著者
柴田 哲男 融 健 中村 修一
出版者
名古屋工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

有機化合物へフッ素原子を導入するための試薬や方法論は多数開発されているが,現在知られている含フッ素医薬品は,ベンゼン環や複素環などの芳香族上の水素原子をフッ素に置換した例ばかりが目立ち,含フッ素ステロイド医薬品に代表されるような不斉中心にフッ素原子を有する医薬品や農薬品は少ない。これは,不斉中心にフッ素を選択的に導入する実用的な不斉フッ素化試薬やフッ素化反応がないことにも起因する。我々はこの問題に取り組み,これまでの研究例から完全に脱却した,キナアルカロイド/Selectfluor試薬を開発することに成功した。この試薬は,2種の市販試薬を有機溶媒中で混合するだけで簡単に調整出来るキラルフルオロアンモニウム塩である。簡便に反応を実施でき,適応範囲が広く,しかも不斉収率は従来法に比べ格段に高いなど,これまでにはない優れた性能を備えていた。本方法は,試薬という性格上,キナアルカロイドを化学量論量使用する必要がある。我々がこの研究を発表した直後に,Togniらによって初めての触媒的不斉フッ素化反応が報告された。彼らはβ-ケトエステルのフッ素化反応において,チタン/酒石酸を触媒に用いることにより,二点配位型の錯体を経由し,高エナンチオ選択性でフッ素化体が得られることを見出した。選択性については,まだ改善の余地が残されていたが,その後このアプローチは袖岡らのPd錯体を用いる方法により劇的に改善された。鎖状構造から環状構造までバリエーションに富んだβ-ケトエステル類の不斉フッ素化反応を,すべて90%ee以上の選択性で実現した袖岡らの方法は,この分野を一挙に完成にまで近づけた。この研究成果に刺激され,我々は,もう一歩踏み込んだ新しいフッ素化反応が出来ないものかと模索し始めていた。アミノ酸より簡便に合成できるビスオキサゾリン型触媒は,世界中で汎用されるキラル触媒の一つで,その不斉合成への実績は大きい。そこで,この触媒を活用した新しいフッ素化反応の開発を目指すこととした。着手して数ヶ月後,β-ケトエステル類の触媒的不斉フッ素化反応において,金政らの開発したDBFOX触媒とニッケル触媒が最適であることを見っけた。その不斉収率はこれまでに一度も達成されなかったことのなかった99%eeを記録しただけでなく,オキシインドール類の不斉フッ素化まで可能にすることとなった。
著者
土屋 千尋 齋藤 ひろみ
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

研究代表者土屋と分担者齋藤は、全国でも有数の外国人集住地域を校区とする小学校に研究の拠点をおき、学校・大学・地域の三者の連携・協働による子どもの学習環境づくりの実践的研究をおこなった。土屋は愛知県豊田市保見団地を校区とする豊田市立西保見小学校(全校児童数206名の内半数がブラジル人児童)を、齋藤は神奈川県いちょう団地を校区とする横浜市立いちょう小学校(全児童数203名の内半数が外国にルーツをもつ子ども-主にインドシナ難民・中国帰国者家庭の子弟)をフィールドとした。研究の成果として、次の3つがあげられる。1.外国人児童生徒への支援ネットワークの網の目に大学を位置づけて、実践の場に長期的に直接的にかかわったことにより、学校現場における実態を内側から把握することができた。2.学校現場の教育主体である教師、大学研究者、教育サポーターである学生が小学校という一つの現場で対話し、共に協働したことによって、それぞれがエンカレッジされ、教育のとらえなおしがはかられた。また、研究者は、学校の教育運営・決定のプロセスにおいて、日本語教育で蓄積されてきた知見や理論を提供し、議論参加できた。西保見小学校においては家庭内の言語環境の調査の実施、いちょう小学校においては校内研究会におけるテーマの設定が、その例としてあげられる。3.金子(1986,1992)のネットワーク論を基に、そこに差異や異質性をもつ参加者の「学習」としての実践という視点をくわえて、土屋と西保見小学校の連携を中心に、更に、地域もいれて、ネットワーク化をえがいた。外部者をうけいれることは、学校にとっては制度の整備、学校文化の質的な変容がもとめられるものであることがうかびあがった。以上、本研究における協働に基づくネットワークは、学校現場の子どもたち(外国人児童)へのよりよい教育実践をよびこむ一つのモデルになりうるとかんがえられる。
著者
木村 昌孝
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

