著者
伊東 祐郎 酒井 たか子 三枝 令子 谷部 弘子 村上 京子 中村 洋一
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

本研究の特色と意義本研究は、テスト開発過程に不可欠なテスト理論(「古典的テスト理論」と「項目応答理論」)を導入し、統計的分析を加えることによって、これまで日本では認識の低かった試験問題の精度を向上させられる実証的研究を行い、項目プール実現化へ向けての基盤研究を行った。また、テスト開発における項目プール化は、日本ではほとんどそのための研究が行われておらず、本研究を通して得られた知見は、今後のテスト開発の新たな方法として、具体的な形で多くの大学等で応用できるものとなった。本研究を通して開発したシステムは、次のような5つの機能を持つものである。(1)蓄積機能:作成した問題項目を、コンピュータ内に蓄積し、保存することができる。また、問題項目のほかに、過去の試験結果のデータや項目分析結果も蓄積できるので、将来の問題項目作成を効率よく行うことができる。(2)抽出機能:出題領域や評価対象領域、また困難度などの条件に基づき、必要な数の項目を抽出して試験問題を構成・作成することができる。(3)組み替え機能:抽出条件が同じでも、設問の組み合わせや選択肢の組み合わせが可能となるので、異なる試験問題を作成することができる。(4)加工機能:蓄積・保管されている試験や問題項目を、測定目的に応じて編集・加工・削除することができる。また、既に蓄積されている項目を基礎に、全く新しい問題項目を作成することができる。(5)製版機能:抽出された問題項目を、パソコン上でレイアウト・編集ができる。
著者
藍 石 酒井 英二 田中 俊弘
出版者
岐阜薬科大学
雑誌
岐阜藥科大學紀要 (ISSN:04340094)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.47-53, 2002-06-30

近年,日本において医食同源,薬膳というものが注目を集めている。そこで日本における歴史的背景を明らかにし,その関わりと役割について考察を行った。日本の伝統的な行事や風習に深く関わりを持ってきた料理やお菓子の中に,現在の薬膳に繋がる一定の規則性を垣間見ることが出来た。この薬膳の考えは現代の自然志向にも対応しており,今後益々注目されるものと思われた。今後も薬膳に関する考察を通じて,食生活の面からの健康を考察する。
著者
小林 和男 飯山 敏道 藤本 博巳 酒井 均 平 朝彦 瀬川 爾朗 古田 俊夫
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1988

本補助金による2年度にわたる集中的な研究によって西南日本沖(南海トラフ陸側斜面)の海底湧水帯の位置が精密に同定され、その実態がはじめて詳しく解明された。シロウリ貝群集が湧水帯上に集中して生息することは1985年のKAIKO計画においてすでに推定され、世界の他海域(バルバドスやオレゴン沖)でも証拠が挙がっていたが、今回現場での海底下鉛直温度勾配測定によって1年数mに及ぶ湧出水がシロウリ貝群集直下の径1m程度の範囲に集中して存在することが明瞭に示された。この湧出水はやや、深部からもたらされたメタン、硫黄等を含み貝の生育を助ける共生バクテリアの餌となると共に、酸素に富んだ表層間隙水により酸化されて炭酸カルシウムをつくり、周囲の堆積物の間隙を埋めて堆積物を固結させる働きをすることがわかった。湧水帯が集中する海溝付加帯の変動前面(水深3800〜3600m)でも1m弱の軟い堆積物の下に固化した砂泥の存在が推定され、海底にもいくつかの堆積物チムニ-が顔を出していることが曳航テレビと潜水船で観察されて試料採取にも成功した。この地点では3ケ月にわたる地殻熱流量と海底電位差の連続測定が行われ、有意な時間変動を検出している。一方、変動前面の上方に当るバックスラスト域(水深2000m)では小さなシロウリ貝群集が発見されスラストに沿う小規模の湧水が推定されるが、それ以外の海底には貝殻を含む固結した堆積物が露出し侵食を受けていることが判った。前面域で堆積し固化したものがしだいに上方に押し上げられて一部が露出するがほとんど地層内にとり込まれて行く一連の過程が1地域で観察されたことになり、プレ-ト沈み込みに伴う海溝付加帯の生成と成長についてこれまで古い地質時代の地層について推定されていたできごとが、現に海底で起こっているようすをありのまゝにとらえることができた点で日仏協力KAIKO-NANKAI計画の一環としても価値の高い成果である。
著者
西川 哲也 堀 豊 長井 敏 宮原 一隆 吉田 陽一 小玉 一哉 酒井 康彦
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.388-394, 2000-05-15
被引用文献数
5 1

