著者
堀内 成子 近藤 潤子 小山 真理子 木戸 ひとみ 大久保 功子 山本 卓二 岩澤 和子
出版者
Japan Academy of Nursing Science
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.8-17, 1990
被引用文献数
1 5

本研究は, 妊婦および褥婦の睡眠の主観的評価と睡眠ポリグラフ所見との間の関連性を明らかにすること, および妊婦各期と産褥早期の睡眠推移を明らかにすることを目的に終夜睡眠を分析した.<BR>妊婦11週~37週までの正常妊婦7例と, 産褥1週~7週までの正常褥婦4例を対象とし, 終夜睡眠をポリグラフ装置で連続3夜測定した. 睡眠段階はRechtshaffen & Kalesの判定基準を用いた. 対照群として健康な非妊期の女性4例を選び, 測定した.<BR>その結果, 主観的な睡眠深度経過では, 前半単相性パターンと前半多相性パターンとに分かれ, ポリグラフ所見との間に関係が認められた. 睡眠パラメータでは, 妊婦群が非妊婦群に比べて睡眠率が低く, 特に末期群では眠りが浅くなっていた. 産褥早期には, 妊娠末期よりさらに睡眠率が低かったが, 妊婦末期に比べて%S4は増加の傾向が認められた.
著者
篠原 俊明 小城原 舞 渕上 京花 平井 大樹 篠崎 智歩 小島 絵梨香 齊藤 怜汰
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.89-96, 2020-03-31 (Released:2020-05-21)

本研究は、女子大学生を対象に会場でのスポーツ観戦状況と会場でのスポーツ観戦阻害要因との関係を捉えることを目的とした。 そのため、会場でのスポーツ観戦阻害要因尺度の作成を試みた。その結果、「無関心」「環境的制限」「人的欠如」「メディアの影響」から成る16項目4因子構造となり、信頼性も確認された。 次に会場でのスポーツ観戦状況をもとに対象者を「無関心者」、「潜在観戦者」、「観戦者」の3つに分類し、比較した。「阻害要因」は、無関心者は潜在観戦者、観戦者より有意に高値であった。下位尺度では、「環境的制限」には有意差がなく、女子大学生には距離や時間が阻害要因にならないことが明らかとなった。 「無関心」では、無関心者の値が潜在観戦者、観戦者より有意に高く、会場での観戦を考えてない者は、会場での観戦に関心を持たないことが明らかとなった。「人的欠如」および「メディアの影響」においても有意差が確認された。
著者
平澤 美恵子 新道 幸恵 内藤 洋子 佐々木 和子 熊沢 美奈好 松岡 恵
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.21-31, 1988

助産婦の新卒者が助産婦としての能力に習熟する過程と, その過程に影響する要因を明らかにする目的で, 国立および公的助産婦学校3校の卒業生92名を対象に, 妊産婦へのケア能力を中心に, 1年間追跡調査した。<BR>対象の平均年齢は23.5歳, 看護婦歴のあるものは34.7%, その平均職歴は2.6年, 200~999床の病産院に勤務したものが過半数である。対象者の大半が妊産婦ケア能力の到達状況がよくなるのは就後1年時である。新生児の仮死蘇生術やハイリスク新生児の看護は、1年時になっても未経験者が多い。<BR>仕事ぶりに満足という意識をもつ人の割合は経時的に増加し, それとともに, その意識に相関する妊産婦ケア能力の項目が増加している。職場の人間関係に関する意識にも能力の到達状況と相関が認められた。その意識のうち, ケア能力の到達項目の多くと相関がみられたのは, 1か月時には職場の雰囲気がよい, 6か月時には職員の意見交換が多い, である。
著者
荒井 研介 高橋 由雅
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第26回全国大会(2012)
巻号頁・発行日
pp.3D2R133, 2012 (Released:2018-07-30)

本研究室では、分子構造情報の表現手段の一つとして、分子グラフを符号化し、符号列から楽譜を生成し、MIDI音源を利用して演奏する「分子ミュージック」の研究を進めている。従来手法では、構造が類似しているにもかかわらず、生成される楽譜に大きな違いが生じる場合があり、音楽的にも不安定なものとなっていた。そこで、分子グラフの骨格毎に明確な違いを表現し、音楽理論を反映した楽譜生成アルゴリズムを提案する。
著者
貝沼 やす子
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.487-493, 2008-10-15
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

