著者
都竹 茂樹 平岡 斉士 長岡 千香子
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

働く世代の心身の健康増進を目的に、国はメタボ健診・保健指導やストレスチェックを義務化してきたが、心身に問題を抱える人たちは増加する一方である。一因として、心身の健康状態、健康への意識や実践状況、業務内容などが各人で異なるため、画一的かつ一方通行的な支援では、大多数の層は興味を示さず、行動変容にもつながらないことが挙げられる。本研究では、応募者が遠隔支援してきた2,000名分のデータを分析、ARCS動機付けモデルを活用して各人の行動や心身の状況に応じた、個別の健康支援策を自動選択、適切なタイミングで遠隔配信するプログラムを開発し、働く世代の生活習慣病やメンタルヘルスの発症予防・改善をめざす。
著者
牧 勝弘 石川 智治
出版者
愛知淑徳大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

42ch球状マイクロホンアレイを使用した音響計測により、ストラディバリウスに固有の音響的特徴は、放射方向の揺らぎや聴衆方向への放射の強さなどのバイオリン音の空間放射特性に現れることを明らかにした。また、多面体スピーカを利用した心理学的実験により、音の放射方向の時間的な揺らぎが演奏音の音色評価の向上に寄与することを示し、放射方向の時間的な揺らぎがストラディバリウスの特徴的な音色の一要因になり得る可能性を示した。さらに、奏者の熟練度がバイオリン音の空間放射特性へ与える影響を明らかにし、表板全域に渡るタップ音の周波数分析によりオールドバイオリン表板の特徴を示した。
著者
児島 清秀 元木 悟
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

アスパラガスではジベレリンの特にジベレリン1(GA1)の方が休眠打破の役割を持っているようである。ABAが休眠誘導の作用をしている根拠は本実験では得られなかったが、GA1を除いてもABA、ジャスモン酸(JA)、ジャスモン酸メチル(MeJA)、トランスゼアチン(Z)の4種類もの植物ホルモンが萌芽において最も高い濃度で存在していた。これは養分の転流や細胞分裂促進、頂芽優勢など、萌芽の急成長のために必要な機能を発現させるためだと考えられる。また、植物の変化が激しい部位で多種多量の植物ホルモンが作用しているとも言える。IAA、ABA、Z、ジベレリン4(GA4)がこれに該当するだろうと推察できた。
著者
浪岡 新太郎
出版者
明治学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本年度はコロナ禍のために現地調査ができなかったので、これまでの調査のまとめと比較のための日本での調査を行なった。具体的には、フランスにおけるムスリムの経験する、人種差別と宗教上の差別という差別の経験を、フランスの法律、政策、制度がどのように対応しているのかを検討した。その際に、これまでは別々に扱われることが多かった、人種差別と宗教上の差別を、同じレイシズムの異なった現れとして検討することで、両者の関連性を明らかにした。また、日本との比較においては、フランスのムスリムの依拠する社会保障制度との比較の観点から、日本の生活困窮者自立支援法の成立過程について検討した。その際に、特に、2008年の派遣村に注目することで、いわゆる生活困窮者がどのように社会運動の当事者として政治的に自分たちを表現することができたのか、その際の政治的、社会的、経済的条件とはどのようなものかを論じた。
著者
中村 和彦 秋穂 裕唯 牟田 浩実
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

炎症性腸疾患は腸に慢性の炎症を起こす難病で、腸での免疫応答の制御に異常があるとされる。制御性T細胞は免疫応答を抑制する細胞で炎症性腸疾患治療への応用が期待されている。近年、炎症性腸疾患ではT細胞を介した免疫応答の中でTh1型とTh17型反応の関与が示唆されている。制御性T細胞はTh1型大腸炎は抑制するが、Th17型大腸炎を抑制できるかどうか不明であった。本研究では、制御性T細胞がTh1型に加えてTh17型大腸炎を抑制できる事を示し、炎症性腸疾患にTh17型反応が関与していたとしても制御性T細胞が治療に応用できる事を示した。
著者
佐藤 清隆
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、第二次世界大戦後のイギリスにおける多民族都市レスターの南アジア系移民(主としてインド系)コミュニティの歴史を、「宗教」(ヒンドゥー教、シク教、イスラーム教など)を中心に据えて明らかにした。その際、一方では、各民族・宗教内の多様性や差別に注意を払い、他方では、彼らとイギリスの多文化主義政策の下でおこったレスターの多宗教統合との関連を重視して検討をおこなった。また、本研究の過程で、数多くのインタビューを実施し、「多宗教・多文化の歴史研究所」(明治大学)から『記憶と語り』シリーズの一部として英語による5冊のブックレットを刊行した。
著者
小島 純一
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

