著者
阿部 玄治 千葉 駿太 玉山 優奈 平野 詩織 向山 和枝 黒後 裕彦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
雑誌
東北理学療法学 (ISSN:09152180)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.69-72, 2017

<p>【目的】 靴踵部の補強であるヒールカウンター(HC)が,前後方向の立位バランス制御に与える影響を検討する こと。</p><p> 【方法】 健常若年者27名を対象とした。HCなし,またはHCを入れた上靴を履いた条件間で,直立肢位に対しつま先側あるいは踵側へ最大に重心移動した際の足圧中心(COP)の前後方向の移動距離を上靴のサイズで正 規化し比較した。</p><p> 【結果】 前方へのCOP移動距離は,HCなし条件が26.10±0.91%(平均±標準偏差),HCあり条件が23.9±0.94% であった。後方へのCOP移動距離は,HCなし条件が15.88±1.36%,HCあり条件が17.34±1.38%であった。 バランス制御方向とHCの有無との交互作用を認め,後方へのCOP移動距離はHCあり条件がHCなし条件よりも長い傾向を認めた(<i>p</i>=0.062)。 </p><p>【考察】 HCあり条件における後方へのCOP移動距離の増大は,HCが壁の役割を担い踵部の安定性が向上したた めと考えられる。 </p><p>【結語】 若年健常者では,HCは後方への立位バランス制御に貢献することが示唆された。</p>
著者
阿部 誠文
出版者
本阿弥書店
雑誌
俳壇
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.198-203, 2017-09
著者
千葉 美紀子 佐藤 貴美 三浦 悠理子 石戸谷 真帆 勝見 真琴 阿部 裕子 藤巻 慎一 藤原 亨
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.260-266, 2021

<p>Methicillin-resistant <i>Staphylococcus aureus</i>(MRSA)スクリーニング培地を用いての監視培養を導入する目的で,MDRS-K寒天培地(MDRS-K),X-MRSA寒天培地(X-MRSA),クロモアガーMRSAスクリーン培地(関東クロモ),CHROMager MRSA II(MRSA II)を比較検討し,検査フローを考察した。保存菌株を用いた評価では,栄養要求の高いMRSAは,48時間(h)培養で検出率を高められる可能性が示唆された。患者検体を用いた評価では,48 hのpositive predictive value(PPV)/negative predictive value(NPV)(%)は,MDRS-K,X-MRSA,関東クロモ,MRSA IIでそれぞれ100.0/80.0/42.9/100.0,100.0/94.9/75.0/100.0,100.0/89.7/60.0/100.0,93.3/95.9/78.0/98.9であった。夾雑菌の一部は,48 hでMRSA類似コロニーとして観察された。本検討により,スクリーニング培地を用いての監視培養検査は,48 hを最終判定とし,24 hではスクリーニング培地の発育有無のみで判定,48 hでは発色コロニーの同定を追加して判定することにより,低コストで正確性,迅速性に優れた検査が可能と考える。</p>
著者
中村 要介 池内 幸司 阿部 紫織 小池 俊雄 江頭 進治
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_1177-I_1182, 2018
被引用文献数
1

本研究は平成29年7月九州北部豪雨を一例とし中山間地河川である花月川を対象として,RRIモデルと解析雨量・降水短時間予報を用いた疑似リアルタイム環境での洪水予測シミュレーションを実施した.予測計算は流域・河道の状態量を30分毎に更新・保存しながら6時間先までの水位を逐次計算し,実績水位と予測水位の差から洪水予測に内在する予測時間毎の水位誤差を定量的に評価した.その結果,予測時間が長くなるほど予測水位誤差の幅が大きくなることがわかった.また,RRIモデル×降水短時間予報を用いた今次災害のリードタイムは70分であった.さらに,予測水位の誤差分布を考慮し予測水位を補正することで,補正しない場合より2時間早く氾濫危険水位の超過を予測できる可能性が示唆された.
著者
阿部 和夫
出版者
The Stomatological society, Japan
雑誌
口腔病學會雜誌 (ISSN:03009149)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.475-494, 1936

