著者
清水 千秋 福原 忠信
出版者
長崎大学水産学部
雑誌
長崎大学水産学部研究報告 = Bulletin of the Faculty of Fisheries, Nagasaki University (ISSN:05471427)
巻号頁・発行日
no.10, pp.25-37, 1961-01-31

The quantitative compositions of fatty scids in the blubber oils and head oils of Tursiops sp. (Hando Iruka), Pseudorca sp. (Okigondo Kuzira) and Grampus sp. (Hanagondo Kuzira) were determined (Table 7a, 7b and 7c). In this analysis, fatty acids were previously fractionated to the liquid and solid acids by the Urea adduct-MeOH method1) before fractional distillations (Table 2a, 2b and 2c). After the fractional distillations, the number of double bond of the methyl ester of unsaturated fatty acids were estimated by the paper chromatography of their mercuric compounds²). On the fatty acids of their blubber oils, the saturated and unsaturated acids were about 20% and 80% respectively, and about 80% of them are C₁₆, C₁₈ and C₂₀ acids. On the Pseudorca sp. and Grampus sp,, the fatty acids of C₁₆ dominate (about 40%), and on Tursiops sp. the fatty acids of C₁₈ are main part (about 34%). The saturated fatty acids of their head oils are about 75% of Tursiops sp. and Pseudorca sp., but are 52% of Grampus sp., and the unsaturated fatty acids of one double bond are about 20% of the former and about 50% of the latter. The saturated fatty alcohols are about 92% of the unsaponifiable matter and 85% of them is hexadecanol in the head oil of Pseudorca sp. (Table 9).
著者
黒澤 やよい 田邉 美佐子 神田 清子
出版者
一般社団法人 日本がん看護学会
雑誌
日本がん看護学会誌 (ISSN:09146423)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.3-12, 2010 (Released:2017-01-13)
参考文献数
21
被引用文献数
2

要 旨本研究の目的は,子宮全摘出術を受けたがん患者が術後,いかに性的自己価値の認識を行い配偶者との関係を再構築してきたのか,辿ってきた心理的プロセスを明らかにし看護支援の検討を行うことである.半構成的面接法により対象者9名からデータ収集を行い,修正版グランデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を参考に質的帰納的分析を行った.子宮全摘出術を受けたがん患者は,【性的関係性の構築体験】と【配偶者との親密性の強化体験】を関連させ,配偶者との関係性を再構築している.【性的関係性の構築体験】においては〔性的自己価値観の動揺〕と〔性的自己価値喪失感の克服〕を体験している.動揺体験では,<性的自己価値の喪失感>,<性的変化の現状認識>,<性交による創部刺激への不安>,<性の情報取得へのためらい>,<配偶者の性的欲求の尊重>,<性交許可で自覚するジレンマ>を生じている.克服体験では,自己価値を再認識する過程において,性生活の実施を巡り3通りの体験があった.1つ目は,性交を避けては通れない大切なことと捉え<性交時の苦痛軽減への努力>を行い<性的自己価値の再認識>を持つ経験,2つ目は,性交があってもなくても関係は変わらないと<性的価値にとらわれない自己価値の再認識>を持つ体験,3つ目は性交を持つ気になれず<性生活回避への自責>から,<性生活を持たないことへの苦渋の意味づけ>を行い,<性的価値にとらわれない自己価値の再認識>に至る体験である.【配偶者との親密性の強化体験】においては,〔配偶者の理解と支え〕を受けると同時に,自身も〔配偶者への気遣い〕を行い,連帯感を深めている.看護支援においては,子宮摘出術を受けるがん患者が術後に経験する心理的背景を理解し,配偶者との関係が円滑に再構築できるようシステムを整え,情報の提供と心理的支援を行う重要性が示唆された.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1767, pp.40-43, 2014-11-24

AgICの製品は、昨年9月に東大准教授の川原圭博が論文発表した技術を基にしている。そのひと月前、留学中の米ボストンで、東大時代から知る川原と再会した清水は、銀粒子のインクの話を聞いて起業を決めた。 3Dプリンターの登場で、個人がモノ作りに参加する…
著者
松田 基 竹末 俊昭 阿部 真理 藤盛 啓冶
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.374-375, 2001

