著者
清水 謙祐 鳥原 康治 中山 明峰 福留 真二 佐藤 伸矢 東野 哲也
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.96-102, 2012 (Released:2012-06-01)
参考文献数
14
被引用文献数
2 1

We report herein on psychiatric comorbidity in patients with dizziness in a psychiatric hospital with an otolaryngologist. Psychiatric comorbidity was revealed in 270 (68.9%) of 392 patients with dizziness. Of 270 patients with dizziness and psychiatric comorbidity, anxiety disorders were revealed in 149 (55.2%), mood disorders in 36 (13.3%), somatoform disorders in 5 (1.9%) and adjustment disorders or post-traumatic stress disorder in 15 (5.5%) but in addition organic mental disorders were also seen in 21 (7.8%) and schizophrenia in 15 (5.6%). Phobic postural vertigo was diagnosed in 30 (7.7%). These patients were not only treated by otolaryngologists, but also received psychiatric therapy or were prescribed psychotropic drugs. We believe that cooperation between psychiatrists and otolaryngologists in hospitals or regions can improve the mental condition and quality of life in patients suffering from dizziness with psychiatric comorbidity.
著者
中沢 陽介 馬 信貞 李 蕾 塚越 徳子 大坪 充恵 天野 聡 舛田 勇二 中山 泰一
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.197-200, 2009-09-20 (Released:2011-12-09)
参考文献数
6

中国人女性の多くは目まわりの美容意識が高く,目袋の目立ちに悩んでいる。本研究では,中国人女性における目袋の実態および目袋の皮膚生理学的な特徴を明らかにすることを目的とした。目袋に悩む中国人女性を対象とし,目の下のたるみ,くま,しわなどの程度を視感評価した。さらに,画像解析によるヘモグロビン量とメラニン量の定量およびCutometerによる皮膚粘弾性の計測を行った。視感判定での目袋の目立ちは,下瞼のたるみや硬さとの相関がみられた。ヘモグロビン量は頬部よりも目の下で多く,目袋部位がうっ血している可能性が示された。くま部位では頬部と比較してメラニン量が高値を示した。皮膚粘弾性は目の下で低く,皮膚のハリが失われている可能性が示された。以上の結果から,中国人女性における目袋の悩みは,目の下の皮膚が形態学的に弛む現象に加え,うっ血や色素沈着などが影響している可能性が示された。
著者
一戸 正勝
出版者
Japanese Society of Mycotoxicology
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.40, pp.11-14, 1994-12-31 (Released:2009-08-04)
参考文献数
14

穀類に着生してカビ毒汚染をもたらす菌類にはムギ類,トウモロコシの赤かび病にみられるような収穫前の圃場における植物病原菌に区分されるものと,米粒の収穫後の貯蔵,輸送時に発生する病変米の原因になるような貯蔵性菌類に区分されるものとがある.圃場におけるイネ病原菌がカビ毒汚染に関与したと想定される例は1950年代に発生した赤かび被害米粒の摂取による食中毒事件以外にはない.食品衛生学の歴史のうえで米(米粒)に着生するカビが問題視されたことは第二次世界大戦以前からあったが,社会問題にまでなり,その後の我が国のカビ毒研究の発端となったのは貯蔵性菌類による黄変米事件である. 1993年の東日本を中心とする異常気象によるイネの大冷害は外国産米の緊急輸入という事態をもたらし,その安全性をめぐって新聞,テレビをおおいに賑わしたのは黄変米以来のことである. そこで,これまでの我が国における米のカビに関する研究の歴史を概観することにより,それらの研究成果から学ぶことの多いことを期待すると共に,現在の輸入米,国産米のカビおよびカビ毒の問題にいかに対処すべきか考えたい.
著者
山本 泰智 山口 敦子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.1K2J403, 2019

<p>我々はUmaka-Yummy Dataという生命科学分野のLinked Dataを提供するSPARQLエンドポイントの評価システムを構築し、結果を公開している。その目的は、より良いLinked Data利用基盤を構築することであり、そのためには、Linked Data提供者と利用者の相互理解を促すことが必要と考えているからである。SPARQLエンドポイントの評価は稼働率など6つの観点から行い、100点満点の数値化したUmaka Scoreとしている。これまで3年間の運用を経験し、Linked Data提供者から様々な意見や質問を得ている。本論文ではこれらの意見や質問を議論し、上述のより良いLinked Data利用基盤を構築するために必要な事項をまとめた。その結果、Linked Data提供者と利用者の間の相互理解を促すのに先立ち、信頼できる評価を提供するために、Linked Data提供者と我々の間の信頼関係の構築が重要であることが分かった。</p>
著者
織部 元廣 永野 修司 立川 裕史 塚川 博志
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.24-30, 2007

