著者
Putranto Heri Dwi 楠田 哲士 稲垣 佳代 熊谷 岳 石井(田村) 理恵 氏家 陽子 土井 守
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.569-571, 2007-05-25
参考文献数
9
被引用文献数
2

アムールトラ雌2頭と雄1頭から糞を採取し,凍結乾燥後にメタノールでステロイドホルモンを抽出し,ETA法により糞中含量を測定した.雌のエストラジオール-17βと雄のテストステロン値は,年間を通しで顕著に変動した.雌2個体のエストラジオール-17βはそれぞれ26.4±8.0と28.0±14.2日間隔で上昇した.しかし,プロジェステロンは単独飼育した雌では変動せず,雄と同居させた雌では交尾後増加し,妊娠した1例で最終交尾から106日後に出産するまで高い値が維持されていた.
著者
山岸 敦 加藤 一夫 中垣 晴男
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.13-21, 2007-01-30
被引用文献数
6

フッ化ナトリウム(NaF)とモノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)は,ともに歯磨剤に配合されるう蝕予防の有効成分として最も広く用いられている.本研究の目的は,日常のセルフケアにおいてフッ化物配合歯磨剤の使用を考慮し設定した条件下で,エナメル質耐酸性に及ぼすNaFとMFPの作用の違いを明らかにすることであった.950ppmFに調整したNaFまたはMFPの水溶液で1日2回3分間,エナメル質を処理し,それ以外はpH4.5の脱灰液に浸漬した.この操作を22日間行った後,試料のミネラル量の変化(ΔZおよびLd)をX線マイクロラジオグラフ(XMR)により定量した.その結果,NaF処理群は,MFP処理群より有意に高い耐酸性を示した(ΔZ: NaF<MFP, Ld: NaF<MFP). 22日間のフッ化物処理による耐酸性層の構造を明らかにするため,pH4.0の脱灰液で6日間処理したところ,NaFとMFPのXMR像には大きな違いがあった.NaF処理群は,表面付近に限定して耐酸性を示す100μm程度の層が得られた.一方,MFP処理群は表層付近の耐酸性がNaFに比べ劣るものの,経時的にエナメル質内部に深くまで浸透し,300μm程度の耐酸性を形成した.したがって,今回の条件における耐酸性付与に関するNaFとMFPの作用は互いに対照的であり,その特性に合わせた応用が望まれる.
著者
加藤 尚吾 加藤 由樹 赤堀 侃司
出版者
一般社団法人社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会学会誌 (ISSN:09151249)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.5-19, 2006-09-30

本研究は,電子掲示板に着目した。電子掲示板の投稿に返信する際に,その投稿に次の差異がある場合,返信にどのような影響が見られるのかを実験により検討した:(1)自己開示の深さ(深い自己開示,浅い自己開示,自己開示無し),(2)投稿された文の形式面(話し言葉,書き言葉)。電子掲示板上の投稿への被験者の返信の文字数と内容について分析した結果,投稿文の形式を超えて,深い自己開示を含む投稿への返信文字数と自己開示の数が,浅い自己開示を含む投稿や自己開示を含まない投稿への返信に比べて多いことがわかった。更に,各投稿についてのアンケートおよび実験後のアンケートの結果から,深い自己開示を含んだ投稿に対して,よりポジティブに感じる傾向も見られた。

3 0 0 0 OA [絵本]

