著者
長谷川 豊祐
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.311-316, 2011-08-01 (Released:2017-04-20)
参考文献数
34
被引用文献数
1

設置母体における経営環境の悪化に伴い,図書館でも「管理」が注目されている。はじめに,外部環境と内部環境の変化と,図書館に求められる機能と能力について以下の2点を明らかにする。1)図書館は,経営資源が縮小しているにもかかわらず,利用対象と機能を拡大したサービスを迫られている,2)図書館全体としては,経費と職員は減少傾向にあるが,増減の多少は個々の館で大きな差がある。従って,図書館には,場当たり的な彌縫策ではない業務改革や業務管理が求められる。そこで,業務管理の手法として,SWOT分析とバランスト・スコアカードの概要について解説する。
著者
長谷川 和樹
出版者
一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
雑誌
日本口腔腫瘍学会誌 (ISSN:09155988)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.69-77, 2014-09-15 (Released:2014-10-01)
参考文献数
13
被引用文献数
4 2

下顎骨の切除は咀嚼のみならず審美性,嚥下,構音など多くの機能に障害を生じることとなる。そのため下顎骨欠損の硬性再建を行うことは患者さんのQOLを回復するための非常に有効な手段となる。現在下顎骨の再建には腸骨,腓骨,肩甲骨など様々な部位の血管柄付骨皮弁が用いられている。しかしどの骨皮弁もそれぞれ長所,短所があり,必ずしも一つの皮弁にてすべての症例に適応できうるものではない。肩甲骨皮弁は口腔顎顔面外科領域の硬組織再建に広く用いられている骨皮弁の一つである。その栄養血管である肩甲下動静脈は二つの枝(胸背動脈,肩甲回旋動脈)に分かれ,さらに胸背動脈はAngular branchや前鋸筋枝を分岐する。そのためこの血管系は肩甲回旋動脈による肩甲骨弁,Angular branchによる肩甲骨弁,両者の血管柄を持つ肩甲骨弁,広背筋皮弁など様々な皮弁を栄養することができ,さらにこれらの皮弁を組み合わせた複合皮弁としても用いることができる。今回は当科にて行っている肩甲骨皮弁を用いた下顎再建につき,オトガイ部を含めた区域切除後の再建術式を中心として解説,さらに解剖,本皮弁の特徴,適応なども含め検討し紹介する。
著者
中澤 高師 Trencher Gregory 辰巳 智行 長谷川 公一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.22-00254, 2023 (Released:2023-04-20)
参考文献数
22

本稿の目的は,日本における二酸化炭素排出実質ゼロ宣言の波及過程を明らかにし,気候変動政策の転換を引き起こしたメカニズムの一端を解明することである.政策波及研究の知見に基づき,国と自治体の双方向の垂直的な影響,自治体間の水平的な波及過程,国際都市ネットワークからの波及,その他の促進/阻害要因を,日本政府を含む全国的な波及過程研究と神奈川県の事例研究から明らかにする.半構造化インタビューと文献資料調査の結果,まず国際都市ネットワークに繋がる先進的自治体が宣言し,それに注目した国が自治体へ宣言を呼びかけ,宣言自治体の増加が国によるゼロ宣言の一因となり,自治体の宣言がさらに促進されていくという,垂直的波及と水平的波及の連鎖過程が明らかになった.
著者
倉持 笑子 山田 洋輔 長谷川 久弥 丸田 沙也香
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.57-61, 2023-04-25 (Released:2023-04-25)
参考文献数
7

Background: Surfactants are produced sufficiently after 34 weeks of gestation as the fetal lungs mature. The stable microbubble test (SMT) evaluates fetal lung maturity. However, late preterm infants sometimes present with severe respiratory distress and require appropriate respiratory care.Methods: We reviewed 42 late preterm infants who underwent the SMT with gastric aspiration upon admission to our neonatal intensive care unit. The gestational age was 35.3 (34.6-36.0) weeks, and the birth body weight was 2,181 (1,971-2,527) g. We classified the patients into the premature and mature groups based on the results of the SMT. We investigated the results of the SMT in late preterm infants and compared lung maturity with the maternal and neonatal respiratory clinical courses.Results: There were 12 infants in preterm group (28.6%). The gestational age of the premature group was significantly longer, and the Apgar scores were lower in the premature group. Mothers of the premature group had significantly more cases of gestational diabetes mellitus. Respiratory distress syndrome was significantly more frequent, and infants in the premature group required invasive ventilation more frequently.Conclusions: We found that a small number of neonates produced sufficient surfactant, even in late preterm infants. It is suggested that the production of surfactants is related to gestational diabetes mellitus more than gestational age, and the SMT is useful in late preterm infants.
著者
長谷川 計二
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.135-136, 2005 (Released:2007-07-06)
参考文献数
1
著者
長谷川 益己 佐々木 康寿
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
材料力学部門講演会講演論文集 2001 (ISSN:24331287)
巻号頁・発行日
pp.351-352, 2001-07-19 (Released:2017-08-01)

