著者
Munetoyo Toda Hiroshi Nakada
出版者
FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
雑誌
Trends in Glycoscience and Glycotechnology (ISSN:09157352)
巻号頁・発行日
vol.22, no.127, pp.226-238, 2010 (Released:2010-12-07)
参考文献数
37

ムチンは O-グリカンに富む高分子の糖タンパク質である。上皮性癌細胞が産生するムチンは癌組織や血液中にみられ、臨床においては腫瘍マーカーとして利用されてきた。ムチンの血中濃度と癌患者の5年生存率は逆相関することから、ムチンは担癌宿主に何らかの影響を及ぼすものと考えられる。ムチン分子上には多様な糖鎖がみられることから、血流中に存在するムチンがこれらの糖鎖を介して血管内皮細胞や免疫細胞上に発現するレクチンと相互作用するであろうことは容易に想像できる。最近の研究により、ムチンが担癌宿主の免疫機能を抑制することが明らかとなってきた。ここでは、シグレック2/CD22 を介したムチンの B 細胞免疫抑制作用を中心に述べる。
著者
岩﨑 素之
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1141-1150, 2021-11-10

Point・脊髄の解剖を理解し,神経回路を意識してみる.・臨床診断を行うための最低限の知識を得る.・実際の症例に当てはめて,合理的な病態説明ができるか確認する.
著者
赤石 黎
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.30-36, 2015-03-05 (Released:2015-05-15)
参考文献数
24
被引用文献数
3 1

Neuroeconomicsと呼ばれる研究分野は神経科学と経済学や動物行動学などの行動科学との融合から目覚ましい発展を遂げてきた.この基礎にあるのは,脳が果たす機能を「行動選択に影響を及ぼす変数(value)を設定し,その期待値を,選択を通して最大化する」ことだと捉えるという考えであった.さらに学習理論などから,このvalueは行動の結果により更新されていくと考えられてきた.しかし最近,この単純なvalueの概念について見直しを迫るような研究が相次いで発表されてきている.今回は筆者自身の研究を中心に,行動の選択とvalueの更新の関係性に焦点をあて解説してみたい.
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.379, pp.42-44, 2007-01

これからの時代は、ちょうどボクが「紅虎餃子坊」を始めた時みたいに"雑多な店"、乱暴な勢いがある店が台頭すると思います。 物事って十何年すると一回りというか戻ってくる。その兆候は既に出ていて、立ち飲み系の店も自分達でトンカチで作った、空き箱をイスにしたような店に人気がある。
著者
藤村 欣吾 高松 弓子 蔵本 淳
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.27, no.9, pp.1693-1699, 1986 (Released:2009-02-02)
参考文献数
27
被引用文献数
3

Fifty six (56) chronic ITP cases were treated with steroid hormone over one year and the effectiveness of steroid was evaluated. Fourty one cases (66.1%) showed good response (platelet counts≥10×104/μl) to the initial steroid treatment within 15∼80 days (mean 29.4 days) and the platelet counts increased depend on cumulative dose of steroids (prednisolone, β-methasone). The clinical and hematological responsiveness after at least one year of steroid treatment was observed in 9 cases were complete remission (platelets≥10×104/μl) reaching to the drug free, in 18 cases of partial remission (Plts≥10×104/μl), 10 cases of minor response (5×104≤Plts 10×104/μl) and 19 cases of non responder (plts<5×104/μl). The CR and PR groups showed good response to initial therapy and the pretreatment period from the onset was shorter than that of MR or NR. Since there was no remarkable correlation between the clinical response to steroid and the PAIgG level or other various autoantibodies level, the prediction of steroid responsiveness before treatment was difficult by these serological findings. The complications of steroid therapy were found in steroid unresponsive cases who were treated with large amount of steroid for long period.These analysis mentioned that the prednisolone (β-methasone) treatment should be the first choice for the initial treatment of ITP to relieve bleeding tendency and to increase the platelet counts rapidly in above half cases (48%).
著者
安野 史彦 岸本 年史
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.75-79, 2016

