著者
高木 佐恵子 松田 憲幸 曽我 真人 瀧 寛和 志磨 隆 吉本 富士市
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.386-396, 2003 (Released:2004-02-29)
参考文献数
17
被引用文献数
3

絵画は,心を豊かにするための重要な研究テーマの一つである.これまで,絵画に関する多くの研究では,実際の画材を再現するような機能を提供するばかりで,ユーザが描いた絵を評価し,アドバイスを与えるようなものはなかった.そこで,我々は,初心者のための基礎的な鉛筆デッサンの学習支援システムを提案する.提案システムは,モチーフに関するデータとユーザが鉛筆で画用紙に描いたデッサンの画像を入力とし,ユーザへのアドバイスを出力とする.提案システムでは,次の四つの機能により,処理が行われる:モチーフの特徴解析,デッサンの特徴解析,誤りの同定,アドバイスの生成と提示.提案システムの有効性を確かめるため,扱う対象を基礎的なモチーフに対する主要なアドバイスに限定したプロトタイプシステムを開発し,実験を行った.その結果,提案システムの有効性が確かめられた.

1 0 0 0 OA 講演要旨

出版者
日本爬虫両棲類学会
雑誌
爬虫両棲類学雑誌 (ISSN:02853191)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.44a-57, 1989-12-31 (Released:2009-03-27)
著者
鳥谷 均
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.67-79, 1985-02-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
18
被引用文献数
4 5

静穏な晴夜に長野県菅平盆地で形成される冷気湖の発達過程を明らかにし・これと冷気流を含めた盆地内の局地循環との関係を考察するために観測を行なった・この結果・次のことがわかった. (1) 夜間,盆地内の大気層は3層からなっている.すなわち,下層から, (i)風のほとんどない安定層, (ii) 盆地底で最低気温が現われる時刻に,周囲の斜面で形成された風が流入する安定層, (iii) 一般風が卓越する中立な層である. (2) 日没後,一般風が弱まると,盆地底では盆地の短軸方向の風向をもつ弱い風が,斜面上では斜面下降風(冷気流)が現われる.盆地底の上空では冷気湖が形成され,しだいに発達する. (3) 上空で吹く一般風が弱い時には,冷気湖の厚さは周囲の尾根の平均的な高度の1/2に達する.(4)夜間,上空の風が一時的に強くなる“ブレイク”の時期がある.この時,冷気湖は薄くなり,斜面上でも気温が上昇する. (5) 斜面下降風(冷気流)の吹走時には,斜面上は盆地底に比べて気温の低下が小さい.また,風速の時間変化は40~50分, 20分前後,気温の時間変化は50~60分, 30~40分,20分前後の周期が卓越する.
著者
大山 健二 和田 仁 高坂 知節
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.46-55, 1992-02-29 (Released:2010-04-30)
参考文献数
16
被引用文献数
2

Distortion product otoacoustic emissions (DPOAE) の計測による蝸牛機能の評価の臨床的な有用性について検討を行った。 正常の聴力を有し中耳機能に問題がないと考えられた例では, f2/f1=1.2とした場合, 10kHzから500Hzまでのf2に対して2f1-f2の周波数において雑音レベル上10-35dBの安定したDPOAEが検出された。 感音性難聴耳では, その聴力に応じてDPOAEレベルの正常値からの偏倚が認められた。 DPOAEは誘発耳音響放射と比較すると, 反応の蝸牛内の場所への特異性がはるかに高いと考えられ, その測定値をDP audiogramとして記録すると聴力図と極めて良く一致するものが得られた。 いくつかの問題もあるが, 本法が今後外有毛細胞機能低下の蝸牛内分布に関する客観的な情報を得るための臨床的検査法として, 盛んに利用されていくことが予想される。
著者
西村 周泰
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.1051, 2021 (Released:2021-11-01)
参考文献数
3

