著者
ヤスミーン・ビール=リヴァヤ 阿部 俊大 Yasmine Beale-Rivaya Toshihiro Abe
出版者
同志社大学人文学会
雑誌
人文學 = Doshisha University Jinbungaku (Studies in Humanities) (ISSN:04477340)
巻号頁・発行日
no.205, pp.204-168, 2020-03-15

本論文は、モサラベという言葉の定義、またモサラベについての研究史を簡潔にまとめ、スペイン現地を中心とした、モサラベという研究分野の現在に至るまでの研究状況の概要を紹介するものである。著者は中世のイベリア半島をフィールドに、ロマンス語とセム系言語の境界地域における言語の接触、公刊、借用といったテーマを専門とする研究者であり、本論文も、狭義の歴史学研究者が触れる機会が少ない、言語面からの詳細な分析が行われているのが特徴となっている。
著者
阿部 慶賀
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.63-68, 2020-03-01 (Released:2020-03-15)
参考文献数
10

This study examined the effects of haptic stimuli through visual stimuli in interpersonal behavior. The experiment participants were divided into three groups. The “harsh” group experienced harsh haptic stimuli using a web browser. Similarly,the “sticky” group experienced sticky stimuli. The control group did not experience any visual stimuli. After the experience, the participants were asked to join a public goods game. The experiment results showed that the investment amount of the “sticky” group was significantly higher than that of the other two groups. On the other hand, the investment amount of the “harsh” group was less than that of the other two groups. These results thus indicated that the “sticky” group behaved in a cooperative manner, while the “harsh” group behaved in an uncooperative manner. The experiment results thus suggested that haptic experience through visual stimuli can evoke haptic priming.
著者
阿部 フミ子 山内 辰郎
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.25, no.10, pp.2744-2748, 1977-10-25

Cardenolides in the seeds, bark, and leaves of Cerbera manghas L. were investigated. From the seeds, tanghinigenin glycosides were isolated along with known digitoxigenin glycosides, cerberin, neriifolin, thevetin B, and 2'-O-acetyl thevetin B. From the barks of root and stem, gentiobiosyl thevetoside, glucosyl thevetoside, and thevetoside of tanghinigenin and 17βH-tanghinigenin were obtained. The cardenolides in the air-dried leaves were found to vary with seasons. 17βH-neriifolin is major and preferable to neriifolin in July, while 17βH-deacetyltanghinin and deacetyltanghinin present in the leaves of Feb.
著者
阿部 貞夫 和泉 秀彦 嶋田 明子 中村 洋一
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.559-567, 1974
被引用文献数
3

抗ヒスタミン剤を中心とした抗アレルギー剤治療にて調節しえない蕁麻疹症例はかなりの数にのぼる。今回, それらの難治性のあるいは遷延化した蕁麻疹症例にたいして使用したHistaglobinの効果を明らかにする目的で100治験例の治療経過の分析を試み, 治療の目安ともいうべき2, 3の集計結果をえたので報告すると同時に, Histaglobinの作用機序についてもいくらかの考察を試みた。結果1) 明かな改善がみられた92症例中88例(95.7%)に4本以内の注射で効果がみられた。2) 93症例について調べた総注射使用本数は, 39例が5本以内, 30例が6~10本以内であつておよその必要本数が明らかにされた。3) 以上を総括すると有効90例, やや有効4例, 無効0, 経過不明6例であつた。4) 忌むべき副作用はまつたくみられなかつた。
著者
阿部 修治
出版者
社団法人日本化学会
雑誌
化学教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.325-329, 1966-09-20
著者
阿部 吉雄
出版者
九州大学大学院言語文化研究院
雑誌
言語文化論究 (ISSN:13410032)
巻号頁・発行日
no.15, pp.45-59, 2002