1995 年 3 月 20 日,東京都内の地下鉄車内におかれたプラスチックバッグから放出されたサリンにより約 5,500 人が被害を受け,うち 12 人が亡くなられている(東京地下鉄サリン事件)。サリンは有機リン酸化合物の一種であり,強力なアセチルコリン(Ach)エステラーゼ阻害剤である。コリン受容体の障害を介して,自律神経系の神経伝達を阻害する。サリン事件の被害者においても,慢性的な脳障害と,それに伴う持続的な脳機能の変化の可能性が示唆される。本稿において,サリン事件被害者における,慢性(長期)の神経,精神および行動影響についてのこれまでの報告を概観し,Ach 作動神経系への急激かつ過剰な負荷が,慢性的なダメージの一因となりえる可能性について考察する。また,認知神経症状および MRI による神経機能・解剖学的な検討に加えて,神経分子画像による生体内分子レベルでの長期的な検討の有用性についても考察を行う。
著者
一戸 辰夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.108, no.11, pp.2347-2355, 2019-11-10 (Released:2020-11-10)
参考文献数
15

獲得免疫系の主役をなす細胞群であるT細胞とB細胞は,抗原特異的な受容体として,それぞれT細胞受容体(T-cell receptor:TCR)とB細胞受容体(B-cell receptor:BCR)を発現している.TCRとBCRの抗原結合部位は,遺伝子再構成により決定され,ヒトの体内では1010オーダーの多様性を獲得している.従来,これらの膨大な数に及ぶ抗原受容体のレパートリー(レパトア)の全容を知ることは困難であったが,核酸シークエンス技術の飛躍的発展により,所望の細胞集団に発現されているTCR・BCRの遺伝子配列を個々のクローンのレベルで同定することが可能となった.現在,このような網羅的免疫シークエンス技術が,免疫応答のin vivoモニタリングや抗体医薬品・ワクチン・細胞医薬品等の創薬に応用されつつあり,今後もさまざまな医療の領域に大きな革新をもたらすことが期待されている.
著者
田中 康仁 小谷 通泰 寺山 一輝
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.659-665, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
16
被引用文献数
1

本研究は、神戸市の都心商業地域において、自動車による来街者を対象に実施された駐車場の利用実態調査の結果を用いて、駐車場の選択行動に影響を及ぼす要因を分析することを目的としている。この結果、まず、提携駐車場の利用者は非利用者に比べて、滞在時間、移動距離、訪問先など、都心での活動が制約されていることがわかった。非利用者については、駐車場所と駐車時間の選択行動を離散-連続選択モデルであるTobit Model(TypeⅡ)により記述し、両者の選択行動の相互依存関係とともに駐車料金、目的地への歩行距離などの選択要因を明らかにした。また、駐車時間別に駐車場所の選択行動モデルを多項ロジットモデルにより推定し、駐車時間が長くなるほど、目的地までの距離よりも駐車料金に対するウェイトが高まることを示した。
著者
岡村 尚昌 津田 彰 矢島 潤平 堀内 聡 松石 豊次郎
出版者
日本行動医学会
雑誌
行動医学研究 (ISSN:13416790)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.33-40, 2010

大学生の睡眠時間と心身の健康との関連性を明らかにするために、GHQ-28による主観的評定と精神神経免疫学的(PNI)反応[3-methoxy-4-hydroxyphenylglychol(MHPG)含有量、免疫グロブリン(Ig)A抗体産生量]を用いた客観的評価から、睡眠時間の長さによって、心身のストレスの自覚とノルアドレナリン神経系と免疫系の活性がどのように異なるのか検討した。研究参加の同意が得られた健康な大学生205名(男性110名、女性95名、年齢18.6±1.0)を対象に睡眠時間を調査し、最適睡眠時間群(AS:Adequate Sleep)(6〜8時間睡眠)を35名、短時間睡眠群(SS: short sleep)(5時間以下の睡眠)33名と長時間睡眠群(LS: long sleep)(9時間以上の睡眠)28名をそれぞれ抽出した。講義時に、集団一斉法にてGHQ-28への記入を求め、PNI反応を測定するために唾液の採取を行った.LS群のGHQ-28得点は、「社会的活動障害」および「うつ傾向」下位尺度でAS群とSS群に比較して有意に高値であった。一方、SS群はASに比較して「身体症状」下位尺度得点が有意に高かった。SS群の唾液中free-MHPGは、AS群と異ならなかったが、LS群に比較して有意に高く、s-IgAは有意に低かった。ロジスティック回帰分析の結果は、中等度以上の「身体的症状」、「社会的活動障害」と「うつ傾向」症状が短時間もしくは長時間睡眠と有意に関連していることを明らかにした。以上の知見から、6〜8時間睡眠が最も心身の健康と関連していることが示された。また、睡眠時間いかんによって唾液を指標にして得られたPNI反応が異なったことは、今後、大学生のストレス関連疾患の予防や健康増進活動のために、睡眠の重要性を示す客観的証拠となると考える。
著者
鈴木 真歩 早川 静 関村 啓太 薬袋 奈美子
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.25-36, 2021

