著者
近藤 高貴 山田 雅彦 草野 恭文 酒井 健司
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌Venus : the Japanese journal of malacology (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.177-179, 2000-06-30
被引用文献数
4

カワシンジュガイの天然宿主としては, これまでヤマメ, アマゴ, ヒメマスとニジマスの4種が知られている。これらの魚種は全てサケ属に属し, これまでイワナ属の魚種がカワシンジュガイの宿主になることは報告されていなかった。北海道富良野市内を流れる布礼別川で1997年7月7日に採集したアメマスとカワマスの鰓に, カワシンジュガイの幼生が多数寄生していることを見いだした。この幼生の殻長は0.22∿0.37 mmで, 放出時の幼生の大きさ(殻長約0.07 mm)に比べるとかなり成長していた。このことから, イワナ属に属するこの2種がカワシンジュガイ幼生の宿主となっていると考えられた。
著者
八木 寿一郎 矢野 尚 窪地 義明 酒井 平一 鯵坂 六弥
出版者
公益社団法人日本生物工学会
雑誌
醗酵工學雑誌 (ISSN:03675963)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.99-102, 1975-02-25

前報においてCephalosporium sp. ATCC 11550ガプロテアーゼ生産菌として優れていることを報告した. 本報ではさらに工業的生産を目的として基礎的培養条件として培養温度, pHおよび醗酵槽の攪拌回転数等の環境因子を検討した. 培地の始発pHは7.0が最適でpHが低下すると菌の生育が抑制されプロテアーゼ生成は低下した. pHが8.0以上になると酵素生成が早くなり酵素消失時期は1日早くなり急激に低下した. 培養温度は27℃が最適で, 37℃においては酵素の生成は早くなるが消失時期が早くなった. また, 25℃においては27℃に比べて30%低い値を示した. これは酵素自身の耐熱性は比較的高いが菌の生育温度に影響されるためと考えられる. 30l醗酵槽培養において攪拌数は300rpmが最適で10,000u/mlを示し200rpm, 400rpmにおいては300rpmの1/3〜2/3の生成量に止まり6,000u/mlであった. また, 培養80時間後に攪拌数を300rpmより200rpmに減速すると9,000u/mlより11,000u/mlに約20%増加した. 30l醗酵槽の通気攪拌条件より1トンおよび4トンタンクにスケールアップして30℃で培養し, 500mlフラスコおよび30l醗酵槽培養とほぼ同じ量の16,000u/mlのプロテアーセを生成した.
著者
古矢 旬 久保 文明 大津留 智恵子 橋川 健竜 廣部 泉 常本 照樹 酒井 啓子 中山 俊宏 西崎 文子 林 忠行 遠藤 泰生 久保 文明 大津留 智恵子 橋川 健竜 廣部 泉 常本 照樹
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

現代アメリカの国民意識、国家意識はいかなる要素、要因によって構成され、どのような理由でどのような過程を経て変容してゆくのか、本研究はこの問に対し、歴史、政治、政治思想、外交・国際関係、経済、文化、文学、宗教などの多元的な専門領域を通して接近を図った。それにより、建国期に形成された啓蒙主義的政治理念を主柱として成立したアメリカのナショナリズムが、その後の移民の波によってもたらされた様々なエスニック文化、宗教的観念を取り込みながら、国際秩序の内で次第に重きをなしてゆくプロセスに新しい光を当てることができた。
著者
酒井 孝司 坂本 雄三 倉渕 隆 岩本 靜男 永田 明寛 加治屋 亮一 遠藤 智行 今野 雅 大嶋 拓也 赤嶺 嘉彦 小野 浩己
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では,複雑な事象を総合的に評価する必要がある住宅の温熱環境を対象に,非定常気流・温熱環境解析手法を用いたバーチャルハウスシミュレータの開発を行った。異なる暖房方式を採用した居室の定常・非定常温熱環境の実測を行い,検証用データベースを作成した。実測を対象に各種解析モデルを用いて解析を行い,実測と比較して精度を検討した結果,本研究で開発したシミュレータが住宅の温熱環境評価として実用的な精度を有することを示した。
著者
浦田 耕二 福井 美佳 藤井 寛子 鈴木 優 酒井 哲也 齋藤 佳美 市村 由美 佐々木 寛
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.36, pp.23-29, 2004-03-26
被引用文献数
6