フィリピンでは、1986年の民主化以来、民主主義の定着及び発展の文脈において選挙改革が重要事項のひとつであった。本研究は、フィリピンの選挙について、選挙行政研究の立場から、選挙人登録、投票、開票、及び集計の4つの局面におけるICT導入の経緯と現状について把握したうえで、選挙権の保障、不正防止、及び選挙行政の合理性(正確性、効率性、経済性)の3つの観点から分析し評価する。これら3つの要素は多くの場合トレード・オフの関係にあるので、民主政治におけるリーダーシップの正当性に不可欠な選挙の信頼性を損なわないように、様々な要請のバランスをとらなければならない。
著者
岡崎 隆
出版者
北海道教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

科学史解説一般に流布している金星太陽面通過観測による太陽視差確定法に対して、ハレーの原論文に基づいて彼のオリジナルな提案を解読しその相違を明らかにした。力学法則に基づくシミュレーション、視差による距離測定の教材検討、太陽観測・記録法の検討など理科(科学)教育の教材としての有用性、活用法を提示することができた。物理教育誌、大学の物理教育誌に解説論文を掲載し、報告・解説書を作成するなどこのテーマの理科教材としての普及に取り組んだ。
著者
竹内 彰継
出版者
米子工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は市販の光学機器だけを用いて安価に太陽の彩層の速度場を観測する望遠鏡を製作し、それを太陽プロミネンスの振動・波動現象の研究などに利用することにある。本望遠鏡は口径8cmの屈折望遠鏡の後に半値幅0.3AのHαフィルタと冷却CCDカメラを取り付けたもの3本を同一架台に搭載したものから構成される。Hαフィルタは設定温度を変えると透過波長帯をずらすことができるので3本の望遠鏡でHα線の線中心、短波長側ウィング、長波長側ウイングの光の強度を観測し、Hα線のドップラーシフトの2次元情報を得て、彩層速度の2次元分布図を作ることができるというのが本望遠鏡の特長である。次に、望遠鏡の性能の検定を行うため国立天文台三鷹キャンパスの分光器を利用してHαフィルタの分光・温度特性の測定を行い、各フィルタの波長λ(A)-温度T(℃)関係を求めた。続いて、京都大学理学研究科附属花山天文台のシーロスタットと水平分光器を利用してHαフィルタの透過波長帯のムラの有無を調べ、ムラの影響はほとんど無く精度良く太陽彩層の速度場が測定できることを示した。最後に、太陽表面上のジェット現象「サージ」や太陽表面に新しい磁束演浮き上がってくる「浮上磁場領域」の観測を行い、速度分布の2次元分布図(ドップラーグラム)を製作した。また、2006年11月9日の水星の日面通過を観測し、そのとき太陽面上に存在した黒点の温度の精密測定を行った。太陽プロミネンスの振動の研究については、本研究期間では充分なデータが蓄積できなかったが、今後とも本望遠鏡で研究を継続しその物理の解明に寄与して行きたい。
著者
石田 修
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,財市場の階層構造が存在すること,そして,この構造が企業の補間構造と階層構造に規定されることが研究される。このような主張を論拠づけるために,まず、財市場の階層構造を財の単価の相違から導きだした。さらに、部品貿易のアジアとヨーロッパとの構造の相違を明確にした。そのうえで、アジア域内の用途別貿易構造を注意深く研究した。とりわけ、日本、韓国・台湾、そして中国という代表的4カ国の貿易財の階層関係、貿易財の多様化と収斂化、貿易の高度化という傾向を指摘した。
著者
岡 夏樹
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

1)言葉の参照的意味の獲得と機能的意味の獲得の両者をモデル化し、計算機シミュレーション結果と人の発達データの比較や、ヒューマン-ロボット・インタラクション実験を実施した。2)認知発達の計算モデルとして提案したニューラルネット・モジュールの組換えを基本演算とする計算機構において、モジュールの機能の学習とその組み合わせ方の学習を並行して実行できることを、障害物回避タスクを用いたシミュレーション実験により示した。
著者
中園 幹生 堤 伸浩
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

湛水条件下でイネ種子を播種すると、胚乳内のデンプンが糖に変換される。さらに解糖系・エタノール発酵系を活性化させてATPなどのエネルギーを得ることにより、イネは発芽することができる。しかし、芽生えの形態は好気条件下でのものとは異なり、子葉鞘と呼ばれる器官だけが伸長する。湛水条件下での子葉鞘の伸長に、解糖系・エタノール発酵系が必要であることが知られている。本研究ではさらに、エタノール発酵の中間産物であるアセトアルデヒドを酢酸に変換するアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)と、酢酸をアセチルCoAに変換するアセチルCoA合成酵素(ACS)の経路も重要であることを明らかにした。これらの経路はイネ発芽時の脂肪酸合成・アミノ酸合成に寄与していることが示唆された。ALDH2とACSをコードする遺伝子は、イネゲノム中にそれぞれ2コピーずつ存在しており、そのうちの1つの遺伝子(ALDH2a, ACS1)の発現は、湛水条件下で発芽させたイネ芽生えの子葉鞘で増大していた。湛水条件下におけるイネの発芽・出芽性と,ALDH/ACSの経路の関係について理解を深めるために、DEX誘導性プロモーターの下流にALDH2a, ACS1 cDNAをアンチセンスの向きにつないだプラスミドを導入した形質転換イネを作出した。現在、T2固定系統を作製中である。本研究期間内に形質転換植物の形質を評価できなかったが、今後、湛水条件下におけるイネの発芽・出芽性を詳細に調査する。本研究により、湛水条件下のイネの発芽・出芽性にエタノール発酵から分岐する新しい代謝経路が車要である可能性を示すことができた。
著者
高柳 彰夫
出版者
フェリス女学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

