著者
高橋 輝 武村 次郎
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.679-683, 2007 (Released:2009-05-20)
参考文献数
10

インスリン治療開始後に肝障害が生じることは一部の症例報告で指摘されているが,その頻度などの詳細は不明である.今回われわれはトランスアミナーゼ値が施設基準値を超えたものを肝障害と定義し,インスリン導入目的にて入院した119人の患者を調査した.導入前に既に肝障害のあった39人を除いた80人のうち,施設基準値をわずかでも超えたものは14人(17.5%), 基準値上限の1.5倍以上に達したものも5人(6.25%)となった.インスリン製剤の添付文書にはその頻度は0.1%未満と記載されており,日常臨床では肝障害の頻度が高いことがわかった.肝障害は一過性で,インスリン投与を継続してもトランスアミナーゼ値は正常化したが,以前の報告ではインスリンの中止や変更が必要とするものがあり,肝障害出現時の対応は確立していない.インスリン治療開始後の肝障害について若干の文献的考察とともに報告する.
著者
高橋 直己 坂本 隆 加藤 俊一
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
pp.TJSKE-D-15-00027, (Released:2015-12-22)
参考文献数
26
被引用文献数
3 4

Websites of interior brands display many photographs of products that include walls, floor, and other furniture. Such photographs, known as image photographs, have much information about the brand image because the colors of walls, floor, and furniture in a photograph influence the brand image. This paper proposes a method of extracting representative colors of interior photographs in the L*u*v* color space by using a hierarchical clustering algorithm and analyzes the characteristics and differences of interior brands with color features by using model-based clustering. Our proposed method can be used to describe the common characteristics of interior image photographs and differences between six interior brands (arflex, Cassina, Fritz Hansen, IKEA, karimoku, and Muji). To measure similarity or difference between brand images, we constructed a brand image space with clusters of representative colors and obtained a relationship between six brand images.
著者
高橋 亜紀子 小山 恒男
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.247-249, 2020-03-25

疾患の概念 食道顆粒細胞腫(granular cell tumor ; GCT)は1931年にAbrikossoff1)により報告された疾患で,2.7〜8.1%は消化管に発生し,食道,大腸,胃の順に多い2).単発が多いが,多発する場合もある3)〜5). 食道GCTは食道良性粘膜下腫瘍(submucosal tumor ; SMT)のうち平滑筋腫に次ぎ2番目に多く,約5%を占める.好発部位は中下部食道であり,約90%を占める.多くは良性腫瘍であるが,1〜3%で悪性の報告6)7)もある.

2 0 0 0 OA 英国風俗鏡

著者
高橋義雄 著
出版者
大倉保五郎
巻号頁・発行日
1890
著者
高橋 綾 宇田 恵
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集 (ISSN:21854483)
巻号頁・発行日
no.8, pp.21-28, 2009-03-31

この「あかりアートプロジェクト」は、人の内面に響く力を持つ「あかり」をテーマにした作品を制作・展示することにより「人の心を癒す」という効果を病院という環境において得、ひいてはその環境に美術を根付かせるきっかけになれば、という考えから始まった。大学のある群馬県玉村町地域で唯一の内科系病院である角田病院に大学側から提案され、これまで、以下のように、その狙いの下に学生の作品の展示、そのツアー発表が行なわれて来た。・2006年「癒しのあかり展」学生作家(11名12作品)(開催期間:展覧会6月20日〜7月3日/ツアー6月24日) ・2007年「コミュニケーションから生まれたあかり展」学生作家(9名13作品)(開催期間:展覧会7月10日〜30日/ツアー7月28日)この企画の進行に伴い、学生の態度に主体的な変化が生まれただけでなく、健康診断に始まり、次いで病院側が広報誌のデザインを大学へ依頼したことから進展した当病院と大学とのアートを媒介にした共同関係は更に深まることとなった。病院側にも美術を受け入れる自然な姿勢が生み出されたが、この当企画の継続により、病院関係者の自分達の環境美化の可能性とその必然性に対する意識を更に深化させたいと考えている。
著者
神田 学 張 翔雲 鵜野 伊津志 川島 茂人 高橋 裕一 平野 元久
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.267-277, 2002-04-30
参考文献数
20
被引用文献数
3

地域気象モデルに花粉の移流・拡散・発生・沈降の物理プロセスを組み込んだ花粉予測モデルを開発した.花粉発生フラックスは・スギ林上の集中観測結果と物理的考察に基づき大気飽差の関数としてモデル化された.スギ林データベースや花粉自動観測システムが整備されている山形盆地を対象として検証計算を行い,花粉個数濃度の日変動特性が概ね良好に再現された.とりわけ花粉が夜間の弱風時に盆地内で滞留し高濃度化する現象が計算で示された.また,地表面摩擦速度や花粉粒子の沈降速度が花粉発生に及ぼす影響を感度分析により検討した.
著者
小山 薫 作山 正美 高橋 一男
出版者
岩手医科大学
雑誌
岩手医科大学教養部研究年報 (ISSN:03854132)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.103-109, 2004-12-31