Vor dem Angriff auf Pearl Harbor im Dezember 1941 waren 18000 Juden aus dem von Nazis-Deutschland beherrschten Europa nach Shanghai geflohen. Am 18. Februar 1943 wurde die Bewegungsfreiheit der jüdischen Flüchtlinge aufgrund einer Proklamation der Oberbefehlshaber der japanischen Armee- und Marinestreitkräfte des Shanghaier Gebiets auf das Designated Area in Hongkou ( Nordost-Shanghai ) beschränkt. Diesen zwei Quadradkilometer großen Bezirk nannten die Flüchtlinge "Juden-Ghetto" Abgesehen von den Bemühungen des Achsenpartners Deutschland, die japanische Politik antisemitisch zu beeinflussen, wurde bisher angenommen, dass Grund für die obige Proklamation und die damit verbundene Anfang 1942 neu aufgenomme strenge Überwachungspolitik der jüdischen Emigranten darin liege, dass die früheren freundlichen Schutzpolitik der japanischen Regierung gegenüber den Flüchtlingen infolge des Kriegsausbruchs im Pazifik die in wirtschaftlicher und diplomatischer Hinsicht bedeutungslos geworden war. In der vorliegenden Arbeit wird der obenerwähnte Sachverhalt im Zusammenhang mit der besonderen Situation Shanghais von der zweiten Hälfte des Jahres 1942 bis zur ersten Hälfte des Jahres 1943 näher betrachtet. 1. Die Einführung des Pao Chia (baojia ) Systems in Shanghai: Um diese Bürgerwehrorganisation der einzelnen Bezirke, die zugleich als gegenseitiger Überwachungsapparat unter den Bewohnern funktionierte, wirksam zu halten, war es unentbehrlich, die Juden an einem Ort zu konzentrieren. 2. Die Änderung des Warenumlaufssystems zur Führung eines Dauerkriegs gegen die Alliierten: Zur Anschaffung von Kriegsmaterial sollte möglichst das Netzwerk der chinesischen Kaufleute genutzt werden. Daher sah die Ameefuhrung sich genötigt, die Handelstätigkeit der Juden einzuschränken, denn diese hatten sich innerhalb weniger Jahre im Shanghaier Wirtschaftsleben fest etabliert. 3. Die Rückgabe der Konzessionen an die Wang Jingwei-Regierung (die Marionettenregierung Japans): Um die Vichy-Regierung zur Rückgabe der französischen Konzession zu bewegen, war wohl die Zustimmung des Deutschlands, das damals Frankreich besetzt hielt, notwendig.
著者
阿部 康久 李 商益
出版者
日本都市地理学会
雑誌
都市地理学 (ISSN:18809499)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.71-79, 2016

<p>中国・延辺朝鮮族自治州の延吉市を対象として,情報サービス産業の進出と停滞について従業員の雇用条件等に注目して検討した.調査結果として,延吉市内には,主に国内企業や韓国企業を中心に情報サービス産業のある程度の立地がみられる.同市への企業進出は2006 年頃から顕著になり始めたが,当初は,韓国語を理解できる朝鮮族住民が多く,しかも賃金水準が低かったことが進出の大きな要因となっていた.しかしながら, 2008 年以降は,リーマンショック等の金融危機が起こったことに加えて,賃金水準の上昇が顕著になったことで一部の進出企業では経営状況が悪化するものや撤退するものもみられた.一方,賃金水準は以前に比べると上昇しているものの,国内の他地域や海外を勤務地とする求人に比べると依然として低い水準にあることが分かった.この要因として,求人の職種や勤務内容をみると,高賃金が期待できるものが少ないことが指摘できる.</p>
著者
植田 健治 望月 眞 篠原 靖 杉本 勝俊 阿部 公紀 田畑 美帆 片上 利生 宮岡 正明 寿美 哲生 葦沢 龍人
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.1526-1532, 2005

症例は54歳,女性.右下腹部痛と血便を主訴に当科を受診した.大腸内視鏡検査で回腸終末部に10mm大の粘膜下腫瘍様隆起が認められ,生検でカルチノイド腫瘍と診断された.腹腔鏡補助下回盲部切除術を施行したところ,深達度はsmで筋層浸潤はなく,腫瘍径は小さかったが,回結腸動脈根部のリンパ節に転移が認められた.本症例は大腸内視鏡検査時に回腸終末部への挿入を実施したために発見された病変であり,可能な限り回腸終末部への観察が重要と考えられる.
著者
阿部 貴子
出版者
智山勧学会
雑誌
智山学報 (ISSN:02865661)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.0119-0139, 2020 (Released:2021-04-06)
参考文献数
48