1927年, Seidel及ビReckow氏ハ「上顎賓ハソノ發育ニ當リ臼齒部根端ト上顎賓底トノ接近ヲ來シ, 殊ニ臼齒部齒牙ノ缺殞後ニソノ齒牙間隙部ニ, 上顎竇底ノ著シキ沈下ヲ認ムル」コト、述べ, 之ヲ齒牙缺損間隙窩Zahn-l霍ckenbuchtト稱セリ。最近ニ於テハ1935年Heuser氏ニヨル同樣ノ事實ガ確證セラル、ニ至レリ。<BR>斯クノ如キ事實ハ外科的操作ニ當リテハ, 拔齒時ノ賽, 口腔ノ連絡, 或ハ殘根ノ賓内侵入等ヲ惹起シ, 架橋義齒裝著ニ當リテハ根管治療ノ不完全ニ因スル根端部炎症ハ, 容易ニ上顎竇炎ニ移行スト考ヘラル。<BR>余ハ東京高等齒科醫學校附矚醫院ニ於テ, 最近約5ケ年間ニ撮影セシ齒科用「レントゲン」像ヲ診査シ, 「レ」像上ニテSeidel及ビReckow氏ノ所謂齒牙缺損間隙窩ノ著明ニ形成セラレタリト思ハル、モノ115例ヲ得テ, 之ガ統計的觀察ヲ行ヒ, 次イデ模型ニヨル實驗, 更ニ上顎竇ヲ組織學的ニ檢索セリ。<BR>1.「レントゲン」像ノ統計的觀察, 「レ」像ノ撰出ニ當リテハ, 賽底線が兩隣在齒齒根端ヨリ根側ニ浩ヒテ, 線状ヲナシテ沈下セノレガ如キ像ニ限り, 齒根ヲ途中ニテ横斷スルガ如キモノハ之ヲ除ケリ。<BR>(1) 歓損齒牙ノ部位ハM<SUB>1</SUB>107例 (78.7%) , M<SUB>2</SUB>22例 (16.2%) , P<SUB>2</SUB>6例 (4.4%) ニシテ主トシテ第一大臼齒部ニ出現ス。<BR>(2) 齒牙缺損間隙窩ニ齒根ヲ近接セル齒牙ハP<SUB>2</SUB>66例 (46.2, 0) , M<SUB>2</SUB>64例 (44.8%) , M<SUB>15</SUB>例 (3.5%) , M<SUB>3</SUB>2例 (1.4%) ニシテ第ニ小臼齒部, 第二大日齒部ニ最モ多シ。<BR>(3) 齒牙缺損間隙窩ノ深サニ就テハ, 6乃至8mmノモノ最モ多數ニシテ, 時ニハ殆ド平坦ナルモノ, 或ハ10mmニ及ブモノアリ。<BR>(4) 賓窩底ヨリ齒槽骨表面迄ノ距離ハ, 1乃至5mmニシテ, 最モ非薄ニシテ約1mmニ及ブモノ15例ヲ得タリ。<BR>(5) 初診時ノ歓損部ノ状態ハ, 架橋義齒最モ多ク, 大ナル齒冠部齲蝕之ニ次ギタリ。<BR>(6) カ、ル牙ノ拔去ヨリ「レ」撮影迄ノ期間ハ大髓1乃至2ケ月ニシテ, 中ニハ長年月ヲ經タルモノ有リトハ云へ, 齒牙鉄損間隙窩ハ比較的短時日ニ形成セラル、モハ如シ。<BR>(7) 年齡的關係ハ青年期最モ多ク。<BR>(8) 性別的關係ハ之ヲ認ムルヲ得ズ。<BR>2.模型ニヨル實驗<BR>臨牀的「トントゲン」的觀察ノ確實ナリヤ否ヤヲ確メントシテ模型ヲ形成シ, 「ワツクス」及ビ拔去齒牙ヲ以テ上顎竇竝ビニ齒牙ノ關係ヲ移シタルモノ數個ヲ以テ, 之ニ種々ナル方向ヨリ「レントゲン」冩眞ヲ撮影セリ。ソノ結果ハ臨牀的ニ口腔内ニ於テ撮影シ得ベキ範圍内ニ於テハ「レ」像ハ齒根端ト竇ノ近接セルモノハ近ク, 遠キモノハ隔テ、, 正シキ位置的關係ヲ明示シ, 殊ニ竇底線ガ隣在齒根端ヨリ根側ニ沿ヒ沈下セルガ如キ像ハ, 齒根ト竇トが近接シ即チ賓ノ沈下ト認ム可キモノナリ。<BR>3.齒牙缺損ヲ有スル上顎骨ヲ組織學的ニ檢索シテ次ノ如キ結果ヲ得タリ。<BR>(1) 陷凹窩ヲ「レントゲン」ニテ觀ルニ, ソノ陷凹ノ形態ハロ内法ニテ撮影セシ場合及ビ模型ニテ觀察セル場合ト等シク, 隣在齒根ト齒牙缺損間隙窩トノ關係ヲ明示セリ。<BR>(2) 賽内壁ニ於ケル吸敢状態ヲ觀察スァレニ吸牧ノ進行方向ハ齒牙側 (竃底) 最モ著シク, 鼻腔側及ビ頬側之ニ次ゲリ。<BR>(3) 竇外壁ニ於テハ常ニ輕度ノ骨新生像ヲ認メタリ。
著者
白井 克幸 横尾 聡 中野 隆史 大野 達也 齋藤 淳一 武者 篤 阿部 孝憲 赤羽 佳子 小林 なお 小林 大二郎 近松 一朗
出版者
日本頭頸部癌学会
雑誌
頭頸部癌 (ISSN:13495747)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.25-29, 2019

