著者
瀬戸 美江 塩谷 知華 澤田 崇子 藤本 健四郎
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.15-21, 2007-02-20
被引用文献数
3 4

世帯構成の違いが,高齢者の食生活にどのような影響を及ぼしているかを検討した。世帯タイプ別の構成割合は夫婦のみの世帯数が最も多く,次いで三世代同居世帯,単独世帯の順であった。アンケート調査では,夫婦のみの世帯が最も食事への満足度が高かったが,食事調査では単独世帯や夫婦のみの世帯では,食事摂取基準値に対する不足が懸念された。三世代同居世帯の高齢者は「好きなおかずがない」ことを不満に感じているが,調理者は「好む料理を作る」ことを最も配慮・工夫しており,世代の異なる家族の嗜好を満足させることの難しさを何うことができた。また,単独世帯の高齢者は家族と会話がないことを不満としており,会話が食事にとっていかに重要かということも分かった。
著者
相原 直樹 田妻 進 大屋 敏秀 初鹿 寿美恵 山下 喜史 堀川 和彦 越智 秀典 寺面 和史 平野 巨通 三浦 弘之 佐々木 雅敏 梶山 梧朗
出版者
日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.9-13, 1994-02-25 (Released:2012-11-13)
参考文献数
12

大柴胡湯によるコレステロール胆石形成に対する影響を, コレステロール胆石形成モデルを用いて検討した. 雄性ゴールデンハムスターを, 普通食投与群 (N群: n=12), グルコース食投与群 (L群:n=14), 1%大柴胡湯添加グルコース食投与群 (L+D群:n=12) の3群にわけ4週間飼育した後, 胆石出現率, 胆汁脂質, 血清脂質および肝組織中の脂質の差を検討した. コレステロール胆石の出現率は, L群において71%と高率であったが, NおよびL+D群においては胆石形成を認めなかった. 胆汁中の胆石形成指数は, N群0.44±0.28, L群0.85±0.19, L+D群0.43±0.24 と大柴胡湯投与により有意に低下していた. 一方, 血清脂質は, コレステロール, 中性脂肪ともにL群においてN群, L+D群に比し有意に上昇したが, N群, L+D群間に有意の差は認めなかった. 肝組織中の脂質はN群に比べL+D群において遊離コンステロールの低下, コレステロールエステルの上昇, L群においては逆の変化を認めた. 以上より, 大柴胡湯は, 腸管でのコレスデロール吸収抑制, 肝でのコレステロール合成抑制および胆汁酸への異化亢進により, 胆汁中コレステロール飽和度を低下させ, 胆石形成に抑制的に作用することが示唆された.
著者
大道 等
出版者
国際武道大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

1:歩行という系統発生的な運動学習を経る動作様式においても、技術差のあることた示唆された。それは「歩行指導」の存在することから傍証される。これは歩行の運動失調症への機能回復訓練に示唆となる。2:近年のフィットネス・スポーツブームの背景もあって、「ウォーキングなるフィットネス運動」が成立した。ジョッギングよりもブームの期間が長く、そこではエステ志向も散見する。前項1の意味においても、ウォーキング動作は体力科学的に正しい歩き方の存在が意識化されている。運動の量と動作の質、つまり生理強度と力学的機序が明らかにされねばならず、本研究はその両面から明らかにし得た。3:歩行を健康科学の観点からみるにせよ、教育的接近法によって解釈するにせよ、そこでは「フォーム」の経時的変化をパターンとしてみる必要がある。そのためには、ビデオレコーダー、使い捨てフィルム、デジタル・カメラ等が有効であり、さらにOA機器の普及によるファクシミリの広い普及により、指導者と歩行者の伝達が極めて容易になった。これらの映像器械の民主化はバイオメカニクス研究の営みを大きく変えた。そして現に変えつつある。連続分解写真に源がある。4:当初、筆者らが考察し、ソニーKKから開発販売された、動点検出システムは15年を経て、その科学的社会的役割が終焉したことが明らかになった。それは、ビデオプリンターとファックスの価格低下が、当システムの原理性を安価性と物量において敗北したのである。5:ビデオプリンター等を用いて、歩行・走行・投・打・蹴・舞・落などのスキル向上のカルテを作成した。これらは医学でいうところのカルテとその存在価値は全く同じである。この映像のデータバンクの整備を志向するさきがけとなる役割を本研究は担った。6:体育指導法における動作フィードバックの必要性が強調された。
著者
福岡 克弘 高木 敏行 小島 史男 相山 英明 橋本 光男
出版者
滋賀県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

立体的な形状をした被検査対象物を高精度に非破壊検査する技術の確立を目的とし、磁粉探傷試験と渦電流探傷試験を組み合わせたハイブリッド電磁非破壊検査システムの確立を検討した。具体的には、磁粉探傷試験と渦電流探傷試験において、立体的な形状の強磁性体を探傷するため、三次元空間に均一且つ簡便に磁界を発生できる回転磁界型磁化装置の開発を行った。渦電流探傷試験により極微小な傷を探傷可能とするため、高感度な渦電流プローブを開発し、その特性を評価した。磁粉探傷試験により得られた探傷結果から、傷形状を定量的に評価する手法の確立を目的に、傷の形状と付着磁粉量および傷からの漏洩磁束密度の関係について評価した。
著者
青山 智夫 井須 芳美 長嶋 雲兵
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.118, pp.13-18, 1995-12-11
被引用文献数
1