表形形質(成虫、幼虫形態、巣構造)ならびにDNAシークエンスデータを用いて解析して得た、ハラホソバチ亜科の分岐図上に巣構造ならびに社会行動の形質をプロットし、最適化解析を行なったところ、次のことが示された。(1)巣材として植物繊維を使用するのが祖先的であり、Liostenogasterの一部の種で泥の使用が進化した。(2)アリの攻撃への防御として、巣基部の傘状の構造物が祖先的であり、粘性の分泌物の使用、外被の構築が独立に進化した。(3)Eustenogasterにおける外被構築の進化に伴って、ワーカーを欠き、巣内の成虫は創設メス単独という生活史が二次的に生じた。
著者
山辻 知樹 猶本 良夫 高岡 宗徳
出版者
川崎医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

胃癌の治療に用いられるシスプラチンの腎毒性を防ぐために大量輸液・強制利尿が行われQOL低下を招く。5-アミノレブリン酸(ALA)は多くの生理作用を示すが、シスプラチン腎障害ラットモデルでALAの腎障害抑制効果が報告された。我々はALAによる新規腎障害予防法の確立を目指し臨床第I相試験を開始した。対象:切除不能・再発胃癌症例。主要評価項目:腎障害防止補助剤としてのALAの安全性。副次評価項目:腎障害抑制効果。方法:ショートハイドレーション法によるSP療法に加えALAを内服。安全性評価、外来移行率、相対用量強度を算出。【結果】2017年12月現在8例登録。Grade3以上の有害事象は認めず。
著者
千羽 喜代子 平井 信義
出版者
大妻女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

思いやりとは、"相手の立場に立って考え、相手の気持ちを汲む"ことと定義し、思いやりの精神構造に基づいて、3〜6歳の幼児の思いやり観察行動項目10項目、(1)相手の気持ちをくもうとする、(2)相手に気持ちを汲んでもらおうとする、(3)相手を援助しようとする、(4)みんなと協力する、(5)情報をすなおに表現する、(6)アイディアを豊かに表現する、(7)相手の気持ちを共有する、(8)相手との関係を深めようとする、(9)相手の心に積極的に関心を持つ、(10)人や場の雰囲気に気付き判断しようとする、からなる50の観察行動項目を作成した。これらの観察行動項目をうけて、あらたに3歳未満児の項目を考えたとき、"受容される体験""情緒の安定""自己受容""自己実現""感性としての気付き"が主要な要素となると考え、生後57日より行った追跡行動観察、及びビデオ録画の資料(男女字名ずつ)を分析・整理した。その結果、(1)0歳児クラス・1歳児クラスにおいては、保育者との関係を求め、応答を求める要求表出の頻度が高く、保育者のその気持ちを汲んでもらうことにより、"自己受容"自己実現""受容される体験"につながっていくこと、(2)2歳児クラス・3歳児クラスにおいては保育者に受容され、安定できた体験が、他児と積極的にかかわる友達関係へと発展すること、しかも、子供-子供関係における"受容""協力""援助"の体験は、思いやりを支える必要な要素であることを見い出した。(3)4歳児クラスの年令においては、葛藤体験を多くもつ時期であること、大人あるいは友達との関係をもつなかで、一緒に活動することの喜び、協力する体験をつんでいる時期であることを確認した。
著者
布施 明 片山 映 松田 陽子 横田 裕行 永野 昌俊
出版者
日本医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

マイクロ波をラットの脳に照射した脳損傷モデルを作成し、病理組織学的に検討した。3.0kWのマイクロ波を0.1秒間照射し、照射後1,3,7,14,28日に脳を摘出し、大脳皮質運動野、海馬、側脳室脈絡膜について神経細胞数の変化とTUNEL陽性細胞の割合を計数した。側脳室脈絡膜と脳室周囲が特異的に傷害された動物モデルとして爆傷による脳損傷が報告されており、マイクロ波照射による外傷性能損傷と病理組織学的な共通点が見出された。本脳損傷モデルは、マイクロ波発生装置を用いて出力を調節し、量的に再現性の高い脳損傷モデルを作製可能で、blast injuryに類似した新しい脳損傷モデルの可能性が示唆された。
著者
中村 元昭 橋本 龍一郎 板橋 貴史
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

