出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.60-63, 2007-06

鍋に入れる具材は地方によって特色がある。関西を中心に西日本の鍋には、「マロニー」というはるさめを入れることが多い。じゃがいものでんぷんが原料で、「まろやかに煮える」ことから名づけられたといわれている。看板商品が社名であるマロニー(大阪・吹田市)は、マロニー関連商品が全社売り上げの95%を占める屋台骨となっている。
著者
吉玉 國二郎
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.S0011, 2010

多様な色調を発現しているアントシアニンについての研究は、本邦では20世紀の初頭に始まり、すでに一世紀を越えて受け継がれてきた。その中でも、花弁の多様な色調発現機構に関してはWillstatter等によって提唱されたpH説、柴田桂太による金属錯体説、それにRobinson夫妻によるco-pigment説が広く知られている。金属錯体に関しては、ツユクサから最初に単離されたコンメリニンについて林孝三を中心とした詳細な研究がなされ、近年その立体構造が解明された。その後、Co-pigmentに関しては、異分子間ではなく、同一分子内で自己会合を生じ、安定な色調を呈する色素が、1970年代キキョウやサイネリアの青紫花弁から相次いで単離された。これらの色素は、ほとんどすべてが2分子以上の芳香族有機酸によってポリアシル化されたアントシアニンであった。以後、この色素の構造と安定化機構に関してはNMRやMassで詳細に研究されている。PH説に関しては、以前は花弁搾汁を用いた研究が主であったが、今では単一細胞レベルでの測定が可能となり、花弁のpH変化がミクロのレベルで解明されている。最近、サントリーが最新のバイオ技術を駆使して作出した青バラが市場に出た。この成果は、アントシアニン研究者に将来への夢を与えてくれた。本講演では、研究の歴史を振返り、研究最前線を鳥瞰しつつ今後の研究方向について言及したい。
著者
藤田 浩司 松岡 聡 岩前 篤 太田 周彰
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.25, no.60, pp.753-758, 2019-06-20 (Released:2019-06-20)
参考文献数
7

KINDAI University and various enterprises proposed a Zero-Energy-House(ZEH) called “ENEMANE R HOUSE” in ENEMANE HOUSE 2017. A real size house was built in Osaka and its environmental performance was measured in November 2017. This report presents the energy-saving and environmental technology adopted in this house and its effects. The findings show that this house achieved a ZEH status sufficiently and has excellent environmental performance.
著者
田谷 修一郎
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

我々の身体が視覚の情報処理過程においてどのように用いられているか,一連の心理物理実験によって検討した。この結果,網膜像差に基づいて外界の奥行きを復元する際には両眼(瞳孔)間距離の情報が利用されていること,身体の可動範囲が身体の見えかたに影響することなどが明らかとなった。これらの結果は,本質的に曖昧である網膜像を解釈する際の枠組みとして観察者自身の身体が用いられていることを示し,視知覚の研究においても身体の影響を考慮に入れることが重要であることを示唆する。
著者
土田 滉也
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.473-474, 2017-03-16

近年、Amazonのような大規模のショッピングサイトでは、膨大な数の商品を取り扱っている。その中から自分の欲しいものを自力で探し出すのは困難であり、レコメンドシステムが必要不可欠である。現在のレコメンドシステムでは精度の高い推薦が可能になり、ユーザの趣味嗜好に合った推薦結果が得られるが推薦の多様性が失われる問題が発生する。本研究では、その問題を解決するために推薦のセレンディピティ(興味×新規性×意外性)を考慮したレコメンドシステムを提案する。従来の推薦情報に加えて、ディープラーニングを利用した新たなアプローチを組み合わせることで、セレンディピティのバランスのとれた推薦を実現する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.750, pp.72-77, 2003-08-04

すずメッキの銅板を重ね合わせて張ったメタリックな外皮を持つ。シルバーに輝き、森の緑の中で存在感を放っている ロッテルダム近郊にある緑濃きセント・ローレンス墓地の一画が敷地だ。森閑とした趣きの中に出現したメカノー設計のチャペル(礼拝堂)は、不時着した異界からの飛行物体を連想させるたたずまいだ。
著者
大木 正行
出版者
日本食品衛生協会
雑誌
食と健康 (ISSN:13482513)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.52-61, 2005-10
著者
林田 昌子 清野 慶子 伊関 憲
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 医学 : 山形医学 = Bulletin of the Yamagata University. Medical science : Yamagata medical journal
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.57-62, 2011-08-15

