著者
保高 徹生 村上 道夫 仲村 健太郎 加茂 将史 内藤 航 竹下 潤一 井元 清哉 大竹 文雄 井出 和希 岸本 充生 粥川 準二
出版者
一般社団法人 日本リスク学会
雑誌
リスク学研究 (ISSN:24358428)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.145-150, 2022-03-25 (Released:2022-04-22)
参考文献数
18

As the novel coronavirus disease continues, attention has been focused on holding mass gathering events while protecting the safety of spectators, players and staffs. In this session, we discussed the implementation of frequent antigen testing and PCR testing for players and staffs in the J-League, a model evaluation of the effectiveness of infection risk reduction, and the incentives and ethical and social aspects of vaccination and testing packages. We deepened our knowledge of effective testing systems, strategies to improve vaccination coverage, and ethical and social aspects of vaccination and testing packages, and confirmed that countermeasures against novel coronavirus disease can be organically linked in actual practices such as the J-League.
著者
森山 茂徳
出版者
独協大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

本研究は1910年の朝鮮総督府設置から1945年の植民地統治終焉までの36年間において、朝鮮における言論機関の果した役割を政治的観点から明らかにしようとするものであった。言論機関を(1)邦字紙、(2)韓字(ハングル)紙とに分けて、研究の結果得られた知見を記すこととする。 (1)邦字紙-発行邦字紙数は時期によって異なるが40種以上にのぼり、その果した役割も多様である。第1に総督府機関新聞とされる『京城日報』の果した役割は特筆されるが、これについては「現地新聞と総督政治-『京城日報』について-」という論文を成果として発表し、同紙の人的構成、経営面の特性、論調の変遷、総督府との関係などについて詳細な分析を試みた。同紙は時期によりその性格を異にし、総督政治との緊張・対立をはらんだ時期と純然たる御用紙的役割を果した時期とに分けられ、とくに緊張期に生彩のある紙面を構成したこと、朝鮮人記者の重要なリクルート源であったことなどを明らかにした。第2に他の邦字紙は概ね日本人の朝鮮進出と朝鮮人独立運動の弾圧とを主張し、『京城日報』よりも尖鋭的な時期もあったが、時代が下るにつれて『京城日報』の独占体制構築の前にその下請的役割に甘んじてゆくことを明かにした。 (2)韓字(ハングル)紙-1920年代「文化政治」の開始により発行が許可され、朝鮮人の言論表明・政治表明・政治参加の機会の増大をもたらすチャネルとなったが、総督政治に対する支持調達よりも要求・抵抗の性格を多くもち時として弾圧を蒙った。しかし1930年代に発行部数の増加とともに商業化し、この中から民族的伝統を守りつつ総督政治に一定の支持・合意を与える部分も現われた。この中から戦後韓国の言論界、政界を担う人々が養成された(尖鋭化した部分は弾圧された)。この意味で言論は政治参加と主張穏健化、民族的伝統維持の主要な担い手としての役割を果した。これらの点については第2の論文で成果を発表する予定である。
著者
米田 麟吉 石橋 勇一
出版者
公益社団法人 電気化学会
雑誌
電氣化學 (ISSN:03669440)
巻号頁・発行日
vol.3, no.11, pp.448-455, 1935-11-05 (Released:2019-11-30)
著者
小林 昭
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.21, no.242, pp.134-140, 1955-04-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
11
被引用文献数
1
著者
有賀 克明 水野 恵子 山田 美香
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.171-183, 2006-12-24

香港の幼児教育改革で特徴的なのは、幼保一元化(調和)が行政レベルでは既に2004年から開始されていることである。現在の就学前教育・保育は、教育統籌局Education and Manpower Bureauの管轄の幼稚園Kindergarten、社会福利署管轄の幼児園・幼児センターChildcare centerに二分される。2005年9月に両者の行政組織を調和harmonizationさせた。質の高い幼稚園は当然人気が高い。しかし多くの家庭はメイドを雇っていて、その数は20数万人にものぼるため、幼児園(幼児センター)等の役割は相対的に低く、政府による就学前教育への投資は抑制しがちになる。メイドの平均月給は3,500香港ドル(以下、ドルと略称、1ドル=16円程度)前後で、全日制幼児園の平均的な学費2,000数百ドルより高いが、メイドが家事全般をこなしてくれることを考えると割安と言えるので、幼児園よりメイドを選ぶ家庭が多くなるのも当然であろう。

1 0 0 0 OA 帝国人事大鑑

著者
帝国日々通信社 編
出版者
帝国日々通信社
巻号頁・発行日
vol.昭和11年版, 1935
著者
齋須 直人
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2018-04-25

