出版者
慶応出版社
巻号頁・発行日
vol.第24, 1942
著者
宮崎 和也 松下 光範
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.27, pp.155, 2011

本研究では,文章の編纂における入力方法の違いに着目して,文章を纏める過程のモデル化を行う.コンピュータの普及に伴い,文章の産出をキーボード入力で行う人が多くなった一方で,手書きで文章を産出する人もまだ多くいる.その理由は,これらの入力方法の利点が異なるためである.そこで,このような利点の違いを活かした新たな複合的入力手段の実現に向けた基礎検討を行う.その第一歩として,入力方法の違いが文章を纏める過程で,執筆者の行為にどのような差異をもたらすのかを実験を通して検証した.その結果,文章を纏める過程を順序と行為の頻度に着目すると,執筆者の文章を纏める過程が4つのパタンへと分類できることがわかった.
著者
岡崎 貴世
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.63, pp.75, 2011

【目的】パソコンは日常生活の様々な場面で利用され、現代の情報社会において欠かせないものとなっている。仕事や趣味で1日に何時間もパソコンを使用している人も少なくない。最近では食事をしながらパソコンのキーボードやマウスを操作する人も多く見られるようになり、衛生的に問題はないかと考えられた。そこで共同使用のパソコンキーボードの細菌汚染状況と、汚れたキーボードの操作による手指の再汚染について調査した。<BR>【方法】キーボードと手指の汚染度は、細菌検査とATPふき取り検査によって測定した。細菌数は、検査面を綿棒でふき取り標準寒天平板に塗布して35℃、24時間培養して形成されたコロニー数から算出した。ATPふきとり検査はルミテスターPD‐20(キッコーマン食品株式会社)を用いた。汚染キーボードはキーボードカバーに試験者の手洗い水を塗布して作成した。一定時間キーボードを操作した後、手指のATP検査を行い、汚染度を評価した。<BR>【結果・考察】複数の学生が使用する共同使用パソコンのキーボードとマウスの細菌汚染を調査した結果、月変動は見られず季節よりもパソコンの使用頻度の影響を受けると考えられた。キーボードはカバーを装着している方が装着していないものより汚染度が高く、また汚染キーボードを操作することにより手指が再汚染されることが確認された。キーボードにはタンパク汚れや油脂汚れだけでなく生きた細菌が付着していることもあるため、パソコンを使用しながらの飲食はできるかぎり控えるべきであると考えられた。特に共同使用のパソコンは常に清潔な状態で使用するように心掛ける必要があると考えられた。
著者
片山拓也 寺田努 塚本昌彦
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.6, pp.1-6, 2013-03-06

近年,携帯電話や電子メールの普及に伴って手書きの機会が激減したことで,人々が自らの漢字力低下を実感するようになった.コンピュータでは,読みが分からない文字の入力を補助する機能として,手書き文字入力システムが開発されている.しかし,それらはいずれもポインティングデバイスを用いたシステムで,文字入力デバイスとして最も普及しているキーボードは読みが分からない文字の入力をサポートしていない.そこで,本研究では,キーボード上で指を滑らせて行うストローク操作を用いることで,キーボード使用時に漢字検索が行えるシステムを提案する.提案システムは,ストローク操作と文字入力操作を自動で識別する機構,ストローク操作によって入力された形状を認識する機構を備えており,認識されたストローク形状を元に入力漢字を推定する.被験者実験を行った結果,提案システムのアルゴリズムによってストローク形状の認識が有効に動作することを確認した.
著者
黒澤敏文 志築文太郎 田中二郎
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.93-94, 2013-03-06

本稿では、キートップの引っ掻きによる入力手法について述べる。本手法では、ユーザはキーボードのホームポジションに手を置いた状態から1本の指を用いて上下左右のいずれかの方向へ向けてキートップを引っ掻く。この動作により、ユーザがキーボード上のホームポジションから手の位置を動かさずに方向の入力を行う事を可能とする。引っ掻く動作の認識に、ユーザがキートップを引っ掻いた際に生じる音(引っ掻き音)を用いる事とした。引っ掻き音を取得するために、我々はキーボードにピエゾピックアップを装着した。方向の識別に用いる特徴量として引っ掻き音の周波数成分を用い、識別器としてサポートベクターマシンを用いた。
著者
岡留 剛
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.34, pp.1-10, 1989-05-15

