著者
柳原 清子 Yanagihara Kiyoko
出版者
Wellness and Health Care Society
雑誌
Journal of wellness and health care = Journal of wellness and health care (ISSN:24341509)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.1-7, 2020-08-03

"House/home" and "family" have become keywords once again during the current outbreak of COVID-19. Expectations are placed on "relationships" and "bonds" as well as "family nursing," which supports the resilience of the family to emerge from the crisis. This article describes what family nursing is, what kind of support it provides, and the latest family nursing practices. At the core of family nursing lies "family systems theory," according to which the family is a system, and patients, family members and health care providers are mutually influential members of an environmental system. Family nursing practice consists of taking an overview of individuals (patients), families, and society (the setting for healthcare) through systems thinking, and making adjustments to the system using circular communication. Recently, in medical fields including home care, conflict has frequently arisen between medical staff and the family; often, there is also intra-family conflict due to the reduced ability of the family to cope. A solution-oriented approach is effective in coordinating between health care providers and family members, and between family members themselves, including support in decision-making. The "Watanabe-style" family assessment/support model is based on this solution-oriented approach. The Watanabe-style assessment/support process involves: (1) narrowing down the goals to be solved "here and now" and the target people to approach, (2) grasping the context of each person, (3) distinguishing vicious circles from interactions, and (4) coordinating relationships through circular communication aimed at breaking the vicious circles. In family nursing in the age of COVID-19, it is important to provide support with a systematic and solution-oriented approach that enables the family to respond to environmental threats.
著者
Hiroshi Fujikawa
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.37-43, 2021-04-25 (Released:2021-04-22)
参考文献数
29

Microbial risk assessment in food safety is a valuable tool to reduce the risks of infection by pathogens. The dose-response relation is aimed to establish the relationship between the dose of a pathogen that populations are exposed to and the probability of the adverse health effect by the pathogen. Among many dose–response models ever proposed, the exponential and beta-Poisson models have been internationally applied, but the decision on which model is selected between them solely depends on the goodness of fit to specific data sets. On the other hands, the log-logistic model, one of the alternative models, has been little studied on the dose–response relation. In the present study, thus, the application of the log-logistic model to dose–response relation was studied with hypothetical and experimental data sets of infection (or death), comparing to the above two models. Here the experimental data sets were for pathogenic organisms such as pathogenic Escherichia coli, Listeria monocytogenes, and Cryptosporidium pavrum. Consequently, this model successfully fit to those data sets in comparison to the two models. These results suggested that log-logistic model would have the potential to apply to the dose–response relation, similar to the exponential and beta-Poisson models.
著者
小川 麻萌 岩越 景子 中嶋 順一 髙橋 夏生 坂牧 成恵 小林 千種
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.51-55, 2021-04-25 (Released:2021-04-22)
参考文献数
12

臭素化植物油(Brominated Vegetable Oil:以下BVOとする)の分析において,前処理として知られるメチル化について,その反応効率を算出する場合に有用と考えられた1H-NMRの適用性について検証した.検討の結果,BVOをメチル化した際,未反応物の構造に由来するメチン基と生成物の構造に特徴的なメチル基,およびおのおののプロトン数とそのシグナル積分比を用いて1H-NMRにより簡便にBVOのメチル化効率を算出することができた.また,1H-NMRのシグナルおよびGC上のピーク面積の経時変化から,計算により得られた結果とGCで定量した結果は相対的にほぼ一致していた.したがって,BVOのメチル化効率を算出する際に1H-NMRを適用することは有効であることが判明した.
著者
遠藤 明仁 加登 麻子 柳澤 成江 田中 寿一 市川 真里 柴崎 鮎美 川井 泰 増田 哲也
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.44-50, 2021-04-25 (Released:2021-04-22)
参考文献数
20

わが国は乳・乳製品のうち生乳のみを動物検疫の対象としていたが,2017年11月から新たに乳・乳製品の輸入検疫を開始した.口蹄疫発生地域から輸入する場合,ウイルス不活化のため72℃ 15秒の加熱処理等が求められ,輸入検査では一部の現物で加熱履歴を確認する.乳の加熱履歴確認は,IDF63等に準拠したアルカリホスファターゼ(ALP)活性測定法が有効だが,手順が煩雑で時間を要す.そこで,ALPの反応により生成された蛍光物質量を簡易迅速に測定する手法を基に測定を試みた.種々の条件で加熱したウシ,ヒツジ,ヤギの乳と各種乳製品を供試し,各動物種乳において72℃ 15秒とほぼ同等の加熱でALPが失活することを確認した.今回確立した方法は,IDF63等より簡易で,少量かつ短時間での測定が可能であった.また,材料を懸濁することで各乳製品の加熱履歴確認も可能であった.
著者
井上 薫 重田 善之 梅村 隆志 西浦 博 広瀬 明彦
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.56-64, 2021-04-25 (Released:2021-04-22)
参考文献数
19

