著者
池崎 秀和 谷口 晃 都甲 潔
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌E(センサ・マイクロマシン部門誌) (ISSN:13418939)
巻号頁・発行日
vol.118, no.11, pp.506-512, 1998-11-01 (Released:2008-12-19)
参考文献数
18
被引用文献数
2 4

We have developed a multichannel taste sensor with lipid membranes which can detect and quantify the basic taste substances in aqueous solution. The aim of the present study is to increase selectivity to adsorptive taste substances (bitter, umami and astringent taste substances) for quantification of taste by improving measuring methods. High selectivity to adsorptive taste substances is obtained by CPA measurement algorithm (CPA: Change of membrane Potential caused by Adsorption). High repeatability is also obtained by developing a cleaning technique of taste sensor.
著者
横川 慎二
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.135-147, 2019 (Released:2022-02-03)

複雑な構造を持つシステムにおいては,しばしば“創発性”の発現による障害が観測される.この創発的不具合は, FMEA や FTA などの従来リスク分析手法を用いた記述や評価が難しいとされている.本研究では,自動車のリコール情報に関するテキストマイニングや多変量解析を用いた分析を通じて,システムの創発的不具合の構造と特性について調査する.また,機能共鳴分析法を用いて不具合構造の可視化と数量化を行い,グラフィカルモデリングやクラスタ分析による構造分析と,名義ロジスティック回帰分析による要因分析を実施し,設計時に創発的不具合を抑止する方策について議論する.
著者
三谷 憲正
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.91-110, 2003-03

朝鮮王朝末期の王妃「閔妃」は韓国および日本を通じ、これまで多くの資料と作品の中で語られてきた。が、現在一般的に流布している「閔妃」の写真から喚起される<像>をもってしてそれらの資料と作品を読んでいいのだろうか、という疑問がつきまとう。なぜなら、従来「閔妃」の写真、と言われて来たものは、実は別人のものである可能性が高いからである。これまで流布してきた「閔妃の写真」と言われるものは、もともと、「宮中の女官」あるいはそれに準ずる女性を撮ったものだったのではないか、と推測できる。実際不思議なことではあるが、戦前の「閔妃」に言及している日本語文献の資料は「閔妃」の写真は出て来ない。したがって、戦前までの文学作品を含む文献に登場してくる「閔妃」に関しては、現在流布している"閔妃の写真"をもとに<現在の視点>からそのイメージを喚起することはできない、ということが言えるのではなかろうか。
出版者
日経BP社
雑誌
日経バイオビジネス (ISSN:13464426)
巻号頁・発行日
no.24, pp.68-72, 2003-05

「2003年1月からバイオ・バンク法が施行され、スウェーデン国内では、ヒトの組織や細胞株の商業化禁止となった。ヒト幹細胞のベンチャー企業にとってはショックだったでしょうね」 ストックホルムにあるスウェーデン科学評議会医学部門事務局のハリエット・ウォールバーグ—ヘンリクソン局長は、事前に抱いていた「スウェーデンが国を挙げてヒトES細胞(胚性幹細胞)の商業化に力を…
著者
都甲 潔
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.224-229, 2001-05-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
14
被引用文献数
4
著者
米田 涼 沖 将吾 山田 真司
出版者
日本音楽知覚認知学会
雑誌
音楽知覚認知研究 (ISSN:1342856X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.5-16, 2015

音楽の経時的な印象に関する研究は数多く行われているが,それらは主にクラシック音楽を対象としていた。本研究ではゲーム音楽,ポピュラー音楽,クラシック音楽を用い,音楽ジャンルの違いによる経時的な印象変化の違いを調査した。また,楽曲の経時的な印象変化と,音響特徴量および楽曲全体の印象との関係についても調べた。その結果,音楽ジャンルに関わらず「快さ」の変化は小さく,「覚醒度」の変化は大きいことが分かった。そして,覚醒度の変化はゲーム音楽,ポピュラー音楽,クラシック音楽の順で大きくなる傾向が見られた。また,楽曲全体の覚醒度は,楽曲中の覚醒度変化の絶対値の大きい部分の平均と対応が良いことが明らかとなった。
著者
田村 英恵
出版者
立正大学心理学部
雑誌
立正大学心理学研究年報 (ISSN:21851069)
巻号頁・発行日
no.8, pp.89-93, 2017-03-31