本研究は,日本女子大学に現存する戦前の鉄筋コンクリート造の学生寮「明桂寮」(東京都豊島区,佐藤功一設計,清水組施工,1927 年)の保存に向けた研究である。まず文献調査により平面計画と意匠の由来を明らかにし,独自性と重要性を示す。また文献にてらしながら構造形式の特徴を明らかにし,加えて建物の目視観察やコンクリートコアの採取によって施工の実態を推定する。さらにその含水状態と鉄筋の腐食の関係を分析し,コンクリートの経年劣化の研究にも資することを目指す。耐震診断も行い,建物の価値をふまえつつ今後の利活用策についても提示していくものである。
著者
大﨑 晴地
出版者
東京藝術大学
巻号頁・発行日
2014-03-25

平成25年度

1 0 0 0 ハロウィン

著者
朝日ソノラマ
出版者
朝日ソノラマ
巻号頁・発行日
vol.10(23), no.195, 1995-12
著者
寺崎 哲也
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.447, 2020

帝京大学の出口芳春氏が「<i>In vitro</i>血液脳関門モデルおよびマイクロダイアリシス法を用いた薬物の血液脳関門輸送機構解析」の業績で,このたび日本薬学会学術貢献賞を受賞した.出口氏は独自の方法論と解析法を展開し,血液脳関門薬物輸送研究を通して薬剤学・薬物動態学の発展に貢献した.
著者
増沢淑 著
出版者
明治図書
巻号頁・発行日
vol.下巻, 1922
著者
板橋 クリストファーマリオ
出版者
関東学院大学経済学部教養学会
雑誌
自然人間社会 (ISSN:0918807X)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.27-39,

テニスはプレーする人は多いが観る人が少ないスポーツの代表的種目である。「テニスが観るスポーツとして人気が無い」理由について、大学の実技体育科目でテニスを受講した学生を対象にアンケート調査を行い、テニス観戦の阻害要因の抽出と観戦者拡大の方策を検討することを目的とした。調査対象者は144名(男性144名、女性0名)であった。調査方法は自由記述形式で行い、KJ法にて要因を抜き出し単純集計を行った。結果について、多かった意見の上位は「テニスになじみが無い」「世界で活躍する日本人選手が少ない」「試合時間が長い」「一度に見られる選手の数が少ない」となり、テニスやテニス選手に対する親近感が不足していることと、テニスの試合方式が観戦の場面においては障害になっていることが明らかになった。これらのことから、テニスの試合やテニス選手を多くの人が目にするメディアで露出するための取り組みや短時間で終わる試合方式で複数選手が総当たり戦を行う大会を開催するなどの新しい大会の在り方が、新たな観戦者獲得のきっかけにつながるのではないかと考えられる。
著者
関西大学なにわ・大阪文化遺産学研究センター
出版者
関西大学なにわ・大阪文化遺産学研究センター
雑誌
なにわ・大阪文化遺産学研究センター2008
巻号頁・発行日
pp.1-28, 2009-03-31

【基調講演】「淀川と水都の変遷」河内厚郎;【基調講演】「最上川と文化遺産」菊池和博;【パネルディスカッション】[パネリスト]河内厚郎;菊地和博;髙橋隆博;[コーディネーター]藪田 貫