本稿は『声聞地』の成立背景を探るために、不浄観に関する所説を考察するものである。特に、他の経論との接点が認められる体内の36種、死体の10種、墓場の4種、内外の観察という観点について、阿含経典、阿毘達磨論書、禅経典と比較した。 これにより、『声聞地』の不浄観は、『念処経』(Smṛtyupasthānasūtra)に基づきながら、細部の解説や法数については『雑阿含経』や『集異門足論』『法蘊足論』『婆沙論』と近い語句を用いていることが分かった。 不浄観をはじめとする五停心観という枠組みは、これまで禅経典の影響が指摘されてきたが、その内容は―五停心観の他の瞑想方法と同様―ほとんど相応しない。むしろ、阿含経典の所説を取り上げ、『法蘊足論』『集異門足論』『婆沙論』などの初期阿毘達磨論書と同様の法数や語句で補強しながら自説を展開しているといえる。
著者
近藤 康博 谷口 吉弘 迫江 康彦 阿部 浅樹
出版者
日本家禽学会
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.330-336, 1988

24時間または48時間の絶食がヒナの免疫機能に及ぼす作用について液性&bull;細胞性免疫機能の両面から追究した。24時間の絶食を施したヒナでは免疫後の抗体価は低値を示したのに対して48時間絶食ヒナでは免疫後6日目以降の抗体価は逆に高い値を示し,絶食はヒナの抗体産生能力を低下させると同時に,それが長期化すると血中の抗体の分解が遅れることが示唆された。脾臓中の抗体産生細胞数の割合には変化は認あられなかったが,個々の細胞による抗体産生量は減少した。このことが絶食によって起こる抗体価低下の一つの原因であると考えられる。PHAに対する末梢Tリンパ球の反応性はin vivoおよびin vitroの両方で低下した。従って,絶食は末梢のリンパ球数の減少と末梢Tリンパ球活性の低下によって細胞性免疫機能を低下させると考えられる。末梢血Tリンパ球の割合には変化は認められなかったことから,絶食は細胞性&bull;液性の両免疫機能にほぼ同程度の影響を与えることが示唆される。従って,絶食の免疫系に対する作用は,Tリンパ球系の細胞に対してより強く作用するとされる副腎皮質ホルモンの血中レベルの上昇のみによっては説明されず,今後,絶食の免疫系への作用の特異性を求めるべきであると考えられる。
著者
田中 智朗 阿部 大輔
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
日本都市計画学会関西支部研究発表会講演概要集 (ISSN:1348592X)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.29-32, 2021 (Released:2021-07-24)
参考文献数
8

本研究では、コミュニティ型暫定利用を対象に、空地活用の実態を把握した。 以上から、①事業の目的、用途、面積、期間は、運営形態によって傾向が異なること、②暫定利用終了後は対象地 や運営主体の変更が生じるなど新たな展開の契機となる可能性があること③暫定利用を通して場を共有することに よって形成されたコミュニティが、利用終了後も継続的なまちづくり活動として展開されている可能性があること、 が明らかとなった。コミュニティ型暫定利用は終了を前提とした事業であり、いずれ人々の拠点としての場は消滅するが、地域のコ ミュニティ形成に及ぼした影響には持続性を持つ可能性があると考えられる。
著者
石橋 秀巳 鍵 裕之 阿部 なつ江 平野 直人
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2013, 2013

本研究では、プチスポットに産する玄武岩質ガラスについてFe-K端&mu;-XANESによるFeの価数状態分析を行い、プチスポットマグマの酸素フュガシティ(fO<sub>2</sub>)を見積もった。分析は、高エネルギー加速器研究機構Photon FactoryのBL4Aの装置を用いて行った。分析試料は、東北地方三陸沖約800kmの太平洋プレート上に位置するプチスポットSite-Bでドレッジされたスコリア中に含まれる急冷ガラスである。今回、スコリア6試料について分析を行ったが、いずれもFe<sup>3+</sup>/Fe<sub>total</sub>~0.37の値を示した。この値は、ガラス-オリビン間のみかけのFe/Mg分配係数から求めたFe<sup>3+</sup>/Fe<sub>total</sub>比とほぼ一致する。この値から見積もったfO<sub>2</sub>条件は、QMF+2.3程とMORBより酸化的で、むしろ島弧マグマの条件に近い。この結果に微量元素組成を加え、プチスポットマグマの形成過程について議論する。
著者
阿部 純一
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.275-281, 1987
被引用文献数
1 2