The purpose of this study is to clarify the definitions of hypnosis and autogenic training and overview previous studieswhich conducted comparative reviews of them. A comparison was conducted between the hypnosis and autogenic trainingfrom the perspectives of utilization of trance, structural characteristics, range of application, manifestation of effects, comprehensiveviewpoints like a regular utilization, suggestion and state of consciousness, and attention focus and relationships.It was suggested that when the differences between them are considered, they can be summarized and organizedinto six perspectives of suggestion that can be assumed to be involved with the induction process, its subject, relationships,the way of attention focus, structural characteristics of induction, and state of consciousness induced, or two perspectivesof induction process and induced state.
著者
田中 京子 岩崎 香織
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.77, 2007

<B>【目的】</B><BR> マズローの欲求階層説によれば、生理的欲求を満たすことが人間の最も基礎的な欲求とされる。食生活の知識・技能の習得は、生理的欲求を自ら満たす術を身につけることであり、愛情と所属欲求や自尊欲求、自己実現欲求といった、より上位の欲求を満たす基盤になると考えられる。日本の子どもの自尊感情は、世界的にみて低いことが指摘されており、1990年代以降、家庭科教育においても子どもの自尊感情を育てることへの関心が高まってきている。<BR>本研究は、高等学校家庭科食領域の授業において、生徒の食生活の知識・技能を向上させる上で有効と考えられるプログラムを実験的に開発・実践し、1)食生活の知識・技能の習得、および2)子どもの自尊感情(Self-esteem)の2点から授業効果の検討を行うことにより、家庭科教育への示唆を得ることを目的とする。<BR>第1報では、開発した授業の内容と実施した授業の様子について報告する。第2報では、実施した授業の効果について報告する。<BR><B>【方法】</B><BR>1、調査の概要<BR>お茶の水女子大学附属高校3年生(3クラス、女子117名)の家庭科(家庭総合)の授業(2006年4月~2007年1月)を対象として、調理実習を中心とする食生活の授業(ミニマムエッセンシャル調理実習)の開発と授業効果の測定を行う。授業開発・実施を田中が担当し、調査設計・効果測定を岩?が担当する。授業効果の測定は、1)参与観察(4月~1月、週1回、1クラスを対象)と2)質問紙調査(記名自記式、同一内容調査を授業前5月と2学期末12月の2回、全クラスを対象として実施)の2つの方法を採用する。<BR>2、授業開発の経緯<BR>田中は、高校家庭科の指導経験をもとに、生活での実践につながる、材料と手順を単純化した基本的な料理を『ミニマムエッセンシャルクッキングカード』にまとめた(田中2006)。本研究では、このレシピをもとに、3年生対象の1コマ(45分)の授業時間で[材料・調理法の説明、調理、試食、片付け]の全てを実施する調理実習を開発した。授業内容は1)親子丼(7月)、2)中華風あんかけ焼きそば(9月)、3)ドライカレー(11月)、4)ビビンパ風丼(12月)、5)赤飯(1月)の全5回である。これらの実習は、食生活領域としてまとめて実施するのではなく、「自立に向けて」を包括的なテーマとして、家庭経営や住居領域の授業と並行させて実施した。<BR>3、附属高校家庭科の特徴<BR>対象校の家庭科の授業は、2004年度入学生から家庭総合5単位を実施することとなり、対象者は1・2年次に、食生活の科学と文化を学習し、調理の基礎(1年次)献立調理(2年次)を経験している。本研究で対象とする3年生の授業は、1・2年次の授業を基礎として、実生活で応用する力を身につけることをねらいとした。また、1・2年次は家庭総合のすべての授業で班別学習を実施しているが、3年次は2単位のうち1単位分のみが班別学習となっている。<BR><B>【結果】</B><BR>参与観察の結果、実習初期(7月~9月)には、作り方が途中で分からなくなる生徒、作業分担の出来ない生徒が多くみられたが、実習後期(11月~1月)には、教師からの調理法の説明の際に自ら質問する生徒、事前に班内で手順を確認し、班員の行動を先読みして次の行動を選択する生徒が現れた。また、実習後期には、試食中の発話が増え、自己の食生活の反省(毎日の夕食にコンビニ弁当を購入する、最近家族が料理を作ってくれない)や、自分の作った料理に対する感動(「やっぱり家庭料理が一番だよね」)等が現れ、生徒が自己の食生活の知識・技能に自信を深める様子が観察された。

