著者
磯谷 文衣 工藤 せい子 山辺 英彰 斉藤 洋子 鳴海 肇子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1_73-1_82, 2000-04-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
11

糖尿病は自覚症状に乏しいため受診中断者が多い。 本研究では,継続して受診ができるような患者教育を検討する目的で,糖尿病性腎症による透析患者を対象に,家族・治療背景,健康観と性格特性を調査し検討した。 その結果,受診の中断には,治療背景が関係していた。 特に中断者は糖尿病教室の初期受講率が低かった。 理由として病院で糖尿病教室が定期的に開催されていないという理由もあった。 健康観については,MHLC を使用し,その結果,PHLC 得点が高く,他者に依存する傾向が強かった。 TEG では男性の受診継続者は平坦型(適応タイプ),中断者は FC 低位型傾向。 女性は両群とも NP 優位型(世話焼きタイプ)を示した。 受診継続ができない患者の健康観,性格特性を把握することの重要性が示唆された。 これらをもとに患者が指導を受ける機会を充実すること,患者・家族指導を行う際の指針が得られた。
著者
長尾 能雅
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.109, no.3, pp.579-583, 2020-03-10 (Released:2021-03-10)
参考文献数
11
被引用文献数
2
著者
千葉 智子 小川 隆志 阪田 久美子 宮崎 正三
出版者
JAPANESE SOCIETY OF ORAL THERAPEUTICS AND PHARMACOLOGY
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.85-94, 2000-08-01 (Released:2010-06-08)
参考文献数
24

As drug information service (DI) in a dental hospital, we evaluated the efficacy and safety of three products of the drug delivery system (DDS) (Periocline®, Elyzole®, Perio Chip®) for treatment of periodontitis, using literature of clinical trials.Nine literature references (4 for Periocline®, 4 for Elyzole®, 1 for Perio Chip®) were obtained from a MEDLINE database search on the Internet.The clinical trial design of each reference was a randomized control trial, and three were double blind randomized control trials. The treatment period and examination period were different for each reference. Items of clinical examination included pocket depth (PD), bleeding on probing (BOP), attachment level (AL), plaque index (PI) ; of these, PD was used in all trials.As for the efficacy of products evaluated by improvement of PD, two references for Periocline®, and one for Periochnp®, showed statistically significant improvement, but two references for Elyzole®, indicated superior improvement of PD in the control group rather than the test group. Only five of the references discussed side effects, but they were mild, transit, local effects.
著者
瀬谷 安弘 森 美津樹
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.507-513, 2018 (Released:2018-08-31)
参考文献数
29

In this study, we propose a new method to investigate the perceptual-motor coordination during first person shooter (FPS) game play and the effect of FPS game experience on it. In an experiment, participants played the FPS game in which horizontally inverted images (inverted condition) or normal images (control condition) were presented. Repeatedly playing the FPS game in the inverted condition increased the game performance (e.g., game score), and in six trials, the performance reached plateau at the same level as that in the control condition. The analyses based on the FPS game experience showed that FPS players were able to learn new perceptual-motor coordination more quickly than non-FPS players. These results not only suggest that the method proposed is useful to investigate perceptual-motor coordination in FPS players, but also support the recent view that the advantage for videogame players is more evident with realistic stimuli and tasks than simplistic ones.
著者
三村 征雄
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1961

博士論文
著者
村上 修一 轟 慎一
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:24364460)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.341-346, 2018-03-08 (Released:2022-06-08)
参考文献数
23

かつて内湖の存在した15ヶ所において,内湖の輪郭の内外で土地利用の異なる状況,内湖の輪郭と水路とが合致するという状況,道路網の向きが輪郭の内外で異なるという状況,内湖の輪郭と合致する地面の段差という状況に,内湖の痕跡の可能性が推測される。それらが痕跡であるかどうか真偽を確かめるために,水路や標高の設定,土地利用・水路・道路の配置,湖岸の改変,周辺との一体的整備の有無といった干拓事業の内容を把握するとともに,地面の段差が生じ得る整備事業の有無の確認,および,干拓前から今日に至るまでの,内湖周辺や干拓地内部の土地利用や水域の変化を解明することが,今後の課題である。
著者
西 聡太 當利 賢一 宮部 伸子 大久保 智明 野尻 晋一
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.369-376, 2023-06-15 (Released:2023-06-15)
参考文献数
19