本研究では,5種の毒性試験事例から得たさまざまな病理組織学的所見の発生頻度データに実際にベンチマークドーズ(BMD)法を適用し,本法を発生頻度データに適用する際の留意点をまとめた.事例検討の結果,重要な所見について,毒性学的意義や用量相関性等が担保できれば,病変の程度毎に発生頻度データがある場合はある程度以上の発生頻度に対して,あるいは重症度が高い続発性病変ではなく,より毒性学的意義があると判断された前段階の病変の発生頻度データに対して,BMD法を適用することは妥当であることが確認された.また,BMD法を適用する必要性が高く,入手した個別所見の発生頻度データでは毒性学的にも統計学的にも妥当な計算結果を得られない場合は,可能であれば個体別の病理組織学的検査データまで遡り,新たに求めた総括的な所見名(診断名)に対する発生頻度データに基づきBMD法適用を試みることを提言した.BMD法適用の際は,必ず毒性病理学,毒性学,統計学の専門家が本法適用の対象となる所見やその発生頻度と計算結果を分析し,可能な限り統計学的にも毒性学的にも妥当な適用となるよう議論する必要がある.
著者
酒井 真理 藤本 尚弘 石井 克典 浅野 智之 村田 勲 中村 浩之 李 千萬 金田 安史 粟津 邦男
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.676, 2009

ホウ素中性子捕獲療法(BNCT)とは腫瘍に取り込ませたホウ素に対して中性子を照射し、そこから放出されるα線やLi線によって腫瘍細胞のみを死滅させることのできる治療法である。現在BNCTは原子炉で行われており、これを加速器中性子源によって行えるようにする必要がある。本研究ではそのための細胞レベルでの基礎検討を行った。

1 0 0 0 時事世界

出版者
時事世界社
巻号頁・発行日
0000
著者
田中 浩基 矢島 暁 筒井 裕士 佐藤 岳実 小野 公二 高田 真志 浅野 智之 櫻井 良憲 丸橋 晃 鈴木 実 増永 慎一郎 菓子野 元郎 劉 勇 木梨 友子 密本 俊典
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.128, 2010

京都大学原子炉実験所では硼素中性子捕捉療法用のサイクロトロン加速器を用いた熱外中性子源の開発を行っている。実機のインストールを平成20年10月に完了し、平成21年3月に施設検査合格、中性子発生試験を開始した。陽子電流は1mAを達成し、熱外中性子強度1×10<SUP>9</SUP>(n/cm<SUP>2</SUP>/s)を実験的に確認した。これまで原子炉で行ってきた臨床試験の中性子強度よりも高い熱外中性子束を得ることができた。
著者
安井 眞奈美 中本 剛二 遠藤 誠之 倉田 誠 松岡 悦子 澤野 美智子 伏見 裕子 木村 正
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究の概要は、現代の妊娠・出産・産後を危機的状況にあると捉え、医療、女性の身体、子供の命といったさまざまな切り口から、妊娠・出産・産後の現状を総合的に解明することである。現状を変えていくための処方箋を提示する、緊急を要した実践・応用人類学の研究と位置づけられる。現代の妊娠・出産・産後の現状をインタビューも含めた文化人類学の参与観察によって解明し、エスノグラフィーを作成する点に特徴がある。
著者
藤岡 周助 岡 香織 河村 佳見 菰原 義弘 中條 岳志 山村 祐紀 大岩 祐基 須藤 洋一 小巻 翔平 大豆生田 夏子 櫻井 智子 清水 厚志 坊農 秀雅 富澤 一仁 山本 拓也 山田 泰広 押海 裕之 三浦 恭子
雑誌
日本薬学会第141年会(広島)
巻号頁・発行日
2021-02-01

