著者
髙橋 秀徳
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.88-95, 2019-01-22 (Released:2019-01-19)
参考文献数
36

本稿は新規株式公開(IPO)の価格形成に関する理論及び実証研究のレビューを行う.IPOパズルについては長い研究の歴史があるが,絶えず新たな研究が発表されている.近年の研究では,テクノロジーの発展に伴い新しい種類のデータや分析手法を利用することで,IPOパズルの解明が進んでいる.本稿では,この分野で特に行動ファイナンスが果たした役割に焦点を当て,IPO研究の過去と未来を俯瞰する.
著者
早岡 英介
出版者
羽衣国際大学現代社会学
雑誌
羽衣国際大学現代社会学部研究紀要 (ISSN:21885493)
巻号頁・発行日
no.12, pp.1-16, 2023-03

映像を、モニタやスクリーンに表示するだけでなく、建造物等の立体造形物に投影するプロジェクションマッピングが様々な公共空間で使われるようになってきた。専門性の高い技術という印象が強いが、通常のモーショングラフィックスソフトでもシンプルな内容であれば制作できる。 本取り組みでは、大学や専門学校の映像教育で一般的に使われるAdobeのソフトでプロジェクションマッピングを作り、展示映像空間の表現様式を拡張することに挑んだ。 編集方法にはこれまでにない工夫が必要となったが、Premiere ProのタイムラインにAfterEffectsで作ったプロジェクションマッピングのパートを同期させて作る方法を考案した。あわせて対象物にCGをマッピングする初心者向けの教育プログラムも開発した。
著者
Akifumi KOBAYASHI Hideshi YOKOTA Tomoo FUJIOKA
出版者
Society of Advanced Science
雑誌
Journal of Advanced Science (ISSN:09155651)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1-2, pp.87-88, 1996-07-15 (Released:2010-02-25)
参考文献数
6

A transverse RF discharge excited carbon dioxide slab laser has been operated cw with hybrid unstable resonator. An output power is 130W at 6.5% efficiency with a frequency of 125MHz and 35Torr of gas mixture 1:1:3 (CO2:N2:He). In this condition, the small-signal gain is measured at 0.82% cm-1.
著者
河原 梓水
出版者
Antitled友の会
雑誌
Antitled (ISSN:24367672)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.107, 2023-03-27 (Released:2023-04-04)
著者
菅原 路子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

リンパ浮腫は,皮下組織へのリンパ液滞留により四肢に強いむくみをきたす疾患である.現時点において病態メカニズムは不明であり,完治を目指すための指針はない.リンパ浮腫患者の皮下脂肪組織は,肥大化かつ繊維化することが報告されており,それに伴う細胞外基質の弾性特性の変化がリンパ浮腫病態に及ぼす影響を考慮することも重要である.しかし,以上の複合的要因を考慮したリンパ浮腫の病態メカニズム解明への取り組みは皆無である.そこで本研究では,リンパ浮腫組織を模した化学環境および力学環境を考慮し,皮下脂肪組織の肥大化・繊維化メカニズムを解明する.さらには,リンパ浮腫完治のための指針を確立することを目指す.
著者
立澤 直子 田島 紘己 佐川 俊世 田中 篤 古井 滋 滝川 一 坂本 哲也
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.113-118, 2014-03-15 (Released:2014-07-16)
参考文献数
20
被引用文献数
1

小腸アニサキス症は強い腹痛および炎症所見を呈し,診断が困難で急性腹症として開腹される例が多く報告されている。今回我々は,①発症前数日以内の鮮魚の生食,②腹部CT上腸閉塞など特徴的所見,によりER受診当日に小腸アニサキスと診断し,保存的加療にて改善した6例を経験した。[症例1]54歳の男性。生秋刀魚を摂食した3日後,上腹部痛が出現した。[症例2]63歳の男性。生鯖を摂食した2日後に臍周囲痛・嘔吐が出現した。[症例3]57歳の男性。ほぼ毎日刺身を摂食していたが,受診前夜よりの腹部全体の間欠痛が出現した。[症例4]36歳の男性。生鰹を摂食した翌日に心窩部痛・嘔吐が出現した。[症例5]63歳の女性。生サンマを摂食した翌日,下腹部痛・嘔気が出現した。[症例6]55歳の男性。しめ鯖を摂食した2日後,心窩部から臍周囲にかけての腹痛出現が出現した。全例において来院時の腹部造影CT上,造影効果を伴う限局性・全周性の小腸壁の肥厚と内腔の狭小化,および口側の小腸の拡張と液面形成,腹水貯留を認めた。小腸アニサキスと診断し,保存的加療にて改善した。後日来院時と発症4-5週とのペア血清で特異的抗アニサキス抗体価の上昇を確認した。発症前数日以内に鮮魚を生食後,強い腹痛を主訴に来院し,特徴的な腹部造影CT所見を呈した患者は,小腸アニサキス症を常に念頭に置き,早期診断,治療をする必要があると考えられた。
著者
毛利 佳年雄 福島 雅典
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門誌) (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.122, no.5, pp.433-439, 2002 (Released:2003-03-28)
参考文献数
42

