著者
尾原 裕康 原 毅 阿部 瑛二
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1246-1256, 2021-11-10

Point・保存的治療抵抗性の腰部脊柱管狭窄症に対して,後方除圧術は非常に効果がある術式であるが後方支持組織に対しては侵襲的である.・後方支持組織温存のためさまざまな術式が報告されているが,通常の病態ではどの方法も良好な結果が期待できる.・変性が高度な症例では脊柱安定性に最も貢献している要素が何かを考察し,その要素を損傷しない術式を選択することで十分な除圧を行いつつ,将来のすべり症の悪化防止が期待できる.
著者
轟 英伸 畑野 昭夫 阿部 裕司 竹内 伸夫
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.1641-1650, 1996

紙の寸法安定性をオンラインで予測する計測システム (ウェッブ収縮率計) を開発した。今回開発したシステムは, エッジセンサーとして非接触型のレーザー外径測定器を移動ステージ上に配置した, 紙幅計測ユニット2組より構成されている。この2組のユニットを抄紙機の乾燥工程前後に取付けることにより, 収縮前後の紙幅から製紙工程におけるウェッブ収縮率を計測できる。さらにウェッブ収縮率と製品の浸水伸度や操業条件との関係を調査して以下の知見を得た。<BR>抄紙条件 (原料処方, 濾水度, J/W 比等) が種々異なる製品の浸水伸度 (寸法安定性) とプレドライヤー前からアフタードライヤー後までのウェッブ収縮率に高い相関関係が認められた。したがって, この相関関係を用いたウェッブ収縮率のオンライン計測により, 製品の寸法安定性を抄造段階で予測できる。<BR>抄紙機上において, ドローにより歪み率を1%増加させると, ウェッブ収縮率はポアソン比的な効果により約0.3%増加した。このドローによる収縮は, ワイヤー~ウェットプレス間の紙中水分80%付近では製品の寸法安定性にほとんど影響しないが, サイズプレス~アフタードライヤー間の紙中水分40%付近では寸法安定性を悪化させた。<BR>ドローを増加して, 歪み率を大きくすると, CDの剛度は低下した。また, ワイヤー~ウェットプレス間よりサイズプレス~アフタードライヤー間の方がドローの増加に対する剛度低下の割合が大きかった。<BR>J/W 比の変更により, 繊維をより縦配向にすることでウェッブ収縮率が増加し, 浸水伸度の悪化とCD剛度の低下が認められた。<BR>また操業中のオンライン計測事例として, J/W 比やサイズプレス液付着量の変化に伴う紙幅やウェッブ収縮率の変化挙動を紹介する。
著者
鈴木 謙太 阿部 洸也
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.359-361, 2019-09-13

現実空間では,後ろに人が立っている時などに,「人が居る」とわかることがある.それは電界の1つである準静電界が体毛を刺激する事により認識できている. しかし,HMDを用いたコンテンツでは視覚 / 聴覚のみを使い他者を認識するので、気配の知覚をすることが出来ない. そこで,我々が提案するのは3D空間内の状況により,準静電界を発生させることで気配の知覚を促すシステムである.

1 0 0 0 OA 孤独な群衆

著者
阿部 周造
出版者
日本消費者行動研究学会
雑誌
消費者行動研究 (ISSN:13469851)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1_2, pp.1_2_23-1_2_32, 2021-03-31 (Released:2022-01-22)
著者
醍醐 笑部 阿部 拓真
出版者
Japan Society of Sports Industry
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1_1-1_17, 2022 (Released:2022-01-20)
参考文献数
44

The current research examined the successful experiences and challenges faced by charity participants in the Tokyo marathon. Constraint negotiation (Jackson and Rucks, 1995) served as a theoretical framework to guide this examination. Original data collected by the Tokyo Marathon committee from 2013-2019 was used for data analysis to investigate medium-term changes. A web survey of the past Tokyo Marathon charity participants was conducted to discuss their fundraising experiences and their attitude toward charity. As a result of medium-term analysis, it was found that most of the charity runners decided on their participation because of their ‘running’ motivation for Tokyo Marathon, but of a charity opportunity. The chance of getting into the Tokyo Marathon as a general participant is one in ten or twelve and this situation assists their decision making. Also, fundraising, which is increasing in popularity in the US and Australia, was still quite low in this context. Three factors of successful experiences were revealed from the web survey; one was related to the subject and content of the fundraising, and the second was related to place and tools, and the third factor was related to the way to utilize the general fundraising skill. Four challenges were revealed; challenges for the charity runner her/himself, discomfort in asking donation for donors and potential donors, difficulties about feelings toward the Tokyo marathon charity system, and the lack of a Japanese charity culture.
著者
阿部 孝太郎
出版者
小樽商科大学
雑誌
商學討究 (ISSN:04748638)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.73-84, 2006-12
著者
柳井 雅也 阿部 康久 小野寺 淳
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2013, 2013

