著者
立岩 真也 天田 城介 小泉 義之 福島 智 星加 良司 上農 正剛
出版者
立命館大学
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2008

報告書『視覚障害学生支援技法 増補改訂版』を関係者・機関に配布。大学附属図書館と書籍のディジタル・データ化、そのデータの提供の仕組みについて協議。7月に開始されたその運用のあり方について提言すべく検証作業を行った。文字データのディジタル・データ化を巡る議論や実践の歴史を検証する研究を進めるとともに、電子書籍を巡る最近の動向を把握する作業を開始。電子書籍のアクセシビリティについて、その基本的な方向と社会的仕組みを検討し提言することを目的とする「電子書籍普及に伴う読書バリアフリー化の総合的研究」が2011年度から5年間の立命館大学グローバル・イノベーション研究機構研究プログラムに採択される(年間1000万円)。京都市内のALS等コミュニケーションの困難な人を支援する活動を継続的に行い、その記録および種々の技術に関わる情報をHPに掲載。大学院生が日本難病看護学会等で報告。2011年2月には「重度障害者コミュニケーション支援講座--難病者・重度障害者ITコミュニケーション支援技法を学ぶ」を開催。利用者・支援者が参加。全国手話通訳問題研究会、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会、全日本ろうあ連盟、全国要約筆記問題研究会から参加を得た2010年3月のシンポジウム「聴覚障害者の情報保障を考える」の記録に新たな文章を加えた報告書を作成。2011年5月に刊行予定。以上の他、障害者のコミュニケーションに関わる技術・制度の歴史、関連文献、著作権に関する報道等をまとめ、ウェブサイトhttp://www.arsvi.com(→「異なる身体のもとでの更新」)に掲載、随時更新して提供している。
著者
阪本 公美子
出版者
宇都宮大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

タンザニア南東部の母系的社会では、離婚女性などの女性世帯主世帯やシングル・マザーが目立つが、彼女たちの脆弱性と自在性、コミュニティ内の相互扶助ネットワークの内包性について、質問票調査やライフ・ヒストリーの聞き取りから明らかにした。女性世帯主世帯は、夫婦世帯と比較すると食料生産が不足することが多いが、収入の有無では顕著な差はなく、若い未婚女性や離婚女性は商売、年配の寡婦の女性は(個人差は大きかったが)周囲による支援による生計戦略がみられた。他方、独立以前の母方居住の時代は男性が結婚前に婚労働をし、出産後、女性の判断で未婚の事例もあるのに対し、ウジャマー集村化した現在は、男性の判断によって未婚である事例が目立つ。
著者
越智 祐子
出版者
同志社女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、ふたご等の育児(多胎育児)者が感じる育児困難について、当事者と協働で多胎育児支援を啓発する映像表現をおこなう過程を通して考察した。妊娠・出産・育児の暗黙の基準は単胎のものであり、多胎育児者は自分の感情や経験という「目の前の現実」とは合わないことにとまどい、不全感を抱いていた。本研究の成果は、映像作品および同作品を用いた専門職向け研修プログラムとして、広く一般に提供される。
著者
黒木 裕士 中川 泰彰 小林 雅彦 岡 徹
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、骨軟骨移植術および関節軟骨損傷に行われているリハビリテーションの科学的根拠を明確にすることを目指した。ヒトでは、骨軟骨移植術後1年で正常の膝機能を回復することが明らかとなった。家兎では、同手術後1年で正常の関節軟骨の組織所見が得られた。
著者
しゃ 錦華 橋本 洋志
出版者
東京工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は, 高齢者が楽しく行動すると共に自然に運動能力が維持・増進できることを目指し, トレーニング機能を備えた電動車の制御システムを設計することを目的に進めてきた.主に, 人間操作感覚のモデル化, 日本人高齢者の特徴を加味した最大ペダリング負荷の決定法, およびこれらに基づく負荷オートチューリング手法の開発, 路面摩擦などの影響に対する安全確保のための等価入力外乱手法の提案, 高性能電動車制御システムを目指すためのロバスト制御理論の開発などの面において, 様々な研究成果が得られた.
著者
井村 徹也
出版者
福島県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

