵素阻害薬finarsterideの投与によりエタノール誘発性掻痒が抑制されたことから,内因性に産生されたALLOが痒みを誘発する可能性が示された。
著者
藤井 正子 Fujii Masako 小豆澤 史絵 Azukisawa Fumie
出版者
神奈川大学大学院法務研究科
雑誌
神奈川ロージャーナル
巻号頁・発行日
vol.2, pp.107-108, 2009-09-30

マルコス政権下における拷問等の被害者らの損害賠償請求を認めたアメリカの裁判所の判決の執行を求めた訴訟において、訴訟費用の決定に8年の歳月を費やしたことが規約違反に当たると判断した事例。<連載>国際人権先例紹介(2)
著者
藤井 正人 神崎 仁 大築 淳一 小川 浩司 磯貝 豊 大塚 護 猪狩 武詔 鈴木 理文 吉田 昭男 坂本 裕 川浦 光弘 加納 滋 井上 貴博 行木 英生
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.225-231, 1994-03-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
8

セフポドキシムプロキセチル (CPDX-PRバナン錠®) は三共株式会社が開発した経口用セフェム系抗生物質で広範囲な抗菌スペクトルムを有するのが特色である. 今回, われわれは耳鼻咽喉科領域の感染症に対する有効性と安全性を検討した. 166症例に対して CPDX-PRを症状に応じて一日200mgないし400mg分2投与を4日以上最大14日間投与した。著効が51例, 30.7%にみられ, 有効例は68例, 41.0%にみられた. 疾患別では急性扁桃炎と急性副鼻腔炎が高い著効率を示した. 慢性中耳炎の急性増悪, 急性咽頭炎では高投与量で良好な効果を示した. 自覚的症状の改善度では, 咽頭痛の改善が良好な結果であつた. 投与前後の細菌検査を行つた20例30株では菌消失率では77%と良好な結果であつた. 副作用は1例に発疹が見られたのみであつた. 以上よりCPDX-PR は耳鼻咽喉科感染症に対して高い有効率と安全性を示すと考えられた.
著者
俣野 和夫 細野 恭平 藤井 正美
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.68-72, 1995-03-28 (Released:2017-12-01)
参考文献数
10

CO2 is a food additive that has been listed in "THE JAPANESE STANDARDS FOR FOOD ADDITIVES" since its first edition. According to the questionnaire research conducted by the Ministry of Health and Welfare regarding domestic and imported CO2, a total of 120,000 tons of food grade CO2 from 25 companies was shipped in Japan during 1993. Based on this figure, I think it is necessary to examine how muchCO2 is currently used and to calculate the per capita and per diem Japanese intake, as one of the basic food additives. The atmosphere is composed of 0.035% CO2. Also, various alcohlic beverages such as beer and foamy liqueurs contain CO2, which is produced during the fermentation and manufacturing process. It is a basic component of food and drink. Therefore, we must inspect the various aspects of CO2 when we examine its daily intake. In studying the use of additives which are regarded as company confidential know-how, it is a general procedure to conduct a hearing to determine the production statistics of the food in question. From these studies, we obtained the following estimated breakdown of CO2 that was shipped as food additive: 70,000 to 75,000 tons for airtight rooms and pouches to prevent the oxidation of foods. In the aforementioned types of use, CO2 dissipates immediately after it serves its purpose and is irrelevant to human intake. Also, the quality of food grade CO2 is high and it is often used in other fields such as medicine, research, and foam plastics. The total for these uses is estimated to be approximately 10,000 tons. The human intake of CO2 is mainly attributed to carbonated drinks. According to a industry source, 18,115 tons of CO2 is used in carbonated drinks and 20% of the gas dissipates when the containers are opened. In order to estimate the accumulated amount of CO2 in food, we assumed the following figures for the calculation purpose: 1,200 tons for the CO2 content of beer; 876 tons of CO2 content of canned "chuhai" (Japanese distilled spirit) and foamy liqueurs; and the 20% CO2 loss when the containers are opened. Based on the above assumption, we estimated the per capita and per diem intake of CO2 as food additive in Japan to be 373mg based on Japan's 1993 population. We used only those 20 years of age and older because of prohibition of minors from drinking. As for CO2 as a food component, beer is the largest contribution. Based on the amount of beer and the shipped CO2 content, we estimated the per diem and per capita figure of 943mg. The daily consumption of CO2 is 12,040mg, which is more than ten times larger than the aforementioned intake from foods. This is because we ihnale air that contains 0.035% CO2. As for the respiratory amount, we assumed the per diem and per capita figure of 17.5m3 as an average of man and woman. From this viewpoint, we found that the per capita and per diem CO2 intake of a Japanese is 13,356mg in total. However, this figure is extremely small in comparison to approximately 900g of CO2 that is contained in human expiration. For your reference, 456 tons of sodium dicarbonate, 88.5 tons of magnesium carbonate, and 38.6 tons of calcium carbonate were shipped in 1990 in Japan as medical and pharmaceutical products. They are used as antacid and produce CO2 in human bodies. The produced amounts of CO2 are 238, 22.3, and 17 tons respectively with the total of 277 tons. If we assume that about 70% of the prescribed doses are taken, it amounts to 194 tons and we can obtain the per capita and per diem figure of 4.3mg.
著者
藤井 正人
出版者
京都大學人文科學研究所
雑誌
人文学報 = Journal of humanities (ISSN:04490274)
巻号頁・発行日
no.115, pp.51-105, 2020

