著者
今木 雅英 三好 保 藤井 正信 勢井 雅子 多田 敏子 中村 武夫 棚田 成紀
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.635-641, 1990-06-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
9
被引用文献数
1

日本人を対象とした穀類の消化吸収率およびエネルギー利用率に関する正確なデータがほとんどないので,これらの値を算出した。対象者は日本人青年男子4名である。7日間の基礎食,それに続いて精白米,小麦粉,そば粉のテスト食品を7日間摂取させた。実験期間中に排泄された糞および尿は全量採取し分析に供した。基礎食期とテスト食期の成分の差によって,消化吸収率およびエネルギー利用率を算出した。以下はその結果である。1) 蛋白質の消化吸収率は,精白米(粒状)89.6±5.0%,小麦粉(粉状)93.4±2.9%,そば粉85.1±2.5%であった。2) 脂質の消化吸収率は,精白米93.6±1.8%,小麦粉70.8±13.5%,そば粉103.1±8.4%であった(脂質は実験食での摂取量が少なかったため誤差も大きかった)。3) 炭水化物の消化吸収率はほとんど100%であった。4) 正味エネルギー利用率は,精白米100.6±1.4%,小麦粉96.5±1.1%,そば粉96.0±1.1%であった。
著者
木之下 博 政安 亮祐 藤井 正浩
出版者
一般社団法人 日本トライボロジー学会
雑誌
トライボロジスト (ISSN:09151168)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.577-585, 2014-09-15 (Released:2018-02-23)
参考文献数
12

It is thought that sandfish skink, living in desert, has scales that have low friction and high wear resistance properties. In previous study, we investigated the tribological properties of sandfish's scales under micro newton loads. It is found that the scales have low adhesion forces, which would lead to the low friction property. In this study, a tribological property of sandfish's scales was investigated under milli newton loads (of 3, 5, 10 mN) to investigate wear resistance property mainly. Tribological tests were also carried out using polytetrafluoroethylene (PTFE) and polyimide (PI) for comparison with the scales. Using a SUJ2 ball with a diameter of 1 mm, wear of sandfish scale was not occurred or much lower than those of PTFE and PI. When wear was not happened for sandfish's scale in the relative low contact pressure, a friction coefficient of the sandfish's scale was lower than those of PI and PTFE. When a tungsten probe with an apex diameter of 5 μm was used in which contact pressure was huge with compare to that using the SUJ2 ball, wears on all samples were observed. In the relative high contact pressure, the friction coefficient of sandfish's scale was higher than that of PI. Under the milli newton loads, the microstructure of the sandfish's scale did not affect its tribological property.
著者
山下 博樹 藤井 正 伊藤 悟
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.125, 2005