採用年度2年目は採用1年目から開始した帰一派旧教徒の思想家コンスタンチン・ゴールボフとドストエフスキーとの関係についての研究を継続した。成果は、2019年4月のロシア思想史研究会で報告し、ロシア思想史の専門家の参加者たちから有益なフィードバックを得た。また、それをもとにさらに研究を進め、11月にロシアのサンクトペテルブルグで行われたドストエフスキー学会「ドストエフスキーと世界文化」で発表した。これらをまとめ上げ、博士論文の最後の章とした。12月から3月にかけて博士課程入学時からの成果をロシア語でまとめ上げ、2014年11月から2017年10月まで留学していたゲルツェン名称ロシア国立教育大学博士課程ロシア文学科に、2020年3月に学位論文(タイトルは『1860年代末から1870年代初頭のドストエフスキーの作品における導き手像:ザドンスクのチーホン、コンスタンチン・ゴールボフ』)として提出した。学位論文のテーマと並行して、現在のロシアの学校教育科目である「文学」において、ドストエフスキーがどのように教えられているかについても研究を行った。今に至るまで「文学」の教科書の多くでソ連時代のイデオロギーに沿った歪められたドストエフスキー理解がそのまま残っていること、ドストエフスキーの宗教面についての説明が少ないことなどが指摘されているが、近年のロシアのキリスト教的テーマでのドストエフスキー研究の隆盛との乖離があり、興味深い現象となっている。この研究は6月に東京大学で行われた第10回スラブ・ユーラシア研究東アジア大会で、申請者が組織した二つの共同パネルのうちの一つで発表した。この成果は論文としてまとめ、ドストエフスキー研究の論集(現在、出版のための手続き中)に寄稿した。
著者
嵐谷 奎一 松井 康人 戸次加 奈江
出版者
一般社団法人 室内環境学会
雑誌
室内環境 (ISSN:18820395)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.127-136, 2019 (Released:2019-08-01)
参考文献数
11

モデルルーム(面積:20 m2, 容積:45 m3)において, 6種の異なる暖房器具(3種の石油系暖房器具, 都市ガス及びプロパンガスヒーター, 電気ストーブ)および喫煙により発生する汚染物質の計測を行った。換気条件は, 以下に示す4種類の方法により実施した。1: 換気操作を行わない(Fan off, Door closed), 2,3: ドアの開閉により換気を行う(Fan off, Door 45°-openまたはFan off, Door 10°-open), 4: 機械換気を行う(Fan on, Door closed)。なお, 暖房時間と喫煙時間は, いずれも3時間と設定した。これらの結果から, 電気ストーブを除く暖房器具の使用により, NOおよびNO2の発生が確認され, その濃度は機種により異なることが確認された。 また, CO, CO2およびホルムアルデヒドは, 電気ストーブを除く全ての暖房器具から発生することが確認され, 粉じんと多環芳香族炭化水素(PAH)は石油系暖房器具からの発生が認められた。一方で, 喫煙による影響を評価した結果からは, NO, COおよびCO2, ホルムアルデヒド, 粉じん, PAHの濃度の上昇が認められた。これらの汚染物質は, いずれも換気操作を行うことによって濃度の低減が確認され, 暖房器具の使用時や喫煙時には, 換気を行うことが室内汚染物質除去への対処策として効果を示すことが確認された。
著者
森 英章 岸本 年郎 寺田 剛 永野 裕 苅部 治紀 川上 和人
出版者
首都大学東京小笠原研究委員会
雑誌
小笠原研究 = Ogasawara research (ISSN:03868176)
巻号頁・発行日
no.46, pp.95-108, 2020-03

2019年9月、西之島において、初めて専門家による陸上節足動物の上陸調査が行われた。2013年より度重なる火山活動によってほぼすべての地域が溶岩に覆われた一方、一部草地が残された。定量調査と定性調査を並行して実施し、旧島部に残存する節足動物を確認するとともに、新たに形成された大地への進出状況を明らかにすることとした。4綱15目28科33種の陸上節足動物を確認した。うち21種は同島から初めて確認された。既存の記録を加えるとこれまでに西之島から確認された陸上節足動物は少なくとも44種となる。特に2013年噴火後に新たに形成された植生のない溶岩台地において海鳥の死体下よりトビムシ、ササラダニ等の土壌分解者が発見されたことは一次遷移の過程に関する新たな視座を提示するものである。一方、外来種であるワモンゴキブリが残存していることが確認され、対策の実施が望まれる。トラップを用いた定量調査も行われたことにより今後の継続的なモニタリングの基礎情報となる。
著者
高桑 昌男 飯倉 宏治
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会年次大会講演予稿集 2012 (ISSN:13431846)
巻号頁・発行日
pp.13-2-1-_13-2-2_, 2012-08-29 (Released:2017-05-24)