ウパニシャッドは, 古代インドの宗教儀礼文献であるヴェーダの中に現れた一群の哲学書である。その最古のものと考えられるのが, 本稿で取り上げる『ジャイミニーヤ・ウパニシャッド・ブラーフマナ』(Jaiminīya-Upanisad-Brāhmana [JUB])である。ヴェーダ祭式の歌詠部門(サーマ・ヴェーダ)に所属するジャイミニーヤ派の文献として, 祭式歌詠(サーマン)に関する哲学的な思弁を主な内容としている。JUBは, 先行するブラーフマナ文献のように個々の祭式や歌詠を具体的に記述することはほとんどなく, 祭式や歌詠をめぐって, あるいはそれらを離れて, 再生説を含むさまざまな哲学的思弁を展開している。同じくサーマ・ヴェーダ所属のカウトゥマ・ラーナーヤニーヤ派の『チャーンドーギヤ・ウパニシャッド』と, テキストと内容において近い関係にある。ジャイミニイヤ派内ではウパニシャッドとして扱われているが, ヴェーダの学派伝統の外にあってウパニシャッドを聖典として奉じる後世のヴェーダーンタ学派からは, 『ケーナ・ウパニシャッド』の部分(JUB 4.10.1–4 [4.18–21])を除いてウパニシャッドとは見なされなかった。この文献がヴェーダの文献成立史の中で最初のウパニシャッドとしてどのように生まれてきたか, その誕生の全体像を描くことが本稿の目的である。そのために, 以下の論点について順に考察していく。1. この文献は何を中心テーマとしているのか。2. それ以前の文献ではその中心テーマは扱われていたのか, いなかったのか。3. この文献がそれを中心テーマとする背景はなにか。4. この文献はその中心テーマからどのような思想を展開したのか。5. この文献を作り出したのがなぜこの学派(ジャイミニーヤ派)であったのか。6. この文献を最初のウパニシャッドと見なしうる根拠は何か。The Upanis. ads are philosophical texts produced in the Veda, a huge complex of ancient Indian ritual texts. The Jaiminīya-Upanis. ad-Brāhman. a [JUB] is the earliest of the texts which were produced as Upanis. ads in the history of Vedic literature. The JUB as a text belonging to the Jaiminīya school of the Sāmaveda, `the knowledge (veda) of sacred ritual chants (sāman)' has philosophical speculations about the ritual chants as its main contents. Unlike the preceding Brāhman. a texts, this text does not describe the details of the rituals and chants, but extends various philosophies including rebirth theories, in connection with, or apart from, the ritual and chants. It has a close relationship in texts and contents with the Chāndogya-Upanis. ad belonging to the Kauthuma-Rān. āyanīya school of the Sāmaveda. Though the JUB has been treated as an Upanis. ad inside the Jaiminīya school, it has not been acknowledged to be an Upanis. ad proper by the Vedāntins who, being outside the Vedic schools, worship the Upanis. ads as their highest authority, with the exception of the Kena-Upanis. ad portion (JUB 4.10.1–4 [4.18–21]). The purpose of this article is to elucidate the overall picture of the birth of the JUB as the first Upanis. ad in the history of Vedic texts. For this purpose, the following points will be discussed: 1. What is the main theme of the JUB? 2. Is the main theme of the JUB treated in its proceeding texts or not? 3. What is the background for the main theme of the JUB? 4. What kind of philosophies does the JUB develop from the main theme? 5. Why did the Jaiminīya school, not other schools, produce the JUB? 6. What are the gounds and criteria for judging the JUB as the first Upanis. ad?