キノコ中毒の多くは秋におこり、また集団発生することが特徴である。今回我々は山 で誤って採取したツキヨタケ(Lampteromyces japonicus)により、家族4人が中毒に 陥った症例を経験したので報告する。【症例】(1)79才、男性 (2)76才、女性 (3)48才、女性 (4)15才、男性【現病歴】2009年9月某日、20時頃、母親が山で採ってきたキノコを味噌汁にして家族で 食べた。1時間30分後より嘔気、嘔吐が出現した。A病院受診し、4時間後に当院救急 部に紹介となった。持参したキノコの柄の根元に黒いシミがあることからツキヨタケと 判明した。【来院後経過】4名とも来院時バイタルサインは安定しており、検査上異常所見は認めら れなかった。嘔気・嘔吐が強かったためメトクロプラミド10mg静注、脱水に対して輸液 を施行した。その後経過観察のため入院となった。翌日には嘔気、嘔吐の症状が消失し、経 口摂取可能となった。その後、全身状態安定しており、退院となった。【考察】ツキヨタケの主毒成分はイルジンSである。これまでの報告では、ツキヨタケの 個体によって、イルジンSの重量当たり含有量は異なるとされている。このため、ツキ ヨタケ摂取量と症状は必ずしも相関しないこととなる。 ツキヨタケ中毒の症状としては摂取後30分~1時間より激しい嘔吐、下痢、腹痛がおこ る。重症例では著明な腸管の浮腫や肝機能障害がおこる。 中毒治療としては、毒物を除去するために、催吐、胃洗浄が行われることがある。また、 対症療法として、初期に十分な補液を行う必要がある。4症例とも来院時より細胞外液 の投与を行った。摂取量は異なっているが、発症時期や収束した時期はほぼ同じであっ た。ツキヨタケ中毒の治療は輸液管理が中心となるが、今回の症例も輸液を中心とした 対症療法で治療することができた。
著者
元田 慎一
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.150-155, 2018-04-15 (Released:2018-09-27)
参考文献数
28

本稿ではACMセンサの出力原理と基本的特性,および再現性に優れる作製プロセスを解説した.これによりACMによる大気腐食モニタリングを理解する一助としたい.
著者
梅本堯夫
雑誌
甲南女子大学人間科学年報
巻号頁・発行日
vol.14, pp.91-105, 1989
被引用文献数
1
著者
不動寺 浩 澤田 勉
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.338, 2005

著者らが開発した非極性溶媒により構造色が変化する人工オパール薄膜について報告する。単分散シリカ粒子を最密充填したコロイド結晶薄膜をガラス基板上にコーティングした。粒子間の隙間には紫外線硬化型のエラストマーを充填し硬化することでコンポジット化した。このエラストマーは溶解度パラメータが近い溶媒に漬けることで膨潤現象を生じる。その結果、薄膜内の配列粒子の周期が10nmレベルで変化することで構造色が長波長側へ変色する。この構造色変化は繰り返し行うことができる。本講演では非極性溶媒であるトルエン・キシレンなどをリトマス試験紙のように簡単に視認できることを報告する。
著者
黒田 賢治
出版者
日本中東学会
雑誌
日本中東学会年報 (ISSN:09137858)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.75-97, 2010-07-15 (Released:2018-03-30)

This paper aims to consider the state control of the Iranian Shi’ite Islamic jurisprudence academia under Kamenei’s leadership based on a survey of literature and fieldwork from September 1, 2008 to October 29, 2008. Specifically, I will focus on the process of administrative reform in the madrasa complex of Qom (Ḥowze-ye ‘Elmīye-ye Qom) under his leadership and the recent condition of monthly stipend for students in the madrasa complex of Qom. On June 4, 1989, the Assembly of Experts held a meeting and decided to elect Khamenei, who had been president, as the new supreme leader. But Khamenei was a middle-ranking Islamic jurist, Ḥujja al-Islam wa-l-Muslimīn, unlike former supreme leader Khomeynī. This was not accordance that Article of the constitution of 1979, that the supreme leader must be a marja‘-e taqlīd (source of emulation; the title of a highly educated jurisconsult who has his followers) recognized by a large majority of the citizens. This contradiction of Khamenei’s appointment with the constitution was solved by revising the constitution that Khomeini had ordered before his death. In addition, the state encouraged Khomeini’s followers to obey two marāja‘-e taqlīd (pl. of marja‘-e taqlīd) who were recommended by the state. This meant the ruling structure was divided into two spheres: a political sphere and a religious sphere. At the same time, direct control by the state was limited to the former sphere. Thus it was a solution for only one side of the dualistic ruling structure that the state promoted Khamenei for a marja‘-e taqlīd. In 1994, Khamenei was nominated one of the recommended marāja‘-e taqlīd by two ruling support groups. Some researchers pointed out that repressive measures such as house arrest were taken against some high ranking Islamic jurists and their relatives. In other words, the violation by the state was a way of control over the jurisprudence academia. On the other hand, some researchers referred to Khamenei’s leadership in the administrative reform in the madrasa complex of Qom. In addition, they also referred to Khamenei’s financial support there. If their indication was correct, the solution was not only based on the violation. However they did not give enough explanation about not only the administrative reform but also the monthly stipend. Therefore, I attempted to refine their discussion and analyze the way of the state controlling the jurisprudence academia. As a result, I found out the control of the ruling body through an institution based on the above two topics. First, the administrative reform in early 1990s provided institutional connection between the state and new administrative body of the mardasa complex of Qom. Second, there were two types of the monthly stipend system. One was “informal,” the other was “formal.” In the “informal” system, insolvent marāja‘-e taqlīd paid students personally. On the other hand, in the “formal” system, the center for monthly stipend under the new administrative body collected money from each solvent marāja‘-e taqlīd and distributed this to students. At the same time, Khamenei absorbed more than thirty percent of total amount in the “formal” system. Then, these results meant a way of the state controlling the jurisprudence academia based on institution.
著者
西藤 成雄
出版者
日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.267-274, 2008
被引用文献数
1