全国制覇を成し遂げた経験もあり, 常に全国上位を占める岩手県立N高等学校ホッケー部の男女選手にPCIテストを実施調査した結果, 以下のような知見を得た. 1) 総体時において, 男子チームは「一般的活気」, 「技術効力感」, 「闘志」がやや高く, ポジティブな状態にあり, 女子チームは「競技失敗不安」, 「疲労感」が高く, ややネガティブな状態にあった. 2) 総体時のベンチ入り選手と控え選手の比較で, 男子の場合, ベンチ入り選手がポジティブな状態にあった. 女子では顕著な差は認められなかった. 3) 総体時のポジション別比較で, 男子選手及び女子選手ともに, ポジション間で有意差は認められなかった. 4) 新人戦時, 男女チーム間での有意差は認められず, 「競技失敗不安」に共通してやや高い傾向がみられた. また, 男子の場合, 新人戦チームは「疲労感」で総体チームを有意に上回った (p<0.01). 女子は総体チームとほぼ同レベルの心理的状態にあった. 以上, 大会規模, 性別, 技術レベル, ポジションなど, 様々な状況によって, 心理的コンディションに違いがみられることから, チームとしてのメンタルマネージメントを高めていくことが, 今後の課題である.
著者
陳 林林 高橋 孝治
出版者
科学・技術研究会
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.235-237, 2016 (Released:2017-01-12)

日本では法学と数学という学問分野の断絶は著しい。しかし、かつては数学的論理を用いて法学の学術体系を構築しようとした時代もあった。本稿は、このような法学と数学には実は密接な関連があるということを、外国の先行研究を翻訳し、紹介するものである。本論は、ライプニッツが幾何学的モデルを参考に法学の体系を形成していったことについて述べる。しかし、数学は実在しない観念的な概念を用いることもあり、この点で現実社会に用いる法学とは異なる点もあるということを述べる。
著者
高橋 朋子 遠藤 新
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1283-1290, 2019

<p>路上喫煙を区内全域で禁止している東京都千代田区、港区、世田谷区では、喫煙所に対する助成制度を設け喫煙可能な場所の確保に努めている。本研究では3区へのインタビューおよび実態調査をとおして、助成制度の課題や助成喫煙所の設置状況を明らかにした。設置の条件として住民の合意を得なければならないことが、喫煙所数の増加を困難にしていることが確認された。また助成喫煙所の立地特性と助成喫煙所が入居している建物の特徴が、千代田区と港区では異なっていた。助成制度は屋外全面禁煙である3区において分煙環境の整備に一定の役割を果たしていると考える。</p>
著者
高橋 正紘
出版者
一般社団法人 日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.828-835, 2015 (Released:2019-02-13)
参考文献数
19

8年5ヶ月間のメニエール病1,008名の集計結果、罹病期間と聴力の関係、有酸素運動とストレス対策の治療成績を報告した。発症年齢は30〜50代が64.8%を占め、発症誘因上位は、男性は職場の多忙・ストレス、女性は家庭内不和・トラブル、多忙、職場ストレス、介護、子供(親)と同居、家族の病気・死であった。難聴は罹病期間の対数にほぼ正比例して進行し、罹病4〜8年で全音域障害が55.4%に達し、罹病>8年で両側障害が増加した。患側左が右の1.4倍と有意(p<0.005)に多かった。有酸素運動とストレス対策によりめまい発作は早期に消失した。初診時、低音障害は3ヶ月以上、高音・全音域障害は6ヶ月以上観察した319名(平均観察期間1年5ヶ月)で、治療後、罹病6ヶ月〜8年の集計と全集計で聴力正常の割合が有意(p<0.00001)に増加した。今回の結果から、メニエール病はストレスによる内耳恒常性の低下が原因であり、早期のストレス対策と有酸素運動で治癒可能な疾患と確認された。
著者
高橋 秀則
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
pp.18-0053, (Released:2020-01-21)
参考文献数
7

