著者
鈴木 雅雄 綿引 元 河合 隆 百々 修司 山本 英明 竹内 鉄郎 樋口 哲也 白石 勉 日置 弥之 近藤 真弘 都宮 伸 木村 恵理子 神谷 明江 小川 博 家本 陽一 下川 邦泰
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.32, no.8, pp.2191-2192, 1999-08-01

従来より食道表在癌のX線学的深達度指標として, 病変正面像での陰影斑の濃度, 病巣内隆起の大きさ, 辺縁隆起の程度の3因子と各々の組み合わせ, 病変側面像で壁不整像, 陰影欠損像, 伸展障害の程度の3因子と組み合わせにより深達度推定を行い, 高い精度を得ている。表在癌m_1 35, m_2 20, m_3 22, sm_1 6で再検討を行った。陥凹型では陰影斑の濃度と顆粒像の組み合わせが最も有用であり, m_3の顆粒像は5mm以下であった。不整な顆粒像では4mmでもsm_1があった。隆起はm2bから欠損像を呈し, 腫瘍量を表している。伸展障害はsm以深の線維化の程度を反映した。
著者
金田 隆志 星 宣次 毛 厚平 高橋 とし子 鈴木 謙一 佐藤 信 折笠 精一
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.33-42, 1998-01-20
被引用文献数
2 1

(目的)健常者の抹消血液中にはケラチン19は存在せず、もし血液中から検出されれば上皮性癌細胞が存在しているものと考えられる。そこでnested RT-PCR法を用いて、種々の尿路性器悪性腫瘍患者の抹消血液からケラチン19 mRNAの発現の有無を検討し、転移との関連を検討した。(方法)ヒト尿路性器癌培養細胞12種類、泌尿生殖器担癌患者39例、健常者9例を対象とし、患者および健常者の抹消静脈から血液6mlを採血し、Ficillを用いてnested RT-PCRを行い、サザンブロッティングで確認した。(結果)用いた培養細胞は全て陽性で、検出率は健常者リンパ球1×10個に対して腎癌細胞TOS-1は1個の混入でもケラチン19 mRNAが検出され、膀胱癌細胞KK47では1×10^6個の混入ではじめてケラチン19 mRNAが検出された。健常者9例の抹消血は前例陰性であった。尿路性器悪性腫瘍患者の抹消血では転移のみられない症例よりも、転移を有する症例のほうがnested RT-PCRの陽性率が高く、またリンパ節のみの転移よりも他の遠隔転移を有する症例のほうが陽性率が高かった。また、短期間の観察であるが、転移の有する場合でもnested RT-PCR陽性のほうが予後不良であった。疾患例では、精巣腫瘍は検出されにくく陰茎癌は検出されやすい印象であった。(結論)RT-PCR法を用いたケラチン19 mRNAの抹消血よりの検出法は尿路性器腫瘍にも利用できる。
著者
江口 研二 足立 秀治 池田 徳彦 柿沼 龍太郎 金子 昌弘 楠 洋子 佐川 元保 鈴木 隆一郎 早田 宏 祖父江 友孝 曽根 脩輔 高橋 里美 塚田 裕子 中川 徹 中林 武仁 中山 富雄 西井 研治 西山 祥行 原田 真雄 丸山 雄一郎 三澤 順
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.985-992, 2003-12-30
被引用文献数
1 1

・低線量CT肺癌検診を実施することにより,非受診者群に比較して,受診者群の肺癌による死亡を有意に減少させるという成績は現在まで証明されていない.・低線量CT肺癌検診は,高危険群および非高危険群に対して,胸部写真による検診よりも末梢小型肺癌(腺癌)をより多く発見し,発見肺癌の6〜8割は病期I期肺癌である.・低線量CT肺癌検診では,受診者の被曝リスクを低減させるために,撮影条件,画像描出条件など読影環境を整備することが必要である.・低線量CT肺癌検診は,他のがん検診と同様に,検診の運営に際して,精度管理とその維持が必要である.・低線量CT肺癌検診の受診者には,検診一般の説明だけでなく,現状でCT検診の有用性に関するエビデンスの内容および想定される有害事象を含めて,説明と同意(インフォームドコンセント)を行うべきである.・医療経済学的な面も併せて,低線量CT肺癌検診の至適なあり方を確立するためには,解析可能な精度の高い実績を集積する必要がある.・本稿の低線量CT肺癌検診のあり方については現行の自治体検診時のCT検診,職域検診のみならず,人間ドックでのCT検診も念頭に置いたものである.
著者
太田 孝 西郷 昭三郎 鈴木 金苗 村越 一彦
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.10-14, 1971-03-25