重粒子線治療は良好な線量分布を持ち,高い生物学的効果を有している。従来X線抵抗性と考えられている頭頸部非扁平上皮癌(腺様嚢胞癌,腺癌など)や,粘膜悪性黒色種,骨軟部腫瘍に対して,優れた局所制御率が報告されている。本邦の重粒子線治療施設は5施設と世界最多であり,その治療技術や研究開発において指導的役割を果たしている。これまでは重粒子線治療は単施設による報告に限られていたが,2014年より日本炭素イオン線治療臨床研究グループ(J-CROS)が組織され,多施設共同臨床研究を通じて頭頸部腫瘍に対する重粒子線治療の包括的な有効性や安全性が報告されてきた。これまで重粒子線治療は先進医療として行われてきたが,これらの本邦からのエビデンスをもとに,2018年から頭頸部悪性腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮癌を除く)が保険適用となっている。今回の総説では,頭頸部腫瘍に対する重粒子線治療の概要,これまでの治療成績ならびに今後の展望について概説する。
著者
鄒 歩浩 福沢 嘉孝 阿部 哲朗 許 鳳浩 太田 富久 鈴木 信孝
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.35-41, 2016

カイジ顆粒は健康食品として日本に入ってきたが,もともと中国では新薬として開発され,処方薬の一つとなっているため,基礎研究や臨床応用も数多く,エビデンスも積み重ねられてきた.カイジ顆粒の応用は多岐に渡るが,本総説はデータのもっとも多い肝臓癌に対するカイジの影響についてまとめた.
著者
阿部 洋
出版者
アジア教育学会
雑誌
アジア教育 (ISSN:18822088)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.11-25, 2019 (Released:2020-04-23)
被引用文献数
1

In the latter part of the Meiji Era, from the end of the 19th Century to the beginning of the 20th Century, increasing numbers of foreign students came to Japan. Until the Second World War, the majority of students came from China. In the 1930s, there was an increase in the number of students from Southeast Asia and in 1935, the International Students Institute (国際学友会) was established. This was an extragovernmental organization of the Cultural Department, Ministry of Foreign Affairs of Japan, set up to support these students. This article presents the basic materials for an historical exploration of the International Students Institute. Thirty materials related to Southeast Asia were chosen from “Documents on the International Students Institute in the Showa Era before WWII,” in the Archives of the Ministry of Foreign Affairs. These materials were divided in three periods: 1. The Institute in the early period (1935-39) 2. The Institute operated as a foundation (1940-42) 3. The Ministry of Greater East Asia and the Institute (1943-45)
著者
佐藤 妙子 沼 玲子 阿部 正彦 酒井 隆
出版者
[東北農業試験研究協議会]
雑誌
東北農業研究 (ISSN:03886727)
巻号頁・発行日
no.72, pp.53-54, 2019-12

鶏ムネ肉に多く含まれるイミダゾールジペプチドは、運動能力の向上や疲労回復効果により機能性成分として注目されている。また、核酸関連物質のイノシン酸は、鰹出汁のうまみ成分として知られている。そこで、福島県産市販鶏ムネ肉の流通促進を目的として、鶏節を想定した乾燥品を試作し、鶏ムネ肉の機能性成分とうまみ成分を測定した。
著者
井上 清 向山 美雄 辻 啓介 田辺 伸和 樽井 庄一 阿部 士朗 高橋 誠
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.263-271, 1995
被引用文献数
9