精白米を10℃,-20℃,-40℃,-60℃に6ケ月間保存したところ,いずれの保存温度においても保存中に水分は変動しなかった.米への吸水は,10℃に保存した場合,保存期間が長くなるに連れ減少し,6ケ月後には顕著に低い吸水率となった.-20℃,-40℃と保存温度が低くなるにつれて0ケ月との差は小さくなり,-60℃保存は最も差が小さかった.0ケ月との差は浸漬の最初の段階で顕著に現れ,表層部に生じた古米化現象による影響であると考えられた.吸水後の米粒の硬度は,-60℃保存は0ケ月と変わっていなかったが,-40℃,-20℃保存はわずかに差が生じ,10℃保存については大きな差が見られ,いずれも硬く変化していた.浸漬液に溶出した還元糖量は10℃,-20℃,-40℃保存では,保存期間が長くなるにつれて減少したが,-60℃保存では溶出する還元糖に変化が見られず,酵素の活性が維持されていると考えられた.<BR>米飯の破断強度測定,テクスチャー測定では,保存期間が長くなると0ケ月と比較してかたく,付着性が少ない米飯となり,保存により米飯の物性が変化した.この変化は10℃保存の米飯で顕著であった.-20℃,-40℃と温度が低下するにつれて変化は小さくなり,-60℃保存では0ケ月の米飯の物性とほぼ同じ状態であった.官能検査においても,保存温度が最も低い-60℃保存の米で炊飯した米飯は10℃保存の米飯に比較して,有意に粘りがあり,やわらかいと評価され,総合評価においても有意に好まれた.
著者
鶴田 華子 清水 一行 村上 武 鎌田 康寛 渡邉 英雄
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.85, no.6, pp.239-246, 2021-06-01 (Released:2021-05-25)
参考文献数
17
被引用文献数
1

The plan-view and cross-sectional microstructures of SUS304 steel irradiated by gallium focused-ion beam were investigated using electron backscatter diffraction and energy dispersive X-ray spectroscopy. Structural phase transformation and gallium implantation were confirmed in the region of irradiated austenite grains. The amount of bcc phase and gallium concentration increased with increasing irradiation dose, which suggests that gallium implantation plays an important role as a ferrite stabilizer and also the source of stress effect. Crystallographic orientation relationships between bcc phase and austenite matrix were analyzed by considering the angular deviation between closed-packed planes and closed-packed directions. Differences in transformation behaviors between (001) and (111) austenite grains were discussed from the view-points of fcc-bcc interface structures.
著者
杉浦 賢吉 上坂 浩之
出版者
日本計量生物学会
雑誌
計量生物学 (ISSN:09184430)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.33-52, 2008-07-01
参考文献数
13

Adaptive design is one of the most active research areas in clinical statistics for the last decade. This paper will give an introduction to the theory of two stage adaptive designs based on the pioneering articles by Bauer and Kohne (1994) and Proschan and Hunsberger (1995). As an application of Bauer and Kohne method, Bauer and Kiser method for two stage adaptive dose selection procedure in a dose response study is illustrated. Two actual examples of a confirmatory two treatments trial and a dose response study are briefly given.
著者
岩尾 裕之
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.125-128, 1974-09-10 (Released:2013-04-26)
参考文献数
19
被引用文献数
1
著者
北村 潔和
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.127-133, 1986-06-01
被引用文献数
1 1

筋持久力トレーニングが,安静時,作業中,回復期の血流量に及ぼす影響を検討した. 筋持久力トレーニングは,3週間とし1日1回最大筋力の30%の負荷を60回/分のテンポに合わせて,1cmの高さに疲労困憊まで持ち上げることによって行わせた. 筋持久力作業は,ハンドエルゴメーターを用いて,前腕血流量(安静時,作業中,回復期)の測定は,水銀ラバーストレインゲージプレチスモグラフ法を用いて行った. 筋持久力は,3週間のトレーニングによって約171.6%増大した(P<0.001). 安静時血流量は,トレーニングによって有意な変化を示さなかった. 作業中最高血流量(P<0.01),作業終了直前血流量(p<0.05),作業終了直後血流量(p<0.05)は,トレーニングによって有意に増大した. また,トレーニング3週間目の作業中血流量は,トレーニング前に比べて作業開始直後から高い値を示した. 以上の結果は,これまでに報告されている筋持久力トレーニング効果の結果を確認し,さらに,作業中血流量がトレーニングによって増大することを明らかにしたものと考えられる.
著者
山腰 修三
出版者
慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所
雑誌
メディア・コミュニケーション : 慶応義塾大学メディア・コミュニケーション研究所紀要 (ISSN:13441094)
巻号頁・発行日
no.71, pp.1-14, 2021-03

1 問題の所在2 フェイクニュースとポスト真実3 「ポスト真実の政治」をめぐるメディア研究4 日本における「ポスト真実の政治」の分析に向けて特集1 : 現代民主主義におけるマス・コミュニケーション
著者
豊田 義博
出版者
株式会社 リクルート リクルートワークス研究所
雑誌
研究紀要 Works Review (ISSN:24350699)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.1-14, 2010 (Released:2019-12-12)