Many subject exist in the Wheelchair, for example, the Wheelchair being used in the advanced-age home at present.Mainly it is used that the bad designed one made of metals.Using the lumber is the better for a wheelchair, because of its sensory characteristic.It's also necessary for designing as the furniture.In this case of study, it has proposes of combination of the limber to the wheelchair designed as keeping basic operation.
著者
朴 蕙彬 Hyebin Park
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Hyoron Shakaikagaku (Social Science Review) (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.124, pp.139-156, 2018-03-15

本稿の目的は,エイジズムに関する文献のレビューを行うことである。まず,先行研究の全体的な傾向を把握する。次に,エイジズムの構成要素を分析の枠組みにして日本のエイジズム研究の成果と課題を明らかにする。分析の結果,従来の研究の成果として多様な個人がもつエイジズム意識に関する基礎的データの蓄積が浮かび上がった。しかし,エイジズムに関する理論的考察が不十分であり,おそらくそれゆえに研究の焦点が心理的側面にもっぱら向けられる傾向があり,社会や文化などとの関連性には向けられていない傾向を発見した。これらの結果から,今後,エイジズムの理論的考察を深めるとともに,社会文化的要素を含めた包括的な研究枠組みを構築することが求められていると考える。
著者
辻田 麻紀 松下 佐知 高瀬 弘嗣
出版者
一般財団法人 日本健康開発財団
雑誌
日本健康開発雑誌 (ISSN:2432602X)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.69-76, 2021-06-16 (Released:2021-06-16)
参考文献数
29

背景・目的 本課題は慢性心不全の治療に用いられる和温療法について実験動物を用いそのリポタンパク質代謝への影響について検討するものである。方法 野生型マウスを2群に分け各々をポリプロピレン製管中に保持する。WAON群は使い捨てカイロの熱赤外線下に15分間保温した後キムタオルで覆い30分間保温を続け、対照群ではキムタオルでのみ45分間保温した。以上の操作を5日間連続で行い、血清・脳脊髄液並びに肝臓を摘出し両群におけるリポタンパク質代謝に関わる因子について評価した。結果 マウスpool血清HDL-C、LDL-CはWAON群において対照群よりそれぞれ4.34、2.15mg/dL上昇し、中でもHDL-C中型粒子 (φ10.7nm) が最も増加していた。肝臓での遺伝子発現はAbca1が上昇(P=5.3E-07) しPcsk9とScarb1は低下 (P=0.001, P=0.0006)したがApoa1並びにHmgcrは差がなかった。血清並びに脳脊髄液のAβ40、Aβ42はWAON処置により増加傾向が見られたが有意差には至らなかった。考察 野生型マウスを用いた熱赤外線WAON処置により血中HDLが上昇した。肝臓ABCA1の発現上昇とSR-BIの発現低下から血中HDL新生の増加と代謝の遅延がその機序として推察され、血中HDL増加により和温療法で観察されてきた血管内皮機能の改善につながる可能性が考察される。
著者
岡村 純
出版者
日本癌病態治療研究会
雑誌
W'waves (ISSN:18810241)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.31-34, 1999

コロンブスの新大陸発見 (1492年) 以来, たばこ (アメリカ原産の一年生草木) の歴史がはじまる. わが国では元亀・天正~元禄 (1570 年~1704 年) 年間にたばこが伝来したといわれている.<BR>その後, 全世界各国において禁煙と販売の両者の相反する政策が交錯して行われてきている.<BR>1962 年たばこの健康への害がはじめて医学的に明らかにされた (英国王立内科医師会報告).爾来, 喫煙を経済面よりも健康の面を優先して捉える政策が推し進められてきているかにみえている.WHOでは5月31日を世界禁煙デーとしている.たばこの経済分析でも国家全体からすると, たはこ産業は差し引き年間 2 兆 8 千億円の社会コストを生み出している.しかし, このたばこ病は20世紀に駆逐できなかった. わが国では 21世紀における国民健康づくり運動 (健康日本21) -2010 年を目標-においても, 喫煙率の減少を小目標においている.<BR>この機会にこの喫煙問題が, 第 2 の阿片戦争に突入せざるを得ないかどうかを検証してゆきたい.
著者
山上 佳範 坂本 洋一 河合 淳 藤井 良昭 橋本 孝治 山下 俊彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.I_556-I_560, 2012 (Released:2012-11-15)
参考文献数
3

