著者
梅田 靖 冨山 哲男 吉川 弘之
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.795-800, 1997-06-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
15
被引用文献数
13 10

Although functional design is crucial within a design process, difficulties in dealing with functions prevented traditional CAD technology based on geometric modeling from supporting functional design. This paper proposes a new methodology for modeling functions, called FBS (Function-Behavior-State) modeling. The FBS modeling represents a function as an association of the designer's intention and a behavior needed for realizing the function. This paper also describes a computer tool to support functional design based on the FBS modeling. This tool, called the FBS Modeler, supports a designer not only to verify design solutions with qualitative simulation but also to generate design solutions through decomposition of specified functions and embodiment of decomposed functions. Experimental design case studies demonstrate the importance and advantages of the FBS modeling.
著者
大城 直樹
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2018, 2018

街おこし・地域おこしといったイベント,名産品,民芸品などのモノ,また郷土愛といった精神的な表象にいたるまで,地域と文化の組み合わせは,ツーリズムの発達とも連関する形で,従来の地域的文脈から切り取られたり,違う文脈に接合されたりしながら,編成・再編成されてきた。この「地域」という特定の空間的範域が「文化」と結びつけられることで事実上何が充填/発現されるのか。本研究は,従来自明で所与のものと考えられがちな「地域文化」を,構築的なものと措定することでいったん分解し,各々の概念の問題ならびにこの二つの組み合わせ自体に孕む無意識的な接合の在り方を精査することで,ごく日常的に用いられる「地域文化」表象を本質論から一度解放し,そこで得られた概念的知見を具体的な事例を通して検討することで,地域主義やナショナリズムに結びつくその構造的な枠組みと問題点を析出することを目的とする。<br><br>言い換えると,「地域文化」あるいはそこで措定される「地域なるもの」をめぐって交錯する諸表象と諸実践に焦点を当てて,それがなぜ「分節化(曖昧な状況からはっきりと形をとるようになること)」される必然があったかを問うことがそのねらいである。<br><br>その範囲として19世紀から今日にまで至るモダニティと資本主義の連関の追求を前提とする。その連関の発現であるテクノロジーの発展は,国家形態とも連動しているが,その端的な例が博覧会である。帝国主義ならびに植民地主義と博覧会は切っても切れない関係にある。地理的領土の拡大,地理的知識の蓄積,テクノロジーの発展競争等,スペクタクルな光景を現出させることによって,観客に国家的威信とその野望とを刷り込んでいったのである。また各種メディア・イベントや博覧会,博物館,展示会などが,多様な空間的スケールを表象させるその装置となった。そしてまさにここに地理思想として地域とアイデンティティの関係(愛国心,愛郷心,お国意識など)を問う理由があるものと考える。<br><br>第二次大戦後になると,高度経済成長期を経て,ポストモダニズムとも言われる大衆消費時代を迎える。1970年の大阪万博開催とともに始まった旧国鉄の「ディスカバー・ジャパン」キャンペーンのように,出郷者がノスタルジーを感じるよう「漠然としたローカルな風景」をポスター化し,従来観光地と目されなかった「ローカルな風景」をツーリズムの目的地として行く場合もあったし,アンノン族の発生と連動する形で,ファッショナブルな服装をまとった都会的な女性が「田舎」を旅するシーンをテレビで流すなど,従来の旅行形態とは大幅に異なるツーリズム・コンテンツを開発していった。知られているように,これらと雑誌メディアの関係については既に多くの業績がある。しかし,こうした変容がどういう風にして存立するようになったのか,そしてそれが自明化していったのか,その契機や道具立てないしは仕掛けにまで目配せした研究は少ない。これもまた文化史的問題であると同時に地理思想の問題でもあり,精査の必要がある。<br><br>また近年では「民俗」,「民芸」,「伝統」といった語で表象される観念やモノ,さらには生活様式ですらも,現地の宿屋や土産物屋であれ都市のセレクトショップや展示会であれ,あらたにヴァナキュラーなものを「商品化」し,カタログ化し,デザイン化することで消費の場を構築していく仕組みに包括されている。本研究では,使用価値が交換価値に変換されるという契機の文脈を抑えながら,F.ジェイムソン(1991)がいうところの後期資本主義の文化論理を精査し考察していくこととする。
著者
二階堂 友紀
出版者
岩波書店
雑誌
世界 (ISSN:05824532)
巻号頁・発行日
no.895, pp.167-172, 2017-05
著者
松﨑 隆司
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.21-24, 2015