1.はじめに 成熟時代を迎えた欧米をはじめとする多くの先進諸国では、20世紀に拡散・肥大化した都市地域をいかに持続可能なかたちに再構成するかが、都市政策の主要テーマのひとつとなりつつある。オーストラリア第2の都市であるメルボルンでもその都市圏の市街地は拡大の一途をたどり、住居・商業施設などの郊外化が進展した。しかし、そのような状況の中、メルボルンが位置するビクトリア州政府は都市圏の無秩序で拡散的な拡大を防ぐために、1970年代より郊外核となるアクティビティ・センターと都心の一体的な整備・開発を行ってきた。本報告では、地域住民の日常的な生活行動と関わりの深いショッピングセンターの立地動向より、メルボルン都市圏の地域構造の一端を明らかにする。さらに、アクティビティ・センター開発の特徴について述べる。2.ショッピングセンターの立地展開 メルボルン都市圏の人口336.7万人(2001年センサス)は、メルボルン市を中心にやや東に偏って分布している。その結果、主要なショッピングセンターの立地もそれに類似した傾向を示している。都市圏内に立地するショッピングセンターは、156カ所でその総売場面積は約255万_m2_である。メルボルン都心部に立地するのは10カ所、約13万_m2_に過ぎず、商業施設立地の郊外化が顕著である。売場面積が8.5万_m2_を超えるスーパーリージョナル型は4カ所、5万_から_8.5万_m2_のメジャーリージョナル型は12カ所となっている。ショッピングセンターの立地は、1970年代以後急速に進められたが、90年代後半よりその新規立地は減少傾向にある。3.アクティビティ・センターの開発 アクティビティ・センターの開発構想は、1970年代にさかのぼる。アクティビティ・センター開発の目的は、鉄道などの公共交通利用を基本とした、小売、サービス、オフィスなどの土地利用のミックス化と就業空間の形成である。その背景には公共交通利用の促進や職住接近などによる持続可能性の高いまちづくりがある。アクティビティ・センター開発の基本的な特徴は次のようにまとめられる。_丸1_アクティビティ・センターの開発は基本的には州が基本方針を立て、各自治体がそれを実行している。_丸2_その財源の確保は、基本的にはケースバイケースである。_丸3_郊外間を結ぶ公共交通は、アクティビティ・センター間をバスで結ぶ形で整備を進めている。_丸4_新規のショッピングセンターの開発は、ゾーニングにより基本的にはアクティビティ・センターへ誘導される。アクティビティ・センター以外へのショッピングセンターの開発などは、各自治体が調整を行っている。_丸5_郊外型の大規模ショッピングセンターもバスなどのアクセスを増やし、公共交通体系の中に位置づけている。 本研究を行うに際し、平成16_から_17年度科学研究費補助金基盤研究(C)(1)「成熟時代における都市圏構造の再編とリバブル・シティの空間構造に関する地理学的研究」(研究代表者:山下博樹)の一部を使用した。メルボルン都市圏における主要シヨッピングセンターの立地 1:メルボルン都心部 2:スーパーリージョナル型(売場面積8.5万_m2_以上)3:メジャーリージョナル型( 〃 5万_から_8.5万_m2_)4:リージョナル型( 〃 3万_から_5万_m2_) 資料:『Shopping Centre Directory Victoria & Tasmania (PROPERTY COUNCIL OF AUSTRALIA 刊)』より作成
著者
酒井 誠 井上 圭一 藤井 正明
出版者
一般社団法人 レーザー学会
雑誌
レーザー研究 (ISSN:03870200)
巻号頁・発行日
vol.37, no.10, pp.729-733, 2009-10-15 (Released:2015-08-04)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

We have developed novel IR super-resolution microscopy combining a laser fl uorescence microscope
著者
松浦 滋男 藤井 正司
出版者
日本複合材料学会
雑誌
日本複合材料学会誌 (ISSN:03852563)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.2-7, 1986-01-15 (Released:2009-08-11)
被引用文献数
1 1
著者
藤井 正
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.2-2, 2004

都市圏は、爆発的に拡大する近代都市空間を把握し整備するための、単核で求心的な構造を有する結節地域概念(中心地とその関係圏という空間的まとまり)である。それに対して近年の日米大都市圏についての構造変化・多核化研究は、新たな機能地域構造を提示しつつある。都市圏は、都市機能の郊外立地とともに多核的な構造へと変化してきた。合衆国ではオフィス中枢をも含む郊外都心も形成され郊外の自立化が指摘された。しかし、各郊外領域間や中心都市との流動は少なくないし、都心群はむしろ機能分担している。日本でも中心都市通勤者数が減少をみるなど、少子高齢化や都市機能の郊外立地、郊外への転入人口の減少などのなかで東京や大阪などの大都市圏という従来の地域構造は転機を迎え、今後の住民の生活行動が問われている。 このように相互流動の展開が見られる都市圏を、本報告では新たな機能地域(相互流動による空間的まとまり)として理解したい。中心都市による単核の求心的な結節地域構造から、郊外への中心機能の立地(分散的多核化)がすすみ、合衆国では機能集積を生み出す集中的多核化によって郊外都心形成もみた。しかしそこでも都心群は機能分担し、領域間ではかなりの相互流動を示す。こうした郊外都心形成には至らないわが国大都市圏でも、郊外間流動が増加する一方、中心都市通勤者も減少を示すようになってきた。そこでは中心都市の強固に見える結節地域構造の下層で展開する分散的多核化により、やはり相互流動の展開する新たな機能地域構造がその重要性を増している。また都市政策面で盛んに主張されるコンパクトシティだが、それらが形成する都市圏(都市地域)全体の構造についても、同様の視角からの検討が今後求められよう。
著者
豊田 正武 伊藤 誉志男 一色 賢司 大西 和夫 加藤 丈夫 神蔵 美枝子 白石 美子 原田 行雄 深澤 喜延 横山 剛 米田 孟弘 平山 佳伸 山本 芳子 藤井 正美 慶田 雅洋
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.489-497, 1983 (Released:2009-11-16)
参考文献数
13
被引用文献数
3 4