There are many rendering techniques using point-based super-sampling. By the super-sampling, more sampling gets more quality. But how many samples do we need? We can only estimate this from statistics. In this research, we introduce a new concept Micro point. Using the Micro point, we get aliasing free images without super-sampling.
著者
Yoshinori FURUKAWA Ken NAGASHIMA Etsuro YOKOYAMA Shunichi NAKATSUBO Salvador ZEPEDA Izumi YOSHIZAKI Haruka TAMARU Taro SHIMAOKA Takehiko SONE Takao MAKI Asuka YAMAMOTO Toshiyuki TOMOBE Ken-ichiro MURATA Gen SAZAKI
出版者
The Japan Society of Microgravity Application
雑誌
International Journal of Microgravity Science and Application (ISSN:21889783)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.380101, 2021 (Released:2021-01-31)
参考文献数
53

Microgravity experiments on ice crystal growth in supercooled water without any effect of convection flow were carried out twice in Kibo of the International Space Station as projects called “Ice Crystal 1” and “Ice Crystal 2”. Many video movies recording the growth process of a single ice crystal were analyzed to clarify the pattern formation processes of single ice crystals and the impurity effect on ice crystal growth kinetics. In the Ice Crystal 1 project, ice crystals were grown in supercooled pure D2O and the pattern formation mechanism for the ice crystal was clarified on the basis of crystal plane-dependent growth kinetics between the basal face and the other crystallographic faces. In the Ice Crystal 2 project, ice crystals were grown in supercooled H2O containing a small amount of an antifreeze glycoprotein as an impurity. Growth enhancement and oscillation for the basal faces were observed for the first time, and their mechanisms were clarified on the basis of the crystal plane-dependent impurity effect of an antifreeze glycoprotein. The origin of the antifreeze function of antifreeze glycoproteins was ultimately explained in connection with the basic criterion for the pattern formation of a polyhedral crystal.
著者
水上 拓哉
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.4N2OS26a03, 2020 (Released:2020-06-19)

本発表では、ソーシャルロボットの倫理を基礎づけることを目的に、その道徳的行為者性をどのように理解するべきかという概念工学的な問いに取り組む。メディアの等式が示唆してきたように、ソーシャルロボットにおいてはユーザ側の感情や想像力の存在を無視することはできない。最近では、ロボットの道徳的身分をユーザとの関係性の中に見出そうとする立場もあり、これは関係論的転回と呼ばれている。中でもCoeckelberghはこのアプローチの延長線上で「仮想的行為者性」という概念拡張を試みている。しかし、このような拡張は、既存の道徳的責任の帰属という観点では混乱をもたらしてしまう。そこで本発表では、道徳的行為者性の関係論的な拡張を批判的に検討しつつ、代替案を示唆する。具体的には、ロボットに対する感情をフィクション感情のパラドックスに接続したRodognoの議論をもとに、関係論的に見いだされる行為者性を既存の行為者性と区別する。ソーシャルロボットに道徳的行為者性を帰属させようとするユーザの心的傾向をフィクション論の枠組みで捉え直すことで、人間がこれまで行ってきた責任帰属の実践の構造を保つことが可能になる。
著者
藤井 大輔
出版者
日本交通学会
雑誌
交通学研究 (ISSN:03873137)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.143-152, 2012 (Released:2019-05-27)
参考文献数
13
被引用文献数
2

2008年に着工した長崎新幹線の並行在来線である長崎線は、これまでの整備新幹線の並行在来線の措置と異なり、JRが新幹線開業後も並行在来線での列車運行を担うことになった。この「長崎方式」とも呼ばれる方式を考察した。また、既に開業した整備新幹線の並行在来線転換第三セクター鉄道事業者を旅客輸送量と経営状況の面から横断的に分析した。いずれの事業者でも旅客輸送量の減少は続き、軌道1kmあたりで算出した鉄軌道事業営業損益も赤字決算が続いていることが明らかとなった。
著者
Takeshi HIGUCHI Haruna OIZUMI Tatsuya SASAKI Tadahiro AITA
出版者
The Ceramic Society of Japan
雑誌
Journal of the Ceramic Society of Japan (ISSN:18820743)
巻号頁・発行日
vol.117, no.1368, pp.873-877, 2009 (Released:2009-08-01)
参考文献数
25

A silica-polymer composite with oriented macropores was fabricated from tetraethoxysilane (TEOS) incorporated with poly(ethylene glycol) (PEG) via a sol-gel method. The solution mixture containing PEG and TEOS after hydrolysis was subjected to shear stress so that the macroporous structure generated by spinodal decomposition during the process of polycondensation to a silica-PEG-rich phase and a solvent-rich phase was elongated and oriented toward the shear flow direction. It was found that shear flow is effective for macropore elongation after the solution mixture becomes turbid. The optimum PEG content for macropore elongation was also revealed. The elongation ratio of the macropores was dependent to a certain extent on the shear rate.