著者
鈴木 源吾 山室 雅司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-03-27

企業における情報基盤整備の一環である企業全体の情報モデル作成では,スキーマ統合が必要である.筆者らは,スキーマ統合に用いる共通データモデルとして概念グラフを用いて,スキーマ間の異種性解消を容易にする方法を提案した.本稿では,このアプローチではスキーマ要素間の類似度計算も容易になることを述べる.
著者
軽部 義久 井元 清隆 鈴木 伸一 内田 敬二 伊達 康一郎 郷田 素彦 初音 俊樹 南 智行 橋山 直樹 坂本 哲
出版者
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
雑誌
日本血管外科学会雑誌 (ISSN:09186778)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.645-651, 2007-08-25 (Released:2007-08-28)
参考文献数
16
被引用文献数
1 3

感染性大動脈瘤はきわめて重篤な疾患であり, 診断, 治療等問題点が多い. われわれの経験例について検討した. 対象は2000年 1 月から2005年12月に当院で経験した 7 例の感染性大動脈瘤. 年齢は59~76歳, 男性 5 例, 女性 2 例. 病変大動脈は胸部(TAA)3 例, 胸腹部(TAAA)2 例, 腹部(AAA)2 例で, 仮性瘤形成を含む破裂例は 4 例であった. 細菌培養では術前血液から 1 例にKlebsiella pneumoniaを, 術前心嚢水から 1 例にStaphylococcus aureusを, 術中検体からStaphylococcus aureus, Staphylococcus capitisを 1 例ずつ, 術後血液から 1 例にSalmonellaを検出した. 前述の術後診断 1 例を除き術前より抗生剤投与を開始した. 手術は入院11.7 ± 8.2(0~21)日で施行した. TAA 2 例に自己動脈パッチによる大動脈形成術, 1 例に瘤切除・人工血管置換 + 大網充填術, TAAA 2 例に対して瘤切除・大伏在静脈グラフトによる腹部分枝再建・腋窩-大腿動脈間バイパス術, AAAには 1 例に瘤切除・人工血管置換, 腹部大動脈閉塞をきたした 1 例に腋窩-大腿動脈間バイパス術を施行した. 術後に白血球数やCRPが正常化した後も抗生剤を長期投与した. 合併症はTAAA症例 1 例に肺炎, 下行結腸穿孔を認めた. 在院死亡はTAAA症例で術後脊髄麻痺, 肝膿瘍, 敗血症を合併した 1 例のみであった. 自己組織による大動脈再建, 大網充填法等部位や形態に応じた術式選択と術前後の十分な抗生剤投与という基本戦略で感染性大動脈瘤治療を行い, 7 例中 6 例を救命した.
著者
鈴木 健男 川口 大輔 田村 武志 岸本 頼紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.507, pp.43-48, 2007-01-19

現在のWBT(Web Based Training)は講師と学習者間,あるいは学習者同士のコミュニケーションが極めて少ない.WBTは,コンテンツが講師(サーバ)側から学習者(クライアント)側へ一方通行的に配信されている.これは,現在のWBTがサーバ・クライアント型であることが原因の一つである.これを解決するために,我々は,誰でもコンテンツの発信者となることができるP2P型のe-Learningを開発した.本論文では,最初に,今までのWBTの問題点を述べ,次に実際に開発したP2Pによるコミュニティベースのe-Learningソフトウエアの設計と実装について述べる.
著者
望月 俊男 久松 慎一 八重樫 文 永田 智子 藤谷 哲 中原 淳 西森 年寿 鈴木 真理子 加藤 浩
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.23-33, 2005
被引用文献数
11

本研究では, 電子会議室で協調学習を行う学習者の発言データをもとに, そこで各学習者が発言している議論の内容とプロセスを可視化するソフトウェアi-Beeを開発した.i-Beeは任意の期間を単位として, 各学習者がどのようなキーワードをもとに発話したのか, 相互関係をまとめたマップを提示する.また, 過去にさかのぼってマップの変化の過程を確認できる.ある大学の授業で, i-Beeを利用して電子会議室上で議論を行い, その有効性を検討したところ, 学習者がi-Beeを見ることで, 自分自身や他の学習者の議論への関わりや, その時点までの関わりの変化の特徴に気づくことができることが分かった.また, 学習者がこれまで関わってこなかった学習者や話題にアクセスしたり, 議論への関わり方をリフレクションすることを促すリソースとなることが示された.
著者
清田 寛信 鈴木 優 川越 恭二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.393, pp.69-74, 2009-01-15

