著者
清水 香基
出版者
北海道社会学会
雑誌
現代社会学研究 (ISSN:09151214)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1-21, 2020 (Released:2021-08-01)
参考文献数
25

欧米のキリスト教を中心とした宗教社会学研究において,宗教団体への所属が幸福感にとって望ましいものであることは,すでにある程度確立された知識とされている。しかし,日本ではその宗教文化的状況の特殊性から,一言に宗 教団体への所属といっても,その意味するところは研究者にとっても調査対象者にとっても曖昧なものとなってしまうという問題がある。そのため,欧米で開発された理論を日本にあてはめて検討していくにあたって,欧米と同一の質 問項目を用いて分析を行うことは適切でない。したがって,本稿ではまず,氏子・檀家といった特殊日本的な宗教団体所属のあり方を射程に含めた上で,調査主体側の「所属」の定義と調査対象者側とのそれを,できる限り擦り合わせ ていくような新しい質問項目を考案し,その有効性を検討する。その上で,日本における宗教団体所属と幸福感の関係について検討を行った。所属が幸福感に影響する仕組みとしては,次のような2つを想定した。(1)所属すること で宗教心が育まれるか,あるいは(2)所属によって地域共同体における人間関係が取りもたれることで,結果として幸福感に寄与するというものである。分析の結果,前者については部分的に支持されるものの,宗教心を伴わない所 属はかえって幸福感を低下させる可能性があることが示唆された。後者については,それを支持する有意な結果は認められなかった。
著者
古田 克利
出版者
公益社団法人 日本公認心理師協会
雑誌
公認心理師:実践と研究 (ISSN:24367524)
巻号頁・発行日
pp.a03.a101, (Released:2023-11-01)
参考文献数
18

本研究の目的は,大学キャリアセンターの相談場面における学生を傷つける発言の有無とその内容を明らかにすることであった(研究1)。また,そのような発言が相談担当者と学生の支援関係に与える影響と,それが生起しやすい条件を,相談担当者の性別,および学生と相談担当者の性の一致・不一致に着目し明らかにすることであった(研究2)。研究1では,4,284名を対象にアンケート調査を実施し,傷つける発言を受けた経験のある592名を分析対象とした。研究2では,6,477名を対象にアンケート調査を実施し,895名のデータを分析対象とした。研究1の分析の結果,59%の学生が傷つける発言を受けた経験を有していた。また,その内容は「間接的マイクロアグレッション」「直接的マイクロアグレッション」「カウンセリング態度の欠如による発言」の3カテゴリーに分類された。研究2の分析の結果,学生(男性)では同性の相談担当者との間で間接的マイクロアグレッションが生じやすく,学生(女性)では同性の相談担当者との間で直接的マイクロアグレッションが生じやすいことが明らかになった。
著者
林 洋一郎 内藤 知加恵
出版者
産業・組織心理学会
雑誌
産業・組織心理学研究 (ISSN:09170391)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.189-211, 2023 (Released:2023-05-24)

This article aims to clarify the common forms of hypotheses and explain how they are tested in industrial and organizational psychology, social psychology, and other disciplines. There are four types of testable hypotheses: main effect, moderation, mediation, and moderated mediation. Main effect hypotheses predict the relationship between two variables, for example, predictor X and outcome Y. Main effect provides a basis for the other three types of hypotheses. Moderation hypotheses focus on a variable, such as moderator W, which affects the association between two or more variables. Moderation hypotheses predict that the relationship between X and Y will change as a function of moderator W. Mediation hypotheses indicate the presence of an intervening variable, namely, mediator M that transmits the effect of X on Y. In other words, it is concerned with the indirect effect of X on Y through M. Finally, moderated mediation hypotheses refer to the notion that the indirect effect of X on Y through M is moderated by a fourth variable Z. These four types of hypotheses could be constructed from multi-level perspectives as well as a single-level perspective. Furthermore, how each type of hypothesis can be statistically tested is explained with reference to specific empirical studies. Finally, clarifying the form of the hypothesis will help reviewers and readers understand what researchers attempt to reveal. Such manuscripts can elicit a variety of comments from reviewers and readers, resulting in meaningful research publications.
著者
古川 智樹 手塚 まゆ子
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.164, pp.126-141, 2016 (Released:2018-08-26)
参考文献数
20
被引用文献数
1