カナ漢字変換のためのカナ入力法のうち,JISかな入力・OASYS親指シフト入力・ローマ字入力の3入力について心理実験による検討を行なう.とくに,コピータイプ作業における(1)シフト打鍵について,(2)打鍵のリズムについて,(3)作業負荷について議論を行なう.実験の結果によれば以下に述べることを結論できる.(1)シフト打鍵はシフトなしに比べると打鍵間時間が大きい.とくに,異手シフト打鍵は速度が遅い.(2)JISかな入力とOASYS親指シフト入力は,ローマ字入力に比べて同一打鍵列の打鍵速度が遅い.(3)JISかな入力,OASYS親指シフト入力,ローマ字入力の順に作業負荷が高い.This article discusses the following three Japanese input methods for the kana-kanzi conversion system: (1) the input method with JIS-keyboard, (2) that with OASYA thumb-finger shift keyboard, and (3) Romazi input method with the standard English keyboard. We conduct psychological experiments in order study the nature of the shift stroke, the difference of typing rhythms among the three methods, and the difference of work load among the three. The results of the experiments show: (1) the typing speed of the strokes with a shift stroke is slower than that of non-shift strokes, (2) the tempo of the rhythms during the typing task with Romazi input method is slower than that with JIS-kana input and with thumb-finger shift input, and (3) the typing task with JIS-kana input is the most loaded, the second is with thumb-finger shift input, and the task with Romazi input is the least loaded among the three.
著者
岡留 剛 小野 芳彦 山田 尚勇
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1797-1798, 1986-10-01

英文タイプ作業についてすでに知られている知見や、コード化入力方式による日本文タイプ作業の認知的実験の解析により、われわれはタイプ作業時のタイピストの認知モデルを構築した(Okadome,Ono,Yamada,1986)。そのモデルの特徴の一つは出力キューが左右の手別々に存在するということである。本報告では、現在までに知られている脳科学の成果をふまえることにより、このタイプ作業時の認知モデルに対する脳科学的基礎を与えることを試みる。なお、以下の議論はヒトまたサルの知見に基づいている。
著者
岡留剛 小野芳彦 山田尚男
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1985, no.22, pp.1-7, 1985-07-10

タイプ作業時の脳の情報処理過程には、左右の手ごとに出力キューがあるというパイプラインモデルを提唱する。われわれは、日本文入力方式として熟練者にとって最も楽であり自然なものとはどのようなものであるかを定めるために基礎的研究を行なってきた。本論文はその一端であり、タイプ作業においてわれわれが見出したタイプエラーや、現在までに報告されているタイプ作業におけるさまざまな現象を解析することにより、一つのタイプ作業中の情報処理のモデルを構築した。このモデルは多段階の処理部から成り、各段階は時間的に重ね合わさって処理が行なわれる。このモデルによれば、打鍵がきわめて速く行なわれることや種々のタイプエラーなどを説明でき、とくに、出力部ではキューが左右の手それぞれに存在するとという仮説によってある種のタイプエラーが自然に解釈できる。
著者
中里 まき子
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

フランス革命期の反カトリック政策に抗して、信仰を貫いたために処刑されたコンピエーニュ・カルメル会の16人の修道女は、特にフランシス・プーランクのオペラ『カルメル会修道女の対話』(1957年初演)の題材として知られている。しかし、オペラの元となった文学作品の創作や、革命期から現代まで史実が継承されてきた経緯などについて、総合的な研究は試みられていない。そこで2017年度には、下記の方法により、16殉教修道女の表象の変遷を辿り、そこに映し出されるフランスの社会状況を浮き彫りにした。まず、第三共和政期に「フランス革命」が国民の共通の記憶とされ、理想化されたとき、16殉教修道女の存在が革命史から排除されたことを、ジュール・ミシュレ『フランス史』等の読解を通して明らかにした。一方、カトリック世界において16殉教修道女が崇敬の対象となり、その記憶が継承された経緯を探るべく、コンピエーニュ・カルメル会の受肉のマリー修道女が書き残した手記、および16殉教修道女の列福時(1906年)に刊行された書籍等を検討した。その結果、「共和国の歴史」と「カトリックの歴史」は、いずれも客観的なものではなく、19世紀フランスにおける両陣営の対抗関係を反映するものであることが明らかとなった。こうした研究成果を、日本フランス語フランス文学会東北支部大会において「コンピエーニュ・カルメル会殉教修道女の表象とフランス社会」の題目で発表し、論文として支部会誌に投稿した。
著者
吉井 涼
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.11-20, 2013 (Released:2015-02-18)
参考文献数
61

