著者
川﨑 樹 森口 草介 高橋 和子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.4E3OS7b03, 2019 (Released:2019-06-01)

法律の構成から双極議論フレームワーク(BAF)を構築する手法を示す. 各法律はその効果を発揮するために満たすべき要件事実と, その効果を排斥させるための例外から成る. それぞれを論証間の支持関係、攻撃関係に対応させて BAF を構築する. また,BAF を用いて,与えられた事実から結論すなわち効果を発揮する法律が何かを 推論する手法を示す. この手法は事実と結論の間の双方向の推論になっており,まず,与えられた事実のみから得られる結論を導き, その推論結果を用いて新たな結論を導くのに必要な事実を抽出する.
著者
高橋 康之
出版者
日本香粧品学会
雑誌
日本香粧品学会誌 (ISSN:18802532)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.280-287, 2018-12-31 (Released:2019-12-31)
参考文献数
57

The stratum corneum (SC) is the outermost layer of the skin and plays important roles in sustaining physiological activities. One of the roles of the SC is in the maintenance of skin moisture. The decrease in water content in the SC, which is a condition called dry skin, leads to a mildly rough skin and desquamation. Natural moisturizing factor (NMF) and intercellular lipids are essential for skin moisturization. NMF, which is composed of amino acids, pyrrolidone carboxylic acid, lactic acid, urea, and mineral ions, can hold water molecules in the SC. Intercellular lipids consisting of ceramides, cholesterol, cholesterol esters, and free fatty acids can prevent the evaporation of water molecules from the body, which is a barrier function. Moisturizers are broadly categorized into two types, humectants and emollients. Humectants such as amino acids, polyols, hyaluronan, and its derivatives moisturize the SC similarly to NMF. Emollients such as ceramides and oils are effective for improving the barrier function. Moisturizing products contain these moisturizers in various formulations. The moisturizing effect of products differs depending on the type of formulation. An adequate amount of a moisturizer in a product is important for providing both the moisturizing effect and the good texture of use, which affects continued use, because a large moisturizer amount impairs the texture of use.
著者
羽鹿 牧太 高橋 浩司 山田 哲也 小巻 克巳 高田 吉丈 島田 尚典 境 哲文 島田 信二 足立 大山 田渕 公清 菊池 彰夫 湯本 節三 中村 茂樹 伊藤 美環子
出版者
農業技術研究機構作物研究所
巻号頁・発行日
no.10, pp.1-20, 2009 (Released:2011-03-05)

「なごみまる」は、大豆の主要アレルゲンの一つαサブユニットを欠失した大豆品種の育成を目標として、「タチナガハ」を母とし、αサブユニットを欠失する「α欠(I)(現在の「ゆめみのり」)」を父として交雑した系統に、「タチナガハ」を3回戻し交雑して育成した新品種である。大豆の主要アレルゲン蛋白質の一つであるβ-コングリシニンのαおよびα’サブユニットを欠失している。関東地域の主力品種である「タチナガハ」よりやや早生だが、ほぼ同等の収量性及び耐倒伏性を備えている。アレルギーリスクを軽減した豆乳等の大豆食品の原料として利用できる品種であり、2006年に「なごみまる」と命名し、種苗登録への出願を行った。
著者
傳田 光洋 高橋 元次
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.316-319, 1990-03-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
4
被引用文献数
5 15

We studied the change in skin thickness of forehead and cheek with age for healthy male and female subjects using ultrasound method. Skin thickness decreased with ageing in forehead and cheek in both sex groups, and it was thicker at every age group in males than in females.We also measured the skin thickness from twelve different sites at face in six healthy subjects. It was shown that skin thickness of eyelid was thinner than that of jaw or cheek.
著者
北田 博之 酒井 裕也 駒走 仁哉 高橋 智一 鈴木 昌人 青柳 誠司 細見 亮太 福永 健治 歌 大介 高澤 知規 引土 知幸 川尻 由美 中山 幸治
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2018年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.742-743, 2018-08-20 (Released:2019-02-20)

蚊の針は細いが穿刺時に折れず,皮膚にたわみが生じない.本研究では,麻酔したマウスの皮膚に対する蚊の穿刺を顕微鏡で観察し,蚊の針が皮膚を貫く仕組み,ならびに口針を包む鞘である下唇の役割を解明しようと試みた.その結果,皮膚表面における蚊の針の挿入時の下唇の動きを観察できた.
著者
大内 正己 長峯 健太郎 小野 宜昭 高橋 慶太郎 SILVERMAN John
出版者
国立天文台
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

