著者
グエン ミンレ
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

意味解析の改良をねらい,文脈素性を用いる方法を実装することを主に研究した.また,意味解析モデルを実装するのにラベルなしデータがどのように有効かについても研究しました.これらの点に関して,注釈のない大規模コーパスを語クラスタモデルによりモデル化し,識別学習モデルのための素性を抽出しました.意味表現と自然言語文の同期モデルを学習するために, forest-to-string法を適用した.この問題に対し,我々は,機械学習および線型計画法を用いて,法令条文の項(paragraph)の論理構造を2段階で学習する新しい枠組みし示した.
著者
吉田 稔
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

テキスト中の数値表現を適切に取り扱い,数値と言語の統合的なマイニングを行うための基盤技術の研究を行った.具体的な方針として,テキストを接尾辞配列により索引付けし,そこで数字列に対し,数値としての検索が行えるように拡張を行った.このシステムを,大規模なテキストに適用できるよう高速化し,これにより,文字列と数値の関係を対話的に取得できる基盤を構築できた.また,応用先として,数値を多く含む業務レポート等に対するテキストマイニングの研究を行った.
著者
坂内 英夫
出版者
九州大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2010

本研究は,文字列の圧縮表現が与えられたときに圧縮表現を展開せずに直接処理をする圧縮文字列処理のアプローチを,文字列パターン発見・文字列データ分類の分野に導入し,様々な関連問題に対して効率的なアルゴリズムを開発した.特に,文字列中の全 q-グラムの頻度問題に対しては,非圧縮の文字列から計算するよりも高速なアルゴリズムの開発に成功し,当該分野における圧縮文字列処理の有効性・実用可能性を初めて示した.
著者
鈴木 誠 大須賀 昭彦 後藤 正幸 須子 統太
出版者
湘南工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

文字N-グラムに基づく言語独立なテキスト分類手法である蓄積手法を提案した。蓄積手法は、索引語を形成する際に文字N-グラムを使用するので、言語固有の文法構造に依存しない。テキスト文書がUnicodeで表現されてさえいれば、蓄積手法は異なる言語に対しても同一のプログラムを用いて文書を分類することができる。そこで、この蓄積手法を用いて英語と日本語と韓国語と中国語のテキスト文書の分類実験をした。その結果、英語のReuters-21578は94.5%、日本語の毎日新聞の実験データは88.5%、韓国語のハンギョレー新聞の実験データは90.2%、中国語の人民日報の実験データに対しても92.6%の精度で分類することができた。このように、蓄積手法が様々な言語で比較的高い精度で分類できることを確認した。さらに、蓄積手法の数理モデルを構築し、その数理的な意味を解明することができた。
著者
新谷 虎松 大囿 忠親
出版者
名古屋工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

Web情報は、意味的な構造を持たないテキストであり、計算機を用いて情報の統合や検索をするためには、多くの課題を解決する必要がある。本研究では、既存のWeb情報を閲覧者の観点で構造化し、効果的な情報閲覧を支援するための新たな技術として、HTMLを意味的な構造へと変換するための新たなWebページ分割アルゴリズムを開発した。本アルゴリズムの応用として、エージェント技術に基づく知的Webブロック管理機構を実装した。本技術により、Webページから特定のWebコンテンツを高い精度で収集可能になり、また、既存のWebコンテンツの再利用性を向上させ、Webページの閲覧性を効果的に改善できる。
著者
藤井 敦 徳永 健伸
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は,様々な用語に関する説明を効率よく活用することを目的として,ウェブページの集合からウィキペディア記事のような解説型テキストを自動的に生成する手法について研究した.動物名や病名といった用語の種類によって説明に必要な観点が異なるため,ウィキペディアの記事集合から観点に基づく用語説明のパターンを学習する.用語の種類に応じて検索結果から必要な文章が抽出され,解説型テキストとして統合される.
著者
加藤 博 柏木 健一 松本 弘 岩崎 えり奈 斎藤 修 北澤 義之
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

社会調査での世帯単位でのミクロデータの収集とそれのパネル化を中心に、エジプトとヨルダンを中心としたアラブ諸国が現在直面している社会経済問題を多角的かつ実証的に明らかにするための基礎データ・情報を収集し、そのデータベース化を計った。なかでも、世帯単位のマクロデータのパネル化を重視し、そのために、過去に世帯調査を行った村や町において追跡世帯調査を実施した。現在、それらのデータ・情報の解析を進め、その成果の一部はすでに学会報告や学術雑誌への投稿などで公表しているが、その結果、世帯を静学的な経済行動において分析するほか、異時点間の変動の解明によって動学的に分析する基礎が築かれた。
著者
岡田 真人
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