TMS(経頭蓋磁気刺激法)と脳波を組み合わせた実験の方法論を確立し、定型発達者29名、自閉症スペクトラム障害者20名のデータを取得した。前頭前野へのシータバースト刺激(TBS)前後で経時的にTMS誘発電位と認知機能を測定した。定型発達者において、TBS群はシャム刺激群と比較して、TBS実施後10分~50分においてN45成分の振幅が増幅効果を示し、20分~40分において作動記憶の一時的な増強効果を示すことが確認された。その一方で、発達障害者においては、N45成分や作動記憶の増強効果を認めなかった。前頭前野の神経可塑性様変化において、定型発達者と発達障害者の間で顕著な違いを見出すことができた。
著者
水谷 秀樹 平工 雄介 川西 正祐
出版者
金城学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は、抗がん剤と活性酸素(ROS) との関係に注目し、抗がん剤の効果・副作用の発現を酸化ストレスの観点から明らかにすることである。今回、薬物としてマイトマイシンC (MMC)、ピラルビシン (THP)、カルノシン酸 (CA)を使用した。THP, CAは、Cu(II)存在下では濃度依存的にDNAを損傷し、この損傷にはROSが関与していた。また、培養細胞の実験で、MMC, THP, CAの細胞死において共にH2O2の関与を示唆しており、これらの細胞死誘導因子すなわち抗がん作用因子としてROSの1つであるH2O2が重要であることが明らかになった。
著者
吉田 敦彦 永田 佳之 今井 重孝 西村 拓生 西平 直 森岡 次郎 藤根 雅之
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

日本のオルタナティブ学校に関する事例研究と原理的考察を通して、公教育とオルタナティブ教育とが連携する意義と可能性を明らかにした。1)多義的な「オルタナティブ」概念および「多様性と公共性」をめぐる議論を分析したうえで、学校教育法と並立するオルタナティブな教育機会確保法の意義を明らかにした。2)オルタナティブ教育実践の質を保証する先行事例として、相互認証、教員研修、公民連携等の役割を担う中間支援組織の試み、および台湾の「実験教育三法」の動向を検証した。3)公教育学校とオルタナティブ学校が連携したサステイナブルスクール・プロジェクトに参画し、ホールスクールアプローチによる実践・評価モデルを開発した。
著者
野田 文香
出版者
独立行政法人大学改革支援・学位授与機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

東京規約の発効に伴い、国内外の高等教育資格情報を発信するナショナル・インフォメーションセンターが2019年に立ち上げられた日本において、資格承認の公平性・透明性を確保するための参照ツールとなるNQFの構築の検討が急務となっている。本研究は、学術・実践の両面から日本版NQFの策定可能性に係る議論に資する示唆を得るため、ASEAN Qualifications Reference Framework (AQRF)に関わる各国NQFの策定プロセスや枠組みを横断的に分析し、人的モビリティ促進の観点からNQFの運用状況を類型化し、課題を明らかにすることを目的とする。
著者
木村 祐
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

申請者らが開発した生体適合性ナノ粒子型 Gd-MRI 造影剤について、その性能の深化を目指し、種々の粒径・表面修飾および組成におけるプロトン緩和機構を NMR および MRI を用いて詳細に解析する。得られた知見とこれまでの報告を比較することで、ナノ粒子型 Gd-MRI 造影剤のプロトン緩和能について、高性能化への新たな指針を見出すとともに、動物実験によってその効果を検証する。最終的には、細胞単位での MRI 検出を可能にする新規造影剤を創製し、細胞の動きや病態メカニズム解明へ向けたツールとしての利用を目指す。
著者
中川 賢一
出版者
東京工芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