1 0 0 0 カープ30年

著者
富沢佐一著
出版者
中国新聞社
巻号頁・発行日
1980
著者
松本 雄大
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.99-112, 2019 (Released:2020-06-25)
参考文献数
25

本稿の目的は,ベイズ統計モデリングによってAPC分析の既存モデルを体系的に整理することである.年齢・時代・コーホートには線形従属の関係があり,識別問題を解消するための制約条件が必須となるが,その分析枠組みは現状においてまとめられていない.そこで本稿では,パラメータの縮小化に着目し,正規分布を事前分布として仮定することで各モデルが表現できることを示す.Intrinsic Estimatorと同等なリッジ回帰モデルは,デザイン行列のランク落ちを純粋に数理的な現象として捉え,すべてのパラメータの2乗ノルムを最小化することで「あらゆる特殊解の平均」に相当する推定値を得る方法である.ベイズ型コウホートモデルとして知られるランダムウォークモデルは,パラメータの1次階差の重み付け2乗和を最小化する制約であり,時系列構造を想定した付加条件というAPCの識別問題を考慮した克服方法となる.他にも等値制約モデルとランダム効果モデルを紹介し,シミュレーションによって各モデルの推定値と,その結果が得られる数理的なメカニズムを検討した.

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1940年07月15日, 1940-07-15
著者
村田 優太郎 竹田 唯史 近藤 雄一郎
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
巻号頁・発行日
vol.71, 2021

<p>モーグルスキーとは、2つのジャンプとコブの滑走において、ターン点、エアー点、スピード点の合計点数を競う競技である。モーグル競技に関する研究は少なく、竹田ら(2011)は、バンクーパーオリンピック女子モーグル決勝におけるタイム分析を報告している。そこで、本研究では、日本で開催されたワールドカップにおける決勝出場者のタイム・技術分析を行うことを目的とする。</p><p> 研究方法は、1)FISフリースタイルスキーワールドカップ秋田たざわ湖大会男子モーグル第1戦(2020年2月22日、たざわ湖スキー場)を対象とし、1〜6位までをスーパーファイナル群、7〜16位までを決勝群として、二群における滑走タイム、スピード点、エアー点、ターン点、合計点の平均値と標準偏差を求め比較した。平均値の差の検定には、対応のないt検定によって行い、有意水準は5%未満とした。また、当該大会に出場し27位となった筆者の各得点との比較を行った。2)1〜3位の選手、および筆者のビデオ映像を用いて各セッションにおける滑走タイムを算出した。各セクションの区分は、「トップセクション」、「第1エアー」、「ミドルセクション」、「第2エアー」、「ボトムセクション」とした。3)1〜3位の選手と筆者の滑りのビデオ映像に基づき、技術分析を行い、これらによって筆者の技術的課題を明らかにした。</p><p> 分析の結果、スーパーファイナル群と決勝群のエアー点、ターン点、総合得点において有意な差がみられた(p<0.01)。このことから、決勝群がスーパーファイナルに進出するためには、エアー点とターン点の向上が重要であることが示唆された。タイム分析の結果、筆者は、上位3選手を比較すると、主に第一セクションのタイムが遅いということが明らかになった。また、エアーの選択、ミドルセクションにおける後傾姿勢によるターンの乱れなどの技術的課題も明らかになった。</p>