就職活動を満足する結果で終えた大卒者が,入社後に挫折・迷走するケースが増えている。その要因として,大学生時代に形成される「自分探し志向」に着目し,若手社会人へのリサーチを行った。その結果,「フィット志向」「ゴール志向」が高いほど,現在の仕事満足度・自我アイデンティティ確立が低くなる傾向が観測された。また,この傾向は,「自己信頼」「不信」の双方が高い群に,顕著であった。
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.898, pp.8-11, 1997-07-07

RVのヒットで快走を続けてきた本田技研工業の国内販売に,黄信号が点った。好調の裏側で進まなかった販売改革。今後の経営課題はここにある。昨年『ホンダ神話教祖のなき後で』で大宅賞受賞の佐藤正明氏がリポートする。1996年度の決算を発表した5月20日,社長・川本信彦の顔から笑みが絶えることがなかった。
著者
作本 彰久 新井 英彦
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.570-579, 1985-10-15 (Released:2010-07-21)
参考文献数
36
被引用文献数
1 1
著者
伊藤 葉子 鶴田 敦子 片岡 洋子 高野 俊 宮下 理恵子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.9, 2009

<B>目的</B><BR>家庭科の女子のみ履修に抗して、家庭科の男女共学の実践に取り組んだ「源流」は京都府(1963年1校開始、1974年全面共修実施)の教師達であった。本研究では、ほぼ同時代(1970年代)に長野県の高校において、同じく自主編成の教育課程として男女共学家庭科の実現を導いた元家庭科教師たち5人のライフヒストリー研究に取り組む。元家庭科教師たちのライフヒストリーから、それぞれの人となりとその活動を明らかにしながら、なぜ各自が男女共学家庭科の実現に取り組んだのか、どのように男女共学実現を果たしていったのかを考察していく。また、その授業づくりにはどのような特徴がみられるのかを検討する。<BR><B>方法</B><BR>1960-70年代に長野県において男女共学家庭科の実現に関与した元家庭科教師5名に対して、一人約2時間のインタビュー調査を実施し、スクリプトを作成し、分析・考察を行った。この方法を用いることで、教師の価値観や動機および周囲の状況に対する理解が、その教師の実践にどのような影響を及ぼしたかを探求することが可能になる。加えて、同種の集団(ここでは、男女共学に取り組んだ教師たち)に属する複数のライフヒストリーは、互いに補い合うことができることから、個人史を超えて、社会状況の中での考察を可能にするものである。<BR><B>分析・考察</B><BR> <B>1</B> 当時の家庭科教育への疑問<BR>(1) 元家庭科教師たちは、その成長過程における家庭・社会環境の複合的な影響により、精神的な自立・自律心や、批判的に思考できる力を育くんでいった。これには、戦前からの伝統的性別役割観に基づいた女性の進路・進学の閉塞性への反発や、戦中・戦後の激動を中国で過ごした際の、差別と被差別の双方をみた経験に基づく、平等への志向が根底にあった。<BR>(2) この批判的思考力が、女子だけの家庭科履修や生徒たちの生活現実から遊離した当時の家庭科の教育内容への疑問につながっていった。<BR><B>2</B> 教師たちの学び合いと授業づくり<BR>(1) 元教師たちは、自主的な学習会や地域および全県的な研究会で出会い、個々に有してきた上記の疑問を、互いの学び合いの中で、単なる疑問から授業の創造の段階へと移行させ、自主編成の指導資料を作成するまでに至った。<BR>(2) 元教師たちの授業づくりには、大きく二つの特徴がみられた。一つは、女性への道徳教育の色合いが濃い、理論を有しない非科学的な家庭科の教育内容からの脱皮と、生徒の生活現実から出発し生活に帰結する家庭科の授業の創造である。<BR>(3) 個々の元教師たちの実践を支えたのは、家庭科を学びたいという男子学生の存在と、実際に男女共学を授業のなかで進める中で感じた手応えであった。<BR><B>3</B> 元教師達の根底にある教育観等<BR>(1) 男女共学家庭科の実現は、教師は教科書に書かれている知識・技術の伝達者であるという考え方から、教師が授業の創り手であるという考え方の転換だと捉えられる。<BR>(2) 家庭科の男女共学実現のための元教師たちの活動は、戦後の民主的な家庭を目指した男女平等実現への運動という側面と、家庭科が科学的理論体系を備えた教科となるための教科論の探求という側面を持っていると考えられる。<BR>
著者
竹内則三郎 編
出版者
興信会
巻号頁・発行日
vol.明治45年7月編纂, 1912