【背景と目的】ハダカデバネズミ (Naked mole rat、 NMR) は、発がん率が非常に低い、最長寿の齧歯類である。これまでに長期の観察研究から自然発生腫瘍をほとんど形成しないことが報告されている一方、人為的な発がん誘導による腫瘍形成に抵抗性を持つかは明らかになっていない。これまでにNMRの細胞自律的な発がん耐性を示唆する機構が複数提唱されてきた。しかし、最近それとは矛盾した結果も報告されるなど、本当にNMRが強い細胞自律的な発がん耐性を持つのかは議論の的となっている。さらに腫瘍形成は、生体内で生じる炎症などの複雑な細胞間相互作用によって制御されるにも関わらず、これまでNMRの生体内におけるがん耐性機構については全く解析が行われていない。そこで、新規のNMRのがん耐性機構を明らかにするため、個体に発がん促進的な刺激を加えることで、生体内の微小環境の動態を含めたNMR特異的ながん抑制性の応答を同定し、その機構を解明することとした。【結果・考察】NMRが実験的な発がん誘導に抵抗性を持つかを明らかにするため、個体に対して発がん剤を投与した結果、NMRは132週の観察の間に1個体も腫瘍形成を認めておらず、NMRが特に並外れた発がん耐性を持つことを実験的に証明することができた。NMRの発がん耐性機構を解明するために、発がん促進的な炎症の指標の一つである免疫細胞の浸潤を評価した結果、マウスでは発がん促進的な刺激により強い免疫細胞の浸潤が引き起こされたが、NMRでは免疫細胞が有意に増加するものの絶対数の変化は微小であった。炎症経路に関与する遺伝子発現変化に着目し網羅的な遺伝子解析を行なった結果、NMRがNecroptosis経路に必須な遺伝子であるRIPK3とMLKLの機能喪失型変異により、Necroptosis誘導能を欠損していることを明らかにした。【結論】本研究では、NMRが化学発がん物質を用いた2種類の実験的な発がん誘導に並外れた耐性を持つこと、その耐性メカニズムの一端としてがん促進的な炎症応答の減弱が寄与すること、またその一因としてNecroptosis経路のマスターレギュレーターであるRIPK3とMLKLの機能喪失型変異によるNecrotpsosis誘導能の喪失を明らかにした。
著者
上原 幸樹
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.60-62, 2020

近年,他の放射線治療とは異なる仕組みを利用したホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy:BNCT)という新たながんの放射線治療が注目されつつある.この新たな治療法は,同位体濃縮されたホウ素を用いた薬剤と加速器を用いて発生させる中性子を組み合わせることで細胞選択的な治療となり得る.弊社は、ホウ素薬剤の開発を通してBNCTの早期実用化を目指している.
著者
吉良 いずみ
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.90-97, 2012-04-20 (Released:2016-07-08)
参考文献数
75

グリセリン浣腸は,近年実施に伴う有害事象の要因や技術の根拠を問い直す動きがある.日本におけるグリセリン浣腸の研究内容の動向を知り,現状の課題と今後の展望について検討する必要があると考え文献検討を行った.医学中央雑誌 web版 1983~2011年で「 (浣腸 andグリセリン) or (グリセリン浣腸) 」として検索した結果 62文献が得られた.研究内容と年代別の動向を検討したところ,グリセリン浣腸実施場面には「基礎教育における技術演習」「検査前処置」「実験室」「術前処置」「治療」「分娩前処置」「便通調整」「臨床現場」があった.また,有害事象の要因やグリセリンの作用機序に関する研究が進められ,実施方法や看護技術テキストの記載内容,安全な実施方法も継続して検討されていた.グリセリン浣腸は実施の必要性が検討され実施数が減少し他の方法に代替される傾向があるが,安全な実施方法や有用性は早急に提示される必要がある.
著者
佐藤 徹也 焦 玉栄 今泉 洋 狩野 直樹
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.215-219, 2011 (Released:2011-05-28)
参考文献数
8

水素の放射性同位体であるトリチウム(T)はプロチウム(H)と化学的挙動が類似しており,トレーサとして用いられている。一つの応用例として,無機結晶中の結晶水の挙動を明らかにするためにこの方法を適用した。用いた試料は硫酸銅五水和物である。この化合物をT標識し,これを脱水することで結晶水の脱離の情報を得た。その結果,得られた観測値を基に物質量と比放射能の挙動とを相互比較した結果,以下のことが明らかになった。(1)用いたT濃度の範囲では,加えたHTO水のT濃度は結晶水全体の挙動に影響を与えない。(2)硫酸銅五水和物は3種類のエネルギー的に異なる結晶水を持つことをTトレーサ法で確認できる。(3)結晶水のT濃度は配位する位置によって異なり,HTO分子は結合力の弱い位置には配位しにくい。(4)Tトレーサ法が物質中の結晶水の挙動を解明するのに役立つ。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.573, pp.47-53, 2002-06

国土交通省は2002年4月5日,乗用車の安全性能に関する評価試験の結果である「平成13年度自動車アセスメント」を公表した。 今年度,衝突試験の対象となったのは7社26車種。そのうち,日産自動車のスポーツセダン「スカイライン」とトヨタ自動車の高級セダン「ウィンダム」,ミニバン「イプサム」が運転席,助手席ともに最高評価の六つ星を獲得した(図1)。