1 0 0 0 OA 正宝事録

出版者
巻号頁・発行日
vol.[39],
著者
進藤 順治 阿部 隆士 山口 隆幸 小林 寛
出版者
Japanese Society of Zoo and Wildlife Medicine
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.105-109, 2000 (Released:2018-11-03)
参考文献数
19

フンボトルペンギンの精子形態と大きさに関する報告はない。今回, フンボルトペンギンの精子形態を走査電子顕微鏡(SEM)で観察し, また各部位の長さを測定した。精子は, 紐状で頭部は細長くやや湾曲していた。全長ならびに各部位の長さを測定した結果, 全長は73.8±3.6μmであった。頭部は11.4±0.9μmで, 先体は1.1±0.2μm, 核は10.3±0.8μmであった。尾部は62.6±3.8μmで, 中片部は2.8±0.2μmであった。フンボルトペンギンの精子形態は典型的なnon-passerine birdsのグループに属し, また全長は他種よりもやや小型であった。
著者
鈴木 宏哉 根本 みゆき
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.12_1, 2018

<p> 昨年、日本体育学会第68回大会本部企画(若手研究者特別委員会)として、「若手が担う体育学の未来~温故知新、そして若手ネットワークの構築に向けて~」を行った。この企画は、日本体育学会のこれまでの歩みと変化する学会内外の状況を踏まえ若手研究者が自らの立ち位置を自覚的に問いながら、体育学の未来を展望する試みであった。その中で、現在の体育・スポーツ系大学院生は必ずしも体育学会に入会していない、言い換えると、体育学の軽視とも思える実態が浮き彫りとなった。一方で体育学会が15の専門領域を有する多様な研究者集団である強みを生かす必要性も指摘された。</p><p> 体育学(会)の発展においては、体育学を専門に学ぶ若者を増やすことは必要不可欠である。その意味では、大学院進学後の学びや修了後の進路について、魅力あるロールモデルを示すことが求められる。</p><p> 本企画では、多様な学びと研究テーマ、そして多様な経歴をもった若手研究者をパネリストに招き、学生時代に何を考え、現在何を思うのかを語ってもらう。さらには研究者としての夢や体育学(会)の今後について語ってもらい、岐路に立つ若手研究者や大学院生に対する道しるべとしたい。</p>
著者
木原 誠
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.106, no.7, pp.462-467, 2011 (Released:2017-02-15)
参考文献数
9

ビールの品質に大きく関わるビール大麦,その育種の実例について,紹介していただき,さらに,ビールの品質上好ましい形質であるLOX(リポキシゲナーゼ)欠失ビール大麦を,DNA塩基配列の差異を利用することで,より効率的に育種することができた大変興味深いお話を解説していただいた。
著者
齋藤 真麻理
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 文学研究篇 (ISSN:18802230)
巻号頁・発行日
no.37, pp.93-119, 2011-03

『鼠の草子』は異類婚姻譚という伝統的な主題を軸とし、民間伝承「鼠の浄土」「見るなの座敷」などとも通じ合う世界を内包する物語である。この室町物語は、人間が留まり得ない異郷への訪問譚として捉えることができる。一方、『鼠の草子』後半に記された「形見の和歌」には、『源氏物語』をめぐる作者の教養が盛り込まれている。本稿では、『鼠の草子』の物語世界と、そこに見られる当時の学芸について考察してみたい。"Nezumi no Soshi" is a work centering on a traditional theme of the marriage and its failure between man and the animal. This work involves folklore as "Nezumi no Jodo" and "Miruna no Zashiki" and could be considered as a story of the visit to the strange land where man cannot stay.On the other hand, author's knowledge of "Tale of Genji" is impressed in the Japanese poems on keepsakes quoted in the latter half of this work. In this paper, I would like to examine the narrative sphere of this work and the literary arts of those days found in it.
著者
吉田 幹生
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.12-19, 2009