貧困削減戦略・援助効果時代の開発援助でのNGO・市民社会組織の国際開発協力での役割を検討した。貧困削減戦略と援助効果で途上国国家政府のオーナーシップと全ての開発援助の途上国の開発戦略を基盤とした整合性と調和化が唱えられたのに対し、NGO・市民社会は「ローカル・民主的オーナーシップ」が唱え、独自の役割を強調した。カナダの事例研究を行ったが、保守党政権下で援助効果の名の下でODA政策が政治・外交・通称目的の手段の性格を強め、政府とNGO・市民社会の間の緊張が高まっている
著者
田中 伸司
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、ソクラテスが知の所有者であることを否認しつつ(無知の自覚) 、 他方で自分こそが真理を語る者であると断言するという矛盾とみえる事態の解明に取り組み、ソクラテスの真理の捉え方がイデア論と通底しているという仮説の検証を行った。その結果、真理主張には想起というレトロスペクティヴな構造が関わっていることを明らかにし、さらに『国家』の魂論・友愛論の分析によって自分自身との関係性が正義の核にあることを論証した。
著者
大山 博 寺島 彰 山岡 義典 松井 亮輔
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

韓国の社会的企業制度はまだ課題も多いことも明らかにした。しかし、わが国では長年、福祉的就労と一般就労という二分法的な制度運用で、その問題が多いことが指摘されてきたが、社会的企業制度は、両者の架け橋的な役割を果たすものとして、わが国でも社会的意義が大きいことがいえる。(2)滋賀県と箕面市の制度は障害者を中心的に対象としており、韓国の脆弱階層より狭くなっている。今日、社会的排除へのインクルージョンが求められており、財政負担問題も含めて国レベルでの制度化が必要である。(3)地域での社会的企業創設に関しては、現在の福祉的就労の状況から、商品開発、生産管理、販路開拓、流通と販売手法などの共同化を図り、さらには、専門性あるスタッフをコーディネーターとして配置した中間支援組織が重要であることを明らかにした。
著者
小川 恒男
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、日本を訪れた中国人が明治の東京を描いた作品群を研究対象とし、その集成を目的とした。具体的な研究成果として「郁曼陀『東京雑事詩』訳注」が挙げられる。郁曼陀は当時の市井の人々の目線で東京を描いており、取り分け女性の姿を好んで描写していた。彼は幕末から明治にかけて流行した日本漢詩を模倣しており、ある意味において、郁曼陀「東京雑事詩」は中国人でありながら日本漢詩を作るという試みであったという結論を得た。
著者
阿部 宏慈 清塚 邦彦 阿部 成樹 中村 唯史 中村 三春 大河内 昌 大河内 昌
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

視覚表象の分析における<アクチュアル>概念の理論的・実践的射程を、映画、写真、マンガなどの具体的な事例にもとづいてあきらかにした。
著者
宮下 國生
出版者
大阪産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

日本の景気変動や日本経済の構造変化に伴って、国際物流を担うコンテナ海運と空運の輸送分担率が変化し、ここに荷主企業の物流戦略も加わって、戦略的な物流サイクルであるロジスティクスサイクルが現れるという仮説を実証するとともに、対米・対EU・対アジアの3大サイクルに見られる因果連鎖的波及過程が明らかにし、これに基づいて、日本の失われた10年の時期に、製造業はむしろ革新期にあったことを明らかにしている。
著者
井口 靖 恒川 元行 成田 克史 黒田 廉
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

文を理解するために聞き手は出現する語彙の予測を行っていると想定する。そのひとつはある語からそれ以降の語を予測する場合で,これについてはコーパスを用いてさまざまなコロケーションを調査した。もうひとつは語彙の出現そのものの予測で,それはテキストの種類,分野などから予測できるのではないかと仮定した。そこで,分野別コーパスを構築し,その語彙頻度を大規模コーパスと比較することによりいくつかの実例を提示した。これらの結果を独和,和独辞典や教材に反映することを試みた。
著者
竹内 保
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

