著者
田中 浩也 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.71, pp.407-412, 2003-07-16

デジタルスチルカメラや携帯電話内蔵型カメラの普及に伴い,多くのユーザが写真画像を大量に撮影するようになった.そのため蓄積された写真画像を高度利用するためのさまざまシステムが検討されている.筆者らは,近い位置で撮影した写真画像をリンクで互いに繋ぎ合わせる方法に基づく「ハイパーフォト空間」の提案を行ってきた.ハイパーフォト空間は,写真を空間的にリンクで結びつけるだけの比較的簡易な機構であるが,ユーザが短時間で擬似3次元空間を制作できる点が特徴である.ハイパーフォト空間はまた,個々のユーザが「写真」と「リンク」を用いて現実のある空間を再構造化した結果と見なすことができる.そのため制作されたハイパーフォト空間を分析することで,ユーザの主観的な解釈を経た現実空間の状態を把握し,建築や都市分析に応用することが可能と考えられる.そこで本稿では,幾何構造に基づいてハイパーフォト空間の特徴を抽出する方法をまとめ,それらの手法を用いたハイパーフォト空間分析の基礎的な実験結果を示す.We have proposed the concept of "HyperPhotoSpace", one of pseudo-3D virtual spaces composed of photographs and spatial-hyperlinks. By using our prototype system STAMP/PhotoWalker, a user can create HyperPhotoSpace easily and present their own spatial experiences. In this paper, we discuss several basic methods for feature extraction of HyperPhotoSpace. Moreover, we also introduce one sample analysis of HyperPhotoSpace. To analyze HyperPhotoSpace, it is possible that we figure out both the structures of the real place and users' personal interests in the space.
著者
高山 幸三 藤川 未来人 小幡 誉子 森下 真莉子 永井 恒司
出版者
公益社団法人 日本薬剤学会
雑誌
薬剤学 = Journal of Pharmaceutical Science and Technology, Japan (ISSN:03727629)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.2-12, 2004-01-01
参考文献数
71
被引用文献数
3

<p>A pharmaceutical formulation is composed of several formulation factors and process variables. Several responses relating to the effectiveness, usefulness and stability, as well as safety, must be optimized simultaneously. Consequently, expertise and experience are required to design acceptable pharmaceutical formulations. A response surface method (RSM) has widely been used for selecting acceptable pharmaceutical formulations. However, prediction of pharmaceutical responses based on the second-order polynomial equation commonly used in RSM is often limited to low levels, resulting in poor estimations of optimal formulations. In this review, a multi-objective simultaneous optimization method incorporating an artificial neural network (ANN) is introduced. Further, usefulness of the method is demonstrated by its application to the optimization of ketoprofen hydrogel formulations including 1-<i>O</i>-ethyl-3-<i>n</i>-butylcyclohexanol as a newly developed transdermal absorption enhancer.</p>
著者
内海 里香
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.225-228, 2013

神戸や京都のような地域名をブランド連想の素材として東京出店・全国展開することができない地方都市の菓子企業は、①消費需要を追跡する形で、地方都市から中核都市、さらに東京へと出店するが、その際に②ブランド連想を独自にうまく構築し成長した事例が複数に見られる。例えば福岡県飯塚市発祥の「千鳥屋」・「吉野堂」は、全国各地で共通に通用するキャッチフレーズでブランド連想を構築し、飯塚から福岡へさらに東京、大阪へ進出した。岡山市発祥の「源吉兆庵」は、鎌倉・京都・奈良などの古都を本店とする類似ブランドを複数開発し成長した。このような事例タイプ化での分析を通じて、その成長戦略の成功要因を考察する。
著者
杉町 信行 林田 行雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27

ATM網における帯域割り当て法としてfast reservation法がある。この方式では、VCはconnectionがsetupされた時に設定されるが、帯域の割り当てはバースト毎に行う必要があるので帯域設定処理および帯域解放処理に要するオーバーヘッドが問題となり、トランクが有効に利用されない欠点を有する。そこで、本稿では一度確保した帯域をバースト伝送終了後に解放せず、一定時間保留する帯域割り当て法を提案し、その特性をシミュレーションにより調べる。
著者
吉田 俊介 野間 春生 柳田 康幸 保坂 憲一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.3819-3826, 2007-12-15

著者らはすでに2 自由度のリニア誘導モータ(LIM)を利用した力覚付きデジタルデスク環境を提案したが,その手法により同時に制御できる物体は1 つに限られた.本論文では複数人での共同作業をも可能とする,複数物体を同時制御可能な新しい方式のLIM による力覚付きデジタルデスク環境Proactive Desk II を提案する.提案手法では机の下に配置された多数のコイルを独立に制御し,異なる強度の磁束を生成する.それらの集合として構成される磁界はある時刻において従来手法のLIMと等価な状態となるよう制御し,それらを局所的に発生させることで複数物体を駆動させる.そしていくつかのアプリケーションを構築し,複数人が同時に利用でき,個別に異なる力覚を体験可能であることを確認した.We have designed a haptic display for ordinary digital desktop operations. It employs a general two degree-of-freedom linear induction motor (2-DoF LIM) and provides two-dimensional force on a desktop surface, but only for a single object. For cooperative tasks between multiple users, we propose the next-generation Proactive Desk II having a novel style of LIM which can apply individual forces to multiple objects simultaneously. The system employs a cluster of coils for synthesizing several traveling magnetic fields underneath the desktop. These magnetic fields simulate a local region of the field created by standard 1-DoF LIM, and these control multiple objects individually. Finally, we confirmed that this system can provide individual haptic experiences for each user using several applications.
著者
上野祐正 山口拓真 濱川礼
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.363-364, 2012-03-06