The mechanism of morphology change at the first (western) entrance of lake Saroma were investigated with the 20 years bathymetric survey data set. It shows that the volume around the entrance decreased after the east jetty construction started and the major morphology changes were erosion along the channel and movement of ebb shoal. A numerical model which aimed to predict the morphology change for several years was developed based on the sediment transport characteristics. The simulation result shows that this model can quantitatively reconstruct the observed morphological changes for 3-4 years.
著者
藍澤 淑雄
出版者
国際開発学会
雑誌
国際開発研究 (ISSN:13423045)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.167-180, 2009-11-15 (Released:2020-01-29)
参考文献数
25

Past experiences in the field of international development tell us that participatory development does not always yield sustainable community development, despite efforts to foster people's initiatives. Situations in which a community does not sustain its development activities autonomously are not uncommon. A fundamental cause of this could be perceptional gaps between the interveners and the intervened. In fact, the concepts of participatory development itself have been historically constructed by the interveners, who are usually out of touch with community life. In this sense, the idea of participatory development has been based on the essentialism of the interveners.This article tries to clarify the perceptional gap between the interveners and the intervened by examining the relation between autonomous and heteronomous natures and participatory approaches. To examine this relation, the article seeks to verify the following two hypotheses. 1) In a community, autonomous and heteronomous natures inhere concurrently. 2) A participatory approach has an influence over autonomous and heteronomous natures of a community. These hypotheses are verified through a case study of a Tanzanian community.The article refers to the social theories of Niklas Luhmann to define the autonomous and heteronomous natures of a community. The main reason for referring to the social theories is that the level of analysis in those theories is that of society and people, so the article automatically clarifies the nature of community by referring to the social theories and thus is able to analyze the community while ignoring the essentialism of the interveners.
著者
足立 ちあき 毛利 好孝
出版者
Japanese Society of Public Health
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.14-21, 2011

<b>目的</b> 新型インフルエンザの集団感染が疑われた高等学校に対する疫学調査,患者への対応等を通して,新感染症発生時の初期対応にかかる課題を明かにする。<br/><b>方法</b> 5 月16日,神戸市内で国内初の新型インフルエンザ患者の発生が確認,報告された直後に集団発生が疑われた高校で,インフルエンザ様症状の認められた高校生14人を対象に,集団検診,PCR 検査および疫学調査等を実施した。<br/><b>結果</b> 渡航歴やインフルエンザ様症状を呈している者との接触歴がある者はいなかった。PCR 検査の結果,14人中 9 人が新型インフルエンザと確定診断された。患者 9 人については,発熱,咳,頭痛,倦怠感等の症状がみられたが,成田空港検疫所で 5 月 8•9 日に確定診断された 4 症例に比べ,発現率が低かった。確定時には,すでに抗インフルエンザウイルス薬の処方等を受け,臨床症状が消失し,感染性の低さも示唆されたため,入院治療が必要でないことが明らかであり,とくに患者発生の多かった神戸市では入院病床数が限界に近づいていたため,9 人全員に対し入院勧告を行わなかった。家族等濃厚接触者にも感染を疑う臨床症状を認める者がいなかったことから,不要不急の外出を控えるよう理解を求めるにとどめた。<br/><b>結論</b> 今回,兵庫県において新型インフルエンザの国内初発例を確認し,早期の段階でまん延状態と言える状況となった経験から,新感染症の発生時には,発生地域から得られる臨床症状,経過等の情報を速やかに収集•分析し,各時点におけるウイルスの特徴や感染力等を見極めた上で,地方自治体において,柔軟な対応をとれる体制を整備する必要があると考える。

1 0 0 0 OA 今昔物語集

出版者
近藤圭造
巻号頁・発行日
vol.巻第30, 1882
著者
スコーフッフ ローレンス
出版者
The Linguistic Society of Japan
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.122, pp.1-43, 2002-09-25 (Released:2007-10-23)
参考文献数
32