PFS分光探査による銀河形成と宇宙再電離研究のため、一様なターゲット選択と星質量推定に必須の近赤外線画像をCFHT望遠鏡観測で準備し, 2022年からのPFS分光探査を実現する。これにより、赤方偏移0.7-7の30万個の銀河スペクトルを取得し、銀河間物質(IGM)の中性水素(HI)ガス分布を描く新しい手法も駆使しながら宇宙大規模構造の中で放射と物質交換を通して形成される銀河の描像を探る。特に、宇宙再電離期の電離泡の存在の有無、銀河間のガスのフィラメントが普遍的存在する銀河形成の検証、星形成フィードバックの原因を探る。
著者
西山 正吾 Lozi Julien 高橋 真聡 孝森 洋介 美濃和 陽典 斉田 浩見 Guyon Olivier
出版者
宮城教育大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究の目的は、銀河系の巨大ブラックホールを周回する星の観測を通した、ブラックホール重力場での一般相対論の検証である。そのためにまず、すばる望遠鏡の補償光学装置に装備する赤外線波面センサーを開発する。赤外線波面センサーの導入により、ブラックホールに近い、明るい赤外線星を補償光学のガイド星として観測することができるようになる。これにより一般相対論の検証に適した晩期型の星の観測が可能となる。この開発が終わり次第、ブラックホールを周回する星の観測を開始する。年数回のモニター観測を継続し、その視線速度の変化から、ブラックホールがつくりだす重力場を測定し、一般相対論の予想との整合性を検証する。
著者
梅村 雅之 長尾 透 松田 有一 高橋 労太 大内 正己
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では,最先端の理論と観測を統合したアプローチにより多重AGNを徹底的に調べ,超巨大ブラックホールの起源を明らかにする。理論では,一般相対論的輻射磁気流体コードを用いたブラックホール降着円盤の精密なモデル構築,AGNと銀河の共進化ならびに超巨大ブラックホール合体のシミュレーションを行う。観測では狭帯域フィルターを製作し,Lya, CIV, HeII輝線のコンビネーション観測を実現するとともに,連結NBフィルターによる線幅の広い1型AGNの観測を行うことで,赤方偏移2~3における多重AGNのカタログを作成する。そして,理論と観測を突き合わせることで,多重AGNと銀河の共進化過程を探究する。
著者
平川 善之 上堀内 三恵 山崎 登志也 宮前 雄治 高橋 精一郎 甲斐 悟
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.34 Suppl. No.2 (第42回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0313, 2007 (Released:2007-05-09)

【目的】安定した姿勢制御には下部体幹筋群・股関節周囲筋群の協調性が重要とされている。臨床においては、腹筋のトレーニング後に運動中の姿勢が安定することを経験する。しかし体幹筋の筋力トレーニングが股関節周囲筋に与える影響は不明である。そのため、下部体幹筋のトレーニング前後の筋活動を比較することで股関節周囲筋に与える影響を調べることを目的とした。【対象】健常男性21名。平均年齢26.6±3.7歳 平均身長172.4±5.8cm 平均体重63.7±5.9kg。【方法】一側下肢を側方へ踏み出す動作にて、下部腹筋と股関節周囲筋の筋活動を記録した。そして片側の内腹斜筋のみトレーニングを行い、その後同様の動作中の筋活動を記録した。測定動作は肩幅大の開脚立位より、検査側の側方へ20cm踏み出し、80%荷重後元に戻った。荷重量はツイングラビコーダー(アニマ株式会社)を用いてフィードバックした。またFoot switch EM434(Noraxon社)を同期させ、検査側の接踵・離踵を判断した。筋活動は表面筋電図Tele Myo2400(Noraxon社)で記録した。被験筋は、検査側の内腹斜筋・大殿筋・中殿筋・内転筋と、先行研究にて左右方向の動きを制御するとされる反対側の内腹斜筋・内転筋とした。筋力トレーニングはEMGフィードバックをしながら、内腹斜筋以外の筋収縮がないよう注意しつつ行った。その後、十分な休憩を取った。筋活動の比較は、各筋の筋活動を最大筋活動で除して%MVCを求め、トレーニング前後で1:筋活動量の比較(検査側の接踵から離踵までの%MVCを比較)と2:筋活動増加時期の比較(接踵時を基準時とし、その前後を50ms毎に10区間に区切り各区間内で%MVCを比較)をした。統計処理はWilcoxon符号付順位検定を用い、危険率5%未満を有意とした。【結果】筋活動量の比較では、検査側の内腹斜筋及び対側の内転筋で、トレーニング後に有意に大きくなる傾向があった。筋活動増加時期の比較では、内腹斜筋、中殿筋、対側の内転筋において、接踵時の前250~450msの期間にトレーニング後に大きくなる結果が得られた(p<0.05)。他の筋には有意差は見られなかった。【考察】内腹斜筋のトレーニングによる即時効果として、トレーニング後の内腹斜筋と対側の内転筋に筋活動の増大が見られた。これらはLeeらのいう、骨盤帯の安定性に寄与する筋群とされるアウターユニットの「外側系」を構成する筋群であり、機能的な連結が考えられた。また筋活動の増加は、すでに荷重負荷の急激な増加が起こる接踵時より以前にみられており、負荷に対する予測的活動として増加したものと推測される。健常者に比べ腰痛患者では、上下肢の運動以前におこる体幹筋の予測的活動が少ないとする報告がある。今回の体幹筋のトレーニングにより股関節周囲筋にも変化が見られ、このことが姿勢の安定性に影響を与えていることが考える。
著者
中山 繁喜 高橋 亨 櫻井 廣
出版者
岩手県工業技術センター
巻号頁・発行日
no.14, pp.10-12, 2007 (Released:2011-03-04)