本システムは,パーソナルコンピュータ(以下PC)の操作において,足を用いてPCの操作を可能にするシステムである.本システムでは,机の下のスペースを利用することによって,手で他の作業を行いながら,又は手を使うことなくPCの操作を行うことを可能にすることを目的としている.具体的には,足を撮影することができる位置にウェブカメラを設置し,両足につけたマーカを認識し続ける.その認識したマーカの動きによってPCの操作を行う.操作モードはマウス操作を行うマウスモード,アプリケーションの起動を行うショートカットモード,入力を受け付けないリラックスモードがあり,それぞれ足の動作により目的の操作を行う.
著者
石川 裕之
出版者
日本比較教育学会
雑誌
比較教育学研究 (ISSN:09166785)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.31, pp.83-100, 2005
被引用文献数
1

This article examines the factors which have made Science High Schools in South Korea into prestige schools for entering top-level universities, by focusing on the equalization system of high schools.Science High Schools are not only the first school for the gifted and talented but have also played a primary role in the gifted education system in South Korea.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.226, pp.74-77, 1999-02-26

ケーブルを机の下から引っぱり出して,つぶれていた部分を元に戻した。そしてもう一度,ケーブルを接続し直したインターネットやイントラネットが建設現場にも普及しつつある。社内のお知らせは電子掲示板で伝え,紙は一切使わないという会社も増えてくるだろう。ネットワークの重要性は高まるばかりだが,ときとしてつながらなくなる。
著者
松尾 尊兌
出版者
京都大学人文科学研究所
雑誌
人文学報 (ISSN:04490274)
巻号頁・発行日
no.13, pp.103-140, 1960-11
著者
大村 知子 木岡 悦子 森 由紀
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.539-549, 1997

阪神大震災の被災者の衣生活行動の経時変化を追跡的に調査することによって, 実態の記録と災害など非常時の着装行動に対する危機管理に関する基礎資料を得て, 衣生活への備え方を探求することを目的として, 被災後の着装行動に関する考察を試みた.<BR>資料は, アンケート形式による質問紙調査を 1995年 7 月に女性被災者 204 名を対象に, さらに追跡調査を第 1 回の調査対象者から無作為に 104 名を抽出し, 1996 年 1 月に実施して得た.<BR>主な結果は以下に示すとおりであった.<BR>(1) 避難時の服装は, 被災程度の大きい地域ほどねまきなど発生時のままで, しかも裸足で避難した例が多く, 着がえてから避難した者は全体の約 3 分の 1 だった. 寒中の早朝に, 着の身着のまま, コートあるいはセーターなどを加えただけで, 靴も履かずに避難したことが明らかにされた.<BR>(2) 履物は, 当日は被害が大きいほど, 裸足やスリッパの利用がみられるなど, 地震発生時間と日本の居住様式による影響が認められた.その後の経時変化は, ライフラインの復旧の進展との関わりが顕著で, 被災の1カ月後は運動靴が過半数であったのに対し, 6 カ月以降は運動靴は 20% 以下となって, 歩きやすい靴に, 次いでヒールの高いおしゃれの要素のある靴が増した.<BR>(3) 自宅の庭・車中などで着がえたなど, 非常時の着脱行動の特徴がみられ, 1 週間以上着がえられなかった例が 5.3% あった. 衣生活に関わる救援活動システムや情報伝達方法に, 多くの課題があることがわかった.<BR>(4) 寝る時の服装の経時変化では, 寝衣を着た者は被災当日の夜が前夜の 28% (47 人), その後も日常着のままが多く, 1カ月後でも寝衣の着用は 53.9% で, 6カ月後にようやく震災前に回復した. 年齢層や性別による違いがみられ, 男性の高齢者の回復が最も遅かった.<BR>(5) 寝具は, 居住環境が劣る被災者ほど, 1 カ月以上も毛布のみで過ごした者が多く, 心身の健康を損なう二次災害の 1 要因になったといえる.<BR>(6) 6カ月以後の衣生活意識では, 75% がおしゃれに関心を持ち, 63.7% の被災者が着たい服装色が直後とは変化し, 1 年後では明るい色, 暖かい色・鮮やかな色を着たい者が多かった. しかし, 灰色など目立たない色を選ぶようになった者もあり, 装いの心が復活する傾向が強い反面, 震災によって着装意識が変化した者もみられた.<BR>以上の結果から, 緊急時への危機管理に関しては, 日常生活の延長上に非日常の生活があることを認識することが重要であり, わが国においては都市型の衣生活に対する危機管理を検討する必要性がわかった.サバイバルスキルの教育, 危機管理の教育の必要性とこられの早期実践の重要性を提言した.