本稿では,大学・大学院進学を目的とする上級日本語学習者を対象に,日本語科目の文法教育においてTraditional Flip(2014年9月~1月:実践①)と実践①に練習問題等の課題を追加し,より学習者主体の授業に近づけた反転授業(2015年4月~7月:実践②)を行った実践結果を報告する。分析は,視聴(アクセス)ログ分析,学習成果分析,アンケート調査及び半構造化インタビュー調査の3つを行った。以上の調査及び分析を行った結果,視聴ログ分析,学習成果分析,いずれにおいても実践②において反転授業の効果が確認された。また,アンケート,インタビュー調査においても,学習者は講義動画を高く評価しており,それらによって文法の理解度が高まり,授業にも入りやすくなったという意見が多数を占め,本実践で行われた反転授業が有効に機能していたことがわかった。
著者
濱中 淳子
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.190-202, 2020 (Released:2020-09-30)
参考文献数
26

今般の大学入試改革は、新体制に切り替わる直前に「英語民間試験導入」と「国語・数学の記述式問題導入」が見送られるなど、迷走状態にある。なぜ、このような状態に陥ったのか。今回の改革の特徴は、教育測定や教育社会学、英文学者や言語学者等の研究者が危うさを訴えているなかで進められた点に求められるが、本稿では、推進派の問題とともに、研究者が何を主張してきたのかについても踏み込みながら、迷走の背景を描写した。
著者
森脇 美早
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.211-216, 2016-03-18 (Released:2016-04-13)

筆者が赴任したケアミックス病院には,療法士は多数在籍していたがリハビリテーション(以下,リハ)科医はおらず,リハ科医を知らない職員がほとんどだった.リハどころではないとの声も聞かれる中,質の高いリハ医療を浸透させるべく他科医師への啓蒙を含めた院内教育を行い,急性期から生活期までリハ科専門医が積極的に関与し,さまざまなチームアプローチを軌道に乗せた.たとえば,摂食嚥下医療,リハ栄養,brace clinic,経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation:tDCS)やボツリヌス療法およびCI療法などのニューロリハ,回復期リハ科回診,リハ科医・療法士の学会発表推進などである.リハ科専門医のロールモデルとして,病院全体の意識を変えた4年間の活動を振り返り,リハ科専門医の存在意義を論じたい.
著者
小倉 智史 海老原 志穂 杉山 雅樹 宮坂 清 星 泉 熊谷 瑞恵
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究課題は、インド・パキスタンに広がるヒマラヤ山脈西部に居住する、チベット系言語を母語とするムスリムの言語・社会・宗教状況を総合的かつ包括的に解明することを目的とする。具体的には、言語学・イスラーム学・人類学分野の研究者による文献調査、および現地でのフィールド調査を共同で行い、ともすればチベット人と言えば仏教、というようなステレオタイプな理解を乗り越えて、新たなチベット学の地平を切り開く。
著者
光廣 可奈子 渡邊 伸行 北岡 明佳
出版者
日本視覚学会
雑誌
VISION (ISSN:09171142)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.135-145, 2023-10-20 (Released:2023-10-25)
参考文献数
21

In this study, we examined the effect of the duration of exposure on three facial evaluations: beauty, likability, and attractiveness of the whole face and facial parts (eyes, nose, and mouth). Participants were randomly assigned to four groups of different exposure duration conditions: 20-ms, 100-ms, 1000-ms, or without a time limit, and were asked to rate the beauty, likability, and attractiveness of the whole face and facial parts (eyes, nose, and mouth) on a 7-point scale. The results showed that all three evaluations of the whole face or facial parts were constant over exposure durations, while differences in likability among the stimulus emerged as the exposure duration was prolonged. We also analyzed the temporal changes in the contribution of facial parts to the three evaluations of the whole face with the data obtained in the same experiment. As a result, the eyes made a high contribution to all three evaluations of the whole face, and the mouth contributed to the likability and attractiveness of the whole face. These results suggest that facial beauty, likability, and attractiveness might be processed differently.
著者
八田 秀雄
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.8-10, 2010 (Released:2010-04-16)
参考文献数
5
著者
芳野 純 二渡 玉江 大谷 健 臼田 滋
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.410-416, 2010-10-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
22
被引用文献数
10

