著者
服部 尚道 黒岩 俊之 早川 正 吉住 陽行
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.275-281, 2012 (Released:2013-03-01)
参考文献数
11
被引用文献数
1

京急蒲田駅付近連続立体交差事業における高架橋築造工事では,営業線直上に高架橋を構築するため,移動式直接高架施工機とハーフプレキャスト(以下,HPCa)工法を組み合わせた直接高架工法を適用した。移動式直接高架施工機は,基礎杭打設と部材架設が行える施工機である。HPCa工法は工場製作のプレキャスト部材を現地で組み立てラーメン高架橋を構築する技術で,梁とスラブに適用した国内2件の工事実績がある。本稿では,柱に初めてHPCa工法を適用した本事業における,工法選定理由,HPCa工法の概要,工事概要および施工概要について報告する。
著者
加藤 浩子 池崎 喜美恵
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.41, 2009

<B><目的></B> 環境教育は、これからの持続可能な社会の形成において、重要な役割を担うものである。特に、ゴミ問題は私たちにとって日常的な問題であり、見過ごすことはできない。環境教育について研究している中で、環境先進国であるドイツの環境問題への取り組みと日本の取り組みの違いに関心を持った。ゴミの分別について言えば、ドイツは国で環境対策をしており、どこの地域に行っても分別方法は国で決められているので一定である。 このようなドイツに暮らす日本の子どもたちは、日本に暮らす子どもたちよりも環境意識が高いのではないのかと考え、日頃、環境問題についてどのように考えているのか、どのように行動しているのか調査することにした。日本もゴミの有料化やゴミの分別、レジ袋の有料化などの環境への取り組みは進んできているが、日本より以前に、環境対策に取り組んでいるドイツの環境教育には学ぶべきものが多いと言える。本報告では、ドイツと日本に暮らす子どもたちの環境に対する意識や実態を比較検討し、今後の家庭科における環境教育への示唆を得ることを目的とした。<BR><B><方法></B> 2008年11月から2009年1月にドイツの日本人学校4校(A校、B校、C校、D校)の小学部、2009年2月に東京都の公立M小学校にアンケート調査を行った。対象は家庭科を学習している5、6年生の児童である。ドイツの日本人学校では199名、M小学校では181名の回答を得ることができた。アンケート項目の中で、ゴミの分別方法や分別理由等の項目を環境認識度得点、ドイツでの日常生活の満足度に関する項目を生活満足度得点として計算し、得点の平均点から上位群、下位群に分けて比較検討を行った。<BR><B><結果および考察></B>・ドイツの滞在年数が1年未満の児童は46名、1~3年未満は59名、3~5年未満は58名、5年以上は36名であった。・環境認識度得点の上位群の割合は、日本人学校が6割、M小学校が5割であり、日本人学校の児童の方が高かったが、顕著な差はみられなかった。・日本人学校4校それぞれの環境認識度得点を見ていくと、上位群の割合は、B校が4割、他の3校は6割とB校がやや低い結果となった。生活満足度得点に関してもB校が他の3校よりもやや低い結果となったが、4校とも高い得点結果となった。・ドイツでの滞在期間が長い児童やドイツ語能力が高い児童など、ドイツの生活に同化していると考えられる児童は環境意識がやや高い傾向にあった。・「家庭科が好きか」という問いで、日本人学校では男子7割、女子9割、M小学校では男子6割、女子7割の児童が「好き」と回答した。学年ごとでは、日本人学校の5年生9割、6年生 7割、M小学校の5年生 7割、6年生 6割が「好き」と回答した。・日本人学校の児童もM小学校の児童も、環境意識が高い児童ほど家庭科に対するイメージは肯定的である傾向が見られた。・日本人学校もM小学校も、家族で環境について話す機会がある児童ほど、環境認識度得点が高い傾向が見られた。・顕著な差はみられなかったが、環境先進国であるドイツに暮らす子どもたちの方が、日本に暮らす子どもたちよりも環境意識が高いという結果から、今日の我が国における環境問題解決のためには、環境教育をより充実させる必要性があると言える。
著者
佐藤 愛 芝木 美沙子 川邊 淳子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.62, pp.22, 2010