低グルテリン米「岩手79号」を原料米に、味薄に感じない製成酒を造るため、1.麹の使用割合を増やす、2.麹米に低グルテリン米以外を用いる、3.精米歩合を昨年の80%から90%に上げる製造法を検討した。その結果、麹米に低グルテリン米以外を使うと昨年指摘された香りの欠点が改善され、対照より良い評価の酒を造ることができた。アミノ酸度が低い特徴は変わらなかったが、企業の方は酸味が際立つ酒質に興味を持つ人が多く、低グルテリン米は酒質の多様化に貢献できると思われた。
著者
田島 研一 高橋 恒人 絵面 良男 木村 喬久
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.145-150, 1984
被引用文献数
1 16

In a previous paper, we examined the toxicity of the extracellular protease of <i>A. salmonicida</i>, Ar-4 (EFDL) on yamabe (<i>Oncorhynchus masou f. ishikawai</i>) and goldfish (<i>Carassius auratus</i>). From these results, we considered the protease secreted by this bacterium was a causative agent of furunculosis.<br> In this paper, we observed enzymatic properties of the purified protease. The results obtained were summarized as follows:<br> 1. The molecular weight of purified protease was estimated to be 71, 000 by sodium dodecyl sulfate polyacrylamide gel electrophoresis.<br> 2. The purified protease showed maximal activity at pH 9.4 and 50°C. It was stable over the pH range 5.0 to 10.0 and was completely inactivated by temperature at 56°C.<br> 3. The protease was presumably classified an alkaline serine protease and it showed chymotryptic properties since it was significantly inhibited by diisopropylfluorophosphate (DFP) and tosyl-phenylalanine-chloromethyl ketone (TPCK) and hydrolyzed <i>N</i>-benzoyl-L-tyrosine ethyl ester (BTEE).
著者
水品 圭司 高島 邦夫 高橋 利郎 戸塚 昭
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.120-126, 1990-02-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

(1) ワイン中の中高沸点硫黄系化合物の抽出・同定を試み7個の化合物を同定した。このうち, 2-メチルーメルヵプトエタノール (MME) とジメチルースルホン (DM) はワイン中に初めて同定された。(2) 2-メチルーメルカプトエタノール (MME), ジメチルースルホン (DM), 3-メチルチオプロパノール (MTP), デヒドロー2-メチルー3-(2H)-チオフェン (DMTP) 及び3-メチルチオプロピオン酸エチル (EMTP) について品種を異にするワインにおける含有量を求めたところ, 香味の正常なワイン中にもこれらの化合物が広く存在していることが明らかとなった。(3) 中高沸点硫黄系化合物は, ヌカミソやタクアン, ゴム, タマネギ様の匂いを有した。官能検査からこれらの化合物のワインにおけるF. U. 値を求めたところ3-メチルチオプロピオン酸エチル (EMTP) と赤ワインにおけるジメチルースルホン (DM) を除いて, いずれの化台物もF. U. 値が1以上を示し, これらの化合物が供試ワインの香気特性に対して寄与しているものと考察された。
著者
藤井 克人 高橋 貞雄 吉田 博 鈴木 義彦
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会雑誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.49, no.9, pp.510-518, 1965

When observing an object through fog, its visibility is reduced by the scattering of the light emitted or reflected from the object. Our efforts have been rendered towards observing the physical characteristics when we view a light source or object through fog.<BR>In this paper, the practical comparison of some light sources such as a fluorescent lamp, a sodium lamp or a mercury lamp about visual conditions is made at night in fog on an experimental basis. The effects of color improved mercury lantern and sodium lantern, which are used practically in highway lighting are compared in fog, and visual ranges of colored objects on the road surface lighted by them are also measured.<BR>The most important result of the experiment is that the visual difference depending on various kinds of light sources can't be noticed so much as the large decrease of visibility by the fog itself.
著者
高橋 真理子
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.109-114, 2020-04-28 (Released:2020-05-23)
参考文献数
16
被引用文献数
1

要旨: 2019年5月に日本ではじめて耳鳴診療ガイドラインが発刊された。この耳鳴ガイドラインでは, エビデンスに基づき推奨されており, 認知行動療法は強く推奨されている。しかし, 日本ではうつ病などに対して認知行動療法は行われているが, 耳鳴に対してはまだ行われていない。 日本で耳鳴に対する認知行動療法が行われていない理由の1つに, 海外では精神科医も耳鳴治療を行うという治療者の違いがある。また, 本邦では認知行動療法を行う精神科医も少なく, 認知行動療法が保険適応されているのは, うつ病など限られた精神疾患であることも要因であろう。現在, 慢性疼痛などへの効果など認知行動療法は注目されてきている。今後本邦においても耳鳴に対して認知行動療法が行われることを期待するとともに, 耳鼻咽喉科医ができる耳鳴の認知行動的介入 (アプローチ) として, 教育的カウンセリングや認知行動療法的アプローチをしっかり行っていくことが重要である。