通所リハビリテーションにおいて脳血管障害を呈した利用者に,MTDLPを用い,復職を支援した.MTDLPと生活行為向上リハビリテーション加算の制度を活用した訪問を組み合わせた支援により,関連事業所との情報集約と伝達が円滑に行われた.復職支援のように,企業との連携や,職場に出向くことが必要な目標の達成には,MTDLPと生活行為向上リハビリテーション加算を併用した通所リハビリテーションによる介入の有効性が示唆された.
著者
木村 伸吾 KIM Hee-Yong
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

近年、ニホンウナギ(Anguilla japonica)のシラスの採捕量は減少しており、その要因として乱獲、生息環境の破壊、海洋変動現象などがあげられている。しかし、最近20年間の採捕量の減少は、乱獲や環境破壊などに伴う長期的な減少とは大きく異なっていることから、エルニーニョに代表される短期的で突発な海洋変動現象に注目が集まっている。本研究では、ニホンウナギ資源と産卵海域における海洋変動現象の係わりに焦点を絞り、エルニーニョ発生に伴う海洋環境の変動がウナギ幼生の輸送拡散過程に与える影響を定量的に明らかにすることを目的とした。そのために、エルニーニョの発生年と非発生年に分けて構築された北太平洋の大循環数値シミュレーション結果を用いて、ニホンウナギ幼生の輸送拡散シミュレーションを行い、それに対する資源量変動の応答メカニズムについて解析を進めた。流動場として使用したデータは、過去50年間にわたって計算された1/10度グリッドの再解析流速場データである。この物理モデルにニホンウナギの産卵場である北緯15度東経140度の地点に幼生に見立てた粒子を水深100m以浅に投入し、表層までの間で日周鉛直移動する幼生の能動的な移動を加えて、幼生の輸送拡散に関する数値シミュレーションを行った。その結果、エルニーニョ非発生年には幼生と見立てた粒子のうち約40%が黒潮流域に到達するのに対して、エルニーニョ発生年にはその個体数が半減することが分かった。さらに、産卵の指標となる塩分フロントの位置に対応して産卵海域を変化させた場合には、その違いが三倍にもなることが分かった。したがって、近年のシラスウナギの来遊量の変動は、エルニーニョの発生に伴う輸送過程における流動環境の変化に大きく依存していることが明らかとなった。本研究成果は、シラスウナギの来遊量予測に寄与するものと考えられる。
著者
高橋 弘 由利 和也
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

うつ病は、様々な症状が複雑に絡み合っている病気であり、病態を正確に捉えることが困難である。また、うつ病は、慢性ストレスにより神経の可塑的変化(シナプス減少など)を引き起こし、通常の神経回路と異なる可能性がある。そこで、本研究は、慢性的に敗北させたうつ病モデルマウスを用い、各うつ症状がどの様な神経活動により起こるかを明らかにする。また、ストレスによる神経可塑的変化が、グリア型グルタミン酸トランスポーター減少を介して、グルタミン酸過剰により引き起こされるかを明らかにする。これらの成果は、新しいうつ病の発症機序を実証し、うつ病の病態解明・診断・治療に貢献する。
著者
蔵並省自編
出版者
八千代出版
巻号頁・発行日
1977
著者
近藤 雅裕 越塚 誠一 滝本 正人
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.20070021, 2007 (Released:2007-08-06)
参考文献数
10

粒子法は、界面を明示的に追跡することなく自由表面流れの計算ができる.自由表面を含んだマイクロスケールの流れでは、表面張力計算が重要となる.粒子法における表面張力の計算法は2種類計算されている.1つは、連続体力学に基づく支配方程式を離散化するもので、もう1つは、分子間力に似た粒子間ポテンシャル力による方法である.粒子間ポテンシャル力を用いたほうが計算効率はよい.しかし、これまで表面張力係数および接触角との関連が示されていなかった.本研究では、粒子法の1つであるMPS法において粒子間ポテンシャル力による表面張力の計算法を提案する.また、粒子間ポテンシャル力と表面張力係数および接触角との関連を示す.
著者
川島 洋一
出版者
福井工業大学
雑誌
福井工業大学研究紀要. 第二部
巻号頁・発行日
no.37, pp.33-38, 2007-05-31