関節リウマチなどで生じる関節痛に対する西洋医学的治療は,薬物療法や理学療法などを中心に行われることが多いが難治の症例もある.一方,東洋医学的療法の一つである経穴刺激療法(遠絡療法)は,難治性疼痛に対して有力であるとの報告があるものの,有効性が確立されていない.今回,関節リウマチと診断されていた症例で,外傷を契機に発症した重度肘関節痛に対して本法が奏効したので報告する.症例は60歳,女性.左肘を捻り左肘痛が発症し,近医で肘内側靱帯断裂と診断され鎮痛薬投薬,理学療法を行うも改善せず痛みのために関節運動が困難になった.翌年には右肘関節にも痛みが生じ,次第に関節運動が困難となり,発症2年後われわれの施設に紹介受診となった.初診時両肘の関節運動はまったく不可能で,運動時痛のみならず安静時痛も激しく筋萎縮や骨萎縮も生じていた.薬物療法とともに遠絡療法が開始された.治療は1~2週間に1回行われ,2カ月後には安静時痛は消失,左肘関節は全可動域,右肘関節は0~90°までに可動域が改善した.遠絡療法は鍼を刺さない東洋医学的手技として,重度の関節痛に有力な除痛手段と思われた.
著者
堀口 恵子 神戸 美恵子 永井 由美子 阿部 雅子 高橋 雅子 渡邊 静 綾部 園子
出版者
日本調理科学会
雑誌
大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017-08-31

【目的】日本調理科学会平成24~26年度特別研究で、群馬県各地域の家庭料理について、次世代へ伝え継ぐ資料として聞き書き調査を行い報告した。その後の追加調査や刊行資料調査も含め、群馬県の家庭料理のおやつの特徴について報告する。<br /><br />【方法】平成 25 年 10 月~27 年 2 月に群馬県内の8地域において,各地域 2 名以上(60 歳~80 歳代,居住年数 40 年以上)の調査対象者に対して面接調査を行った。面接は特別研究の方法に従い,調査の同意を得た上で,調査票に沿って対話したものを記録した。その後、嬬恋村において追加調査を行った。<br />【結果】群馬県は,冬期の日照時間が長く、乾燥した気候で、水はけのよい土地であるため、小麦の生産に適し、平坦地では米と麦の二毛作が行われている。小麦粉はおっきりこみやうどんなど主食として食するほか、いろいろなおやつが作られている。中でもまんじゅう類は種類が多く、炭酸まんじゅう(ふかしまんじゅう)、ゆでまんじゅう、すまんじゅう、そばまんじゅう、焼きまんじゅうなどがある。焼きまんじゅうは、すまんじゅうを竹串に刺し、たれ(赤みそ、砂糖、水)をつけて香ばしく焼いたもので、祭りや縁日の屋台で売られ、群馬のソウルフードともいえるおやつである。また小麦粉に野菜などを入れた焼いた焼きもち(ふちたたかっしゃい、もろこしおべった)や、たらし焼、じり焼き、甘ねじなどもある。米粉を使ったものでは、あんぴんもち、草だんご、きびもち、すすり団子などのもちや団子も喜ばれた。また、いも類のおやつでは、さつまいもを蒸して干した乾燥いもや油焼き、里芋をゆでて串にさしたれをつけたいも串、じゃがいもでは、いも餅やいも串などがある。様々なおやつの工夫がみられる。
著者
菱沼 典子 石川 道子 高橋 恵子 松本 直子 鈴木 久美 内田 千佳子 金澤 淳子 吉川 菜穂子 川越 博美
出版者
聖路加看護大学
雑誌
聖路加看護学会誌 (ISSN:13441922)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.76-82, 2007-06
被引用文献数
1 1

目的:大学内に市民が立ち寄り活用できる健康情報サービススポットが開設されて3年目になる。この健康情報サービススポットの広報活動が,利用者の増加に有用であったかどうかを検討し,今後の広報活動への示唆を得ることを目的に本研究を行った。方法:調査対象期間は2004年4月〜2006年12月であり,健康情報サービススポットの記録と,研究者間での振り返りからデータを収集した。広報活動を時間軸に沿って整理し,来訪者数,リピーター,健康相談者数,ならびに当該地域住民,当該自治体,看護職・司書等からの協力や連携等の問い合わせ件数の推移を調べた。結果:3年間の広報活動の内容は<知ってもらう宣伝>と<来てもらう催事>に大別され,<近所付き合い>から始め<町のキーパーソンとの連携>によって推進されていた。<知ってもらう宣伝>は,ポスターやチラシ,案内板や看板,地域の行事への参加,ホームページの活用で,イメージキャラクターを用い,サービス内容を選択して宣伝内容としていた。<来てもらう催事>はハーブティや抹茶のサービス,ランチタイムミニ健康講座・ミニコンサートの定期的催しであった。健康情報サービススポットの最も重要な活動である健康相談の月平均利用者は,2004年31.7名から2006年88.4名と増加し,2005年の相談者の12%がリピーターであった。宣伝媒体を受け入れている店舗数は2006年現在,ポスター掲示が31件,カードの設置が10件で,自治体や自治体内の諸機関からの連携依頼や専門職の見学もあった。考察:これらの結果から,健康情報サービススポットの利用者が増え,その存在が広く知られてきていることが確認でき,広報活動は有用であったと考える。大学と地域との連携や,広報活動の中での健康情報サービスの実施について考察した。