Changes in shear wave velocity were measured by the sing-around method rotating the oscillation direction of the wave with respect to the orthotropic axis of wood. The velocity of the shear wave propagated through the stressed wood decreased suddenly when the oscillation direction coincided with the tangential direction of the wood. The polarization direction of shear wave coincided with the principal axes of wood, not with the direction of the principal stresses. This finding indicated that the polarization direction was much affected by the texture-induced anisotropy of wood. Based on the result, the bending and shear stress distributions in wood beam specimen were estimated by the acoustoelastic birefringent method. The stress values estimated agreed well with those obtained by the strain-gauge method and mechanical calculations.
著者
長谷川 隼也 小倉 康
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.603-612, 2023-03-31 (Released:2023-03-31)
参考文献数
20

本研究では,中学校における理科と総合的な学習の時間との共同により,理科や科学技術と職業との関係を認識させる指導法を開発した。その方法は,理科の学習内容と様々な職業との関連づけを行い(手立てⅠ),その後,総合的な学習の時間で様々な職種の企業による理科や科学技術を活用した取組について生徒が調べたり発表したりする活動を行う(手立てⅡ)ものである。この方法により,理科や科学技術に関係する職業 1)の認識を深めさせることができるとの仮説を設定した。中学校第1学年で検証授業を行った結果,この仮説が支持された。これにより,本研究は,理科や科学技術に関係する職業の認識を深めさせるための指導法として有効であることが示唆された。
著者
長谷川 貞夫
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.33-41, 1978-04-01 (Released:2016-03-16)
参考文献数
15

視覚障害者の文字である点字と普通文字を,できるだけ人手を介さずに相互変換することは非常に重要なことである。そのためには3つの条件が必要である。第1は,点字と電子計算機を結ぶ各種の点字用入出力装置をつくることである。第2は,点字には漢字がないので点字の漢字をつくるか,または,普通文字の漢字とカナの点字を相互変換するかである。第3は,点字と普通文字または普通文字と点字とを変換する各種のンフトウェアを開発することである。これらの問題を手がけ,点字による漢字入力および自動代筆,自動点訳において実用の段階に達した。
著者
執行 秀彌 大原 貴裕 岩山 忠輝 舟田 晃 長谷川 拓也 神﨑 秀明 安斉 俊久
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.187-190, 2015 (Released:2016-02-15)
参考文献数
14

症例は70歳, 女性. 主訴は意識消失. 大動脈弁閉鎖不全症, 感染性心内膜炎に対してBentall手術 (Prima Plus 21mm, Intergrad 20mm), 右室形成術を施行した. 術後完全房室ブロックと低心機能を認め心臓再同期療法ペースメーカー (Medtronic Consulta CRT-P C3TR01) を留置した. 3カ月に及ぶ長期入院を要した. 退院後, 立位にて調理中に突然の意識消失をきたし, 精査のために入院. 心電図では失神をきたすような不整脈を認めず, 心筋逸脱酵素上昇等異常所見を認めなかった. 経胸壁心エコー図では, 局所壁運動異常や大動脈弁置換弁の異常所見を認めなかった. 頭部単純CT, 脳波検査でも異常所見は認めなかった. 神経調節性失神を疑いヘッドアップチルト試験を施行. ニトロール負荷にて急激な血圧低下, 失神症状を認めた. カルベジロールのα1遮断作用が失神の誘因となった可能性を考慮し, カルベジロールからビソプロロールへ変更した. 変更後ヘッドアップチルト試験を再施行したが, 血圧低下, 失神症状を認めなかった. 以降症状再発なく経過している. 低心機能例に対してβ遮断薬を投与する際には神経調節性失神の副作用も考慮に入れて薬剤選択する必要があると考えられた.