除草剤空中散布の実用性を検討するため,散布適期幅の広いベンチオカーブ・シメトリン粒剤を使用して,6haの水田(埴壌土)において試験を行なった。供試水田の田植時期は8日間の幅があり,優占雑草はヒエ,コナギ,マツバイであった。 薬剤の落下状況は,量としては平均3.07kg/10aで月標に近かったが,変異係数50%近くのかなりの散布むらが生じた。薬害はほとんどみられなく,平均雑草重が無散布に対し約3%と高い殺草効果が認められた。相対的に雑草の多かった場所は,薬剤落下量が少なかった場所や,しろかきや田植時期から散布までの日数の長い場所であったが,それでも実用的には十分な殺草効果が認められた。これらの主因は供試薬剤が散布適期幅が広いこと,殺草力が大であること,拡散性が大であることなどの作用特性によるところが大きい。ほ場条件,栽培条件が異なり,散布むらがかなりあっても,除草剤の空中散布の実用性が認められた。
著者
鈴木 慎二郎 沢村 浩
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.324-331, 1981-10-30

輪換放牧における牛の行動の日周性を,移牧との関係において明らかにする目的で,体重の日内変動の面から検討した。試験1では10時と13時に,試験2では10時と16時に,試験牛(200〜240kg)を次の牧区へ移牧し,移牧当日とその翌日にわたって,3時間ごとに体重を測定した。試験1では行動調査もあわせて行なった。1.牛は,移牧直後の3時間において,10kg以上の急激な体重の増加を示しており,この間に大量の採食をしていることが推測された。行動調査の結果もあわせてみると,なかでも牛が採食に集中しているのは,移牧後2時間までであった。牛の体重は,その後も若干ずつ増加するが,日没後からは減少に転じ,19時から翌日4時までに8〜10kg低下した。夜間にも,ある程度の採食行動がみられたが,体重の変動からみれば,量的にはわずかな採食にすぎないものと思われた。ただし,16時移牧の牛では,日没後にも体重が増加しており,牛は採食量が不十分だと,採食行動を夜間にまで延長することが認められた。2.10時と13時の移牧では,行動形のうえからは,移牧直後のほかに,日没前にも採食行動のピークがみられた。しかし,体重増加の点では,両者には大きな差があり,日没前のピークでは,移牧直後のピークにくらべると,牛の採食量はかなり少ないものと思われた。3.移牧翌日の体重は前日のように大きく増加することはなく,前日の最高体重に達することも殆んどなかった。すなわち移牧の翌日における採食行動は,移牧当日にくらべると不活発であり,採食量も少ないものと考えられた。以上のように,輪換放牧における牛の行動は,移牧の影響を強く受けており,移牧当日においては,採食・休息反すうの繰返えしという定形的なパターンとはならなかった。また,移牧当日とその翌日とでは,行動の日周性は大きく異なった。
著者
松縄 学 川上 恵一郎 久武 純一 鈴木 順子 中牧 剛 日野 研一郎 友安 茂
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.1010-1014, 2003 (Released:2009-07-28)
参考文献数
14
被引用文献数
2

症例は21歳,男性。原因不明の急性肝炎で入院した。安静で徐々に肝障害は改善したが,入院約2カ月後より再度肝機能の悪化,高熱がみられ,汎血球減少が進行した。血清のTNFα, IFNγ, IL-6, M-CSFが高値で,骨髄に血球貪食像を伴い,血球貪食症候群類似の病態を示した。プレドニゾロン,γグロブリン,G-CSFの投与後,解熱し,肝障害も徐々に軽快したが,汎血球減少は改善しなかった。その後の骨髄検査で血球貪食細胞が残存していたが著明な低形成を示し,肝炎後再生不良性貧血と診断した。ATG, シクロスポリン,G-CSFによる免疫抑制療法を行い,造血能の回復がみられた。骨髄中のリンパ球のCD4/CD8比は改善し,TNFαやINFγなどのサイトカインも減少した。血球貪食症候群様の病態に伴う活性化T細胞およびINFγ, TNFαの増加が肝炎後再生不良性貧血の発症に関与したと考えられた。
著者
鈴木 俊哉 佐藤 大
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.77, pp.37-42, 2007-07-27