&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;We evaluated the effects of fasting on symptoms in 15 fibromyalgia syndrome (FMS) patients and 6 rheumatoid arthritis (RA) patients over 10 days in an open, non-randomized, controlled study. The results revealed significantly greater improvement (p<0.05) in the visual analogue scale (VAS) of pain in the 13 out of 15 FMS patients who completed the fasting versus the 6 RA patients in the10 days duration.<br>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Both groups reduced in body weight with a significant average loss of 5 kg (p<0.01) respectively. The appearance of Ketone bodies in urine did not seem to affect the level of pain reduction. Obviously, the VAS score of the RA group showed a different pattern in the10days duration compared to the FMS group.<br>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;The RA group showed a relatively "straight line pattern". That is within the10 days, relatively insignificant fluctuation in the VAS was observed within the entire group. On the other hand, almost every one in the FMS group showed a "fluctuated line pattern" of aggravation, and after that the VAS score rapidly decreased. As a marked decrease in the VAS score occurred when starvation appeared, it suggested the sensation of starvation played an important role in the disappearance of bodily pains with the FMS group.<br>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;It is therefore concluded that fasting therapy has a beneficial effect on FMS symptoms, as compared to the insignificant effect on RA symptoms, at least in a short period such as 10 days.
著者
豊村 暁
出版者
東京電機大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では発声や歩行などの運動制御に着目して研究を行った.(1)流暢性促進法を吃音(どもること)に用いた場合,運動制御一般にとって重要な部位とされる大脳基底核が,流暢性促進条件では活性が上昇することをfMRI実験により明らかにした.(2)歩行制御に関して,内的なタイミング生成の場合,大脳基底核が重要であることを示した.(3)実際の発声の音圧と,聴覚フィードバックを経由した発声音声知覚のラウドネスの関係を調べたところ,発声の音圧増加に比べて,聴覚フィードバック音声知覚の増加が大きいことが分かった.

1 0 0 0 學生評論

出版者
白石書店
巻号頁・発行日
1936
著者
妻鹿 絢子 三橋 富子 藤木 澄子 荒川 信彦
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.79-82, 1983-02-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
9

市川らの報告をもとに, ショウガ根茎からショウガプロテアーゼを抽出, 精製し, そのプロテアーゼ活性の比較を行った.その結果, ショウガ搾汁, 酵素抽出液, 粗酵素液, 精製酵素B, 精製酵素Aの順にカゼイン分解物が増加し, 酵素の精製が進んだことが確認された.これら各精製段階のショウガプロテアーゼをpH5.037℃において, 筋原繊維蛋白質に対して3%になるように添加して作用させた.ショウガ搾汁を作用させた場合には, 反応時間60分におけるミオシン分解率は35.8%であったが, 最も蛋白分解力の強い精製酵素Aを作用させた場合には, 反応時間60分で62.3%におよぶミオシン分解率を示した.
著者
金平 隆史 野長瀬 裕二 野田 博行
出版者
科学・技術研究会
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.19-24, 2017

本研究では、これまでほとんど研究されて来なかった二次下請け、一次下請けおよびセットメーカーの三者間の産業財マーケティングについて、二次下請け企業が両顧客の購買行動を把握しタイムリーな情報活動を行う手法を、事例研究により検討した。購買行動モデルとして、 Shethモデルを三者間関係に拡張したものとそれと関連する情報活動モデルを提案し、X社の一般照明事業を例に購買行動を分析した。その結果、両顧客での採用に向けて、一次下請けの期待形成フェーズ突破が重要なステップである事が判った。また、一次下請けの電気と光学の両技術知識を持つ担当エンジニアの存在は、一次下請け社内の調整力、セットメーカーとの調整力、の両面で二次下請けに有益である可能性を示唆した。さらに、提案や情報提供によりコンフリクト解消した8案件の存在は、コンフリクト解消フェーズにおける情報活動の重要性を示唆した。