〈B〉目的〈/B〉 衣生活では食生活に比べ、学校教育を離れると手作りをする機会や場が減ってしまうという現状がある。また、核家族化が進みライフスタイルが多様化する中、妊婦が出産・子育てへの不安を抱えたまま、多忙な生活でお腹の中の赤ちゃんへの愛情をゆっくりと醸成させることができない状況にあるのではないかと考えられる。そこで本研究では、子育て支援の新たな取り組みを考える上で、妊婦のものづくり体験についての意識と実態を明らかにすることを目的とした。〈BR〉〈B〉方法〈/B〉 調査対象は、北海道A市の産科婦人科病院に通院する妊婦、および子育て支援事業の親学入門講座に参加する妊婦合計615名、調査方法は留置法による質問紙調査、調査時期は2009年6月下旬~8月上旬で、有効回答数は491名(79.8%)であった。調査内容は、裁縫技能の習得状況および方法、赤ちゃんに関する小物の製作経験および意欲、衣生活に関するものづくりの実態、子育て観などであった。。〈BR〉〈B〉結果〈/B〉 妊婦の63.7%から、生まれてくる子どものために衣生活に関するものづくりをしてあげたいという回答が得られた。その理由としては、「あたたかみ・愛情が感じられる」(16.3%)が一番多く、次に、「作ってあげたい・身につけさせてあげたい」等が続いた。一方、実際赤ちゃんに関する小物の製作経験をもつ妊婦は26.7%にとどまった。また、衣生活におけるものづくりをしない妊婦は70.9%にものぼり、「時間がない・忙しい」(29.9%)などの物理的要因とともに、「苦手・不得意」(21.8%)といった技能的な要因が多くあげられた。さらに、技能習得状況として、家庭科男女共修世代か否かの29歳を境に、ある一定の特徴が認められた。
著者
松本 心 顔 玉玲 金城 寛 山本 哲彦
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
機械材料・材料加工技術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2001, no.9, pp.355-356, 2001-11-02

In this paper, a diagnosis method for machine faults using a neural network based on autocorrelation coefficients of wavelet transformed signals is presented. It is important for factory engineers to accurately estimate machine faults. In conventional diagnosis methods, frequency analysis using the fast Fourier transform (FFT) has often been employed. Recently, wavelet transforms have been studied and applied to many signal-processing applications. Wavelet transforms are very useful because of characteristics of time-frequency analysis. In this paper, we propose an application of wavelet transforms to machine fault diagnosis. In order to apply wavelet transforms to machine fault diagnosis, we use autocorrelation coefficients of the wavelet transformed signal. In this research, it becomes clear that the autocorrelation coefficients, represent the different classes of machine states. For the automatic diagnosis, we trained a neural network to recognize three classes of machine states based on the autocorrelation coefficients of wavelet transformed signals. Simulation and experimental results show that the trained neural network could successfully estimate machine faults.
著者
南野 森
出版者
有斐閣
雑誌
ジュリスト (ISSN:04480791)
巻号頁・発行日
no.1400, pp.11-18, 2010-05-01
著者
大石 直記
出版者
日本生物環境工学会
雑誌
植物環境工学 (ISSN:18802028)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.125-132, 2016-09-01 (Released:2016-09-01)
参考文献数
13
被引用文献数
6 4

トマトの温室栽培において植物群落の葉面積指数(LAI)を非破壊的に評価するため,散乱光センサを開発した.本センサは,直達光を防ぐ黒色遮光枠(100 mm × 100 mm × 100 mm)の内部にシリコンフォトダイオードを取り付けただけの構造である.本センサはその開口部を北方向に向けて植物群落内(PL)および群落外(PU)に設置し,光量測定を行った.本センサによる温室内の光量(PU)は,温室内の骨材や保温資材のような遮光物の影響を受けずに温室外日射量と同様なパターンで変化した.トマトの3段摘心栽培において散乱光センサによって求めたRLI(%;PL/PU × 100)は,日中の時間帯では一定値を示した.トマトの栽培条件(季節,N供給量)に関わらず,トマト定植後のRLIはLAIの増加とともに減少し,平均RLIの自然対数値(ln(Avg. RLI))とLAIとの間に直線的な負の相関関係がみられた.以上から,散乱光センサを用いることによって,トマトの温室栽培におけるLAIの非破壊評価が可能と思われた.
著者
水野 加寿 柴岡 信一郎 鳥谷尾 秀行 小林 裕光 渋井 二三男
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 = Journal of the Japan Information-culture Society (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.53-59, 2011-12-13
参考文献数
13

高齢者、障害者、生活習慣病者等の社会的弱者を対象とする"WAPT:プールリハビリ講座開設"を基軸とする市民参加型社会福祉健康文化プログラムを実施していくなかで、市民の健康増進を計り運動の日常化を推進し、健康意識の向上による健康への自己管理意欲をたかめることを目的に、講座開設をモデル化し、プログラム内容の充実と定着をはかり、講座開設の継続と広がりを促進する。また、上述する要旨の具体化として"水中リハビリ運動教室"を開催し、参加者に対し運動機能テストおよび体組成測定をおこない水冶運動療法訓練による生理的応答の変化を臨床的に考査した。こうした市民参加型社会福祉健康プログラムの取り組みがモデル化され具現化されることによって地域社会の活性化が促進されるものと考える。
著者
安田 友久 中村 正直 白石 茂雄 増田 麗子 三浦 雅史 川口 徹 和久井 鉄城
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.C0063-C0063, 2004