成体脳における神経新生はGFAP陽性神経幹細胞によって行われている。海馬歯状回においてGFAP陽性神経幹細胞により生成される顆粒細胞の性質・動態を、老化・ストレス感受性に着目して解析を行った。マウスGFAP陽性神経幹細胞により生成されるニューロンの全顆粒細胞層に占める割合は、若年期に大きく増えその後老齢期にかけて微増していたが、空間的部位・性別によって違いがみられた。また、新生ニューロンはストレスに脆弱であったが、このストレス感受性には分化段階で臨界期がみられた。さらに歯状回顆粒細胞層の分子発現網羅解析を行い、成体生成ニューロンの特性に関わる幾つかの新規候補分子を見出した。
著者
前原 かおる 増田 真理子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,非漢字圏漢字学習者が,「漢字」と「学習者」それぞれの要因の特性にかかわらず効果的に漢字学習ができるための内容・方法の開発を行った。具体的には(1)音声付のタスクを含むオンライン型漢字学習教材「Step Up Kanji-500」の開発,(2)漢字の体系(字源,字形パターン,漢語の語構成,など)に関する学習教材の開発,(3)(1)(2)を活用した教室活動を行うための補助教材の整備と実践を行った。これらにより,学習段階,認知スタイル,学習スタイル等の異なる非漢字圏学習者からなるコース運営がより効率的に実現できるようになったほか,漢字圏学習者に対する教育内容の改善にも及んだ。
著者
白木 公康
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

単純ヘルペスウイルスの母子感染例から、母子のウイルスの温度感受性と細胞トロピズムに差異を見出したので、その解析を行い、遺伝子変異を見出した。母子のそれぞれの株のクローンについても、同一の変異を認め、トロピズムと遺伝子変異の一致を認めた。このように、母子間で変異を生じていることから、母のウイルスが変異することで、感染が可能となる、すなわち、母子感染の障壁があると考えられた。
著者
伊藤 孝一
出版者
名古屋市立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

HCV母子感染例の小児7例を対象にPEG-IFN単独療法直前、治療後2-4週でのHCV NS5b領域の遺伝子解析を行った。PEG-IFNα-2a 90μgまたは180μgを週1回、24週間または48週間皮下注投与され、6例は治療完遂し、1例は12週で治療中止した。治療4、8週時のHCV-RNA陰性化は、2例(29%)、7例(100%)。治療終了後24週でのHCV-RNA陰性(SVR)は6例(86%)。7例全てにおいて治療後2-4週時点でHCV NS5b領域に変異を認めなかった。
著者
ペリー アンソニー VERMILYEA M.D.
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

当研究チームは、受精直後数時間中に起きるエピジェネティックなクロマチン再構築に関する研究を続けており、これまでに減数分裂再開の起因となる物質を精子頭部より採取し、これを減数分裂第II期中期の卵母細胞へ移植する方法を見付けている。この方法により、卵子や雄系クロマチンによる介入の変化を観察する事が可能となりその後、同ステージの受精卵で起こる変化と比較する事も可能となった。(この減数分裂再開は精子由来の活性因子がまだ衰退していない受精卵で通常起こる。)この結果、減数分裂第II期中期と受精卵で起こるヒストン修飾に相違が見られる事が判明した。そこでこの相違の列挙に取りかかったが全ての相違の掌握に限りがあり、そもそも基本的な再構築がどの様に起こっているのかまだ分かっていなかった。この事を考慮に入れて、当プロジェクトでは発生学と分子細胞の方法を統合し、より包括的に初期段階のヒストン変化を列挙させる事にした。またこの結果を元に我々は修飾を引き起こす遺伝子制御を解析しようとした。この研究は非常に研究結果の期待出来るものであって、現在取りかかっているマウス初期胚で起こるエピジェネティックな制御に関する研究への導入となる基礎を築いた。しかしながら残念な事に当プロジェクトは研究途中で中断させなければならなくなったが、ここで大きな進展のあった研究は現在も引き続き継続させている事を報告したい。当プログラムは米国籍の特別研究員を日本の研究室において研究する機会を与え、今後も米国と日本の研究室が研究交流を続ける機会を与えてくれた事は多いに意義があると言える。
著者
松嶋 敏泰 平澤 茂一 平澤 茂一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究では, センサネットワークを含むネットワーク分散処理の問題に対して, 多端子情報理論と統計的決定理論に基づいた基礎モデルを構築し, 構築したモデル上での最適解の導出及び最適解またはその近似解を実現するアルゴリズムを設計した.
著者
三原 信一
出版者
佐賀大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