本稿では,非構造型P2Pネットワークにおいて,特定の利用者問合せに特化した索引の付加による多次元検索を効率化する手法について提案を行う.P2Pネットワークではコンテンツを検索する際,網羅性と検索速度がトレードオフの関係にあるという問題がある.例えば,コンテンツに多くの属性を持たせた多次元検索の場合,新しく追加されたコンテンツを利用者が要求したとき,この問題は特に顕著となる.そこで,本稿では新しく追加されたコンテンツやアクセスの多いコンテンツを示す度合いである熱度の概念を導入し,この熱度を考慮した索引配置手法を提案する.具体的には,コンテンツの持つ多次元の属性に熱度を加えた(n+1)次元索引手法を基本手法とし,さらに,コンテンツの熱度の高さを基にレベル分けを行い需要の高いコンテンツを優先して構造化する方式,およびコンテンツの熱度をビット列として索引に付加する方式を提案する.
著者
戸田 任重 沖野 外輝夫 鈴木 啓助 茂木 信太郎 藤井 恒男 土田 勝義
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

わが国における環境コミュニティ・ビジネスの先進事例として,(1)新聞紙のリサイクルに関するビジネスモデル(福岡)及び(2)廃食用油のリサイクルに関するビジネスモデル(秋田)の二つの事例を取り上げた。前者は、地域ぐるみでの共生型社会システムの構築の実験例であり、後者は、公的な事業に比べて自由度の高いベンチャー企業の特性を生かしつつ,地域内のBDFに関するエネルギー循環システムを確立しようと試みている点が注目された。諏訪湖・天竜川流域の地域社会の発達過程を、統計データや人工衛星データ(LANDSAT TM)を用いて解析した。有料道路ビーナスラインが約30年前に開通し、平成14年に無料化され、霧ヶ峰観光の増大とそれに伴う収入の増大、その他周辺各地の観光地化、大量の観光客の到来に伴う草原破壊、ゴミ、尿尿問題などの環境問題(いわゆるオーバーユース問題)、霧ヶ峰の草原生態系の変化(景観の変化、森林化、植林地化、外来植物の繁茂)などが引き起こされてきた。これらの様々な問題への対処には、行政ばかりでなく、NPOや地元市民の協力が不可欠であると考えられた。諏訪湖、天竜川流域における物質循環調査では、天竜川水系小黒川源流域における河川水質変動の解析、天竜川隣接市町村における地下水の硝酸塩汚染の実態把握、遠州灘海岸の海浜砂の粒度変化と漂砂系の調査を実施した。また、人工衛星データ(Aster)を用いて、諏訪湖流域に存在する多数のゴルフ場がその周辺の自然環境に与える影響を調べた。さらに、固体29Si-NMRによる底泥中の生物態シリカ(BSi)の定量法の開発も行った。諏訪湖内の生物、環境に関する調査では、諏訪湖底泥柱状試料中における光合成色素を用いた藻類組成変遷の解析、トリブチルスズ(TBT)の水平分布、ミジンコの生活史に応じた殺虫剤(カルバリル)耐性の解明、底生生物相の変動解析を行った。底生動物のアカムシユスリカの発生時期には水温が大きく影響していること、成虫発生量は年変動が大きいが,減少傾向にあることが判明した。環境改善技術として、シクロアルカン類の光分解反応の解析、気相におけるクロロアセトンの光反応の解析、ベンズアルデヒドの粘土鉱物アロフェンへの吸着特性の解明、製材残滓充填カラム内における汚染物質の浄化特性の解明、硝酸性窒素による地下水汚染源の解明とモデル化を行った。
著者
鈴木 隆泰
出版者
東京大学東洋文化研究所
雑誌
東洋文化研究所紀要 (ISSN:05638089)
巻号頁・発行日
vol.152, pp.320-285, 2007-12-19