【目的】資格取得後の理学療法士が,自立して理学療法業務を行うために必要な能力を明確にする。【方法】職員指導経験がある理学療法士15名に対して,指導している理学療法士がどのような能力を獲得したときに,理学療法士として自立したと感じるか等の質問をインタビューにより聴取した。インタビュー結果を,質的研究である内容分析を用い分析した。【結果】分析の結果,50のサブカテゴリーと,「理学療法実施上の必要な知識」,「臨床思考能力」,「医療職としての理学療法士の技術」,「コミュニケーション技術」,「専門職社会人としての態度」,「自己教育力」,「自己管理能力」の7つのカテゴリーが形成された。【結論】職員指導経験がある理学療法士は幅広い能力の獲得を望んでいることが分かった。7つのカテゴリーは教育目標分類学による3つの領域を満たしており,理学療法士が自立して業務を行うための到達目標について,一つの目安を示すことができた。
著者
松浦 一貴 寺坂 祐樹 今岡 慎弥
出版者
医学書院
雑誌
臨床眼科 (ISSN:03705579)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.491-495, 2019-04-15

要約 目的:雪視症(visual snow)では,視野全体に雪が降っているような感覚が視野全体に持続する。片頭痛や耳鳴に加え,不安やうつ状態も本症に併発する。Visual snowの診断には,内視現象の強化,反復視,羞明,夜間視の障害が3か月以上持続する必要がある。心因性ストレスが先行するvisual snowの1例を報告する。 症例:25歳男性が受診した。大学卒業後2年間就職が決まらず,3か月前から視界に砂嵐が見え,眼内に残像が出る感覚と羞明が持続している。耳鳴が最近強くなった。片頭痛はない。 症状と経過:眼科と神経学的に異常はない。Wide-range assessment of vision-related essential skillsでは,視覚情報が手を介して出力される目と手の協力は正常であり,図形を認知する視知覚に著しい低下があった。羞明と夜間視の障害の併発があった。無治療で12か月経過を観察し,症状は残っているが,生活には支障がない。 結論:本症例では,ストレスに伴う視覚的認知障害が生じ,その結果としてvisual snowが発症したと考えられる。
著者
田中 実 小野 滉貴 山本 康裕 高橋 義朗
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.355-360, 2022-06-05 (Released:2022-06-05)
参考文献数
15
被引用文献数
1

素粒子物理学には,いくつかのフロンティアがある.一つは高エネルギーフロンティアで,高エネルギーの状態から新たな素粒子を発見することが主な目的である.CERNの大型ハドロン衝突型加速器(LHC)が現在の最高エネルギーの実験装置であり,LHCにおける2012年のヒッグス粒子の発見により,素粒子標準模型に登場するすべての粒子が既知のものとなった.もう一つのフロンティアは高輝度(あるいは高強度)フロンティアで,特定の素粒子を大量に生成し,その性質を詳しく調べることで素粒子の相互作用について解明することを主眼とするものである.日本ではKEKのスーパーBファクトリー実験やJ-PARCにおけるK中間子,ミュー粒子,ニュートリノの実験等がこれにあたる.宇宙も素粒子物理のフロンティアであり,インフレーション理論の検証等が行われ,コスミックフロンティアと呼ばれている.これらに加えて,高精度フロンティアと呼ぶべき研究が近年重要さを増している.例えば,標準模型を越える新しい素粒子模型の多くが予言する,電子の永久電気双極子能率の探索が,原子や分子を対象とした高精度の測定に基づいて行われている.このフロンティアは,原子物理学の発展と密接に関連している.かつてはマクロな数の原子集団の測定によって個々の原子の性質が決定されてきたが,実験技術の進歩とともに,少数の原子を対象とした実験が可能になり,1個の原子やイオンをトラップし,単独原子の孤立状態を実現できるようになった.また,多数の原子の低温の孤立集団も実現されるようになり,ボーズ・アインシュタイン凝縮といった量子的なマクロ状態も観測されている.私たちは,原子スペクトルの同位体シフトを精密に測定することで,標準模型を越える新しい物理の探索を行っている.もし,電子と中性子に結合する新粒子が存在すれば,この粒子が電子・中性子間で交換されることでも同位体シフトが起こる.同位体シフトの実験値と標準模型での理論値を比較すれば,原理的には,この効果を検出できる.しかし,同位体シフトの系統的精密測定が行われているカルシウムやイッテルビウムのような電子多体系のスペクトル計算の不定性は,実験精度に比べてかなり大きい.このため,同位体シフト自体の実験値と理論値の直接的な比較による新物理探索は,単純な原子を除いて現実的ではない.そこで,複数の遷移の同位体シフトが満たす線形関係に注目し,新粒子の効果でこの線形関係が破れることを利用して,新物理探索を行った.具体的には,魔法波長の光格子に中性イッテルビウム原子をトラップし,578 nmの狭線幅光学遷移(時計遷移)について,数Hzの不確かさで系統的に同位体シフトの測定を行った.この結果と先行研究のイッテルビウムイオンの411 nmおよび436 nmの遷移の同位体シフトの測定結果を合わせることで,世界初の3遷移間の線形性検証を行った.その結果,線形性が有意に破れていることが分かったが,同時に,この線形性の破れは標準模型で説明されるべきものであることも明らかにした.新物理に由来する非線形性には上限が得られ,これに基づいて新粒子の結合定数に対する制限を与えた.現状では得られた制限は既存の実験のものよりも弱いが,今後の実験精度の向上によりこれを上回ることが期待される.
著者
白川 清治
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.119, no.2, pp.111-118, 2002 (Released:2002-12-24)
参考文献数
36
被引用文献数
5 6