1 0 0 0 新田氏研究

著者
藤田 精一
出版者
東京帝国大学
巻号頁・発行日
1938

博士論文
著者
加藤 欣也
出版者
日本眼光学学会
雑誌
視覚の科学 (ISSN:09168273)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.40-44, 2015 (Released:2015-12-09)
参考文献数
3

収差は理想結像からのずれである。理想結像は次の3条件を満たす。  1)点物体は点像を形成する。  2)光軸に垂直な平面物体は平面に結像する。  3)光軸に垂直な平面図形の像はそれと相似な図形となる。  収差には単色収差と色収差の2種類ある。球面収差,コマ収差,非点収差によって像がぼけ,像面湾曲と歪曲収差によって図形の像は歪む。これらはザイデル収差と呼ばれ,単色収差である。  色収差は媒質の屈折率が波長の関数になるため生ずる。色収差には軸上色収差と倍率色収差の2種類ある。  正弦条件は収差ではないが,コマ収差をなくすためにレンズにとって非常に重要である。それは,β=n1sin u1/(n2sin u2)ここで,βは横倍率,n1,u1とn2,u2はそれぞれ物空間,像空間における,屈折率と光線の傾き角である。
著者
冨田 健一 内藤 仁美 永山 智貴 木村 篤史 松本 和久 勝見 泰和
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.521, 2003 (Released:2004-03-19)

【はじめに】不慣れな運動後1から3日後に出現する筋肉の疼痛を遅発性筋痛(Delayed onset muscle soreness;以下DOMS)という。これまでDOMSに対しストレッチや物理療法など、様々な治療法の効果がVisual Analogue Scale(以下VAS)等の疼痛評価スケール、圧痛、血液データを用いて検討されているが、著明な治療効果は認められていない。とりわけストレッチング(以下ストレッチ)の効果については否定的な意見が多い。今回我々はDOMSモデルを作成しストレッチの効果を関節可動域(以下角度)及びVASを指標として検討したので報告する。【対象および方法】健康成人10名を対象に、5ヶ月以上あけて対照群、ストレッチ群(以下施行群)の両方を行う事とし、無作為に最初にどちらを行うかを分けた。DOMSモデルは等速性運動機器を用い、前腕伸筋群に対しピークトルクの80%の強度で遠心性収縮の運動負荷を、30回×3セット加え作成した。ストレッチ方法は自動介助運動により前腕伸筋群に適度な伸張感を感じるまで手関節掌屈位をとる1分間の静的ストレッチとし、運動直前直後に1回、各疼痛測定までに合計10回のストレッチを施行させた。角度及びVASの評価は運動負荷前、ストレッチ施行後(対照群は運動負荷直後)、12時間、1、2、3、4、7日後の計8回行い、角度評価は運動負荷前には手関節自動最大掌屈(以下最大掌屈)角度と自動最大背屈(以下最大背屈)角度を、その後の評価では手関節自動掌屈及び自動背屈運動を行い、疼痛が出現するまでの角度を計測した(各被験者の運動負荷前自動角度から疼痛が出現するまでの角度を引いた角度を疼痛により制限される角度(以下背屈疼痛角度、掌屈疼痛角度)とした)。VASは各評価時の最大掌屈時、最大背屈時に発生する疼痛を計測した。統計処理は、WILCOXONの符号付順位検定を用い、危険率5%未満にて両群の角度の推移を比較検討した。【結果】掌屈疼痛角度では施行群で運動負荷前角度との差が1日後(施行群:-9.5±13.63°、対照群;-19.5±14.03°)3日後(施行群;-5.5±12.12°、対照群;-20±8.82°)、4日後(施行群;-4.5±10.91°、対照群;-15.5±12.34°)と有意な改善を認め、背屈疼痛角度でも施行群で1日後(施行群;-7±14.38°、対照群;-19±10.22°)4日後(施行群;1.5±11.32°、対照群;-10.5±10.92°)に有意な減少を認めた。VASでは最大掌屈時、最大背屈時共に施行群と対照群に有意差は認めなかった。【考察】本研究においてVASでは両群に有意差は認められず、以前のDOMSに対するストレッチの効果ついて発表されてきた結果と一致し、否定的な結果となった。しかし疼痛により制限される角度は、施行群において手関節自動掌屈及び背屈運動を行う際に、優位な早期の減少を認めた。よってDOMSを発症している筋へのストレッチは疼痛の程度を減少させる事は出来ないが、その筋が関与する関節運動を行う際に疼痛の発生している範囲を減少させる効果があるものと考えられた。