サンセイランディック当社は1976 年に創業し、今年で創業40周年目をむかえる不動産会社である。バブル期までは仲介や賃貸をメイン事業とする不動産会社であったが、バブル崩壊後、景気に左右されにくいビジネスを模索する中で、底地を中心とする権利調整ビジネスを開始し、そのビジネスが現在の当社の主力事業となっている。昨年12 月に念願の東京証券取引所市場第一部への上場を果たし、2011 年12 月のJASDAQ 市場への上場から約3 年間で東証二部、東証一部へとステップアップした。また、今年1 月には新たに仙台支店を開設し、全国8 拠点で事業を行う。「中庸」「質実」「不断」の経営理念を軸に、「不動産権利調整のForerunner」「全てのステークホルダーとWIN-WIN-WIN の関係を目指す」を経営ビジョンとする。このビジョンが社名の由来ともなり、「すべてのステークホルダー」=「仕入れ先、販売先、当社」の3 つが輝き続けることを願って「三つの星」=「サンセイ(三星)」と称し、不動産事業を行うことから、この言葉に「Land(ランド)」の造語である「ランディック」を付け加え、サンセイランディックとした。主たる事業は、①.不動産販売事業 (サンセイランディック):旧借地法に基づく底地や居抜き物件等の権利調整を伴う不動産の仕入れおよび販売、と、②.建築事業 (One's Life ホーム):デザイナーズ注文住宅、デザイナーズリフォームの企画設計・施工および管理、の2 つである。以下それぞれを説明する。
著者
中尾 智三郎
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
日本鉱業会誌 (ISSN:03694194)
巻号頁・発行日
vol.72, no.822, pp.927-932, 1956-12-25 (Released:2011-07-13)
参考文献数
5

In this paper, some problems such as roasting, crushing, leaching of wolframite and the precipitation, of leached solution are treated. Some fundamental methods for the treating of scheelite are also presented. Though the efficiency of elimination of S and As is very important in the roasting process, it is also necessary to think about the relations between the roasting condition and pulverizing or solubility of elements in the ore. To the mechanism of crushing of wolframite, fundamental theory can he applied, but at the technical case mass effects must be discussed. The leaching efficiency of are depends mostly upon the grain size of are and the quantities of leaching reagents. Impurities in the are are also leached, and then crystallize out, but each impurity has essential beharior in such process. Scheelite can be refined by several technical methods. Decomposition with mineral acid is a ordinay method, but fusion or leaching with soda ash are very interesting methods.
著者
大北 桂 河野 祐治
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.421, pp.77-80, 2010-01

イタリア料理店のオーナーシェフを夢見てOLを辞め、東京・青山のイタリア料理店で修業。2007年4月、居抜き物件で、念願の店を開きました。メニューは、パスタを中心に、サラダやカルパッチョなどのつまみを用意し、本格焼酎などもそろえて、夜は飲みに来てもらうことも狙っています。
著者
宮崎 星夫 大久保 一彦
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.324, pp.70-73, 2003-02

三重県津市の郊外で13坪(42.9)、22席のラーメン店を経営しています。このエリアには無かった、とんこつしょう油がベースの太麺を使ったラーメンに着眼したところ、開店して5年たった現在も、売り上げが月400万円前後と好調です。そろそろ2号店、3号店を考え始め、昨年末には、車で4、5分の場所に、鉄板焼き店だった居抜き物件も購入しました。
出版者
信濃史料刊行会
巻号頁・発行日
vol.第13巻, 1976
著者
吉次 なぎ 阿部 真也 山本 佳世子
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.425-426, 2018-03-13