本論では、七・八世紀の異類婚姻譚が様々な展開の可能性を孕んでいたことを確認した上で、異類との別れに注目するところから、離別する二人の未練や葛藤の情が次第に描き出されてくる様を論じた。この流れは、異類という側面を希薄化させ、愛し合う二人の悲恋という点を強調していくようになるが、それがやがて王朝物語の領域に引き取られつつ一つの命脈を保っていくことについても見通しを述べた。
著者
馬場 祥次
出版者
八戸学院短期大学
雑誌
八戸学院短期大学研究紀要 (ISSN:21878110)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.35-43, 2016-03-31

全国的に一部の都市圏を除き、自治体や地方などではまちおこしが盛んに行われている。八戸市では、市民団体である「八戸せんべい汁研究所」が青森県南地方の郷土料理「せんべい汁」をツールとして、八戸市を全国にアピールし大きな経済効果をもたらしている。本稿では、八戸学院短期大学学生が、八戸せんべい汁研究所の活動に学生サポーターとして参加している、その経緯と意義、課題について述べる。
著者
門田 正久 鳥居 昭久 池畠 寿 半田 秀一 花岡 正敬
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.C3O2132-C3O2132, 2010

【目的】今回、アジアパラユースゲーム東京大会にて、本部トレーナー活動を実施することがきましたので、障害者スポーツ大会のサポート活動を広く周知していただき、より多くの理学療法士の方々に障害者スポーツをサポートしていただくための情報発信として報告をさせていただきます。<BR>【方法】2009年9月8日から13日(大会期間9月10日から13日)の期間中、アジア地区ユースパラゲーム東京大会に参加された選手および役員へ本部トレーナーサービスを実施。実施内容について種目別・部位別などの対応実績を調査。また、利用者からの聞き取りによる障害者スポーツにおけるユース世代における課題について考察をする。<BR>【説明と同意】<BR>【結果】今大会競技種目は、水泳、陸上、卓球、ゴールボール、ボッチャ、そひて車いすテニスの6競技で開催、選手役員700名の参加があった。その中でトレーナーサービス利用総件数167件。競技別利用状況としては、水泳12名ゴールボール10名、陸上5名、テニス5名、卓球4名、ボッチャ2名であった。部位別状況としては、肩関節が最も多く32件、次いで腰部12件、頚部11件となっており前腕・手等を入れると上半身中心の部位が多く認められた。また実際のトレーナーサービスの中で、障害問題の解決だけでなく、トレーニング方法やコンディショニングについての説明指導を実施することも多くあった。<BR>【考察】今回、国際大会でのユース選手へのトレーナーサービス活動を実施した。利用者はほとんどが日本選手であったが、サービスを実施する中で、基礎疾患となる運動機能障害と競技による機能障害の混在がほとんどであり、日常管理の中で競技練習内におけるコンディショニングの必要を強く感じられた。部位別で見ると上半身の問題が多く、切断や術後の脊柱アライメントの問題やバランス対応としての頚部の障害も多く認められた。また利用者全員への聞き取りはできなかったが、多くの選手の場合はどこでコンディショニングを指導してもらえるかわからない、もしくは通常のトレーニングジム等の施設や施術院では対応してもらえない現状も知ることができた。これは、健常者の運動器疾患対応についてはトレーニングジムや施術所での対応は一般的であるが、障害のあるスポーツ選手を受け入れる土壌がまだ未整備であり、今後の日本における障害者スポーツサポートシステムの構築の必要性を感じるものとなった。またその中で、理学療法の活用がさらに大きな意味があるものと再認識することができた。今後は、大会のみならず強化練習サポート体制作りや地域活動へのサポート体制の構築を進めていき、より質の高いサービスを提供できるように努力していきたいと考える。<BR>【理学療法学研究としての意義】障害者のスポーツは、近年競技志向の高まりにつれて参加選手のサポート体制も変革期を迎えています。障害者スポーツの代表的な大会ともいえるパラリンピック大会においても2001年にIOC(国際オリンピック委員会)とIPC(国際パラリンピック委員会)との協力関係が話し合われ、2008年北京パラリンピックからIOCの支援体制が始まっています。日本においても2000年シドニー大会より本部トレーナー帯同が始まり、その後2004年アテネ大会1名。2008年北京大会には1名増員、2名体制で本部対応することができ始めています。また各競技団体においても、専任トレーナーをつける競技団体も増えてきています。その中でも理学療法士の資格を持っての参加トレーナーが多くなっており、今後もより競技サポートのニーズが増えてくると思われます。<BR>
出版者
集英社
巻号頁・発行日
vol.第55 (獅子文六集), 1968
著者
三上 由希野 篠塚 明彦
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Education, Hirosaki University (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.117, pp.21-29, 2017-03