Zui-ki-tei, the Japanese tea-ceremony house donated by Ginjiro Fujiwara (1869-1960) to Sweden, was built at The Museum of Ethnography in Stockholm in 1935. In the academic article in 2004, the author has already showed the donative circumstances of Zui-ki-tei and also illustrated the decisive role of Ida Trotzig (1864-1943) throughout the whole process of donation and construction of Zui-ki-tei. Most of the source material treated herein are derived from the newly found literature which describes the detailed construction process of Zui-ki-tei. The precise circumstances of donation and construction of Zui-ki-tei are reviewed in this paper.
著者
岡 淳一郎 松本 欣三 濱田 幸恵
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.147, no.3, pp.157-160, 2016 (Released:2016-03-10)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

釣藤散は,11種類の生薬からなる和漢薬である.臨床では,釣藤散が脳血管障害に伴う認知機能障害を改善することが報告されている.また,動物実験では,脳血管性認知症モデル動物や加齢あるいは2型糖尿病モデル動物の学習記憶障害を,釣藤散が改善することが報告されている.本研究では,まず幼若期発症1型糖尿病モデル(JDM)ラットにおける学習記憶障害に対する釣藤散の作用について検討した.我々のこれまでの研究から,JDMラットでは学習記憶障害,シナプス伝達効率の亢進およびシナプス長期抑圧(LTD)の減弱が生じることが明らかになっている.釣藤散(1 g/kg)の慢性経口投与により,JDMラットにおける学習記憶ならびにLTDが回復した.この時,JDMラットで過剰発現していたグルタミン酸受容体NR2Bサブユニット(GluN2B)が正常発現レベルまで回復した.以上より,釣藤散は,糖尿病によるシナプス伝達効率異常亢進を抑制すること,およびNR2B過剰発現を正常に戻すことにより,シナプス可塑性と学習記憶障害を改善することが示唆された.さらに,釣藤散が,強制水泳試験において抗うつ様作用を示すことを見出した.この抗うつ様作用は視床下部-下垂体-副腎皮質系の改善によるものではなく,その作用機序の一つとして,ストレス負荷によるグルタミン酸濃度上昇に伴う細胞障害からの保護が関与する可能性が考えられる.
著者
東山 繁樹 中山 寛尚 福田 信治
出版者
愛媛大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

がん細胞における細胞形質の不均一性の起因を膜型細胞増殖因子EGFファミリーの細胞外領域切断“エクトドメイン・シェディング”活性の“ゆらぎ”と関連付け、研究を進めた。ヒト乳がん細胞MCF7細胞からStem type、Basal type、Luminal typeの各クローンを樹立後、各細胞タイプとEGFファミリー膜型増殖因子のシェディング定量解析を行なった。その結果、proAREGのシェディング活性が各細胞タイプとの相関性を示すこと、proAREGに特異的なシェディング制御機構としてCUL3-RhoA軸が制御するアクチンダナミクスが関与することが明らかとなった。
著者
角皆 静男 西村 雅吉 中谷 周
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.153-159, 1968-08-31 (Released:2011-06-17)
参考文献数
12
被引用文献数
20 20

海水のカルシウムおよびマグネシウム含量を測定した. 西部北太平洋において, 平均濃度は, 塩素量19.00‰の海水で, カルシウムについて0.4049g/kg, マグネシウムについて1.2684g/kgであった. また, カルシウム/塩素量比, マグネシウム/塩素量比の平均値は, 0.02131および0.06676であった. カルシウム/塩素量比は深さと共に増大するばかりでなく, 表面水でも水塊によって異なることがわかった. それゆえ, カルシウム/塩素量比は水塊のトレーサーとして使うことができる. そのような傾向はマグネシウム/塩素量比ではみられなかった.
著者
大西 健夫 城島 貴弘
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム(MBL) (ISSN:21888817)
巻号頁・発行日
vol.2016-MBL-79, no.26, pp.1-6, 2016-05-19

近年のスマートフォンの普及により、携帯端末において様々なアプリケーションの利用が可能となっている。このようなアプリケーションの多くはモバイルネットワークを介して通信を行っており、市街地や駅などの人口密集地帯においては多数の通信が集中することによる通信品質の劣化が発生する。ネットワーク側では、現状、端末の現在と過去の通信に基づいて通信リソースの割当制御を行っている。ネットワーク側で端末が今後行う通信を予測できれば、より効率的なリソース制御を行い、混雑地における品質劣化の緩和することが可能となると期待される。本稿では、スマートフォンにおける通信の特性を調査し、10 秒程度の近い将来においてスマートフォンが通信を行うか否かを予測するための方式を提案する。