This paper describes a theory of human melody perception and his final-tone extrapolation behavior, enbodied in a computer simulation model called FTES 2. Related experimental findings were also presented. The processes used by an expert musician in extrapolating final-tones and the computer simulation of these processes are contrasted and discussed. The theory consisted of a few general rules and several personal &ldquo;tonal&rdquo; processing rules. The present findings indicate that interpretation of a melody depends, in large part, on the characteristics of the &ldquo;tonal&rdquo; rules.
著者
阿部 ケエ子 丹澤 洋子
出版者
東海大学医療技術短期大学
雑誌
東海大学医療技術短期大学総合看護研究施設論文集 (ISSN:13498924)
巻号頁・発行日
no.14, pp.72-86, 2004

本学を卒業し臨床で活躍している看護師が、看護基礎教育時の技術教育に対し、どのような意見や要望を持っているかを調査した。その結果、看護基礎教育時の技術教育に対する意見や要望は9つのユニットに分類された。それは【看護基礎教育では、看護にとって何が大切なのか実感できなかった】【臨床の場で活用できる技術とするために臨場感があり、現状に即した技術教育が必要である】【技術を体験する機会が少ないと感じるため、もっと技術を体験できる環境を整えていく必要がある】【看護基礎教育で修得する必要のある技術は、教育をしていく必要がある】【看護技術を実践するにあたっては、方法を学ぶと同時に根拠やその時・その場での状況判断ができる能力を養う必要がある】【技術を修得するには臨床の場が効果的である】【学習者の姿勢が学びに影響するので動機づけが必要である】【学習項目や修得度の確認が必要である】【授業の開講と学習量を増やして欲しい】であった。またこの結果を踏まえ、看護技術教育の課題は、「臨床との乖離を防ぎ、看護基礎教育時に培った基盤を活かして卒後の学びが深まるよう、『臨場感があり、現状に即した授業』の工夫」や「実習や演習で看護技術の体験ができる環境の調整」、そして「看護の方法と同時に根拠やその時・その場の状況判断ができる能力を養う工夫」であった。また「学習者が主体的に学べるような動機付け」が必要であると考えられた。
著者
長尾 幸徳 大山 司 阿部 芳首 御園生 堯久
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.1, pp.90-96, 1988-01-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1

10-メチルアクリドン類と置換ベンゼン類の縮合反応により10-メチル-9-フェニル-9,10-ジヒドロアクリジン誘導体を合成し,酢酸で発色させたときの可視吸収スペクトルにおよ蔭す置換基の効果を検討し,PPPMO(Pariser-Parr-PoPle molecular orbital)法などを用いてその発色機溝を考察した。10-メチル-9-フェニル-9,10-ジヒドロアクリジン誘導体(9-(p-Y置換フェニル)-X置換体)のうち,X=H,2-NMe2:Y=NMe2,NEt2の化合物は塩化ホスホリルを縮合剤として即いる方法,X=H,2-NMe2:Y=H,Cl,OCH3の化合物はGrignard反応を用いる方法,X=3-NMe2:Y=Hの化合物はフェニルリチウムを用いる方法で,相当する10-メチルアクリドン類と置換ベンゼン類の縮合によりそれぞれ合成した。このようにして合成した9,10-ジヒドロアクリジン誘導体を酢酸で発色させたときの可視吸収スペクトルを測定し置換基の効果を検討した。またその発色状態のPPPMO法計算から求めた励起のさいのπ電子密度の変化から,置換基の種類,置換位置による発色機構の違いが吸収スペクトルに大きな影響をおよぼしていることがわかった。