「細胞の運命を自在にコントロールする」.一昔前までは不可能とされた現象であるが,最近は線維芽細胞などの体細胞に遺伝子導入を行い,神経細胞や心筋細胞などに直接変換するダイレクトリプログラミングの研究が盛んになってきており,新しい再生医療の潮流が形成されつつある.さらには,化合物を用いたダイレクトリプログラミングである「ケミカルリプログラミング法」の開発も進められており,特定の化合物の組み合わせを一定期間,細胞に処置することで,目的の細胞を産み出すことが可能になっている.薬を用いて細胞の運命を変えることは,かつては不可能とされていた技術であるが,今はそれができる世の中になりつつある. 時代は確実に変化し,薬学においても新しい研究領域が創成されつつあると感じている.ここで紹介する論文は,成体マウスの脳に,フォルスコリン(300µM),CHIR99021(60µM),ISX9(120µM),I-BET151(6µM),およびY27632(30µM)を混合して,浸透圧ポンプを用いて14日間,持続注入することで,脳内のアストロサイトを機能的な神経細胞(chemically induced neurons: CiNs)へ変換することに成功したという研究報告である.なお,この化合物の組み合わせは,同じ研究グループの先行研究で報告されており,線維芽細胞から神経細胞へのダイレクトリプログラミングを誘導する化合物のスクリーニングにより得られている.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Rivetti di Val Cervo P. et al., Nat. Biotechnol., 35, 444-452(2017).2) Li X. et al., Cell Stem Cell, 17, 195-203(2015).3) Ma Y. et al., Cell Discov., 7, 12(2021).
著者
日原 真由美 三神 彩子 赤石 記子 長尾 慶子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.31, 2019

<p>【目的】近年,地球環境問題が深刻化する中,環境に配慮した食生活が重要となってきている。北区のごみ排出量は一人一日あたり約660gと都内平均よりも少ないものの,有効活用できるものが多く含まれている。東京家政大学と東京都北区では,2013年度より,ごみ減量啓発活動「リデュースクッキング」を推進している。リデュースクッキングとは普段の調理で処分しがちな食材や使い切れず廃棄している食材を有効活用する調理方法である。今回は「日本の郷土料理,名物料理」をテーマに生ごみ減量の推進につなげるレシピを提案する。</p><p>【方法】日本全国の郷土料理,名物料理からスープカレー,きりたんぽ鍋,盛岡冷麺,治部煮,宇都宮餃子,からし焼き,ほうとう,お好み焼き,いもたき,太平燕,鶏飯,タコライスの12品を選定した。それらの通常の作り方を基に,野菜の切り方を工夫する,使い切る,捨てがちな外葉,茎,皮などを使う,残り野菜の活用などのごみ減量につながる視点を入れてレシピを作成した。A4の冊子にまとめ,区民に広く普及できるようにした。</p><p>【結果および考察】レシピ開発では,廃棄率の高い野菜の捨てがちな外葉,茎,皮等の可食部分を,すり下ろす・刻むなどの調理方法や味の工夫で食べやすくすると共に,省エネにつながる方法も取り入れたことで,調理時間も短く,簡単に美味しく作れるレシピとなった。1品あたりの生ごみ量は通常の作り方では平均47gとなったが,今回のレシピでは平均10g程度に抑えることができた。北区ごみ組成調査(2018年度)では,可燃ごみの約50%が生ごみであり,さらにその80%が調理くずであることから,このレシピを活用することで,区内のごみ減量につながることが期待される。</p>
著者
大島,正滿
出版者
東京動物學會
雑誌
動物学雑誌
巻号頁・発行日
vol.38, no.453, 1926-07-15
著者
原 真理子
出版者
国立研究開発法人国立成育医療研究センター
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

PFAPA患児の扁桃における自然免疫関連遺伝子の発現に関してトランスクリプトーム解析を行った。クラスター解析から、本疾患は2つのサブタイプに分かれ、endotypeを持つことが示された。また、上流因子解析から、IFN-γ刺激、1,25-(OH)2ビタミンD減少が、自然免疫関連遺伝子を誘導する免疫経路であることが推測された。endotype間では、臨床症状も有意に異なっており、本疾患はphenotypeを持つことも示唆された。
著者
澤田 稔
出版者
富山大学人文学部
雑誌
富山大学人文学部紀要 (ISSN:03865975)
巻号頁・発行日
no.67, pp.31-60, 2017