明治政府は、日本を近代国家とするために、様々な政策に着手し、弘前でもまたこの流れに遅れをとるまいと、近代社会実現にむけた活動が活発に行われていた。しかし、それは明治政府の近代化とは一線を画すところもあった。こうした弘前の近代化の過程にあっては、旧弘前藩出身の士族層が地域リーダーとして活躍していた。弘前周辺でも、江戸時代の後半以降、豪農や豪商の成長もみられていた。だが、明治に入っても士族層が大きく没落することのなかった弘前においては、そうした豪農層や豪商層の成長にも関わらず、相変わらず士族層がリーダーとして地域を支える役割を担っていたのである。これは、全国的な状況、例えば自由民権運動において「士族民権から豪農民権へ」という地域リーダー層が交替する姿とは些か異なる状況にあった。本稿では弘前における地域リーダーとして活躍し続けた士族の姿を明らかにし、日本における近代化の様相の個別性を再考する。
著者
澁谷 与文
雑誌
学習院大学人文科学論集 (ISSN:09190791)
巻号頁・発行日
no.20, pp.107-126, 2011-10-31

アナトール・フランス(以下、フランスと略す)に対する賛否両論が鳴りやまぬままに百年が過ぎた。世界を代表する知性であった作家の生前の影響力は翳ったが、それでも著書は仏・英・米・独・日・中・ハンガリーなどで常に刷られ、時には新訳やモノグラフィーも出版される。しかし、文学研究はかつてより少なく、その量は『現代史』や『神々は渇く』を重要視する歴史学と良い勝負である。作品・思想に関して生前から続く賛否は、死後のシュールレアリストのパンフレットとポール・ヴァレリーのアカデミー会員就任演説という印象的な批判を経て現在に至る。そこで本論文では、ミラン・クンデラが近著で指摘したそうした現状と、作品の再評価を頼りに、幾つかのフランスに対する批評を読み解いて行く。フランスに対する批評には二重性が付きまとっている。つまり、賛否両論とは作家本人の思想や一つの小説に対する多方面からの意見の違いだけではなく、ある批評(家)の内部の賛否両論でもある。アンドレ・ジッド、ジュール・ルナール、モーリス・バレスといった1860年代生まれの作家達によるフランスに対する態度は一様に賛否と注視といったものである。しかし、それに対して1870年代生まれの作家達の態度は多様である。その一人であるヴァレリーのアカデミー演説は、その前半の礼賛と後半の侮蔑が対称的に分離した零度の批評である。ここでは、賛同と批判が同じことを示しうることが証明されていて、フランスに対する批評であると同時にアカデミー演説という儀礼への批評を成している。また、この批評は死者への餞としての弔鐘でありながら、フランスに対する政治性を帯びた批評の始まりを告げているのである。ヴァレリーがアカデミー演説で示した現代の文学の危機に傾聴したアルベール・チボーデは、フランスをその危機の象徴にまで高めた。また、文学史家としての使命から、晩年までフランスの批評を書き続けた。しかし、チボーデはフランスを、ホメロス、プラトン、ファブリオー、ラブレー、ボワローなどに続く「接木文学」の中に位置づけながら、最も「接木」性の高いフランスの作品、『ペンギンの島』に対する批評を尽くしているようには見えない。『ペンギンの島』は矢作俊彦の『あ・じゃ・ぱん!』と同じ歴史改変小説である。面々と続く接木文学とも言えるこの二つの小説は、両者とも文明に対する危機意識を文明の基点に求めている。矢作が文明の終焉を明治維新に求めたのと同じく、フランスはそれをトゥール・ポワティエの戦いに求める。この時、フランスとチボーデは同じ文明の中で正反対の時期に危機を見出している。チボーデの危機意識は現在のコンピューター社会ではありふれた文学の現状として受け入れられている。それゆえ、チボーデの衣鉢をつぎつつ、接木文学としてのフランスの作品を文学史の中で問い直す必要があるのではないか。
著者
大塩 猛人 日野 昌雄 大下 正晃 檜 友也 後藤 隆文 秋山 卓士
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.768-774, 2002
参考文献数
36
被引用文献数
4