日本における自然災害の多さや昨今の国際情勢を鑑みるに, 避難経路の導出に適した手法の開発が必要である. しかし, 避難者が経路長や安全性を考慮して最適な避難先と避難経路を直感的に判断することは難しい. さらに, 非常時には避難場所や避難経路の環境が時々刻々と変化するため, 複数の避難先と避難経路を優先度付きで求める必要がある. 既存の経路探索アルゴリズムは始点と終点を結ぶ最短経路を導くが, 粘菌アルゴリズムは始点と終点を複数設定できる点, 複数の経路を同時に計算できる点で, 前者より優れている. 我々は, 地理情報システム(GIS)を用いて地理データを加工し, 粘菌アルゴリズムを用いた避難経路の導出手法を開発した.
著者
藤井 公一 宮武 諭 石山 正也 大木 基通 冨岡 秀人 加瀬 建一 小林 健二
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.10, pp.792-796, 2014-10-15 (Released:2015-03-12)
参考文献数
10

症例は70歳の男性。自宅で突然の胸背部痛を訴えた後,当院に救急搬送された。来院時,意識JCS 300,脈拍数49/分,血圧96/80mmHgであった。緊急で施行した心エコー検査にて心嚢液貯留を認めたためStanford A型急性大動脈解離(以下A型解離)による心タンポナーデの可能性が疑われた。気管挿管後に,患者は心肺停止したため心肺蘇生を開始し,2分後に自己心拍は再開した。しかし循環動態が不安定となったため心嚢穿刺を施行した。約10mLの血性心嚢液を吸引した後は,速やかに血圧が上昇し,その後循環動態は安定した。造影CT検査の結果,A型解離と診断が確定し,緊急手術(上行-弓部部分置換術)が施行された。第22病日にICUを退出したが,誤嚥性肺炎を併発し,第177病日に永眠された。A型解離に合併した心タンポナーデに対する心嚢穿刺は,手術待機の間に循環が維持できない場合には考慮すべきと考えられた。その際は,ドレナージ量を最小限にして,血圧を過度に上昇させないことが重要であると考えられる。
著者
松井 孝典 池野 優子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.II_73-II_82, 2011 (Released:2012-03-16)
参考文献数
33

本研究では,自然生態系と人間システムを包含する共生システムが適切な状態を築く,すなわち,自然生態系のストックである気候条件や環境物,植物群集,動物群集とそれに対する人々の感覚器の反応や活動系が良好な共起状態を持つことで,文化的生態系サービスが持続的に享受できるという仮説の基で,その生態系サービスを得るための共生システムの構造を解析することを目的としている.具体的には,この文化的生態系サービスを受け取った教師信号が内包されていると考えられる事例ベースの一例として小倉百人一首を選定し,生態系サービスを介した共生システムの概念モデルの構築,それに基づいたコンポーネントの出現に関するコーディング,および自己組織化マップと階層クラスタリングによる構造解析を行った.これにより,共生システムのデザインを支援するための7つの文化的生態系サービスの生成および享受の構造に関する知見を得るとともに,(1)全体的には環境物を視覚することを基礎としながら,(2)文化的生態系サービスの享受には,動植物を感知する際の気候条件や気象現象や人間システム側の活動モードとの相互作用が存在する可能性があること,(3)自然物そのものだけでなく,自然素材から成るプロダクトも文化的生態系サービスの生成および享受の要因となり得る可能性があることが示された.
著者
池田 悠稀 西村 悠貴 キム ヨンキュ 樋口 重和
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.69-74, 2016

The purpose of this study was to reveal the relation between the characteristics of emotional contagion and themirror system activity. Thirty-one university students participated in this experiment. Emotional vocalizations andvideo of hand reaching and grasping a cup were presented to the participants. Facial electromyography (EMG) asemotional contagion index was recorded while presenting emotional vocalizations. Mu rhythm desynchronization inelectroencephalogram (EEG) as mirror system activity index was recorded while presenting the video. The resultshows significant correlation between the activity of facial EMG and desynchronization of mu rhythm, suggesting aperson who is likely to be affected with emotional vocalizations also shows high mirror activity.