麹菌に <i>Monascus pilosus</i> (IFO4520) を用いて調製した紅麹は, SHRに対して血圧降下作用を示している。そこで, 高血圧症者に対する効果を調べるために, 軽症ないし境界域本態性高血圧症者に対し, 紅麹入りドリンクを摂取させる3種の試験を行った。<br>(1) 入院高血圧患者12人に対し, シングルブラインド法で1日当たり紅麹0g, 9g, 18g, 27g相当のエキスが入ったドリンクを2週間摂取させた用量依存性試験, (2) 通院高血圧患者12人に (1) と同様に紅麹ドリンクを1か月間摂取させた用量依存性試験, (3) 高血圧の通院患者7人に対し9g/日の紅麹相当のエキスを6か月摂取させた長期摂取試験。<br>入院患者の2週間摂取試験では, 紅麹ドリンク3本/日 (紅麹27g相当) を摂取した場合に, 157±11/91±10mmHgから141±10/81±6mmHgへと, 収縮期圧, 拡張期圧ともに明らかな降下が観察された (<i>p</i><0.05)。また, 通院患者への1か月間の紅麹ドリンク摂取試験においては, 紅麹ドリンク3本/日の摂取で154±9/92±6mmHgから147±10/81±5mmHgと明らかな血圧降下作用が観察された。<br>7人の高血圧症を有する通院患者に対し, 6か月間紅麹ドリンクを摂取した試験では, 紅麹ドリンク1本/日 (紅麹9g相当) の摂取で164±9/99±6mmHgから154±14/88±5mmHgへとともに血圧の降下が観察された。更に, 228±42mg/dlから184±27mg/dlと血清総コレステロール値の低下も認められたが, 紅麹ドリンクを与えないで6か月観察した5人では, これらの効果はみられなかった。<br>以上の結果から, 紅麹エキスの摂取により, 高血圧症者で血圧と血清コレステロールの改善作用が判明した。
著者
阿部 司
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.243-248, 2012
被引用文献数
2

Japanese kissing loach <i>Parabotia curta</i> (Cypriniformes, Botiidae) is one of the most endangered freshwater fishes in Japan. This species inhabits in a narrow region of western Honshu Island. The loach inhabits rivers and irrigation channels with gravel substrates hiding in crevices or holes, and spawns for a few days in the early rainy season at temporarily submerged, flooded grounds, which were originally very common lowland environments in monsoon Asia. However, recent artificial environmental changes, especially river improvements and farm land consolidation, have destroyed such environments and resulted in many local population extinction. Volunteers and Japanese/local governments are performing restoration and maintenance of artificial floodplains for the spawning as well as surveillance of poaching, but this loach is still critically endangered with some serious problems. In the agricultural area which has many restrictions, conservation techniques cannot be fully put to practical use. Although the technique of the ecology and civil engineering is effective for the restoration of floodplain environment and improvement of habitat, the sociological approach is crucial to utilize the technique in the local community.
著者
阿部 純一郎
出版者
椙山女学園大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究の成果は、以下の通りである。第1に、1930-40年代の日本の観光政策に関する行政文書、観光関連団体の機関誌を収集・分析し、ヒトラー政権下のドイツの観光事業(政策・法律・組織体制など)との比較検討を通して日本の観光事業体制の特質を明らかにした。第2に、占領期日本の国境管理政策、特にインバウンド観光に関する政策展開について、GHQ/SCAP文書、運輸省の行政文書、国会議事録、新聞・雑誌などを用いて整理した。第3に、日本人の海外渡航に関するGHQ/SCAPの政策と極東委員会(FarEasternCommission:FEC)の審議内容について資料収集を行ない、日本の国際社会復帰をめぐる米国、ソ連、アジア太平洋諸国間の対立点の詳細を明らかにした。これらの成果の一部は、日本社会学会や関東社会学会などで報告した後、学会誌で発表した。
著者
阿部 智和
出版者
北海道大学大学院経済学研究科
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.87-113, 2013-06-11