Ⅰ はじめに中国の長春市おける日系自動車会社及び同部品産業の立地展開と当地における事業活動について調査を行った。対象となる会社は10社、うち現地で面接調査(2012年8月17日~23日)を行った会社はトヨタ自動車、IHI,一汽光洋、ワイテックの4社(全体の40%)である。ここではトヨタ自動車(以後、トヨタ)の実態を報告し、発表では残りの会社の分析を含めて報告する。Ⅱ トヨタの長春市進出の経緯中国では、外資系自動車会社は2法人までしか合弁会社が作れない。このことが、トヨタはじめ外資系自動車の、中国における立地と事業活動に制限と工夫が求められているといる。トヨタが天津自動車夏利と組んで本格的に中国進出を果たしたのは1995年のことである。さらに、四川旅行車製造廠(成都:小型バス「コースター」生産)と合弁(2000年)で四川トヨタを設立した。ここで第一汽車(以後、一汽)に資本参加してもらい四川一汽トヨタ(SFTM)を設立し、トヨタはもう1社と組めるようになった。そこでトヨタは広州汽車(2006年)と組むことになった。このやり取りの中で、一汽の本拠地、長春に進出(2002年)が決まった。2003年に一汽が長春一汽豊越(一汽資本100%)を設立して技術指導とV6エンジンの生産を開始した。2004年には一汽豊田(長春)発動機を設立した。長春一汽豊越は2005年、SFTMの分工場(SFTM長春豊越)となり、ランドクルーザー生産(約3万台/年)を始めた。また、プリウスも少量ながら生産している。さらに、新工場(2012年)を建てカローラ(年間10万台予定)の生産を計画している。Ⅲ 部品調達一方、天津で一汽はトヨタと組んで天津自動車夏利に経営参画し、夏利天津一汽トヨタとして規模拡大を続けた。日系関連企業の集積も進んでいる。このため、部品(日本からの輸入も含めて)は、天津経由または大連港(一部)経由で長春に送られている。この物流コストを吸収するには、付加価値の高いV6エンジンやランドクルーザーの生産を行うしか選択肢がない。例えば、ランドクルーザーの物流に関して、名古屋港から部品をコンテナ船で大連港に運び、仮通関後に荷降ろしを行って、陸路または列車で長春に運ぶ。ここで本通関を行う。もし、完成車を輸入しようとすれば関税が25%かかる。そのため、CKD(Complete KnockDown)生産方式で行わざるを得ない。Ⅳ 長春工場の課題長春工場の課題として、①労務コストが高い、②労働者の質の確保、③物流コストが高い、④東北三省の下請工場が無いことと、仮にあっても品質保証が難しい。こと等があげられる。トヨタの長春生産はコスト高になっている。そのジレンマを解決するため、日系の自動車部品企業の集積を徐々に図り、今後は東北三省市場(1億3000万人をマーケット、寒冷地仕様)に発展の余地を見出そうとしている。
著者
阿部 泰隆
出版者
日本行政学会
雑誌
年報行政研究 (ISSN:05481570)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.29, pp.25-45, 1994-05-10 (Released:2012-09-24)
著者
阿部 百合
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.e33-e49, 2022-01-15

大学入試センターによる共通テスト出題科目「情報」のサンプル問題から,データの分析分野の問題を考察した.情報入試を考えている高校生および受験指導を行う教員を想定し,私立大学の出題も参考に問題の分類も試みた.
著者
時友 裕紀子 阿部 芳子 柘植 光代 松本 美鈴 坂口 奈央
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.30, 2018

【目的】山梨県の家庭で食べられてきた主菜について、魚料理を中心に、地域による特徴をまとめた。<br>【方法】「次世代に伝え継ぐ家庭料理」のガイドラインに沿い、山梨県の生活環境と家庭料理について平成25~27年に行った聞き書き調査を中心にまとめた。峡北(北杜市)、峡中(甲斐市)、峡西(南アルプス市)、峡東(山梨市)、峡南(南部町)、東部(上野原市)、富士五湖・富士山麓(山中湖村)を調査対象地とした。<br>【結果】山梨県では、富士川水系(笛吹川、荒川、塩川、早川など)や相模川水系(桂川、笹子川など)、多摩川水系、富士山の裾野の山中湖、河口湖、西湖、精進湖、本栖湖(富士五湖)などの河川、湖沼、および水田や用水路から得られた淡水魚介類が食べられてきた。あゆ、やまめ、にじます、ひめます、うなぎ、こい、ふな、どじょう、わかさぎ、たにしなどが挙げられる。<br> 山中湖ではわかさぎ漁が盛んであり、わかさぎの素揚げの甘酢漬け、佃煮、てんぷら、から揚げ、塩焼きなど多様な料理があった。南アルプス市の甲西町ではふなやこいの甘露煮、どじょうの卵とじを食べた。富士川流域の南部町では、富士川とその支流で漁獲されたうなぎの蒲焼、やまめやあゆの塩焼き、もくずがにの塩ゆでまたはみそ汁が食べられていた。<br> 海産魚介類はいわし、さんま、身欠きにしん、するめなどを主な食材としてきた。米の収穫が終わった頃に、新米にさんまとしょうゆ、酒を入れて炊く「さんま飯」は、主食ではあるが、峡北地域の特徴的な魚料理である。山梨市の家庭ではほっけ、ますの焼き魚が日常の料理であった。現在甲府市で購入量の多いまぐろは昭和30年代から食べられていて、上野原市の市街地では生まぐろのブツ切りをよく食べていた。
著者
阿部 康二 山下 徹 河相 裕美
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.1143-1146, 2012

