著者
佐藤 健一 冨田 哲治 大谷 敬子 佐藤 裕哉 原 憲行 丸山 博文 川上 秀史 田代 聡 星 正治 大瀧 慈
出版者
長崎大学
雑誌
長崎医学会雑誌 (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.87, pp.186-190, 2012-09

平成20年度に広島県・市が主体となり黒い雨を含む原爆被爆体験による心身への健康影響や黒い雨の体験状況に関するアンケート調査が行われ,平成22年に「原子爆弾被爆地域の拡大に関する要望書」が厚生労働省に提出された.しかしながら,「黒い雨」そのものを危険因子として死亡危険度を評価した疫学的研究は未だない状況である. 一方で,黒い雨を含む放射性降下物などによる間接被爆あるいは内部被爆の影響を評価する試みとして,被爆時所在地の位置情報を用いた死亡危険度の評価が考えられる.
著者
塩見 優
出版者
物語研究会
雑誌
物語研究 (ISSN:13481622)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.1-11, 2012-03-31 (Released:2018-03-27)

An important role is played by rumors when discussing the near death of Murasaki no Ue. When Murasaki's death passes through the medium of rumors, it becomes both realistic and fictional. The point of view of Murasaki's life and death changes as it is layered through Hikaru Genji, rumors, and Murasaki herself. However, it is not the complexity of the point of view that is important, but the narrative's depiction of the ambiguity of life and death. By depicting the ambiguity of life and death through Murasaki, the narrative asks the reader: What is "life"? What is "death"? This issue is continued in the ten Uji chapters. Focusing on death opens up further possibilities for considering Genji monogatari.
著者
田中 吉之助 黒川 知明
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.40, no.451, pp.495-502, 1991-04-15 (Released:2009-06-03)
参考文献数
14
著者
本郷 信郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.90, no.6, pp.402-409, 1995-06-15
参考文献数
2
被引用文献数
1

フレッシュで明るい, 近代的なイメージを特徴とする生酒が需要を伸ばしている一方で, 伝統的, 落ち着いた, 重厚といった対極的イメージを特徴とする長期熟成清酒に対する需要も少しずつではあるが増えてきている。<BR>長期熟成酒研究会を主催されている筆者に, その現状と今後の展望等について解説していただいた。
著者
末吉 悦代 濱田 暁子 出口 弦舞 大薗 洋 高橋 晴奈 内川 研
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.186-189, 2006-03-20 (Released:2011-10-07)
参考文献数
15

多様な病態を呈し, リハビリテーションをすすめる上で考慮する点の多い頚髄損傷患者に対する, 当院での作業療法を紹介する.訓練開始時期においては, 安定した座位姿勢を作りながら机上での作業といった機能訓練を行い, 日常生活動作としては食事や整容動作の獲得を目指す. 活動性が向上する時期では, 動的なバランス訓練を行い, 日常生活動作としては, 複合的な更衣, 移乗, 排泄動作などを行っていく. また, 近年増加傾向にある不全頚髄損傷では, 移動能力を把握することと柔軟性の低下した身体に根気よくアプローチすることがポイントである. 高齢頚髄損傷では合併症を呈する割合が高く, 特性を踏まえた対応が求めれる. また, 家族に対しても身体的, 精神的な負担を考慮しながらサポートしていく必要がある.
著者
大音 俊明 増田 政久 林田 直樹 ピアス 洋子 中谷 充 浮田 英生 志村 仁史 茂木 健司 塚越 芳久 中島 伸之
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.36-39, 2001-01-15 (Released:2009-04-28)
参考文献数
13
被引用文献数
1

Intravenous leiomyomatosis (IVL) は子宮筋腫あるいは子宮内静脈壁から生じた組織学的に良性な平滑筋腫が静脈内に成長進展したものと定義され, まれに右心系へ達することもある疾患である. 症例は43歳の女性で, 右内腸骨静脈から下大静脈を経て右房右室にいたるIVLに対し体外循環を用いた開心・開腹による腫瘤摘出術を行った. 体外循環を開始するさい, 下大静脈への脱血管挿入は腫瘤が障害となり困難であった. 経右房的腫瘤切除を行ったのち, 脱血管を挿入したが予想外に出血が多く血行動態の悪化を招いた. 経右房的腫瘤切除は循環停止下に行ったほうが安全かと思われた. また術後, 腫瘍組織が残存した場合には再発の可能性が高いので本症例では予防的に抗エストロゲン剤の投与を継続している. 術後2年4カ月を経過し静脈内に再侵入する腫瘍像は認めず手術および術後の薬物治療が有効であったと考えられた.
著者
半田 良一
出版者
地域農林経済学会
雑誌
農林業問題研究 (ISSN:03888525)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.98-100, 1975-06-25 (Released:2011-09-05)
著者
駒津 順子 田母神 礼美 大矢 勝
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.70, no.10, pp.643-652, 2019