画像は,三次元世界を視点ベクトルから決まる二次元平面に射影することで生成される.これを透視投影という.それに対して非透視投影では,三次元世界を視覚物体毎に異なった視点から観測し,一枚の絵を生成する.我々は,視点の選択と統合に関して確率を用いてモデル化することで,非透視投影画像を自動生成する理論的枠組みを提案する.そこから導出された理論を用いて,非透視投影の画風を模擬するCGのアルゴリズムを提案した.
著者
河原 英紀
出版者
和歌山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

我国の伝統的芸術である能の謡の表現に含まれる音声の分析合成技術の開発を通じて、これまでの分析合成技術では不可能であった情報の抽出と可視化ならびに制御と再合成を可能にする技術を開発した。特に、これまで不可能であった高い時間分解能での基本周波数およびスペクトルの分析を可能にした。これらに基づくモーフィングは、意識化が困難な脳における潜在的処理の計測の手段を提供することで、新しい研究の可能性を拓いた。
著者
市野 順子
出版者
電気通信大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

マンガデザイナの観察を通して,マンガデザインの初期段階においてデザイナは,キャラクタ(登場人物の設定)・プロット(物語の筋書き)・ネーム(ラフなコマ割)の三要素を用いて,抽象化と具体化を繰り返しながら試行錯誤していることがわかった.しかしながら,従来のツールはこれらのタスクについて十分に支援していない.本研究では,デザインの初期段階のマンガデザイナを支援するシステムを作成した.本システムでは,デザイナは,アイディアの抽象表象と具体表象の間をシームレスに行き来しながら三要素を作り上げることがき,また多数枚を同時に参照できる.プロデザイナによる評価を行い,デザイナが本コンセプトに好意的な反応を示し,提案システムを用いてデザイン作業を行うことに関心があることがわかった.
著者
村上 晴美 辰巳 昭治
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

研究の目的はWeb上の人物を選択するためのインタフェースの開発である。主要な成果は以下の2点である。(1) 人間がWeb上の同姓同名人物を分離する過程を認知科学的に明らかにし、Web上の同姓同名人物の分離モデルと知識構造モデルを提案した。(2) Web上の人物にNDC9を付与する手法を提案してNDC人物ディレクトリを開発し、評価実験を行って提案手法とディレクトリの有効性を確認した。
著者
安岡 孝一 山崎 直樹 二階堂 善弘 師 茂樹 クリスティアン ウィッテルン 池田 巧 守岡 知彦 鈴木 慎吾
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

古典漢文の白文(句読点や区切りや返り点のない単なる漢字の列)に対し、形態素解析をおこない、品詞情報つきの形態素に分解するシステムを構築した。また、形態素解析に必要な古典漢文コーパスと古典漢文辞書を、汎用の形態素解析エンジンMeCabに即した形式で作成し、WWWで公開した。これらと合わせ、古典漢文コーパスを構築するためのツール群も作成し、同じくWWWで公開した。
著者
影浦 峡 阿辺川 武 内山 将夫 佐藤 理史 宇津呂 武仁 竹内 孔一 相澤 彰子 戸田 愼一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

(1) レファレンス・ツールにおける「包括性」の概念および包括性を 実現するための要件を明らかにした。(2) 専門語彙クローラーと対訳・関連多言語アーカイヴ クローラーを開発し、機能的包括性を有するレファレンス情報資源を構築した。(3) 翻訳情報 資源を提供する統合翻訳支援サイト「みんなの翻訳」(http://trans-aid.jp/)を開発・公開し、 一般利用に提供し翻訳情報資源の有効性を検証した。
著者
石川 正敏
出版者
東京成徳大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