(1)CAI教材導入前の学習過程の分析:被験者を大学生とした中学校技術・家庭科の教科書を参考にした内燃機関の分解組立学習を行い、作業分析を行った。この結果をもとに、まず、簡易型燃焼実験装置の製作、ビデオによる気化器の学習教材の製作を行った。簡易型燃焼実験装置についてはその結果を産業技術教育学会全国大会に報告した。さらにこれらの教材開発をもとに、CAIの導入効果が得られる内容を検討し、その第一段階として内燃機関の機構学習につながるリンク装置のCAI教材を開発することにした。(2)CAI教材の作成技法の開発:開発の理念として、単にリンク装置の動きを理解するという基本的な学習としての、一方向的な内容にするのではなく、基本的な学習内容をさらに応用化する能力を養うために自主的に教材に参加できる双方向的な内容にすることとした。具体的には、生徒にリンクの動く範囲をマウスを用いて入力させると、その動きを満足するリンク装置がディスプレイに動画表示され、ついで、このリンク装置の各リンクにマウスを用いて絵を重ねさせると、これらの絵がリンクの動きに従ってシミュレーション表示されるソフトになる。この内容は、産業技術教育学会情報部会において報告した。この中で用いた動画技法は、非常に簡便にかつ容易に複雑な絵(モジュール)を任意の関数で動画出来るものであり、リンク機構の学習以外の教材に広く応用できるので、今後開発を続行していきたい。(3)授業実践:2項で述べた開発ソフトを用いて初任者教師による授業実践を行い、開発教材の検討を行った。個性的で創造性の高い学習結果が得られ、CAI教材が学習効果の質を高めるのに非常に有効であることが明らかになった。この結果は来年度の産業技術教育学会で報告する。
著者
飯高 哲也 定藤 規弘
出版者
名古屋大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

情動写真や表情に反応する扁桃体の活動が、遺伝子多型や文化的背景により影響を受けるかどうかを調べた。日本人、日系アメリカ人、白人系アメリカ人の3群を被験者としてfMRI実験を行った。同時に遺伝子解析のための血液採取と、性格傾向質問紙(NEO)調査も行った。NEOによる神経症傾向は、白人系アメリカ人と比較して日本人で有意に値が高かった。扁桃体の活動は、日本人で日系アメリカ人及び白人系アメリカ人と比較して有意に高い活動を示した。現在はセロトニントランスポーター(5-HTTLPR)多型を米国において調べており、その多型に基づいて結果を再解析している。社会感情神経科学研究会と題した講演会を主催し、その中で本研究結果が発表された。情動の生成に関わる扁桃体と前頭前野の関係を、顔と声を用いた嫌悪条件づけ課題とfMRIを用いて研究した。24名の日本人被験者のデータを解析した結果、扁桃体の活動は開始早期に一過性に上昇するが前頭前野は実験を通して賦活されていた。米国の共同研究先で5-HTTLPR多型を調べ、その多型に基づいてfMRIデータを再解析した。ストレスに脆弱性があるとされるs/s型被験者では、条件づけに伴う前頭葉の活性が有意に低下していることを示した。社会性に関わる認知機能として、自分が成育した環境と類似した風景に対する学習・記憶の実験を行った。ここでは日本と米国(国籍)、都市と田舎(場所)という2要因を含んだ風景写真のfMRI記憶実験を行った。米国のNortbwestern大学では白人被験者を対象とした実験が終了しており、当方では16人の日本人被験者を対象としたデータ収集を行った。同時に被験者から得られた血液サンプルからDNAを抽出し、BDNF多型を調べている。白人被験者のデータ解析では、海馬および海馬傍回の活動が認められている。今後は国籍やBDNF多型の脳活動に与える影響を検討する予定である!
著者
柴山 知也 三上 貴仁
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

2010年のチリ地震津波、同年のスマトラ島沖地震津波(メンタワイ諸島)、2012年のハリケーン・サンディー高潮(米国ニューヨーク)、2013年の台風ヨランダ高潮(フィリピン国レイテ島)などの海外で発生した沿岸域災害の調査を実施し、被災機構を解明した。近年の沿岸域土地利用の高密度化と輻輳化、さらに高潮の場合には地球気候の変動による台風の巨大化が大きな被害をもたらしていることが解った。高潮、高波被害の将来予測を行うために、気候モデルに基づいた高潮・高波数値モデルを開発し、インド洋、北太平洋などに適用した。温暖化後の変化について検討し、高潮の規模が拡大する可能性が高いことを指摘した。
著者
岡崎 真紀子
出版者
静岡大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