本論文の目的は,1990年代末までに日本で積み重ねられてきたオフィス空間のデザインに関する研究の到達地点を明らかにし,今後の課題を明らかにすることにある。より具体的には,以下の3点を論じていく。すなわち,①1990年末までに取り組まれてきたオフィス空間のデザインに関する研究では,建築学者たちを中心としてオフィス空間内の快適性や機能性の向上に注目を向けてきたこと,②その一方で,経営学のアプローチを用いて,オフィス空間のデザインとモラールや組織内のコミュニケーションに関する実証研究が積み重ねられてきたこと,③しかしながら,これら2つの研究では,ニューオフィス化運動に代表されるホワイト・カラーの生産性向上を目的としたオフィス空間の改革時に注目されてきた,オフィス空間内でのホワイト・カラーの実際の行動やオフィス空間のデザインとパフォーマンスの関係の解明などに対して十分な実証努力が払われなかったという課題が残されていたこと,の3点が示される
著者
大嶋 淳 内藤 克昭 阿部 翔大郎 上村 怜央 高橋 雄介 伊藤 祥作 林 美加子 川西 雄三 岡 真太郎 山田 朋美 山口 幹代 朝日 陽子 外園 真規 鍵岡 琢実 渡邉 昌克
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.263-270, 2019

<p> 目的 : 弾性係数が小さく, 形状記憶性, 超弾性, ファイルテーパーの多様化といった特徴をもつニッケルチタン (NiTi) 製ロータリーファイルは, ステンレススチールファイルと比較して高い切削効率や作業時間の短縮, 優れた根管追従性を有し現在の歯科臨床においても頻繁に用いられるようになりつつある. 本研究では, 歯学部学生の臨床前基礎実習において, FKGレイス (FKG Dentaire, Switzerland) およびJ型, S型湾曲根管模型を用いた根管形成実習を実施し, 習熟到達度を評価した.</p><p> 材料と方法 : 大阪大学歯学部3年生56名に対して, J型およびS型エポキシレジン製透明湾曲根管模型を用いてFKGレイスによる形成実習を2回ずつ行った. Kファイル#15にて穿通し, 根管長を測定後, プリレイスによる根管上部のフレアー形成とKファイル#15によるグライドパス形成を行った. 作業長は根管長から1mm引いた長さとし, レイス#30/6%, #30/4%, #25/4%, #20/4%を順に用いて, 最終拡大号数を#30/6%として根管形成を行った.</p><p> 形成前後の根管模型をマイクロCT (R_mCT2, RIGAKU) にて撮影し, 根管長軸方向に対して根尖から垂直に1, 2, 3, 4, 5mmおよび6mmの位置で内湾側および外湾側の根管幅径増加量を計測した. その後, S型根管幅径増加量および形成時間について, 学生ならびに日本歯科保存学会専門医・認定医10名がおのおの2回実施した結果を比較した.</p><p> 結果 : J型根管1回目の根管形成では, 62.5%の学生が根尖破壊, 5.4%がレッジ形成を生じ, 成功率は32.1%だった. J型根管2回目では, 30.4%が根尖破壊, 3.6%がファイル破折, 3.6%がレッジ形成を生じたものの, 成功率は62.4%と改善した. S型根管1回目は23.2%が根尖破壊, 7.1%がファイル破折を生じた. S型根管2回目では7.1%がファイル破折を生じた. 根管形成に要した時間については, 学生のS型2回目の形成時間がS型1回目と比較し有意に短縮され, 専門医・認定医によるS型1回目, 2回目の形成時間と比較して有意差を認めないレベルまで改善した. 内湾側および外湾側の根管幅径増加量については, 学生1回目, 2回目, ならびに専門医・認定医の間で統計学的有意差を認めなかった.</p><p> 結論 : NiTiファイルを用いた湾曲根管形成実習において, 特に根尖部の形成に注意して実習回数を重ねることにより, 難易度の高いS型湾曲根管であっても迅速に, 正確に根管形成ができるようになり, 習熟到達度が向上することが明らかとなった.</p>
著者
阿部 守
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第五分冊, 芸術・保健体育・家政科編 = Bulletin of University of Teacher Education Fukuoka. Part V, Art, health and physical education and home economics (ISSN:02863243)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.25-39, 2020-03-10

戦後,改革的芸術系大学は,如何にバウハウスの教育を受け入れ,発想法教育学は,どのように成立し,波及したかについて検証してきた。我が国では,バウハウスの基礎造形教育の実践は,主にバウハウスにおける造形理論家で教育者のヨハネス・イッテンの影響によるところが大きかった。 本論文では,そのバウハウスの影響の下,基礎造形の解釈とその制作方法について,どのような人々が教育実践を行ったかについて示す。特に福岡において重要な教育者,創造者,そしてデザイナーであった柏崎栄助の足跡とデザイン・構成教育について考察し,造形芸術における感性を研ぎ澄ます教育について考察する。