近年,地域研究などで実施される野外調査では,様々なモバイル機器を使ったデータを収集が行われる.さらに研究者の多くは,野外でのデータ収集にあわせて手書きメモを作成する.このように収集されたデータや手書きメモは,大量である上に書式が不統一であるため,研究者はそれらの分類や分析に必要な関連付けを効率的にできない.そこで本研究では,野外調査で収集したデータを関連付けて蓄積し地理情報として公開することを支援する野外調査支援システムを開発した.さらに,地域研究者による実際の野外調査で提案システムを評価し,その有効性を確認した.
著者
永崎 研宣
出版者
一般財団法人人文情報学研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では東洋学古典文献学のための研究情報共有基盤を実現するためのWebコラボレーションシステムの開発を行った。実体験可能なシステムを開発し研究者からのフィードバックを得てさらなる改良を行い、それを通じて、東洋学古典文献における電子テキストの活用手法に関わる特性を明らかにした上で、システムのアウトプットが様々な形で活用可能であることも明らかにした。そして、国内外の関連学会・研究会において適宜研究発表を行った。
著者
波多野 賢治
出版者
同志社大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では,多くのWeb検索エンジンが検索結果の表示形式にとらわれず,Webデータに対する情報検索における新しい検索結果の形式をWeb文書間のリンク構造,Web文書内の文書構造,そして利用者が入力する情報要求から算出される索引語の重みにより決定する方法の提案を行った. 本研究の成果は二つあり,一つは索引語の重みを正確かつ高速に再計算可能なアルゴリズムの提案,もう一つは誰もが容易に使用可能な情報アクセス機構の開発を行ったことである.その結果,索引語の重み再計算コストを約64%に減らすことができ,またどの文書のどの部分に利用者の情報要求を満たす部分が存在するのかを判断できる有用なツールとなり得ることが判明した.さらに,ドメイン内検索においてはこのような提示形式が非常に有効に機能することが判明し,本研究を行う意義は十分にあったということができる.
著者
福田 智子 矢野 環 田坂 憲二 岩坪 健 黒木 香 竹田 正幸 深川 大路 波多野 賢治 南里 一郎 宮崎 裕子 坂田 桂一 藤井 翔太
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

古今和歌六帖』と『源氏物語』を研究対象として校本システムを開発し、平安朝文学の伝本と表現に関する考察をおこなった。和歌用デジタル校本システムについては、伝本の墨付きの現状を、より論理的に表記するタグ付け規則を案出した。また、散文用校本作成支援ツールは、『源氏物語』の伝本4本のデータ処理をほぼ完了し、計算機を用いた異文箇所の数値化、およびSplits Treeによる本文系統の視覚化といった、本文異同を把握する一連の手法を確立した。
著者
有川 正俊 藤田 秀之
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

現在の商用の地理空間サーチエンジンは、一般に住所や電話番号を点幾何オブジェクトに変換する枠組みとして実現されている。点空間関係よりも高次元である、方向、つながりなどの地理空間語彙を扱う体系とはなっていない。本研究では、人間の労力によって作られた品質の高い地図データを辞書として利用し、テキストコンテンツと映像コンテンツなどに対して高次ジオタギングを行う枠組みの体系化を行った。
著者
高井 正三 藤本 幸夫
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

国際標準のAjax技法を使用した日本現存朝鮮古書原文画像データベース・システムは,Microsoft 2008 Server R2 OSのサーバー上に,Apache HTTP Server 2.2,Apache Tomcat 7.0,Postgres SQL 9.0,Enterprise Apache PHPをインストールし,JSP,Java Framework JSF,JavaScript,HTMLを使用して,画像の閲覧システムを構築し,画面遷移を伴わず,画像の拡大・縮小表示操作,画像の上下左右移動をスムーズに実行できるようになった.しかしながら,原文画像の著作権取得の遅れ,大学情報基盤センターの大規模な情報システムの更新に伴う,10年以上使用してきたデータ処理用Unix OSサーバーとソート/マージ・プログラムがシステムの全面的に入れ替えにより,使用できなくなるという環境の変化などの要因が重なり,原文画像のメタデータ・データベースとの整合および,現行の日本現存朝鮮古書データベース・システムDOKBとの結合を実現するには至らなかった.
著者
八村 広三郎 赤間 亮 矢野 桂司 遠藤 保子 西浦 敬信 崔 雄 古川 耕平 阪田 真己子 李 亮 中村 美奈子 丸茂 美惠子
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

モーションキャプチャ技術などを利用して,無形文化財のデジタル・アーカイブと,そのデジタルデータを利用して,動作解析,動作認識,コンテンツ制作などに利用するための広汎な研究を行った.具体的な成果は,複数演技者による舞踊動作における同期現象の解明,祇園祭山鉾巡行の記録とVR再現,仮想ダンスコラボレーション,身体動作データベースと身体動作の類似性に基づく,データ検索手法,舞踊譜Labanotation を用いた舞踊動作の記録と動作の再現のためのシステムLabanEditorの開発.また,これの能の仕舞動作への適用.ストリートダンス身体動作の教育支援システム,などである.