ゾルピデム(商品名マイスリー)は,フランスのサンテラボ社(現サノフィ·サンテラボ社)で開発された非ベンゾジアゼピン構造(イミダゾピリジン誘導体)を有する超短時間型睡眠薬である.本剤は,従来のベンゾジアゼピン系薬剤とは異なり,GABAA受容体のサブタイプであるω1受容体(ベンゾジアゼピン1受容体)に選択的に作用することにより,催眠鎮静作用に比べて,抗不安作用,抗けいれん作用,筋弛緩作用などが弱いという特徴を有している.一般に,ゾルピデムはベンゾジアゼピン系薬剤と同等の有効性を示すとともに,翌日への持越し効果は少なく,長期投与における耐性や中断後の反跳性不眠が少ないという臨床的特性を有している.また,睡眠ポリグラフィーによる検討において,ゾルピデムは,従来のベンゾジアゼピン系薬剤とは異なり,睡眠の質を変化させない,すなわち生理的な睡眠に近い睡眠パターンを形成することが示されている.以上,ゾルピデムはユニークな薬理学的特性を有し,従来のベンゾジアゼピン系薬剤の副作用の軽減が期待される新しいタイプの睡眠薬である.
著者
平田 遥久 嘉名 光市 高木 悠里
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.1592-1599, 2023-10-25 (Released:2023-10-25)
参考文献数
16

近年、都市中心部等で道路空間の再配分や歩道部と沿道建築物低層部の一体的な活用などが進められたことで、沿道低層部は様々に変化し新たな景観を形成している。本研究では、街路の沿道建築物低層部、歩道部、滞留施設などの道路占有物で構成される沿道低層部の景観要素と景観印象評価との関係を分析し、沿道低層部によって形成される景観の特徴を明らかにした。その結果、景観印象評価の結果を用いて数量化理論Ⅰ類により、建築物の連続数、歩道形状、歩道幅員、セットバック距離の4つが特に景観印象評価への影響が高いことが明らかとなった。またクラスター分析により、御堂筋の街路景観を5パターンに分類し、その分布を明らかにした。さらに、低層部への滞留施設の設置が街路景観における賑わい創出の手法として期待されることを示した。
著者
谷口 尚子 クリス・ウィンクラー
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.1_128-1_151, 2020 (Released:2021-06-16)
参考文献数
34
被引用文献数
1

政治家や政党が提示した選挙公約を計量的に分析し、政治の対立軸を析出することがある。ただし特定の国や時期の選挙公約を分析するために最適化された手法は、他の手法との接合や長期間の時系列比較・国際比較に難がある。これを目指した選挙公約コーディング法に、Manifesto Research Group/Comparative Manifesto Projectの手法がある。本研究では、日本の1960~2014年総選挙時の主要政党の公約等を同手法でコーディングし、一次元また二次元 (政治・経済) の左右対立軸を析出した。それらの軸上における政党の位置の変化を確認したところ、日本の主要政党は全体として右に移動し、保守政党には経済自由主義化、革新政党には政治的穏健化が見られた。また、米英独の二大政党と日本の最大与野党とを合わせて左右対立軸を析出して変化を確認したところ、米英日は共通して1980年代に保守化し、2000年代に英独日の政権政党の公約が中央に収斂するなど、連動した動きも見られた。また日本の自民党はやや右傾化しているが、西側主要国の中ではなお中道右派程度の位置取りであることが示された。本コーディング法や分析手法には普遍性の面で課題があるものの、国際的・長期的に日本の政党の政策位置や変化の特徴を捉えることができた。