平安時代から鎌倉時代にかけての時期にしるされた歌学書の叙述と、同じ時期にしるされた仏典の注釈類の叙述との間に、接点が見られることを具体的に検討した。その結果、当時の歌学に、法会の場で語られていた内容や、梵字の音声に関する学問である悉曇学における言語意識などが、深い影響を与えていることが明らかになった。
著者
兼子 直 佐野 輝 中村 祐輔 辻 省次 大沼 悌一 満留 昭久 小国 弘量 磯村 実
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

てんかんおよび熱性けいれんの原因遺伝子解明を目標に、「てんかん・熱性けいれん遺伝(子)解析に関する共同研究グループ」を設立し、家系収集とサンプリングおよび連鎖解析を進めている。1999年末の時点で収集した家系は223家系であり、そのうち85家系でサンプリングが進行中である。家系調査の対象は、特発性てんかん、beingn adult familial myclonic epilepsy (BAFME)、autosomal dominant nocturnal frontal lobe epilepsy(ADNFLE)、benign familial infantile convulsions、severe myoclonic epilepsy in infancyおよび熱性けいれんである。このうち、特発性全般てんかんの一型であるbenign familial neonatal convulsios(BFNC)では、KCNQ3遺伝子としては2番目の変異が見いだされた家系がみつかり、罹患者のエクソン5 (KCNQ3チャネルのポタシウムイオンの通過路のP-ループ部分をコード)のcDNAの塩基配列925番のTがCに変異していることを発見した。これはKCNQ3チャネル異常がethnicを超えて、重要な遺伝子異常であることを示している。BAFMEは、遺伝素因の関与が大きいわが国に特有なてんかんの一型であるが、その遺伝子座位は第8番染色体長腕上にマップ(8q23.3q24.1)された。現在、責任遣伝子を検索中である。ADNFLEは夜間睡眠中にのみ部分発作を起こす稀な遺伝性てんかんであるが、本邦における最初ADNFLEの家系において、neuronal nicotinic acetylcholine receptor α4 subunit(CHRNA4)遺伝子のM2 domainにおけるSer^<252>がleucineにより置換(C755T)されていることを見出したこれはADNFLEに関連する第3番目のpoint mutationである。現在、BFNC以外の特発性てんかんおよび熱性けいれんについても、収集家系について連安鎖解析が進行中であり、さらに、これらの遺伝子異常によりてんかんが発病する機序について検討中である。
著者
佐々木 仁 曽我 祥子 磯 博之 井上 徹
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

色覚刺激が生体に及ぼす影響について、以下の、4つの実験を実施した。1)色の単純反応時間:色相、彩度、輝度を変化させた刺激を用いてヒトの単純反応時間を計測した。有彩色では赤と緑に対する反応時間が速い傾向が認められ、無彩色と有彩色の比較では、青を除いて有彩色の方が反応時間が有意に速かった。他方、彩度による反応時間の相違は認められなかった。また、SD法を用いて調べた色彩刺激の嗜好度は青が最も高く、黄が最も低く、反応時間との相関は認められなかった。以上より、色相は覚度、情動に影響することが示された。2)色の記憶:異なる色相の刺激を用い、ヒトで遅延見本を合わせ課題を行った。明所視下に標本刺激を中心窩に提示し、3秒の遅延後、同一色相で、明るさ、または彩度が異なる比較刺激を同時提示して標本選択の正答率を求めたところ、緑の正答率が高く、青では低かった。一方、比較刺激だけを提示した弁別は緑で低く、青で高かったことから、色相により記憶の困難さに相違があることが示された。3)閃光刺激が脳波に及ぼす影響:ポケモンTV放映によって入院した患者について3-20Hzの閃光刺激を提示し、脳波を解析したところ、特徴的な、α波成分の引き込み現象が観察された。色刺激に対する反応については、今後の課題である。4)色が驚愕性眼瞼反射に及ぼす影響:角膜への空気の吹き付けによって生ずる驚愕反射を記録した。空気の吹き付けに100ms先行させて、色相の異なる刺激を提示したところ、1)いずれの先行刺激も、驚愕反射の振幅を有意に減少させ、2)黄色に対する振幅は他に比べて小さかったことから、黄色は情動反応の抑制効果が高いことが示唆される。
著者
黒沢 健至
出版者
科学警察研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