1) 1982年11月上旬~中旬に, 厚生省の食品添加物1日摂取量調査方式 (マーケットバスケット方式) に従い, 各種食品を, 東京で大手スーパーより, 東京, 大阪で中堅スーパーより, 仙台, 和歌山, 北九州で中小スーパーより, 札幌, 山梨, 長野, 島根で地元小売店より購入し, 1人1日喫食量に相当する試料量を採取し, 8食品群ごとに集め, 各種食品添加物含量を分析し, 1日摂取量を求めた。2) 48品目の各種食品添加物の10機関の平均1日総摂取量は119.8mgであり, 個々の食品添加物の平均1日摂取量は, プロピレングリコール43mg, ソルビン酸36.3mg, 硝酸35.5mg, 安息香酸1.44mg, グリチルリチン酸1.39mg, サッカリンナトリウム0.91mg, プロピオン酸0.60mg, パラオキシ安息香酸エステル類0.23mg, デヒドロ酢酸0.19mg, 合成着色料0.096mg, 亜硫酸0.073mg, BHT0.023mg, 亜硝酸0.018mg, BHA0.001mgであった。3) 各種食品添加物の1日摂取量のADIに対する割合は, 天然由来も含む硝酸以外0~3%の範囲内にあり, 購入先の規模別では, 地元小売店の食品で保存料, 甘味料が多く, 中堅スーパーでは添加物含量が若干低い傾向が見られた。
著者
藤井 正 伊東 理 伊藤 悟 谷 謙二 堤 純 富田 和昭 豊田 哲也 松原 光也 山下 博樹 山下 宗利 浅川 達人 高木 恒一 谷口 守 山下 潤
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

まず、多核的都市圏構造の研究を整理・展望し、空間的構造の変化に関して社会的メカニズムを含め、地理学と社会学からの分析を行い、同心円的なパターンから地区の社会的特性によるモザイク化、生活空間の縮小の傾向を明らかにした。これは都市整備面では、多核の個性を生かし、公共交通で結合する多核的コンパクトシティ整備を指向するものとなる。こうした整備についても、中心地群の再編等の動向について国際比較研究を展開した。
著者
日野 正輝 富田 和暁 伊東 理 西原 純 村山 祐司 津川 康雄 山崎 健 伊藤 悟 藤井 正 松田 隆典 根田 克彦 千葉 昭彦 寺谷 亮司 山下 宗利 由井 義通 石丸 哲史 香川 貴志 大塚 俊幸 古賀 慎二 豊田 哲也 橋本 雄一 松井 圭介 山田 浩久 山下 博樹 藤塚 吉浩 山下 潤 芳賀 博文 杜 国慶 須田 昌弥 朴 チョン玄 堤 純 伊藤 健司 宮澤 仁 兼子 純 土屋 純 磯田 弦 山神 達也 稲垣 稜 小原 直人 矢部 直人 久保 倫子 小泉 諒 阿部 隆 阿部 和俊 谷 謙二
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

1990年代後半が日本の都市化において時代を画する時期と位置づけられる。これを「ポスト成長都市」の到来と捉えて、持続可能な都市空間の形成に向けた都市地理学の課題を検討した。その結果、 大都市圏における人口の都心回帰、通勤圏の縮小、ライフサイクルからライフスタイルに対応した居住地移動へのシフト、空き家の増大と都心周辺部でのジェントリフィケーションの併進、中心市街地における住環境整備の在り方、市町村合併と地域自治の在り方、今後の都市研究の方向性などが取組むべき課題として特定された。
著者
馬場 優 藤井 正人 加藤 靖正
出版者
奥羽大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