20世紀初頭のアメリカ合衆国において、精神薄弱ではないが学業・行動に逸脱を示す子どもに対し、臨床的対応を試みたL. ウィトマー(Lightner Witmer, 1867―1956)と彼の心理クリニックに焦点をあて、その来談児の実態と対応を検討した。継続的指導の対象児は正規学年への復帰可能性があり、その逸脱の主たる要因は環境的・身体的な問題であった。ウィトマーは、家庭や専門機関との協力を重視し、継続的な診断に基づいた個別的指導を実施した。また、公立学校の夏期休暇中に実験的な特殊学級を開設し、心理クリニックの来談児から選別された子どもに対して、より集中的な診断と指導を実施するとともに、集団的指導の方法論の構築を試みたウィトマーであったが、精神薄弱と学業不振の分類の難しさによって、正規学年へ復帰できる子どもに特化した実践には至らなかった。心理クリニックは、個別指導によって一応の成果を上げたが、集団に対する診断・指導方法の構築は困難であった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経メディカル (ISSN:03851699)
巻号頁・発行日
no.372, pp.64-73, 1998-11

医学教育のあり方が講義中心の知識伝達型から,症例中心の臨床能力重点型に移りつつある。その核となるのが,「臨床クラークシップ」「チュートリアル教育」「基本的臨床能力の教育と評価(OSCE)」といった新しい教育システムだ。【臨床クラークシップ】チームの一員となり臨床技能を磨く 「少し皮疹が出ていますね。君,ここを触ってみて」—。
著者
高阪 宏行
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.756-773, 1972
被引用文献数
1 2

本研究は,地域住民の購買活動を究明するため消費者の買物行動に視点をおき,購買活動を地域的にまとめる単位として,商店群と基礎単位地域の二つの概念を設定している。商店群とは,それを構成している商店を組合わせて利用する傾向の強い世帯群の買物の場の単位である.基礎単位地域とは,商業的環境がほぼ共通している結果,同じ一組の商店群を利用することによって購買活動を満たしている世帯集団である.埼玉県加須市における買物行動調査の結果,居住地区内の地元商店群,加須中心商店街に入る入口付近の商店群,加須中心商店街の中核的商店群の三種類の商店群が抽出され,この同一の三種類の商店群を利用している約100~200世帯から成る基礎単位地域が設定された.また,加須市商圏内の基礎単位地域,商店群,そしてそれらの間の利用関係を分析することによって,加須市商圏の内部構造が究明された.
著者
白永 伸行 羽迫 広人 相津 康宏 山本 健人 佐藤 立人 白永 純子 猪熊 壽
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.291-295, 2019-05-20 (Released:2019-06-20)
参考文献数
15

犬バベシア症流行地においてBabesia gibsoni(B. gibsoni )不顕性感染状況を調査した.臨床上健康な犬500頭のうちB. gibsoni 特異的PCR陽性38頭(7.6%)を不顕性感染とした.不顕性感染犬の平均年齢(9.2歳)は,PCR陰性でB. gibsoni 感染症既往歴のない犬(7.4歳)に比べて高かった.不顕性感染犬の97.4%は外出する犬であった.B. gibsoni 感染症既往歴のない犬で外出する275頭を解析したところ,不顕性感染犬においてマダニ予防薬を適切に使用されていた犬の割合(6.3%)は非感染犬(44.8%)に比べて有意に低かった.外出とマダニ予防不徹底はB. gibsoni 感染リスクを高めると考えられた.不顕性感染犬の赤血球数,血球容積,ヘモグロビン濃度及び血小板数は非感染犬より低値を示し,B. gibsoni 不顕性感染は犬の血液性状に影響を及ぼしていた.
著者
中嶋 克行 坂上 真理 坂上 哲可 仙石 泰仁
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.266-276, 2019-06-15 (Released:2019-06-15)
参考文献数
23

本研究は,地域に住む要支援高齢男性が価値を置く作業の特徴を,当事者の視点から理解することを目的に,質的研究法を用いて調査した.北海道内の通所系サービスを利用する男性10名を対象に,1人60分程度の半構造化面接を実施した.分析はグラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた.その結果,価値を置く作業は,【見える達成を実感できる作業】,【社会的に意味あることが確認できる作業】の2つの特徴が確認できた.さらに,作業に価値を見出す背景には,【作業選択を動機付ける自己資源】,【現状の生活に対する認識】があった.作業療法支援では,当事者による価値を置く作業の捉え方とその背後の状況の理解が,有効である可能性が示唆された.