情報交換を目的とする文字集合の規格として,現在はISO10646文字集合,文字符号化方式としてはUmcodeを用いることが国際的な標準である.しかし,インド系文字は音素分解にもとづき文字符号を定義しているため,表示・印刷には複雑なレンダリング処理が必要となる.広く普及しているローマ字専用の処理系ではこれが不可能であるため,ローマ字用の処理系でもインド系文字が扱えるよう,様々な図形分解に基く符号化方式が応急処置的に作成されてきた.これらにより符号化されたデータが広く配布されているが,符号化方式は標準化されていないため,文書のアーカイブやデータ抽出に問題がある.本稿は,北方ブラフミ文字の例としてチベット文字のレガシ方式をとり,符号化方式の分析と自動識別方法を検討する.チベット文字レガシ符号の中には漢字集合に匹敵する大きさを持つものがあり,クメール文字とは異なりPDFなどではフォントがサブセット化されている可能性がある.このような場合の識別方式についても検討する.For Brahmic scripts used in India, Central and South East Asia, ISO/IEC 10646 defines the character sets by phonetic decomposition of Brahmic scripts with refering Indie national standard IS 13194. These character sets expect the complicated text layout system to render the coded text for display or printing purpose. To reduce the implementation cost by reusing Roman text layout system, there are various non-standardized legacy encoding schemes for Brahmic scripts. In this report, we investigate the legacy encoding schemes for Tibetan script as an example of northern Brahmic script which uses many ligatures. We found legacy encoding system for precomposed Tibetan glyphs. The glyphset of these encodings are so large that the subsetted font in the documents are expected to be quite smaller than whole glyph set. We discuss the encoding detection algorithm by subsetted font.
著者
鈴木 健夫 木下 聡 南 成敏
出版者
一般社団法人日本時計学会
雑誌
日本時計学会誌 (ISSN:00290416)
巻号頁・発行日
no.146, pp.35-41, 1993-09-25

A new method of measuring blood pressure has been proposed, which is based on the relationship between blood pressure and pulse wave velocity that passes artery wall. We paid attention to this method as this one was very advantageous to miniaturize the blood measuring instrument. We have developed a circuit to measure pulse wave velocity which can be transduced into blood pressure value. Furthemore we have brought Casio brand blood pressuer monitor watch to the market, of which circuit is miniaturized into one chip LSI. The constitution and the blood monitoring operation of this watch are described in this Paper.
著者
遠藤 隆久 鈴木 康修 桑原 伸明 天池 学
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.285-286, 1990-09-04

多値画像を2値化し、疑似的に中間調画像を作るには、ディザ法、平均濃度近似法、誤差拡散法などの種々の手法が知られている。この誤差拡散法を用いて、原画に近い最適な中間調画像が得られるようアルゴリズムの改善及び最適化を行なったので報告する。
著者
浅野 太 鈴木 陽一 曽根 敏夫 林 哲也 佐竹 充章 大山 健二 小林 俊光 高坂 知節
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.373-379, 1991-06-01
被引用文献数
28

単一のディジタルフィルタを用いて、入力のスペクトルの変化に追従し、出力信号を装用者の聴野内に収めるよう増幅特性が変化する補聴方式を提案する。更に、ディジタルシグナルプロセッサを用いて本方式を実時間で実現するシステムの構築法を述べる。また、システムの評価を行うため、模擬難聴耳3例、感音系難聴耳2例に対し、単音節明瞭度試験を行った結果についても報告する。この評価実験から、特に、健聴耳に比べて聴野の狭い感音系の難聴者に対し、本システムによる聴野の拡大の効果が示された。
著者
鈴木 健嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ
巻号頁・発行日
vol.105, no.564, pp.49-50, 2006-01-19
被引用文献数
2

本稿では, 人間同士のコミュニケーションの基本的な要因に着目し, 単純な情報の交信を繰り返し行うことによるコミュニケーション手法として, 1ビット通信によるコミュニケーションを紹介する.携帯端末サイズのデバイスは, ボタンを押すという利用者の単純な行為を1ビット情報として伝送し, 光の点滅を用いた双方向コミュニケーションを提供する.本デバイスは伝達できる情報は少ないが, その使用方法を出来る限り限定することなく, 利用者の能動的な行動によりコミュニケーションを誘発するための「シグナル通信」について概説する.
著者
鈴木 新 杉本 謙二
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. D, 産業応用部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. D, A publication of Industry Applications Society (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.127, no.12, pp.1247-1248, 2007-12-01
被引用文献数
3 3

This paper proposes a heat capacity identification method for cooking household appliances. Cooking household appliances select a cooking flow according to a cooking object capacity, hence the heat capacity identification is a very important function. However, a conventional heat capacity identification method has been based on one variable using "if-then rules", hence it gives a low accuracy. This paper proposes a new heat capacity identification method that uses Mahalanobis-Taguchi System which is similar to discriminant analysis, and the effectiveness of this method is confirmed by the experiment.