頭頸部扁平上皮癌患者に対する治療の進歩にもかかわらず、その生存率は有意に改善されていない。それゆえ、今回、私はアフリカの食物Mundulea sericea由来の天然物デグエリンの抗腫瘍効果を調査した。デグエリンは舌癌由来細胞株においてEGFで活性化されたAKTを阻害することに伴いアポトーシスを誘導することを示した。また、デグエリンは舌癌由来細胞株においてIGF1R-AKT pathwayを抑制することによりアポトーシスを誘導することを示した。IGF1R-AKT pathwayがEGFR阻害剤耐性機構の一つであると推察されているため、デグエリンがEGFR阻害剤耐性を克服する可能性が示唆された。
著者
楫 靖 杉村 和朗 藤井 正彦 守殿 貞夫 黒田 輝
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

平成15年度は未治療前立腺癌患者5名で協力の同意が得られた.超高磁場MR装置(Signa VH/I3.0T)を用いて,前立腺MRI撮像とMR spectroscopy(MRS)測定を行った.4名で前立腺生検後血腫が残存しており,ヘモジデリンによる磁場不均一化で,MRSでは雑音の多いスペクトルとなった.MRIでも血腫の影響が強かったが,血腫の無い前立腺健常部については導管構造が詳細に描出されており,通常の1.5テスラMR装置の画像よりも細かい構造評価が可能と考えられた.平成16年度は血腫の影響を避けるため生検前患者51名にMR検査を行った.血腫は同定できなかったが,腸管ガス貯留により磁場が乱れ,良質のスペクトルを得られないことがあった.これには検査前夜に下剤を投与することで対応した.スペクトルを解析すると非常に高品質なスペクトルと雑音の多いものが混在していた.対象となった患者の前立腺の体積は大きく全領域を均一に励起できないことが理由と考えられ,現装置の限界であった.質の高いスペクトルが得られたのは,25症例の辺縁域40領域,移行域40領域であった.生検結果と対比させると,MRSで得られた(コリン+クレアチン)/クエン酸比(CC/C)は,辺縁域癌(5領域)で1.94,移行域癌(3領域)で1.84を呈し,健常な辺縁域(0.46)や移行域(1.03)と比べて有意に高かった.CC/Cと病理学的悪性度を表すGleason scoreを対比させると,関連性が示唆されたが有意ではなかった.期間内の研究では,MRSの情報を加味した新たな侵襲性を予測する指標を作成することはできなかった.しかし,均一に励起されている領域のスペクトルの質は,一般の1.5テスラMR装置を使用した場合よりも格段に信号雑音比,スペクトル分解能に優れており,MR装置の改善により前立腺癌の診療に有用な情報をもたらす可能性があると考えられた.
著者
田邊 幾之助 上村 幸広 吉井 右 木佐木 博 藤井 正範
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.33-39, 1981-03-19

海水の常在微生物相から旧式焼酎蒸溜廃液を加えながら形成させた海水活性汚泥による処理は良好であったが, この海水活性汚泥法の的確な微生物管理のためには微生物相を充分に把握する必要がある.このため, 先ず, 通常の分離方法で微生物相を明らかにした.微生物相は混合液を洗浄液, 洗浄汚泥(試料(4))およびワーリングブレンダーでホモゲナイズした洗浄汚泥(試料(5))について明らかにしたが, 海水活性汚泥の場合は主として, flavobacteria, Achromobacter-Pseudomonas群およびCorynebacterium roseumから成立ち, しかも, これらはいずれも(5)/(4)比が10^3と高く, 汚泥フロックの構成的な細菌であることが証明出来た.菌類としてはGeotrichum candidum, 藻類としてはChlorellaおよび藍藻が目立った.
著者
木村 学人 山川 俊貴 井上 貴雄 藤井 正美 鈴木 倫保 庭山 雅嗣
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2013-BIO-34, no.6, pp.1-4, 2013-06-20