Stroke is a major neurologic disorder. Induced pluripotent stem (iPS) cells can be produced from basically any part of patients, with high reproduction ability and pluripotency to differentiate into various types of cells, suggesting that iPS cells can provide a hopeful therapy for cell transplantation. However, transplantation of iPS cells into ischemic brain has not been reported. In this study, we showed that the iPS cells fate in a mouse model of transient middle cerebral artery occlusion (MCAO). Undifferentiated iPS cells (5&times;10(5)) were transplanted into ipsilateral striatum and cortex at 24 h after 30 mins of transient MCAO. Behavioral and histologic analyses were performed at 28 day after the cell transplantation. To our surprise, the transplanted iPS cells expanded and formed much larger tumors in mice postischemic brain than in sham-operated brain. The clinical recovery of the MCAO+iPS group was delayed as compared with the MCAO+PBS (phosphate-buffered saline) group. iPS cells formed tridermal teratoma, but could supply a great number of Dcx-positive neuroblasts and a few mature neurons in the ischemic lesion. iPS cells have a promising potential to provide neural cells after ischemic brain injury, if tumorigenesis is properly controlled.<br>
著者
阿部 雄一 足立 淳 朝長 毅
出版者
日本プロテオーム学会
雑誌
日本プロテオーム学会誌 (ISSN:24322776)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.39-49, 2021 (Released:2022-01-08)
参考文献数
32

多数のリン酸化修飾酵素(キナーゼ)は,癌組織で異常な活性化を示しており,分子標的としての研究が進んできた.キナーゼ阻害剤による癌治療を最適化するため,リン酸化プロテオミクスによる癌組織のリン酸化シグナル状態の計測への応用が進んでいる.癌組織では,阻血の影響や癌組織切除後,検体を回収するまでのタイムラグが癌リン酸化シグナル状態の正確な理解の妨げとなるため,我々は,回収後20秒以内の急速凍結が可能である内視鏡生検に着目した.内視鏡検体は2 mm立方程度と微小であり,従来のリン酸化プロテオミクスの手法ではこれまでと同等のリン酸化修飾の同定数を得ることが困難なため,より高感度なプロトコルを開発した.その結果,胃癌内視鏡生検から10,000部位以上のClass 1リン酸化修飾が同定され,癌組織と正常粘膜との比較から,DNA損傷シグナルの癌特異的な活性化などの違いが明らかとなった.今後,様々な疾患におけるキナーゼ活性モニタリングへの応用が期待される.
著者
堀口 恵子 神戸 美恵子 阿部 雅子 高橋 雅子 永井 由美子 綾部 園子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.26, 2014

【目的】群馬県は日本の中央部に位置し、かつては養蚕業が盛んであったが、現在では兼業農家が多く、首都圏向けの農業物を生産している。この度、日本調理科学会特別研究『次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理』に参加し、群馬県内5地域で調査を行ったので報告する。<br>【方法】平成25年10月~26年2月に群馬県内の5地域において、各地域2名以上(60歳~80歳代、居住年数40年以上)の調査対象者に対して面接調査を行った。面接は特別研究の方法に従い、調査の同意を得た上で、調査票に沿って対話したものを記録した。<br>【結果】群馬県内全体では、昭和30年代までは現金収入としては、養蚕、水稲、麦、豆が中心であり、日常の食では、飯には押し麦を混ぜ、1日1食はうどん、おきりこみやすいとんなどの小麦粉を使った料理を食していた。内陸県のため、魚は行商から購入した干魚や缶詰、川魚を食した。野菜の煮しめ、けんちん汁、お焼き、きんぴら、まんじゅうも共通する料理である。ハレの食としては、北部のみなかみ町では、赤飯、うどん、そば、草餅のあんぴん、ぼたもち、まんじゅう、山菜の天ぷら、野菜の煮しめ、車麩の煮物、切り昆布の煮物など、赤城町では、餅、煮しめ、きんぴらなど、群馬町では、ザクニや天ぷら、赤飯、ふかしまんじゅうなど、中央部の前橋市田口では煮物、寿司、けんちん汁、ぼたもちなど、南部の太田市では、赤飯、けんちん汁、巻きずし、煮物などがあった。現在、みなかみ町や赤城町には農業環境と観光とを連携したが施設あり、地域の農産物を直売するとともに、そば打ちやこんにゃくつくりなどを体験でき、地域の家庭料理を伝える場ともなっている。