ユーザからの質問に対し、映像・音声・取扱説明(テキスト)などで構成される表現力豊かなマルチモーダルコンテンツの検索技術、および、質問内容を理解しユーザが必要としている情報に対して的確に回答する質問応答技術を融合することにより、より分かりやすい情報提供を実現した質問応答型マルチモーダルヘルプを開発した。このシステムを用いて、オーブンレンジ、デジタルカメラの取扱説明書データ(テキスト160ページ、映像108分)を登録し、質問データ123件による実験を行い、次のような知見が得られた。(1)質問応答技術により取扱説明情報の探索作業が軽減される見込みを得た。(2)映像、音声、取扱説明書の該当ページの表示を併用することにより,取扱説明に関するわかりやすさが向上すること確認した。映像収集、編集について、作業の軽減と質の向上を支援する必要がある。We have developed a user-friendly help system by integrating multimodal content retrieval technology and question answering technology. Multimodal content retrieval enables the user to access contents with a rich power of expression such as those comprising video, speech and textual instructions, while question answering enables pinpoint access to the required information. We conducted a preliminary experiment using the manuals of a microwave oven and a digital camera (160 pages of text and 108 minutes of video) as the knowledge source, with 123 questions. Our findings are: (1) Question answering technology enables efficient access to the desired instructions; and (2) Responses in video/audio accompanied by presentation of a relevant manual page helps the user understand the instructions better. However, we need a mechanism for facilitating gathering/editing of video contents and for improving their quality.
著者
國分 智晴 酒井 哲也 齋藤 佳美 筒井 秀樹 真鍋 俊彦 藤井 寛子 小山 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.203, pp.47-54, 2005-07-15

近年, 質問応答システムに関する研究が盛んに行われているが, システムの回答精度と, どれぐらいのユーザが満足するかとの関係が明確になっていなかった.そこで, 質問応答の利用シーンとしてデスクトップ型およびモバイル型の2種類を想定し, シーン別に正解順位に対する満足の度合いを評価するアンケートを行った.この結果, 回答候補を一括提示するデスクトップ型におけるユーザ満足率は質問応答の一般的な評価尺度である逆数順位と似た曲線となるが, 回答候補をひとつずつ提示するモバイル型におけるそれは順位とほぼ比例することが分かった.このため, ユーザ満足率の観点からシステムの目標精度を設定するには, 平均逆数順位ではなく正解順位の分布を決定することが望ましいことを示す.
著者
今井 新悟 伊東 祐郎 中村 洋一 酒井 たか子 赤木 彌生 菊地 賢一 本田 明子 中園 博美 西村 竜一 篠崎 隆宏 山田 武志 家根橋 伸子 石塚 賢吉 ファム ターンソン
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

日本語学習者のための日本語スピーキング能力をコンピュータ上で自動採点するテストシステムを開発した。インターネットを介して受験でき、時間と場所の制約を受けずに受験が可能である。音声認識技術を使い、受験者の発話から特徴量を抽出することにより、自動採点を実現している。項目応答理論を用い、受験者の能力に適合した難しさの問題を出題するアダプティブテストとなっており、少ない問題数で能力の判定ができる。
著者
鈴木 佑輔 横田 隼 酒井 浩之 増山 繁
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.168-173, 2010 (Released:2010-01-06)
参考文献数
6

We propose a method to extract a lot of correspondences between questions and answers from a Web message board automatically. We use Web message boards as information sources because Web messasge boards have a lot of articles posted by general users. We extract correspondences between questions and answers that can be used in question answering systems to support natural language sentence input. At first, our proposed method classifies messages of a Web message board into either questions or others. Next, our method extracts a set of root-node pairs from the thread tree of a Web message board, where we define the thread tree when the root is an article classified as a question, and nodes are articles classified as answer candidates. Our method finds correspondences between questions and answers using two clues, (1)similarity between their articles, (2)link count between their articles. We experimented the proposed method, discussed results, and analyzed errors.
著者
酒井 隆道 太田昌克 寺元 光生
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.85, pp.127-132, 2002-09-12
参考文献数
9
被引用文献数
2

近年,内容指向のメッセージ配送を行うContent-based network (CBN )がアプリケーション層ネットワークの一形態として着目を浴びている.CBN をグローバル環境において適用する場合,異なるオントロジーを有するエンドユーザ間におけるメッセージ配送を実現するための,オントロジー変換技術の確立が課題となる.本稿では,このようなオントロジー変換を実現するためのアーキテクチャを示し,フレーム形式のオントロジーモデルを対象としたオントロジー自動変換方法を提案する.A content-based network(CBN), that performs a content-based routing, is paid attention as a kind of an application-layer network in recent years. When we lay out the CBN at a global environment, we must establish an ontology transformation technique in order to realize the message routing between end-users of different ontologies. In this paper, we propose an ontology transformation architecture and an automatic ontology transformation method for the frame-based ontology model.