A newly found phenomenon, in which the electric resistivity in a highly purified water gradually decreases through hours and days after application of a milli-gauss ac magnetic field in a short time, its mechanism model, and its wide application for various positive biological effects are summarized. A theoretical model for the mechanism based on the cyclotron resonance with the frequency f=qBdc/2πm for each hydro-molecular cluster with the proton charge q and the cluster mass m of H3O+(H2O)n under the terrestrial field Bdc well explains the gradual decreasing ratio of the resistivity for each cyclotron frequency forming a long range order proton transport path. The high temperature stability of a magnetized water resistivity may reflect the homeostasis. The phagocytic activity of neutrophils is remarkably elevated in a magnetized phosphate-buffered saline (PBS) solution. The milli-gauss, ULF magnetic field applied water will be a basic medium for the magneto-protonics.
著者
柳 東汶
出版者
待遇コミュニケーション学会
雑誌
待遇コミュニケーション研究 (ISSN:13488481)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.34-50, 2023-04-01 (Released:2023-04-01)
参考文献数
18

待遇コミュニケーションは、コミュニケーションを捉える理論の一つとして、数多くの研究・教育の成果を残してきた。しかし、その成果は、学会誌『待遇コミュニケーション研究』を確認する限り、言語に集中しており、「コミュニケーションは、言語だけで成り立つものではない」という我々の直感と通じないものになっている。言語以外のコミュニケーション行為も視野に入れた、待遇コミュニケーション研究・教育を考えることが、これからの課題になってくるといえる。そこで、本稿では、マルチモーダルの観点を取り入れた待遇コミュニケーションと、待遇コミュニケーションとしてのマルチモーダル・コミュニケーション研究のあり方について、考察を行った。研究課題1「マルチモーダルの観点を待遇コミュニケーションの理論に取り入れた場合、どのように捉え直すことができるか」に関しては、形式(かたち)に関する概念である「媒材」「言材」「文話」について、マルチモーダルの観点から考察した。媒材に関しては、音声・文字以外にも表情や視線などの媒材があり、複数の媒材化が互いに関係性を持って同時に行われることを述べた。言材に関しては、コミュニケーション材という概念を提示し、それによって「〈コミュニケーション=行為〉観」というコミュニケーション観が考えられると論じた。文話に関しては、マルチモーダルの観点を取り入れると、手話やモールス符号など、文章・談話に含まれないものを視野に入ると述べた。研究課題2「マルチモーダル・コミュニケーションの研究を待遇コミュニケーションとして捉えた場合、どのようなあり方が考えられるか」については、第4章で、二つの研究を採り上げて考察を行った。考察の内容としては、(1)音声・文字以外の媒材によるコミュニケーション行為と、それに関する5つの要素の連動についての研究、(2)ポライトネス理論や敬意コミュニケーションの観点から捉えた研究、(3)教育・学習場面を、コミュニケーションの場面として捉えた上での待遇コミュニケーション研究、が考えられると論じた。
著者
高木 美嘉
出版者
待遇コミュニケーション学会
雑誌
待遇コミュニケーション研究 (ISSN:13488481)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.17-33, 2023-04-01 (Released:2023-04-01)
参考文献数
23

本稿は、現在、広く使用されている「やさしい日本語」の既存のガイドラインの中で、敬語はどのように取り扱われているかを検証した上で、「やさしい日本語」における敬語の取り扱い方の課題を提示するものである。このテーマを取り上げたのは、筆者が授業等で「やさしい日本語」を解説する際、一般書籍や資料の中では、敬語の使用に関して、「使わない」とただ書かれていることが多く、理論的な説明があまりなされていないことに気付いたことが契機になっている。敬語の運用に関する指針についても明確に作成することで、「やさしい日本語」がさらに使いやすいものになることが期待できると考え、現状を調査、整理することにした。調査と考察は次の手順で行った。まず、既存の「やさしい日本語」の中で敬語がどのように扱われているか、現状を整理した。現状を知る資料として、一般に販売されている「やさしい日本語」を解説した一般書籍6冊と行政組織がホームページなどで一般市民に公開している「やさしい日本語」の7つのガイドラインの中から、敬語に関する記述内容を検索、抽出し、整理した。その結果、全体的な傾向として、尊敬語と謙譲語は使わないこと、文末の「です・ます」は欠かさないようにすること、依頼表現は「〜てください」に統一することといった、一定の傾向があることがわかった。最後に、「やさしい日本語」における敬語の扱いについて、「丁寧さの原理(蒲谷2013)」と「敬語の指針(文化審議会答申2007)」などと照らし合わせて考察し、今後の「やさしい日本語」における敬語の使い方の検討課題を提示した。
著者
廣瀬 通孝
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.24, no.Supplement1, pp.9-12, 2004-07-01 (Released:2009-07-31)