階層型ニューラルネットワークと関数の巡回表現を用いて時系列現象の予想を行った.この方法は,離散化した関数を小区間に分解し.その部分断片を組み合わせて外挿時の関数の形を予想する.断片の中に関数の将来の形と同じものが存在すれば精度良く予想できる,同じ断片がない場合,小区間の学習から元関数の近似関数がネットワーク内に構成できれば(この可能性は低くない)精度良く予想できる.Extrapolations for time-dependent phenomena are studied on use of multi-layered-neural-networks and recurrent representations of functions. Adopted theories are based on principles which the function can be constructed of many vectorized-fragments, and the fragments can be related to a set, which is a representation for an extrapolated-part of the function.
著者
小堀 聡
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究の目的は、日本の省エネルギー・低公害的な技術革新がどのように進展したのかを社会経済史的観点から解明することである。そのために、(1)省エネルギー・低公害化に関する産業技術史、(2)低公害化に関する地方自治体史・住民運動史の2つについて、実証研究を行なった。(1)については、①資源調査会の活動、②熱管理技術から公害防止技術への移転などについて明らかにした。(2)については横浜市および北九州市の公害防止政策と住民運動について明らかにした。
著者
寺井 庄治
出版者
住友金属工業
雑誌
住友金属 (ISSN:0371411X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, 1955-01
著者
天野 敏之 浮田 宗伯 岡部 孝弘 佐川 立昌 日浦 慎作
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.524, pp.43-48, 2004-12-17
被引用文献数
3

2004年7月,はこだて未来大学にて画像の認識・理解シンポジウムMIRU2004が開催された.その併設イベントとして,若手研究者の活性化および相互交流を図るため「若手プログラム」が開催された.本稿ではその概要を報告する.
著者
荒井 康裕 小泉 明 堀川 博哉 稲員 とよの Bambang BAKRI
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.III_337-III_344, 2013 (Released:2014-03-03)
参考文献数
15
被引用文献数
1

我が国の水道施設は, 人々の活動を支える社会基盤として欠かすことのできない存在である. しかし, 資源やエネルギーの大量投資に伴って環境負荷を与えている一面もある. さらに, 高度経済成長期に集中的に建設された施設の老朽化が進行し, 現在では大更新期といった難局面も迎えている. ライフラインとしての水道管路を今後も維持して行くためには, 可能な限り環境負荷の小さいシステムへ移行することが重要な検討課題の1つに挙げられる. 本論文では, 管路施設とポンプ施設から構成される水道管路システムに着目し, LCA(Life Cycle Assessment)の観点から, 建設, 運転, 維持管理, 更新の各々のプロセスにおけるCO2排出量の算定を行った. 車両輸送と管路輸送の比較により, 後者(管路)による水輸送の優位性を示した. さらに, 人口密度の大小, 管路配置形状の違い, 管路口径の大小がCO2排出量にどのような影響を及はすか多面的に明らかにした.
著者
加藤 清己
出版者
愛知県立瀬戸西高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2008

1 研究の目的・意義子ども達の理系離れが叫ばれて久しい。高等学校においても、文理の類型選択に理科や数学を不得意とするおいて多くの生徒が理類型をさけ、文類型を選択する傾向が強い。本校では、文類型で2年、3年で合計5単位生物の授業を行っている。3年生の私立文系の類型では例年時間に余裕があり、実験観察の授業を積極的に取り込んでいるが、必ずしも体系化された授業とはなっていない。そこで、生物の不思議のテーマの基に体系的に計画的に実験を行う。それぞれの実験に際してアンケートを実施する。アンケートで生徒の意識調査をすると同時に、アンケートの質問によって自分の経験を他人に伝える意識を持たせるようにする。2 研究方法・計画次の項目に分け、実験を実施した。(1) 植物の生殖の不思議(1)弾子の観察(2)タンポポの綿毛の観察(3)群落遷移と種子の大きさ(2) 自分の体の不思議(1)スリップ現象(2)網膜(3)立体視の原理(4)反応の速さと心理(3) アントシアニンの秘密(1)アジサイ、紫蘇の葉の色素(2)赤キャベツで焼きそば(3)紫蘇の葉でペークロ(4) 日本人の主食米の秘密(1)古代米の観察(2)発芽玄米のしくみ(3)グルテンの作成(5) 生物の体の不思議(1)ウミホタルの発光(2)折り紙で脊椎動物(3)犬の折り紙3 研究の成果(1) 実験考察の集約(アンケートの実施)(1)興味の有無(2)知人へ話すか(3)自分の子どもに話すか についてアンケート調査した。(2) 集計結果(1) 興味の有無 ほとんどの生徒が実施した実験興味を持った。定期考査の問に対しても正答率が高く、成績がよい、悪いには相関がなかった。(2) 知人へ話すかと自分の子供に話すかは同じ傾向が見られた。まだ実験を行っていないクラスの生徒も、友達からの情報で実験内容を理解しており、興味のある話題については情報伝達が早かった。<アンケート結果>No.1赤キャベツで焼きそばNo.2スリップ現象No.3ウミホタルの発光(3) 自分の子供に伝えたい実験(家でやってみた)<アンケート結果>No.1赤キャベツで焼きそばNo.2スリップ現象No.3犬の折り紙ウミホタルの実験を家で見せたいからどのようにして入手方法の質問が多かったが、高価で、かつ入手方法が特殊なため、残念がる生徒が多かった。