著者
沢久次郎 編
出版者
沢久次郎
巻号頁・発行日
vol.〔7〕 怪猫佐賀之夜桜, 1887
著者
池田 清治
巻号頁・発行日
2006-04-20

民法はすべての法律学の基本であるため、法学部では通常20単位程度の授業時間が割り当てられています。しかし、専門的な授業では詳細な講義がなされるため、返ってその全体像が分かりにくく、親しみづらいものとなってしまいます。そこで、「社会の認識」という全学向けのこの講義では、「民法の全体像」を把握するよう努めます。法学部のみなさんにとっては、今後の学習の道しるべになるでしょう。法学部以外のみなさんにとっては、法律学がいかなる思考枠組みを用いて「世界」を認識するものであるのか、その構造上の特徴が明らかになりますので、自身の専門分野における認識枠組みとの違いが分かり、法律学に対する興味をそそられるでしょう。 ですので、この授業では、民法を「体系的に」講義します。1回に1件、面白い事件を取り上げ、それを15回つなぎ合わせるなどといったものではなく、「学問的に」民法を教授します。しかし、親しみやすくなるよう、いろいろな事例を使って分かりやすく説明しますので、その点は安心してください。 高校までは、本当の意味で法律学を学ぶ機会はありませんでした。みなさんにとって、これがはじめての機会です。法律学とはどのような学問体系なのか、そこにはいかなる特徴があるのか、この問題にアプローチするには「民法の全体像」を把握することが有用かつ不可欠であり、そのような講義にしたいと思っています。
著者
吉田 英雄 内田 秀俊
出版者
一般社団法人 軽金属学会
雑誌
軽金属 (ISSN:04515994)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.41-55, 1995-01-30 (Released:2008-10-30)
参考文献数
29
被引用文献数
5 4
出版者
最高裁判所
巻号頁・発行日
1948
著者
鈴木 亨 園田 茂 才藤 栄一 村田 元徳 清水 康裕 三沢 佳代
出版者
社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.180-185, 2006 (Released:2006-05-01)
参考文献数
22
被引用文献数
8 5

回復期リハビリテーション目的で88床のリハビリテーション病棟に入院した脳卒中患者の転倒の現状とADLの変化について検討した.脳卒中患者256名を対象に,転倒の有無,回数,場所,転倒までの期間,時間帯,ADL状況を調査した.ADLはFIMにて入退院時に評価した.256名のうち121名で延べ273回の転倒事故があった.病室とトイレで229件の転倒があり,入院から4週以内の転倒は147件,朝6時から10時までと夕方4時から8時までで129件であった.入院時のFIM車椅子移乗の自立割合は転倒なし群で58.5%,転倒1回群で30.5%,複数転倒群で15.9%であった.入院時に運動合計が38点以下でかつ認知合計が19点以下の36例中,24名が2回以上の転倒を経験したが,運動合計65点以上,認知合計20点以上の者94名中73例が転倒しなかった.運動,認知とも低下している脳卒中患者では転倒を繰り返す危険性が高かった.このような患者では朝夕を中心とした注意深い観察が必要であろう.
著者
小野 孝彦
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.10-15, 2013
被引用文献数
2

近年,糖尿病性腎症,慢性腎炎,腎硬化症など各種の腎疾患をひとまとめにして慢性腎臓病と呼んでいる。レニン・アンジオテンシン系に働く治療薬は慢性腎臓病治療の第1選択とされているが,七物降下湯は併用効果が期待される。基礎的研究では糖尿病性腎症の進展に八味地黄丸の抑制効果がある。近年の研究から腎炎や一次性ネフローゼ症候群において,柴苓湯はステロイドや免疫抑制薬の減量効果が期待される。慢性腎炎やネフローゼ症候群の背景となる病態として,柴朴湯の治療は頻回の上気道炎を減少させ,柴苓湯はアレルギーの関与が考えられるネフローゼ症候群に対して効果的な場合が見られる。小児の IgA 腎症に対して,前向きの臨床試験による柴苓湯効果のエビデンスも得られている。透析に至る前の慢性腎不全に対して温脾湯は,透析導入への延長効果が知られている。五苓散は血液透析時の透析困難を改善し,腹膜透析においては腹膜線維化の問題点に対して柴苓湯の改善効果が期待される。
著者
小島 奈津子
出版者
桐蔭法学会
雑誌
桐蔭法学 = Toin Law Review (ISSN:13413791)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.67-92, 2015-10-25
著者
有吉 眞理子 白川 昌宏
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.124-127, 2011 (Released:2011-05-25)
参考文献数
19

DNA methylation is a heritable epigenetic mark that enables the tissue-specific gene expression accompanied by modulation of chromatin structure. Interpretation and maintenance of DNA methylation pattern on genome are crucial for a wide range of biological processes such as genomic imprinting, embryogenesis and carcinogenesis. Recent crystallographic studies of methylated DNA binding proteins have provided a new insight into the molecular mechanisms underlying epigenetic regulation. This review focuses on a structure basis for strict recognition of the methylation status of the CpG site by DNA binding domains in MBD family proteins and UHRF1.
著者
大野 晋
出版者
公益社団法人 日本地すべり学会
雑誌
日本地すべり学会誌 (ISSN:13483986)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.75-82, 2013 (Released:2014-02-28)
参考文献数
25
被引用文献数
1