1 0 0 0 OA 余徳

著者
酒井 佐敏
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.793-794, 1961-06-01
著者
酒井 宏治 矢田 佳織 坂部 元紀 谷 おりえ 宮地 一樹 中村 政幸 竹原 一明
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.491-494, 2006-05-25
被引用文献数
2

日本のダチョウ血清191検体について,ウイルス中和試験によるNDV抗体及び寒天ゲル内沈降反応によるAIV抗体の検出を実施した.NDワクチン接種歴のない22検体においてNDV抗体が検出された.本研究では,ウイルス中和試験と比べHI試験は鶏赤血球への非特異的凝集のためにNDV抗体検出法として適さないことが示された.AIV抗体は全て陰性であった.102検体のダチョウの気管及び腸管からは,赤血球凝集能を有するウイルスは分離されなかった.
著者
酒井 靖夫
出版者
新潟大学
雑誌
新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.122, no.1, pp.7-11, 2008-01

当院は19診療科目,病床数427床,平均在院日数13.5日の一般急性期病院で,新潟市の中核病院の一つだが,脳外・皮膚科の常勤医が不在で,一人医長が6科もある.医師総数は49〜51名と減少傾向にある.救外当直は医師平均月1.5回で,一日平均23人が受診し,4-5人が入院した.当直翌日は通常勤務となり,一人診療科では大きな負担である.筆者は週3回の外来,毎朝の術前症例検討会および外来日以外の病棟回診および術後回診を行い,週4日午後から手術日である.診療以外に月1回管理会議,13委員会で4つの委員長を務め,毎週のNST回診を含めてかなりの時間がとられる.平日は朝7時半に家を出て,夜8時〜9時過ぎに帰宅している.手術などの診療内容の量と密度が医療の進歩に伴って増加しているが,それ自体はあまり負担でなく,説明義務・カルテ記載,種々の説明・承諾書類の急増,病院雑用・会議など医療以外の業務が集中して負荷過多になっている.また,患者の過剰な権利意識などに基づく苦情・トラブルよる精神的・体力的疲労に勤務医は悩まされている.改善策としては医師の絶対数を増やし診療報酬を適正化することが必要不可欠であるが,国民の理解を得るための啓蒙・広報活動,勤務医不足の要因となる早期離職グループを増やさない環境つくりの2点が我々に求められる.医師個人の行動は微力であり,発言する医師(会)や政治活動する医師を皆で援護する必要があろう.医師以外の新規専門職の創設・養成による積極的な診療外業務の代替・委任や補助作業の委譲,書類の簡素化・統一化・OA化などによる雑用減量が望まれる.無過失保障制度等の導入による被害患者救済,事故再発防止に向けた第三者・中立機関による検証と警察介入の抑制など医療紛争解決手段の充実も必要であろう.また,医療機関の機能分化(地域中核病院とサテライト病院・診療所)とそれに就労する医師の適正配置を行うことによる体力・気力・年齢に応じた医師の高齢化後の就労先の確保も重要である.勤務医継続に大切なのは仕事をする環境整備である.その経済的負担は,現時点では当該病院がしなければならないので,トップの考え方により病院内環境に格差が生じると推測される.
著者
西原 功 吉田 俊之 酒井 善則
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.148-156, 1999-01-20
被引用文献数
32 1

The block matching technique, which is the most widely utilized technique for motion vectors(MVs), often estimates noisy MVs in matching blocks(MBs), which have less variation in brightness or contain a single edge. To improve accuracy and coherence of MVs, this paper proposes a new estimation technique. This technique comprises MB classification based on a reliability metric for MVs, MB integration, and recalculation of MVs for integrated MBs. Several examples have shown that it can accurately estimate MVs even for flat or edge MBs due to the integration. It was applied to an MPEG encoder and a retrieval system for motion pictures. An evaluation of the coding and retrieval efficiencies demonstrated the validity of the proposed approach.
著者
酒井 謙一
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
京都工芸繊維大学繊維学部学術報告 (ISSN:03685896)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.1-10, 2002-03

京都工芸繊維大学 繊維学部学術報告(2001) 第26巻『都会のジャングル』はブレヒトの作品の中では最も難解なものの1つである。ここでは、この劇に影響を与えた4つの作品を取り上げて、それらの影響をブレヒトがいかに自分なりに消化して、作品に作り上げていったかを検証した。これまで必ずしもまともに論じられてこなかった、キプリングの『ジャングル・ブック』の影響を、主人公に敵対する者たちの通称が動物の名前であるということを指摘して明確にし、また、劇中でときどき唐突にはさまれるランボーの詩句を当時のブレヒトの言語観と結びつけて解釈した。