The tathāgatadharmakāya (如來法身) called tathāgatagarbha (如來藏) or buddhadhātu (佛性) within all sentient beings is considered to be covered with and corrupted by numerous thousands of millions of afflictions, and therefore cannot demonstrate fully the act of blessing to be granted by the Tathāgata to all sentient beings. Tathāgatagarbha is, however, recognized as nothing other than the perfect Tathāgata himself on the grounds that both tathāgatagarbha and the Tathāgata are essentially dharmakāya and tathatā (眞如). And this understanding of tathāgatagarbha has given rise to two serious problems in this theory: the first is the problem why the eternally pure tathāgatadharmakāya (i.e. the Tathāgata) becomes corrupted by afflictions, and the second is the problem why sentient beings are required to perform religious practice in order to attain supreme enlightenment since all of them have already attained the perfect Tathāgata within themselves. Though some of the scriptures of this theory such as the Śrī-mālādevīsimhanādasūtra (勝鬘經) and the Mahāparinirvānasūtra (・槃經) tried to answer these questions, reasonable resolution has seemed almost impossible since these two problems originate from the fundamental understanding of this theory that by the blessing of the Tathāgata all sentient beings have tathāgatadharmakāya within themselves which ensures them the attainment of supreme enlightenment.There finally appeared one sūtra, the Mahābherīsūtra (大法鼓經, MBhS), that resolved these problems at one stroke. This paper attempts to examine and elucidate precisely the process of resolution of the problems proposed by the MBhS based on the eternity of the Tathāgata. Through this examination the paper also illustrates how one idea of Buddhism develops in the Buddhist history.
著者
濱井 健人 隅山 孝夫 鈴木 元 吉田 英弘
出版者
愛知工業大学
雑誌
愛知工業大学研究報告. A, 基礎教育センター論文集 (ISSN:03870804)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.21-29, 2003-03-31

2つのn次正方行列A,BがAB=E_nをみたせば必然的にBA=E_nとなることはよく知られた事実である。このことの証明は,行列式を用いて大学初年級程度の線形代数学の知識の範囲内でできる。しかしこの命題は本来行列式とは無関係であり,より一般的な代数学の定理から導くことができる。この論文においては,上の命題を系として含む一般的な代数学の定理を提示する。同時に,工学部系の数学教育では扱い難い環と圏の理論を,上述のことに関連させて教育内容とし得ることを示す。この論文は,愛知工業大学情報通信工学科平成12年度と平成13年度の卒業論文(参考文献[2],[6])を発展させたものである。
著者
鈴木 卓夫 永田 和宏
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.85, no.12, pp.905-910, 1999-12
被引用文献数
2

In 1977, Japan Institute of Art Japanese Sword was reconstructed Tatara furnace for direct steelmaking from iron sand and charcoal, so called Kera-oshi method. This Tatara furnace called Nittouho Tatara was constructed on the base of Yasukuni Tatara furnace which had been operated until the end of the World War II in Yokota city in Shimane prefecture. For this reconstruction of the furnace and the direct steelmaking operation, the great effort of Mr. Yoshizo Abe as a leader Murage had been paid and his techniques should be made clear. Until the age of Yasukuni Tatara, Kera-oshi method was consisted of 4 stages ; Komori, Komoritsugi, Nobori and Kudari. In the 2nd stage of Komoritsugi, Komori iron sand had been used to charge because of easy reduction and production of pig iron. In 1977, Mr. Abe had met difficulty to collect Komori iron sand. Then, he developed the new technique of Tatara operation using only Masa iron sand for the last two stages in spite of Komori iron sand. He controlled the wet of iron sand and made the residual time of iron sand longer in furnace. The reduced iron particles have enough time to absorb carbon for producing pig iron.
著者
鈴木 有也 福田 宗弘 和田 耕一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.141-152, 2003-07-15

マルチエージェントに基づく複雑系モデルは,多種多様なエージェントの相互作用によってシミュレートされるため,シミュレーションアルゴリズムの良好な記述性がつねに求められる.そこで本研究では,スレッドで実装されたエージェントがクラスタ上を移動し,相互に作用しながらシミュレーションを進める並列マルチエージェントシミュレータM++を提案する.M++は,M++言語によって記述性を追求し,アルゴリズムに沿ったシミュレーションプログラムのコーディングを容易にする.また独自のS スレッドライブラリ,およびゼロコピー通信を用いたスレッド移動によって性能の低下を軽減し,台数効果を得ることができる.本論文は,人工社会シミュレーションをM++とMPIの双方で記述することによって,M++の記述性を検証し,その性能について考察することを目的とする.The multi-agent approach requires a large number of various agents and objects, where programmability are of essence in such simulations. To improve this feature of the approach, we propose the M++ parallel multi-agent simulator, in which threads represent agents, autonomously navigate through, and get access to a simulation space constructed over a cluster system. We have not only realized a narrow semantics gap between simulation models and their code with our M++ language, but also retained performance using our original sthread library and zero-copy thread migration scheme. In this paper we demonstrate programmability of M++ using artificial societies simulation by comparing with MPI and inspect its performance.