【はじめに】2003年2月「第5回アジア冬季競技大会青森2003」の開催に引き続き,3月に青森県と岩手県を会場に「2003ジャパンパラリンピック・アジア国際障害者スポーツ交流大会」が開催された。青森県ではクロスカントリースキー,アイススレッジホッケーの2種目が行われた。この大会において青森県理学療法士会では青森県内の会場に理学療法室を開設し,選手・役員への理学療法サービスを実施した。今回,演者らが直接関わった八戸会場を中心に,今後の対応について検討したので活動内容と合わせて報告する。<BR>【大会概要】八戸会場大会期間:2003年3月6日から9日まで,八戸会場:八戸市新井田インドアリンク,競技種目:アイススレッジホッケー,参加チーム:北海道,八戸,長野,東京,韓国(国際交流大会として参加)の計5チーム,大会参加選手数:74名。試合形式:日本国内4チームでのトーナメント方式,韓国チームは全3試合。<BR>【活動内容】活動期間は大会期間と同様で,競技会場内の一室を理学療法室として開設した。理学療法室には選手の応急処置,コンディショニングなどに対応できるよう,物理療法機器,テーピング材料一式,治療用ベッドなどを用意した。人員配置は5施設から計10名の理学療法士が常時2から3名となるよう配置した。<BR>【活動結果】利用者は全て選手で,利用者のべ人数および治療行為のべ件数は,それぞれ56名,81件であった。治療目的としては疲労回復(40%),リラクゼーション(24%),安静固定(17%),消炎鎮痛(14%)の順になっていた。治療手技としては,マッサージ(47%)が最も多く,次いで超音波(14%),テーピング(12%)の順で多かった。<BR>【まとめ】今大会では疲労回復・リラクゼーションを目的としたコンディショニングに対するサポートが多かった。また,コンタクトスポーツという特性からか,打撲に対するアイシングや安静固定・疼痛軽減を目的としたテーピングの処置も多い傾向にあった。今回の活動を通じて,特にテーピングやマッサージは理学療法士間で技術格差があり,技術面に対する事前の準備不足が考えられた。八戸会場では,試合会場内に理学療法室を開設したが,選手から宿舎での処置希望の声も多く,会場と宿舎で対応できる体制が望まれると考えられた。また,中にはオーバーユースからくる慢性疼痛を訴える選手もおり,超音波やストレッチングの治療手技も有用であった。近年,スポーツ現場に携わる理学療法士が増えつつあるが、障害者スポーツに関わるトレーナーや理学療法士の数は,健常者スポーツの現場に比べまだまだ少ないことが予想される。今後,障害者に対する知識を多く持つ我々理学療法士が障害者スポーツにも積極的に関わり,健常者と同様に理学療法サポートを行っていく必要性があると考える。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.969, pp.44-51, 2012-02-10

端麗な街並みを持つ上質な住宅街として知られる東京・代官山の旧山手通り沿い。そこに書店、ビデオレンタル、カフェ、バーなどを複合する約1500坪の新施設が誕生した。 「代官山蔦屋書店」は、団塊世代を中心とした経済的にも時間的にも余裕のある"大人"の客層をターゲットとし、2011年12月に開業した。
著者
政田 佳之 中野 正博
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.115-119, 2011
参考文献数
10

ハンドボールは,人間の基本動作である「走る」・「投げる」・「跳ぶ」を用いた競技である.このことが評価されて新学習指導要領に盛り込まれ注目を集め始めてきた.しかし,日本のハンドボールは,近年の世界大会において結果を出すことが出来なかった.日本ハンドボール協会は,このような状況に危機感を感じ,NTS(National Training System)を立ち上げて人材発掘・育成・強化を図り始めました.このような現状から様々な分析などが行われてきたが,ハンドボールの試合を科学的に分析されることはなかった.本研究では,アジアでもトップレベルの韓国チームと福岡県学生選抜との試合を調査した.そして,重回帰分析でゲームの中で得点を得るために特徴的なプレイや技術が存在するか分析することにした.その結果,得点は,突破方法や突破位置,反則やパスの回数などに関係することがわかった.これによって経験よって示されていた戦略が定量的に表され,2国間の異なる戦略を定量的に表すことが出来た.