播磨灘においてノリ養殖に有害な大型珪藻Coscinodiscus wailesiiについて, 1995,1996,および1997年の3年間における同種の発生と水質, 気象要因等との関係を調べた。C.wailesiiは, 11月から翌年2月頃の比較的低温で日射量が低く, また海水の鉛直安定度の低い時期(鉛直混合期)に出現し, また, DIN(溶存無機態窒素), DIP(溶存無機態リン), DSi(ケイ酸態ケイ素), およびDIN×DIPが高く, DIN : DIP比やTN(全窒素)×TP(全リン) : DIN×DIP比(栄養塩利用強度)の低い水域(年または月)にやや高密度(20-200 cells/l程度)で出現する傾向が強かった。
著者
坂上 昇 栗山 裕司 山崎 裕司 大倉 三洋 酒井 寿美 中屋 久長 山本 双一
出版者
高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.13-17, 2003-03-31
被引用文献数
1

本研究の目的は,固定用ベルト付きハンドヘルドダイナモメーター(以下,HHD)を用いた等尺性足背屈筋力の測定方法を考案し,その測定方法による検者間再現性と検者内再現性について検討することである.対象は,健常成人22名(男性11名,女性11名)である.被検者の肢位は背臥位とした.センサーを足背の中足骨部に付属のマジックテープで固定した.そして,センサーが装着された固定用ベルトを,被検者の足底方向に位置し片膝立ち位となった検者の大腿部に巻き付けて固定した.測定は,各下肢に対して2回実施し,最大値を測定値として採用した.検者間再現性を検討するために,検者Aと検者Bの2名の理学療法士が等尺性足背屈筋力の測定を行った。また,検者内再現性を検討するために,検者Aが1回目の測定の数日後に,同一被検者に対して同一の測定を2回目として実施した.等尺性足背屈筋力値は,検者Aが17.25±3.44kg,検者Bが17.35±2.87kgであって,検者間級内相関係数は0.903と極めて良好であった.検者Aによる等尺性足背屈筋力値の1回目の値は17.25±3.44kg,2回目の値は17.84±2.73kgであって,検者内級内相関係数は0.872と良好であった.固定用ベルト付きHHDを用いた我々が考案した足背屈筋力の測定方法は,センサーの固定性が得られ,足背屈程度の筋力であれば高い再現性のもとで測定できることが示唆された.これにより,等尺性足背屈筋力を定量的に測定することができ,症例に対して有用な情報を即時に提供できるものと考える.
著者
青木 里紗 大坂 圭新 面田 真孝 酒井 潤一 石川 雄一
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.56-63, 2009 (Released:2009-09-05)
参考文献数
29
被引用文献数
1 3

水晶振動子微小天秤(QCM)を,硫黄華から発生する硫黄蒸気による銀の非常に微少な腐食質量増加を温度,相対湿度,硫黄華-銀間距離の関数として,連続的に検出する手段として適用した.すべての試験において腐食は試験時間とともに直線的に進行した.腐食速度は温度の上昇につれて大きく増加したが,相対湿度にはほとんど依存しなかった.また腐食速度は硫黄華-銀間距離の増加につれて著しく減少した.これは硫黄蒸気の銀表面への拡散が銀の硫化物形成の初期過程を支配しているためと考えられる.これらの結果から本試験を電子機器に用いる銀の屋内腐食を模擬する簡単な腐食試験として提案するに至った.硫黄華を用いる本試験の二つの特徴は,第一に温度とともに硫黄の蒸気圧が大きく増加し,広範囲の硫黄蒸気濃度環境を創成できること,第二に銀の腐食速度を硫黄華と銀との距離で制御できることである.本試験での銀の腐食速度則(直線則)が実際のフィールドでの速度則と一致すること,そして生成する主要腐食生成物Ag2Sの化学組成,形態も一致することから,本試験がH2Sを含有する多成分流動混合ガス試験に比べて扱いやすく,再現性のよい,そして使いやすい試験であることを提案する.
著者
酒井 英行
出版者
静岡大学
雑誌
人文論集 (ISSN:02872013)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.29-44, 2003-01-31

1. Trying to escape from emptiness of being a housewife, 'she' exchanges letters. But on the contrary, by doing so, 'she' restrains herself more strongly. 2. T project my self weakness on the green beast and treat cruelly. It is caused by the weakness of being unable to face up to alienation herself.
著者
前田 太佳夫 鎌田 泰成 酒井 雄作 高原 直樹
出版者
日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 = Transactions of the Japan Society of Mechanical Engineers. B (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.71, no.701, pp.171-176, 2005-01-25
参考文献数
5
被引用文献数
5

This paper describes the measurement of the flow field around rotor blade. Three-bladed upwind rotor was tested in an open jet type wind tunnel. The rotor has a diameter of 2.4m. Flow field around rotor blade was measured with the use of two-dimensional LDV. The flow field was measured in x-y plane and z-y plane. The circulation around the blade sections were calculated by flow vectors around the rotor blade. The velocity vectors at optimum operation show a smooth flow around the blade and the bound vortex around blade cross-section seems to be persistent. On the other hand, the velocity vectors at stall condition demonstrate significant fluctuations in the near wake and separation on the blade suction side was observed. The circulation around blade span-wise section was calculated at the certain control volume. By the observation of flow field and calculated results of circulation, it seems that the flow is separated at the blade from middle-span region to tip region at stall condition. No separation was observed at the blade root region.