本訳注は『富山大学人文学部紀要』第66号(2017年2月)掲載の「『タズキラ・イ・ホージャガーン』日本語訳注(6)」の続編であり,日本語訳する範囲は底本(D126写本)のp.165/fol.83aの1行目からp.199/fol.100aの20行目までである。前号で訳出されたように,カシュガル・ホージャ家イスハーク派の軍隊はウシュにおいて,同家アーファーク派のホージャ・ブルハーン・アッディーン側の軍勢に敗れ,さらにカシュガル城市も奪われた。カシュガルにおいて「統治の王座」に就いたホージャ・ブルハーン・アッディーンは,軍勢ととともにイスハーク派の最後の牙城,ヤルカンドへ向かった。そして,ヤルカンド城市において両軍の戦いが始まった。本号では,イスハーク派のホージャ・ジャハーンを長とするヤルカンド陣営の内部状況を中心として,ヤルカンド城市の攻防をめぐる両勢力の和戦両様の動向と,イスハーク派側の敗北が語られる。
著者
小島 広久 向井 拓幸
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.68, no.668, pp.1113-1118, 2002

Attitude synchronization is a key technology to facilitate the capturing process of tumbling satellites. Tumbling motion of the satellites is a nonlinear system and the inertia ratio of the satellite is a dominant parameter of the motion. Estimation of the inertia ratio of the tumbling satellites is thus important function for a chaser satellite to synchronize its attitude motion with the tumbling satellite motion. The present study is devoted to investigate an adaptive sliding mode control (ASMC) algorithm applied to attitude tracking maneuvers. The adaptive law added to the sliding mode control (SMC) algorithm is employed to estimate the inertia ratio of the tumbling satellite. Attitude tracking performances of the ASMC method is studied numerically to compare with those of a quaternion feedback control method and a simple SMC method. It is shown that the precise synchronization can be executed by the ASMC method even if there exist some errors between the real value of the inertia ratio of the tumbling satellite and the estimated one at the beginning of tracking maneuvers.
著者
高橋 和弘
出版者
THE SOCIRETY OF RUBBER SCIENCE AND TECHNOLOGYY, JAPAN
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.52-57, 2012 (Released:2013-08-02)
参考文献数
12
被引用文献数
2

Dicing tapes have been used for a Si wafer singulation at the IC packaging manufacturing. During the singulation, dicing tapes need to hold dies with high adhesion simultaneously with an easy die separation from the dicing tapes with low adhesion after singulation to prevent dies from breaking. In order to meet the requirements mentioned above, UV-curable dicing tapes, which is reviewed here, have been realized with both die-holding and easy-separation functions which are able to be controlled, independently. Moreover, with the popularity of the mobile devices, a packaging density and a die thickness tend to increase and decrease, respectively. For a reduction of thin wafer breaking, new thin-wafer processes, including a laser-dicing process, have been proposed and dicing tapes are required to have additional properties to realize those thin wafer processes. In this paper, the technical trend of dicing tapes for the new applications is presented.
著者
古賀 麻奈花
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.281-284, 2021 (Released:2021-07-30)
参考文献数
3

症例の概要:患者は45歳男性,う蝕による咀嚼障害を主訴に来院.上顎右側中切歯および下顎左右側臼歯はう蝕により残根状態を呈しており,咬頭嵌合位にて上顎左右側第二大臼歯は機能咬頭が下顎顎堤に接していた.下顎残存歯切縁および咬合面をジルコニアフレームワークにて被覆した部分床義歯にて咬合挙上および咬合平面の是正を行い,咀嚼障害の改善を図った.考察:垂直的補綴空隙の減少に対し,部分床義歯にて咬合高径と咬合平面を是正したことで,咀嚼障害の改善と最大咬合力の増加が認められた.結論:垂直的補綴空隙の減少を伴う咀嚼障害に対し,ジルコニアフレームワークを用いた部分床義歯により咀嚼機能の回復が認められた.
著者
岡田 米夫
出版者
神道宗教学会
雑誌
神道宗教 (ISSN:03873331)
巻号頁・発行日
no.16, 1958-04