皮質脳波計測プローブに NIRS を組み合させた埋め込み型多機能脳活動計測フレキシブルプローブを開発した.これは脳の電気的活動と血液動態の変化を同時計測することが可能なデバイスであり,頭皮上にプローブを設置して測定する EEG や頭皮上 NIRS と比較して低ノイズで高空間分解能な計測が可能である.また fMRI,SPECT,PET と比較して高時間分解かつ簡便な計測が実現できる.本報告では,計測原理と構造を簡単に述べ,近赤外光の平均光路長ならびに浸透深さに関するモンテカルロシミュレーションの結果を示す.また試作デバイスのフレキシブル回路技術を用いた製造方法について述べる.提案デバイスにより,てんかん焦点位置のより高精度な特定や脳科学研究の発展へ寄与することが期待できる.
著者
岬 暁夫 ブガーエフ エドガー パルフェーノフ ユーリ 菊池 柳三郎 宮地 孝 小西 栄一 YURI Parfenov EDGAR Bugaev エドガー ブガーエフ ユーリ パルフェーノフ PANFILOV A. BUGAEV E. SINEGOVSKI S BEZRUKOV L. BUDNEV N. POLITYKO S. 長谷部 信行 PARFENOV I. LAGOUTINE A. DEDENKO L. 三井 清美 藤井 正美 御法川 幸雄 高橋 信介 河野 毅 石渡 光正 井上 直也
出版者
政策研究大学院大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

本研究は、「超高エネルギニュートリノ天文学」という現在、存在していない研究分野を創出するための様々な基礎的な研究を試みるものである。「超高エネルギーニュートリノ天文学」の最大の特徴は、「光では原理的見ることの出来ない宇宙」を「ニュートリノで観測する」というところにある。それを可能するような必要な様々な基礎研究を行うのが本研究の目的である。まず、「超高エネルギーニュートリノ」を検出するには、「低エネルギーニュートリノ」の研究であるスーパーカミオカンデで用いられている通常の光電子増倍管では不可能である。これに代わる高性能半導体光検出器の開発が不可欠である。このため、現在、「ローカルフィードバック型素子」と「超格子型素子」の開発研究を行っている(論文番号14)。超高エネルギーニュートリノ反応は、超高エネルギーエレクトロン、超高エネルギーミューオンからのチェレンコフ光の測定を行うことによって検出される。そのためには、超高エネルギーエレクトロンの様々な状況における振る舞いが問題となる。このような観点から、プラズマ状態での挙動(論文番号1)、強磁場での挙動(論文番号3)、LPM効果の検討(論文番号8、9)の研究を行った。超高エネルギーミューオンに関しては、重原子核の制動輻射に対する影響(論文番号4)、LPM効果の影響(論文番号13)、ミューオンの輸送過程の研究(論文番号11)、を行った。雑音としての大気ミューオンの研究(論文番号13)、また、これらのニュートリノの検出には、チェレンコフ輻射の時間-空間分布の知識(論文番号10)、の研究が必要である。一方、「超高エネルギー・ニュートリノ」に対する理解のためには、それよりエネルギーの低い「高エネルギーニュートリノ」に対する実験的理解が必須であり、これに対する研究がバイカル湖で行われた(論文番号5、6、7)。以上で、「基礎研究」の第一段階が終了したと考える。
著者
藤井 正 西口 洋平 此村 守 佐郷 ひろみ 白石 直 渡壁 壽人 中村 友道 石谷 嘉英
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2004, no.3, pp.247-248, 2004-09-04

A conceptual design study of the sodium-cooled fast reactor (JSFR) is in progress in "Feasibility Study on Commercialized Fast Reactor Cycle Systems". The cooling system of the reactor is composed of two loops in order to reduce plant construction cost. According to reduction of loop number, large diameter pipings are adopted in the primary cooling system, and the average sodium velocity in the piping increases to 9 m/s level. One of issues for piping design is to confirm hydraulic and flow-induced vibration behaviors of the piping under high Reynolds number (10^7 order level) conditions. Then, a flow-induced vibration test facility which simulates a hot leg piping with 1/3 scale has been fabricated. As a first step of the test series, this report describes outline of flow visualization test results.