Since the word "Virtual Reality" was invented in 1989, quality of the technology has been improved more and more. Especially, development of IPT (Immersive Projection Technology) largely contributed to generate highly defined virtual world, and to give VR technology lots of 'serious applications'. Doubtlessly, visualization is one of the most promising applications. In this paper, several recent topics of VR technology such as virtual archeology and multi-sensory info-communication technology are introduced in terms of visualization technology.
著者
杉村 康司 沖津 進
出版者
植生学会
雑誌
植生学会誌 (ISSN:13422448)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.33-48, 2009-06-25 (Released:2017-01-06)
参考文献数
51

1. 茨城県筑波山のスギ・ヒノキ人工林を対象に,コケ植物の分布と微地形との関係を明らかにするため,植生調査を行った.コケ植物の分布と顕花植物ならびにシダ植物の分布を比較し,それらをもとにスギ・ヒノキ人工林内におけるコケ植物の地形分布と種多様性における微地形の生態的意義を検討した.  2. 微地形条件に対応した種の割合は,コケ植物,シダ植物,顕花植物の順に多かった.特に,谷底面のみに出現した種はコケ植物が多かった.微地形との対応関係はコケ植物,シダ植物,顕花植物の順に明瞭であった.  3. 各微地形のコケ植物,シダ植物,顕花植物の平均出現種数は,頂部平坦面,頂部斜面,上部谷壁斜面,下部谷壁斜面,麓部斜面,谷底面の順に増加していた.各微地形間における有意差は,コケ植物,シダ植物,顕花植物の順に明瞭であった.  4. コケ植物の地形分布は,顕花植物よりもシダ植物の地形分布と類似していた.5.スギ・ヒノキ人工林における植物の分布は,流路からの距離の違いに伴って谷底面,麓部斜面,下部谷壁斜面,上部谷壁斜面,頂部斜面,頂部平坦面と変化する微地形条件を反映していると考えられた.  6. スギ・ヒノキ人工林における種多様性の維持にとって,谷底面が最も重要性が高く,谷底面のみに出現するコケ植物種群の役割が大きいことが明らかになった.
著者
桑原 連 佐伯 有常 中島 真一
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.135-149, 1992 (Released:2013-02-19)
参考文献数
24

飼育水量を節約した循環濾過式飼育法を採用している各地の水族館について, 水質, 水槽および濾過槽の規模, 飼育状況を調査し, それらのデータに表された魚類の代謝に基づく硝酸態窒素の蓄積, 窒素とリンの比などに関して天然海水と比較して論じた.次いで, 魚類の分泌排泄するアンモニアを硝化する微生物の浄化能力を支配する濾材量に関して, 佐伯のbalanced aquarium理論および濾材と浄化能に関する実験結果を基に, 検討, 整理した.これらの結果から, 循環濾過式飼育法における魚類飼育量に対する濾材必要量, 硝酸態窒素の蓄積を防ぐのに必要な補給水量, 魚類の酸素消費量に見合った酸素補給量などの算定法を考案し, 循環濾過式飼育水槽の設計・計算法を示した.
著者
瀧本 さち 開 正宏 都築 通孝 西川 大樹 日野 佐智子 遠藤 信英
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.85-89, 2023 (Released:2023-03-28)
参考文献数
8

集中治療後症候群の予防には早期リハビリテーションが有用だが,大腿静脈への非カフ型(NC)カテーテルにより持続的血液濾過透析(CHDF)を行う患者では安全上の観点から制約が伴う.今回,CHDF患者に対する関節可動域運動(ROMex)が脱返血に及ぼす影響を検討した.2020年4月から12月の間で大腿静脈にNCカテーテルを挿入し,CHDFを施行した5名の患者を対象とした.段階的な角度で屈曲を行った後,下肢屈伸運動を10回行い,脱血圧・静脈圧と脱血不良警報作動の有無,カテーテル挿入部の出血有無を確認した.5症例に対し合計10回のROMexを実施した結果,脱血圧・静脈圧は有意な変動なく推移し,脱血不良警報の鳴動は1回であった.ROMex実施は,大腿静脈に非カフ型カテーテルを留置した患者に対してのCHDF治療に影響を及ぼさないことが示唆された.