【目的】乳児の臍ヘルニアに対する治療方針は論議の多いところである.自然経過観察と絆創膏固定を施行した場合の治癒結果について比較検討し報告する.【対象と方法】臍ヘルニアで受診した乳児を対象とし, 経過観察(A施設)と絆創膏固定(B施設)を別個に施行し, prospectiveに1998年1月から1999年12月までの2年間の治癒結果を調べた.なお, 出生体重1, 500g以上で生後6カ月までの初診例に限った.有意差検定はχ^2およびStudent's testで行い, p<0.05を有意とした.【結果】A施設 : 36例が受診し, 24例において2000年末まで経過が観察された.自然治癒が19例にみられ, その時期は生後2カ月から2歳3カ月(平均7.6±5.3月)であった.なお, 11例(45.8%)は生後6カ月末までに, 6例(25%)は12カ月までに治癒した.B施設 : 115例が受診し, 102例において最終結果が判定できた.治療開始は日齢25日から4カ月4日(平均59.9±18.9日)で, 生後54日から209日(平均107.9±29.6日)に固定を終了した.生後6カ月末までに全例が治癒した.生後6カ月末までの治癒率では, 経過観察群と絆創膏固定群との間に有意差を認めた(p<0.01).【結論】乳児の臍ヘルニア治療法としての絆創膏固定はその早期治癒に有効であり, ヘルニア根治術を必要とする症例数を減少させるか, 手術そのものを避けることができる.
著者
串崎 真志
出版者
関西大学大学院心理学研究科
雑誌
関西大学心理学研究 (ISSN:21850070)
巻号頁・発行日
no.8, pp.1-12, 2017-03

Empathic accuracy is the degree to which a perceiver is able to accurately infer the specific content of another person's successive thoughts and feelings. It involves both processes of cognitive empathy and emotional contagion and enhances motor mimicry (automatic imitation/synchronization). Four experiments were conducted to test the hypothesis if the motor mimicry associates a process of empathy, then empathic accuracy in emotional contagion would increase the frequency of draws in paper-rock-scissors. Participants (study 1: N=88, study 2: N=88, study 3: N=88, study 4: N=72) were asked to complete the emotional contagion subscale and the odor awareness scale (study 2 to 4 only) and report how much they currently felt lonely, active, and tired on a 7-point scale. They were paired with partners and rated on how much they thought the partner had a current feeling of loneliness, energy, and fatigue by just looking at his/ her face. Consistent with the hypothesis, study 1, 3, and 4 showed that the frequency of draws increased as the dyadic scores of empathic accuracy increased.相手の思考や感情の内容を正確に推測する能力の程度を,共感の正確性という。本研究では,共感の正確性が高いほど,じゃんけんで引き分けやすいかどうかを検証するために,4 つの実験を実施した。大学生の参加者(研究1 : N = 88, 研究2 : N = 88, 研究3 : N = 88, 研究4 : N = 72)が,情動伝染尺度及び匂い気づき尺度に記入し,自分と相手の気分(孤独・活気・疲労の程度)を7 段階で評定した。研究1,3,4 では,仮説に一致して,共感の正確性の二人の合計が高いほど,じゃんけんで引き分けが出やすくなっていたが,仮説と反対の結果もみられた。共感の正確性と動作模倣について考察した。