<B>背景</B> 幼児の呼気終末で喘鳴を確認するために,玩具を用いた小児の聴診手技の向上について検討を行った.<BR><B>調査方法</B> 風車,吹き上げボール(ボール),象さん吹き上げ糸(ゾウ)の3つの玩具を選び,呼吸音をソノグラフにより解析を行った.また Web ページにてそれら玩具のモニター医師を募集し,77名のアンケート回答が得られた.<BR><B>結果</B> ソノグラフでは,風車は吸呼気比は短くばらつきも最も大きかった.ボールは吸呼気比は最も長いが,ばらつきが大きい.ゾウは吸呼気比は吹き上げボールに及ばなかったが,ばらつきは最も小さい.アンケートでは,呼吸音と喘鳴の聴取においてゾウが最も高く評価された.ボールは取り扱いが難しく誤飲の指摘があった.<BR><B>考案</B> ソノグラフでは,ゾウが規則正しく呼気終末まで努力呼吸を繰り返していると考えられ,またアンケートの総合評価でも聴診の補助具としての評価が高い.本玩具を用いることで幼児でも呼気終末まで喘鳴の消失が確認しやすくなり,より確実に病状の把握ができることを期待する.
著者
福井 栄二郎
出版者
日本文化人類学会
雑誌
文化人類学 (ISSN:13490648)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.203-229, 2012

個人名は、しばしば人類学的、あるいは哲学的な議論の対象とされてきた。名前は社会的分類指標であり、特殊性のあらわれであるとする議論が一方にあり、他方には、単独性、代替不可能性のあらわれであるとする議論がある。名前について、当該社会における意味や機能を考察する文化人類学では前者の議論に親和性が高い。だが、それでは単独性に到る回路を捨象してしまうことになる。また名前の議論は歴史と関連付けられながら論じられることが多いが、他方で人々の歴史認識が変化することが考慮されていない。こうした問題関心のもと、本稿ではメラネシア、ヴァヌアツ共和国アネイチュム島の事例を考察する。アネイチュムでは個人名が土地保有と密接にかかわっている。ゆえに人々は細心の注意を払い、そして有している知識を総動員して命名を行う。しかし、18世紀中頃からの社会変容に伴い、土地や名前に関する知識の多くが忘失された。現在でも、命名の際、多くの問題が生じているし、一度つけた名前にクレイムがつくことさえある。彼らの言を借りれば、伝統文化は「めちゃめくちゃ」になり、何が「正しい」のかわからないということになる。認められていないはずの名前の創作さえ、近年ではしばしばみられる。アネイチュムにおいて、たしかに名前は社会的な分類指標なのだが、他方で、他者の単独性を示すために名前を用いるという構えは日常の至るところに見出せる。つまり名前の示すものは決して一様ではなく、人々は名前に対する複数の「物語」をスイッチさせているのだといえる。
著者
鳥山 由子
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
no.66, pp.99-102, 2004-03

筆者は、長い間、附属盲学校で化学を担当していました。化学というと、「リトマス試験紙」「爆発」などの言葉を思い浮かべる人が多くて、盲学校では不可能なものと思われています。しかし、実際は、目の見えない生徒もガスバーナーを ...
著者
松尾 陽
出版者
近畿大学法学会
雑誌
近畿大學法學 = Kinkidaigaku hogaku: the law review of Kinki University (ISSN:09164537)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.51-96, 2012-03-01

[目次] 0.集団分極化という課題, 1.消費者側の動機という出発点とその憲法学的意味, 2.情報環境の発展とサイバーカスケード, 3.集団分極化と分裂化, 4.集団分極化と民主的憲法論の課題