1 0 0 0 原価会計学

著者
長谷川 安兵衛
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
1935

博士論文
著者
長谷川 利治
出版者
大阪大学
巻号頁・発行日
1964

博士論文
著者
竹原 繭子 山本 泰豊 長谷川 良平
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
pp.TJSKE-D-21-00042, (Released:2021-11-09)
参考文献数
23

We have been developing a cognitive assessment system based on an electroencephalography-based brain-machine interface (EEG-based BMI) that uses event-related potentials (ERPs) as a virtual “EEG switch.” ERP reflects a temporal change in attention and is also known as a potential biomarker for assessing cognitive functions for older people even with motor decline. We recorded EEG data from 26 healthy adult subjects (18-79 years old) who performed the target-selection task with the EEG switch and compared the result with that of a standard neuropsychological test, the “Trail Making Test” (TMT). We found a correlation between them, and the result showed that this system has the potential for early detection of cognitive decline in order people.
著者
渡邉 光男 永浦 克司 長谷川 敏 島垣 満 吉田 義樹 杉田 栄一郎 Watanabe Mitsuo Nagaura Katsuji Hasegawa Satoshi Shimagaki Mitsuru Yoshida Yoshiki Sugita Eiichiro
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発資料 = JAXA Research and Development Memorandum (ISSN:13491121)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RM-09-009, pp.1-6, 2010-03-31

本報告では,「極低温流体中でインデューサに発生するキャビテーションの直接可視化(その1:耐低温樹脂の特性検証試験結果)」で行った要素試験のデータを基に,更に極低温透視管に改良を加え,目標耐圧圧力7MPaを目指した検証試験について述べる。(その1)でネジ強度に課題のあったポリカーボネートは,ネジ山形の設計変更を行い,シールは新たにスプリング荷重式テフロンシールを選定し,シール構造にも改良を加えることで目標とする耐圧7MPaを達成することができた。また,ポリカーボネート樹脂の懸念材料であった低温脆性の劣化についても,熱サイクル試験を行うことで素材の潜在能力の高さを確認できた。これらの経緯と試験結果について報告する。
著者
長谷川 美典 川﨑 あけみ 小川 一紀 杉浦 実 矢野 昌充
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
pp.NSKKK-D-23-00026, (Released:2023-04-03)
被引用文献数
1

国産果物の高品質には定評があるにもかかわらず,国民の消費量については「毎日くだもの200グラム運動」で推奨されている量の1/2に留まる. 諸外国に比較しても著しく低レベルである. そこで、発表者らは4半世紀にわたって進めてきた「果物と健康」に関する研究の成果を活用し、果物の消費拡大をアピールしている. 更には任意団体を2つ立ち上げ,消費拡大活動に向け工夫を重ねている.今回、その成果と将来展望について報告する.
著者
長谷川 豪
出版者
久留米大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

ナノ粒子状レアメタルの発癌リスクをin vitro発癌試験により検討した。先端産業界で有用なインジウム、ジスプロシウム、タングステン、モリブデンについてAmes試験を行い、ナノ粒子状酸化ジスプロシウム、酸化インジウム、酸化タングステンに変異原性を見出した。Bhas42細胞を用いた形質転換試験では、酸化インジウムと酸化ジスプロシウムに形質転換能を認めたが、粒径による活性の差異は認められなかった。
著者
大野 佳子 三瓶 舞紀子 長谷川 文香 松隈 誠矢 半谷 まゆみ 森崎 菜穂
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.135-148, 2023-02-15 (Released:2023-03-02)
参考文献数
34

目的 コロナ禍の学校では感染対策に伴い行動が制限されるなか,こどもはどのような意見を持っているのか,そのテキスト(語られた言葉)の構造および保護者の心理・社会経済状況による特徴を明らかにすることを目的とした。方法 2020年9~10月に実施されたWeb調査「コロナ×こどもアンケート第3回調査」の回答者(小・中・高校生相当の男女)2,111人のうち,自由記述による有効回答が得られた1,140人のテキストデータを対象とした。質問内容は「いま気になることや言いたいこと[本音]」および「どのようにすればいいと思いますか?誰がどのようなことをしてくれたらいいと思いますか?[実行案]」であった。保護者の属性には年齢,仕事の有無,心理的苦痛尺度(K6),経済状態等を保護者から情報収集し,分析にはテキストマイニングソフトによる頻度分析,特徴分析,ことばネットワーク(単語関連図)作成を行った。結果 [本音]と[実行案]のテキストは総行数(回答者数)531,1,017であり,平均行長(文字数)21.5,31.5であった。係り受け頻度分析では[実行案]が「話-聞く」等であり,[本音]では「行事-無くなる」「マスク-外す」等が多かった。ことばネットワークでは[実行案]で最もノードの大きい「私」に「動く」「話しかける」等が強く共起のネットワークを形成していた一方,[本音]では「COVID-19」に「終息+?」「無くなる+したい」等が強く共起していた。保護者の属性による特徴的な単語(補完類似度)は,[実行案]では仕事あり群で「話(35.9)」,K6良い群で「話(26.6)」であり,K6不良群で「分かる+ない(23.5)」,経済状況悪群で「分かる+ない(17.3)」であった。一方,[本音]では仕事あり群および精神的健康度の高い群で「COVID-19(28.1,27.5)」であった。結論 こどもの本音ではCOVID-19に対する不快感や怖れを持っている一方で,実行案を問うと「私」が主体となって動き,他者に話しかけると同時に,誰かに話を聞いてもらいたい意思のあることが明らかになった。保護者の心理的苦痛と経済状況が良くないこどもの実行案の特徴として“分からない”が多かった。
著者
高橋 聡 三田 知子 村上 恵理 遠藤 雅士 丹波 嘉一郎 長谷川 聰 白井 克幸
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.89-94, 2023 (Released:2023-03-29)
参考文献数
15