多発性骨髄腫細胞増殖に重要な骨髄微小環境、ミエローマニッチ、におけるNotch system異常の検討をおこない、その異常により、ひきおこされる下流の分子経路、特にTMEM207発現過剰を明らかにした。さらに種々の癌増殖微小環境における異常発現を検討しTMEM207が腫瘍抑制因子、WWOXと結合し、その機能を抑制することを明らかにし報告した。
著者
森田 茂樹 富永 隆治
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

成犬を用いた脳死状態誘導により、1.脳死誘導後に見られる血行動態の変化と左心機能障害の程度。2.脳死誘導後における心筋酸素消費量と冠動脈血流量の変化。3.in vivoにおける冠動脈内皮機能障害の有無。4.in vitroにおける冠動脈の内皮障害の有無。以上4点について検討した。1.に関して、脳死誘導直後に血行動態の急激な亢進および緩徐な低下が認められた。それに伴い左室機能は、脳死誘導60分後に有意な低下を認めた。また、カテコラミンが脳死誘導後に一過性に増加しており血行動態および心機能の変化にカテコラミンが大きく関与していると考えられた。2.に関して、心筋酸素消費量および冠血流量は、脳死直後に急激な増加を認め、その後緩徐に低下した。脳死誘導前と比較して、心筋酸素消費量の有意な低下は認めなかった。3.に関して、内皮依存性血管拡張薬であるアセチルコリンと非依存性のニトロプルシッドを冠動脈に直接投与する事によって、冠血流量の反応を検討した。脳死誘導後には、両薬剤に対する冠動脈の反応性の有意な低下を認めた。冠動脈予備能の低下が示唆された。4.に関して、内皮付き中膜条片を作成し、張力実験を行った。脳死誘導により、高カリウム脱分極と、トロンボキサンA2アナログによる収縮刺激にたいする反応の低下が認められた。ブラジキニンによる内皮依存性の弛緩反応は障害されなかった。以上の結果から、脳死誘導により心機能の低下が認められるが、その原因として冠動脈予備能の低下が考えられた。冠動脈予備能の低下をきたす因子として、脳死誘導によるカテコラミンの一過性放出などによる冠動脈、とくに平滑筋機能の障害が考えられた。
著者
笠原 禎也 後藤 由貴 長野 勇
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

科学衛星上で自律的にデータの選別・圧縮を行なうコンパクトかつ処理負荷が軽い超小型デジタル電波受信器の基礎技術について研究した。具体的な検討内容と成果は以下の通りである。1計算負荷の見積もりと機上のデータフローの実現評価手法の検討電磁界センサで得た広帯域波形データをCPU上で周波数解析するための最適な処理手順を検討し、現状の宇宙機用CPUで処理可能な最適手順を示した。特に低周波数帯での高周波数分解能スペクトルを、低計算負荷・低消費メモリで機上処理する方法を提案した。2各種データ圧縮アルゴリズムの既存計測データを用いた比較研究と定量評価「あけぼの」「かぐや」衛星による実観測電磁波データを用い、衛星上で取得・生成したスペクトル・波形双方について効率的なデータ圧縮法の検討を行なった。限られたテレメトリ容量下で、可逆圧縮と単純平均の併用より、科学的意義を損失なわない低歪みの非可逆圧縮法を提案した。3データ選別・自動抽出機能に関する技術的課題の検討デジタル電波受信器に実装した自動データ選別機能の性能を検証し、適切な選別基準の設定により限られた伝送帯域で有用データが効率的に取得できることを示した。また雷起源ホイスラを効率的に検出・分散値を求める方法を考案した。
著者
千葉 芳明 本田 亮
出版者
宮城教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

スライドプロジェクター、太陽電池と偏光板を用いて光が横波として伝わる実験教材を開発した。 また、多目的教育用分光器を用いて豆電球の発光スペクトルから、プランクの法則やウィーンの変位則を追究する学生実験を開発した。さらに、小型電磁石を用いたファラデー回転の観測から磁気と光の相互作用を理解するための教材を開発した。
著者
フィッシャー クレイグ
出版者
一般財団法人ファインセラミックスセンター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究ではエネルギーデバイスを構成する材料の特性に重要な影響を与える異相界面に着目し,先端的理論計算を用いて電子・原子レベルでの解析を行った.これまで研究例が少ない2つの酸化物の間の界面に注目して,幾つかの整合性のよい界面の安定構造や結合力,電子状態などの特性を解明し,実験結果と比較した.具体的には実験で観察された薄膜における粒界・表面または異相界面を系統的に検討した.界面近傍の歪が特性にとって特に重要であることがわかった.これらの結果は材料の構造・特性の解明だけではなく,より効率的な異相界面計算手法の開発にも寄与すると期待される.