動画像に施された画像改ざんに対する検出法に関する開発を行った。本研究では、CCDやCMOSなどの半導体撮像素子における画素ごとの電気特性のばらつきに起因する個体特徴を利用して、改ざんの有無並びに改ざんの時空間位置の特定を行うことに特色がある。撮影に用いられたカメラが既知で入手可能な場合にはコンテンツ改ざんやシーン挿入を検出できたほか、撮影カメラが未知の場合でもシーン挿入を検知可能な方法を開発した。
著者
三上 俊介 杉谷 貞男 山口 光代 土井 幸雄 黒木 哲徳 下村 宏彰
出版者
福井大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

緩増加な不変固有超関数(IED)の場合に成立する指標等式,Weyl群の表現およびstableな緩増加なIEDのliftingの間に成り立つ関係を緩増加の条件を外した場合への拡張を目指した。Gをコンパクトカルタン部分群T_0を持つ実半単純Lie群(R上定義されたreductive線形代数群の実点全体として実現されるものに限る)とする。t,〓をT,GのLie環の複素化,μ〓t^*に対し,Gのcoーadjoint表現によるμ〓t^*〓〓^*のstabilizerをL,μより定まるC上のθーstable放物型部分環をqとする。πをLの1次元表現(λ=dπ:微分表現)とし、三つ組(q,L,π)に対応してcohomological parabolic inductionで定まる(〓,K)ー加群をA(λ)と書く。(KはGの極大コンパクト部分群)また,Wを(〓,t)のWeyl群とするとWが自然に三つ組(q,L,π)に作用し,w(q,L,π)=(q_w,L_w,π_w)と書く。いま表現とその指標を同じ文字で表すと,{A(wλ),w〓W}は,それらが生成する有限次元部分空間V(λ)内にstableなIEDが存在するような拡張されたLーpacketになるので,最初に掲げた問題をこのV(λ)に限定して考えた。そして階数の低い群(SU(p,q);p+q≦3,Sp(2,R))の場合に次の結果を得た。定理次の(1),(2)は同値である。(1)Θ〓V(λ)がGの極大splitカルタン部分群上恒等的に0に等しい。(ΘはG'={Gの正則元全体}上の実解析関数とみなせることを用いる。)(2)L_wの極大splitカルタン部分群T_w(これはGのカルタン部分群にもなる)およびT_o上でΘ(w_ot)=ーΘ(t)(tはT_w〓G'またはT_o〓G'の元)が成り立つ。ただしw_oは(〓,t_w)あるいは(〓,t_0)のimaginary Weyl群の最長元である。これは緩増加な場合に自然な拡張になっている。これまで得られてきた事例をもう少し発展させ一般化できることを期待しており、その時点でまとめて公表するべく考えている。
著者
三成 賢次 松川 正毅 高橋 明男 高田 篤 茶園 成樹 松本 和彦 中山 竜一 養老 真一 福井 康太 仁木 恒夫 水島 郁子 佐藤 岩夫 佐藤 岩夫
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、法曹の新職域として注目が集まっている弁護士業務の調査研究を行い、これに法領域横断的な理論的検討を加えることを通じて、近未来における法曹新職域のグランドデザインを提示することを目的とする研究プロジェクトであった。本研究では、諸外国の法曹とその養成課程に関する現状と課題を明らかにするとともに、主として最先端の企業法務を対象とする聞き取りおよびアンケート調査を実施し、法曹の職域の今後に関する模索的な研究を行った。本研究で特に力を入れたのは、全国2000社を対象とする「企業における弁護士ニーズに関する調査」、大阪弁護士会会員の約半数にあたる1500名を対象とする「弁護士業務に関するアンケート調査」、そして全国の企業内弁護士259人を対象とする「組織内弁護士の業務に関するアンケート調査」という3つのアンケート調査であった。それゆえ、本研究では、主として企業関連の弁護士の新しい職域の動向を明らかにすることとなった。