【緒言】ブプレノルフィン経皮吸収製剤(BTDP)の自己中断により,急性オピオイド退薬症状を呈した在宅医療患者を報告する.【症例】84歳,在宅訪問診療利用中の男性.腰部脊柱管狭窄症の悪化により,4カ月前からBTDPで鎮痛されていた.症状改善傾向と考えた家人が,患者本人に無断でNSAIDs経皮吸収製剤に貼り替えたところ,約50時間後から5分ごとの頻尿や失禁,水様性下痢,発汗,血圧低下,足裏の不快感,不眠などの多彩な症状が表出された.Clinical Opiate Withdrawal Score(COWS)では12点の軽度退薬症状に該当した.発症後24時間で激しい症状はほぼ自覚されなくなり,48時間後には完全に消退した.【結論】BTDPの急速な中止による退薬症状の報告例は少ない.医学薬学的な側面のほか,在宅医療におけるオピオイド製剤使用上の社会的問題点も明らかとなった.
著者
千葉 武勝 長谷川 勉
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1972, no.23, pp.66-70, 1972-12-20 (Released:2011-08-11)
参考文献数
21

タマナヤガとカブラヤガ両種の3令期以降の幼虫, 蛹および成虫の耐寒性について実験的に検討し, その結果から, 両種の野外における越冬態について考察をくわえた。1. 20℃, 長日 (16時間照明) および短日 (12時間照明) 条件下で飼育した両種の3令, 4令, 5令および6令幼虫を約2.5℃ の冷蔵庫で冷蔵し, 5日ごとに60日めまで生, 死虫数を調査した。その結果, タマナヤガではいずれの令期, 日長条件区とも耐寒性は弱く60日間の冷蔵処理でほとんどの個体が死亡した。これに対して, カブラヤガの幼虫では一般に強く, とくに短日で飼育した5~6令幼虫は60日後でも約90%の個体が生存していた。2. 9月中旬から10月下旬の問の室温条件下で飼育して得た蛹を, ヨトウガの休眠蛹との比較のもとに野外の土中に埋没して, 人為的に越冬させたところ, ヨトウガでは88%の個体が翌春まで生存していたのに対し, タマナヤガおよびカブラヤガでは全個体が死亡した。3. 低温 (20℃), 短日 (12時間照明) 下で飼育して得た成虫を2℃ 前後に冷蔵して生存期間を調べたところ, タマナヤガは平均37日, カブラヤガでは55日であった。4. 以上の結果から, タマナヤガでは各虫態とも耐寒性が弱く, 寒冷地での越冬は困難と思われた。また, カブラヤガでは中~老令幼虫で越冬するものと考えられた。
著者
利野 靖 湯川 寛夫 山田 六平 佐藤 勉 稲垣 大輔 藤川 寛人 長谷川 慎一 大島 貴 吉川 貴己 益田 宗孝 今田 敏夫
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.62-66, 2013 (Released:2014-02-28)
参考文献数
9

【目的】十全大補湯は病後の疲労倦怠,食欲不振,貧血に処方される漢方薬の一つである.再発胃癌の抗癌剤治療中の白血球減少,貧血,食思不振に悩んでいた症例に十全大補湯を処方したところ改善した症例を経験した.そこで胃癌の診断で抗癌剤治療を施行した症例で十全大補湯を処方した症例をretrospectiveに解析し,抗癌剤の副作用の発現率を検討することとした. 【対象と方法】進行再発胃癌の診断で抗癌剤治療を施行した症例で31例に十全大補湯を処方した.抗癌剤の副作用発現と,十全大補湯の副作用について検討した. 【結果】十全大補湯が不味くて飲めない症例が1例.17例の血液毒性では,11例(64.7%)でGradeの低下がみられ,有効と判定した.10例の非血液毒性(食思不振,倦怠感など)では,7例(70.0%)で効果がみられた. 【結語】抗癌剤治療の副作用に十全大補湯は有効であることが考えられた.