東北地方太平洋沖地震で観測された強震記録の概要を紹介した。主な特徴としては,1)短周期卓越型で広域に渡る大加速度,2)地盤による相違,3)非常に長い継続時間があげられる。
著者
風戸 真理
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科 文化人類学分野
雑誌
コンタクト・ゾーン = Contact zone (ISSN:21885974)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2017, pp.347-366, 2017-12-31

本論では、装い(ドレス)の中でもとくに装飾機能の強い身体装飾に焦点を当て、日本の女性の子どもがおこなう身体装飾の時間変化、その過程で直面する葛藤、そしてやがて大人になった女性の身体装飾と社会の関係を記述した。その上で、身体装飾に関する子ども・大人・社会の交渉と、審美性をめぐる規範・流行・便宜について考察した。なお身体装飾は、アクセサリーの着用、身体彩色(化粧)、身体変工(ピアス、タトゥーなど)の3つに分類した。結果としては、第一に、現代日本の子どもの身体装飾は学校という制度の中で、化粧を端緒として開始されていた。そこでは審美性や娯楽性とともに、校則への抵抗、教師との交渉、仲間との同調や差異化などの社会関係が重視されていた。第二に、身体装飾は学校・アルバイト・就職活動・親との関係において抑制されていた。とくに身体変工をめぐっては、外的な抑制、内的な抑制、身体的な困難が葛藤要因となっていた。第三に、大人の身体装飾と社会との関係については、流行歌の歌詞を分析した結果、最も日本社会に親和的なのは身体彩色であったが、ピアスやタトゥーに関しても豊かな表現が見られた。アクセサリーを外す行為は私的な親密さを帯びた身体の出現を示し、装身具には公私をスイッチングする道具としての機能が認められた。審美性の観点から、身体装飾をめぐる規範・流行・便宜の関係について検討すると次のことがいえるだろう。人びとは環境とのすり合わせにより社会適応的な装身の輪郭を探り、その範囲内で他者との差異化を図ったり、流行に同調したりすることをおしゃれとして楽しんでいた。また、身体変工には逸脱を含む多様な意味づけがなされていたが、身体の審美的価値を効率的に高めるために、身体変工の実利性、便宜性が評価される側面もみいだされた。
著者
対馬 栄輝
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.181-187, 2002 (Released:2002-08-21)
参考文献数
15
被引用文献数
15 6

最近,理学療法における研究報告では,検査・測定に対する信頼性を検討する機会が増えてきた。それと同時に適用上の問題も出てきたと考える。信頼性係数として級内相関係数(ICC),クロンバックのα係数,Cohenの一致係数(κ係数),Kendallの一致係数(W係数)を挙げ,これら信頼性係数の特徴を個別に検討し,シミュレーションも行って正しい適用を見出すことが目的である。 ICCは適用範囲の広い信頼性係数であるが,検者または繰り返し測定間と被検者・測定のばらつきの比によって値が決まるため,SEMの併記が必要となる。κ係数は,3人以上の検者の場合はFleissによるκ係数が適用となるが,それと比較するときは検者が2人であってもFleissのκ係数を使う方が妥当である。また,W係数とκ係数を同時に用いて両者の欠点を補うような使用が望ましい。理学療法では順序・名義尺度のデータを扱う機会が多く,ICCよりもκ係数やKendallの一致係数が適用となるケースの方が多い。しかしどの係数も利点欠点があるため,いくつかの注意点を勘案して適用する必要がある。なによりも重要なのは,データをよく観察することであり,また係数やその有意性のみに固執しないことが挙げられる。
著者
金山 穆韶
出版者
密教研究会
雑誌
密教研究 (ISSN:18843441)
巻号頁・発行日
vol.1940, no.75, pp.47-57, 1940-12-15 (Released:2010-03-12)