本研究はレーザー冷却によって得られる極低温原子を用いてその量子力学的な運動状態、すなわち原子波を制御するための基礎的な物理および実験技術を研究することを目的として平成8年度から平成9年度の間行った。実験に関してはRb原子のレーザー冷却のための装置の開発を主に行い、これに用いる外部共振器型半導体レーザー光源およびガラスセルによる磁気光学トラップ用超高真空装置の開発を行い、これらを用いて数100μKのRb原子約10^8個を冷却・捕捉が達成された。今後、さらに偏光勾配冷却を行うことにより、数μk程度の極低温原子が得られる事になり、これによって原子波の波長は光の波長程度となり、その運動には量子力学的な振る舞いが顕著に現われるため、レーザーを用いてこれを観測し、さらにはこれを制御する実験が可能になると考えられる。理論に関しては二本のレーザー光とその中の極低温原子の相互作用に関して反跳誘導共鳴散乱と呼ばれる過程に関して詳しく解析し、この散乱過程において周期的光ポテンシャルの中の極低温原子の運動と散乱されるレーザー光の間には密接な相関があることを見い出し、さらにこれを用いることによりポテンシャル内の原子の量子論的な運動状態を制御可能であることを見出した。この反跳誘導共鳴散乱の詳しい理論的な考察結果は既に別に行われている実験結果を非常に良く説明するもので、またこの考察結果を基に光ポテンシャル中の原子の運動の制御の実験に関しても予備実験が行われ、理論的に予想された結果が得られている。このため、今後先のRb原子のレーザー冷却の実験装置を基にして実験を進めることにより、光ポテンシャル中の原子の運動の量子状態の観測およびその制御の実験が可能になるものと考えられ、これは原子波干渉計、原子リソグラフィーなどの原子光学において非常に有用な技術となると考えられる。
著者
石川 洋文 平井 安久
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、本邦北海道全域にその感染域が拡大し、また本州に感染の侵入が懸念されている人畜共通感染症であるエキノコックス症(多包条虫症)について、伝播に関する数理モデルを構成し、シミュレーションを通して宿主動物に対する対エキノコックス・コントロール対策効果予測を行い、医学者・獣医学者との協力のもとで住民の感染危険防止に貢献することである。エキノコックスは、人に感染すると悪性腫瘍にも似た重篤な症状を引き起こし死に至ることもあり、4類感染症(感染症予防法)に指定され、北海道庁では、エキノコックス対策協議会を設け、その流行抑制を図っている。また、新興・再興感染症として、厚生労働省ではその感染源対策を推進している。エキノコックスは、Definitive hostsとIntermediate hosts間の相互作用による複雑な生活環を形成し、人にも感染する虫卵は、自然環境下に排出される。現在の技術では、人の感染しうる自然環境下の活性虫卵量の測定は不可能であり、また宿主動物に対する対エキノコックス・コントロール対策は多額の費用及び大量の労力を要することから、モデル・シミュレーションを用いた予測、判定が有用であり、真に役立つ精密モデルを構築することである。本研究では、Definitive hostであるキツネを個々に取り扱い、エキノコックスの感染進行を確率的に取り扱った。モデルをより現実化するために、個々のキツネについてエキノコックス感染荷を用いた。この感染荷は、捕食した野ネズミの原頭節量とキツネの感染経験により左右される。本研究では、北海道小清水及び札幌を研究対象地として確率シミュレーションを1,000回繰り返し結果を得た。この結果、コントロール対策としてキツネの駆虫薬散布を行うとき、散布時期の選択が重要となることが分かった。本研究で実施した確率シミュレーションは、感染率などを中央値とともに信頼区間を得ることができ、エキノコックスのような複雑な感染環をもつ疾患の解明、コントロール対策の評価に役立つものとなった。
著者
水野 文月 大橋 順 熊谷 真彦
出版者
東邦大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

列島日本人の成立を考えるためには、弥生時代人(渡来系弥生人)とはどのような人たちであったのかを明らかにすること、特に、ゲノム情報からその遺伝的多様性を明らかにすることは不可欠である。しかし、これまで限定的な報告しかない。そこで本研究では、大陸から渡来した人たちが最初に移住したと考えられている北部九州ならびに山口西部地域の弥生時代の複数の遺跡から出土した渡来系弥生人(古人骨)のミトコンドリアゲノムならびに核ゲノムの分析をおこない、渡来系弥生人の遺伝的特徴を明らかにした。
著者
柴田 弘紀 千々岩 崇仁 服部 正策 熊澤 慶伯
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

国内産ハブ3種(ハブ、トカラハブ、サキシマハブ)の遺伝的集団構造を詳細に検討するため、12の島から計44検体を収集し、ミトゲノム配列の決定を行った。最尤系統樹を構築したところ、ハブは沖縄クレードと現在のトカラハブを含む奄美クレードの間で大きく遺伝的に分化していた。また、トカラハブを独立種とする従来の考え方は、ミトゲノムデータからは支持されなかった。また奄美クレードと沖縄クレードの分岐年代は、600万年以上前と推定され、奄美群島と沖縄諸島の地理的な分断(150万年前)よりも古かった。さらに、沖縄クレードに比べて、奄美クレード内では遺伝的多様性が高く、島嶼集団ごとの遺伝的分化が顕著であった。