間投詞的な談話標識why(具体例:‘Why, that's a brilliant idea!’)は,現代英語では比較的まれで,古めかしさやわざとらしさを連想させる.本稿では,whyがそれに後続する文発話の意味にいかに貢献するかを考察し,文発話に先行して多く用いられる間投詞well(Schourup 2001)と同様,whyは,発話の直前に話し手が持っていた心的状態をジェスチャー的に表すものとして解釈されると主張する.whyは,発話の出だしに用いられると,聞き手に表意(explicature:関連性理論の用語で,発話により伝達される想定を意味し,論理形式を推論によって発展させたものを指す)の構築を促すことで,whyに後続する発話の解釈に貢献していると考えられる.つまり,whyは,それに後続する文発話によって表出される命題を高次の記述に埋め込むことで,表意に貢献すると結論づけられるのである.さらに,wellとwhyの機能に関しても詳細に比較検討した.両者は,本来ジェスチャー的であり,高次表意(higher-1evel explicature)に貢献し,他の様々な特徴を共有するが,この二つの標識によって表される心的状態は本質的に正反対のものである.最後に,whyと他の非命題的な表現との関係についても議論し,疑問詞whyからどのような歴史的過程を経て間投詞whyが生じたのかに対しても,説明を提案する.
著者
葉山 泰三 谷口 義昭 薮 哲郎 古川 大和 佐竹 靖 市橋 由彬
出版者
奈良教育大学次世代教員養成センター
雑誌
次世代教員養成センター研究紀要 (ISSN:21893039)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.253-258, 2016-03-31

これからの時代を担う子どもたちが生きていくために身に付けなければならないリテラシーは、自ら進んで課題を見つけ、探求し、解決する能力である。奈良教育大学附属中学校科学部は、この能力をロボット学習主体のクラブ活動を通して獲得することを目的として活動している。本報告は、2015年度に取り組んできた活動の中からロボットコンテストに焦点を当てて、その活動過程と成果を示す。本年度のロボットコンテストWorld Robot Olympiad(以下WROと略す)地方大会において、本附属中学校科学部は、レギュラーカテゴリーでは優勝し、全国大会でも準優勝を果たした。また、オープンカテゴリーでは、全国大会で優秀賞を獲得した。この2つの部門で世界大会(於:カタール)に出場した。世界大会に向けては、正確に、短時間にミッションを遂行するロボットの製作、人の指の動きを再現するロボットシステムの構築、奈良教育大学学生の指導による英語プレゼンテーション力の向上に努力した。世界大会では上位入賞を果たすことが出来なかったが、生徒は努力し続けることの意義、独創的なロボット開発の重要性、また大学生は生徒と一体となって目標に向かって活動する達成感を得ることが出来た。
著者
庄司 真人
出版者
拓殖大学経営経理研究所
雑誌
拓殖大学経営経理研究 = Takushoku University research in management and accounting (ISSN:13490281)
巻号頁・発行日
vol.112, pp.91-104, 2018-03-28

ソーシャルメディアの出現によって,従来の企業と顧客との関係に大きな変化が現れてきている。情報が企業から顧客に提供されるだけでなく,顧客から企業あるいは顧客間といったことが容易に行われるようになることで,顧客からの情報発信が無視できなくなってきた。さらに商品を消費だけの存在として捉える従来の顧客像は,特にソーシャルメディアの発展によって転換が求められてきている。自らが発言し,体験を共有することを行う顧客は,価値共創のパートナーとして捉えるべきものとなる。本稿では,これらの問題意識を踏まえ,消費者行動論,S-D ロジック,そして顧客満足・ロイヤルティ研究を検討することによって,顧客エンゲージメント研究の意義を考察する。さらに,既存研究の問題点を提示することで今後の方向性について示す。
著者
市橋 由彬
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.160-161, 2019-04-20 (Released:2020-04-01)
参考文献数
1

本実践は,中学3年生に対して,炭素の同素体であるダイヤモンドと黒鉛を教材として扱い,客観的事実をもとに目に見えない世界で起こっていることを推論させ,粒子概念の定着とそれを深めることを目指した。本実践を通し,生徒が3年間の既習内容や身につけた粒子概念を活用して考察し,科学的に物質の構造を推論する様子が確認できたため,報告する。