<p> カルシウムを含む水垢汚れの酸洗浄に関する消費者情報を調査し, その科学的根拠の実験的検証を行った. 消費者情報を分析した結果, クエン酸利用を肯定し推奨する記述が多くみられた. またクエン酸とカルシウムの反応による沈殿について言及している消費者情報はほとんど見当たらなかった. 炭酸カルシウムの溶解実験によりクエン酸の洗浄力は塩酸や酢酸と同様に高いが, クエン酸は時間が経過すると大量の沈殿を生成することがわかった. pH測定, XRFによるCa定量及びHPLCによるクエン酸の定量の結果, 沈殿は炭酸カルシウムの再結晶化から始まり, 12時間後から炭酸とクエン酸の置換に進むことが分かった. また未溶解の炭酸カルシウムの存在が沈殿生成速度を大幅に増大することも分かった. 更にCaは炭酸塩よりもケイ酸塩や硫酸塩の方が除去困難であることも明らかになった. 以上の実験結果より, 消費者情報に多く見られるクエン酸による水垢の除去メカニズムに関する中和説が, 科学的なロジックとして問題があることが明らかになった.</p>
著者
村田 源
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類,地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.147-153, 1992-12-30 (Released:2017-09-25)

Four species of eastern Asian plants are studied. Three new taxa are described; Melampyrum macrantha as new species, Galium pseudoasprellum var. bingoense as new variety and Benthamidia capitata f.grandis as new form. Chloris truncata is newly found in Japan as naturalized plant.
著者
Yasuhiro Nakanishi Tatsuma Matsutani Ko Hinokidani Takashi Nagai Mami Irie
出版者
JAPAN SOCIETY OF TROPICAL ECOLOGY
雑誌
Tropics (ISSN:0917415X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.91-97, 2020-02-01 (Released:2020-02-01)
参考文献数
31
被引用文献数
2

Iron solubilization in mangrove soils associated with polyphenols leached out from leaf-litter can improve iron bioavailability. In this context, the leaf-removing process by mangrove crabs would increase reacting frequency of the polyphenols in mangrove leaves with iron in the soils. In this study, we investigated ecological roles of a leaf-removing crab, Neosarmatium smithi, on the iron solubilization process. After the fallen leaves carried by the crabs to their burrows and eaten by them, polyphenols may be remained in their feces. If so, contact of polyphenols in the feces with mangrove soils could promote elution of dissolved iron from the soils. In order to demonstrate this hypothesis, we firstly surveyed the appearance ratio of the black part in crab burrows and measured total phenolic content in feces of N. smithi as well as in the black part soil. Then, we examined influences of the crab feces on dissolved iron elution from mangrove soils. As the results, the appearance ratio of the black part in the burrow was 67% and the phenolic content in the feces, the black part, and the yellow part in crab burrows were 9.93, 0.49, and 0.12mg g-1, respectively. Dissolved iron content in the solution (soil+water extract from feces) was 0.65μg g-1 and this content was 4.5 times higher than the control (soil+distilled water). We suggest that the polyphenols remained in the feces affect to solubilize insoluble forms of iron by iron reduction and chelating properties.
著者
平野 実 宮原 卓也 宮城 平 国武 博道 永嶋 俊郎 松下 英明 前山 忠嗣 讃井 憲威 川崎 洋 野副 功 広瀬 肇 桐谷 滋 藤村 靖
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.74, no.7, pp.1189-1201, 1971-07-20 (Released:2010-10-22)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

研究目的: 歌唱に際して声区, ピッチ, 声の強さなどがどの様にして調節されているかを, 一流の声楽家について明らかにし, 発声法の訓練, 指導に資するとともに, 音声調節のメカニズムの解明にも寄与することを目的とした.研究方法: 本邦第一級のテノールとして活躍中の一声楽家を対象として, 種々の発声中の喉頭筋々電図記録, 呼気流率測定, 声帯振動の高速度映画撮影を行っ.研究成績および結論: 1. 声区は声帯筋によつて第一義的に調節される. 声帯筋はheavy registerでは強く収縮するが, light registerではほとんど収縮しない. 従つて, heavy registerでは声帯が厚く, 粘膜波動は著明で, 開放時間率が小さく, 開閉速度率は大きい. 呼気流率は一般にlight registerで大きい.2. ピッチの調節機構は声区によつて異なり, 前筋, 側筋, 声帯筋の関与はheavy registerで顕著である. 呼気流率の関与は何れの声区においても認められなかった.3. heavy registerでは声帯筋と呼気流率が声の強さの調節に関与する. light registerでは声帯筋は関与せず, 呼気流率と声の強さの関係が極めて緊密である.4. 声の調節機構はstaticなものではなく, 前後の発声情況によつて変化するdynamicなものである.
著者
佐藤 房郎
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.249-253, 2003-06-20 (Released:2018-09-25)
参考文献数
8