著者
益田真輝 仲谷善雄 泉朋子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.127-129, 2013-03-06

近年、インターネットの発展により、各自が観光地で経験した内容を公表しあうことで観光を促す状況が出てきている。そのような現代において、観光会社や地域の人が推薦する定番の観光スポットを推薦するシステムだけでなく、観光客どうしが個性的な観光を共有しあうことが必要である。本研究では、観光地で撮った写真を加工して単独あるいは複数人で四コマの物語を作るように促し、それを公表することで他者を観光にいざなう観光コミュニケーションツールを試作し、評価を行う。観光地で物語を生成するために物語のネタを探す行為を通じて、創造性あふれる観光を創出でき、また他者の物語を共有することで、観光地の新たな魅力を発見するツールとなると思われる。
著者
安田 章人
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本研究は、カメルーン共和国・ベヌエ国立公園地域を主な調査地とし、「持続可能性」を基盤としたスポーツハンティングと地域住民の生活実践の両立および、「人と野生動物の共存関係の構築」に対する学問的貢献と具体的提言を探求することを研究目的とした。最終年度にあたる平成24年度は、以下の二点を大きな目標として研究活動を進めた。つまり、第一に補完的フィールドワークの実施、第二にこれまでの研究成果の具現化である。第一の補完的フィールドワークについて、科研費の使用状況および時間的拘束のため、アフリカ・カメルーンおよびタンザニアでのフィールドワークをおこなうことはできなかったが、比較調査地とした北海道・占冠村において、2013年2月の一ヶ月間、フィールドワークをおこなった。そこでは、猟区を基盤とした野生動物保全管理に揺れる地域社会の姿を把握することができた。アフリカの事例と比較し、今後、論文執筆および学会発表による研究成果の結実を目指す。第二に、研究成果について、これまでのアフリカでのフィールドワークおよび文献研究の成果として、国際学会での発表1件、国内学会・研究会での発表を3件おこなった。また、これまでの研究の一区切りとして、単著を勁草書房より刊行した。本書は、国内初のスポーツハンティングに関する著書として、関係学界にてすでに多くの注目を集めている。3年間にわたる本研究の総括として、まずフィールドワークについて、資金および時間的制約によりカメルーンおよびタンザニアでの十分な調査をおこなうことが難しかった点はあるものの、北海道での調査を開始し、比較事例のレベルにまで達することができた。つぎに、成果発表について、単著の刊行および国際学会誌の掲載が主な成果である。また、Society and Natural Resourcesやヒトと動物の関係学会などの国内外の学会で学術的交流を深めることができた。こうした研究活動をさらに進め、我が国における.学術研究および現実社会に寄与したいと考える.
著者
李 鍾壽 タンゲン カール ダール アイナール ホフガド ピーター 安元 健
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.54, no.11, pp.1953-1957, 1988
被引用文献数
3 75

Mussels infested with diarrhetic shellfish toxins were collected for toxin analyses at Arendal on the south coast and at Sogndal in Sognefiord of Norway. The Arendal mussels contained okadaic acid as the principal toxin, while the Sogndal mussels contained dinophysistoxin-1 as the major toxin and yessotoxin as the minor toxin. These results provide the first evidence for mul-tiple toxin profiles in mussels from European country. Chromatographic and spectrometric methods for determining microquantities of the toxins were established.
著者
角皆 静男 渡邉 修一
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

大気中のCO_2などの温室効果気体の消長に果たす海面の役割の大きさを決める手法として、1.地球化学的収支、2.大気中濃度の解析、3.大気海洋界面における濃度差の解析、4.海水中濃度の時間的変動、経年変化の解析、5.海底堆積物に残された記録の解析による方法がある。そこで、1については、これまでのデータを再吟味し、主に1960年代に加えられたC-14の推移に注目して解析した。2については、海洋上をわたる大気に注目し、札幌近くの日本海沿岸に観測所を設け、日本海からの空気中のCO_2、O_2、H_2O、のOとHの同位体比の微細変動を解析した。3については、海水中のCO_2の逃散度を他の海洋炭酸系に関わる成分と同時に測定し、海洋表面水の平衡からのずれとそれの解消を支配している因子を明らかにした。また、CO_2そのものの交換速度定数を求め、交換量を求めた。泡の効果により、CO_2の交換速度はO_2の交換速度よりかなり大きかった。また、海水中のCH_4、N_2O、DMSも測定し、これらの逃散量を見積もった。4については、西部北太平洋ばかりでなく、東シナ海、噴火湾などの縁辺海や大陸棚域の炭酸系と時間変化の詳密な観測を行い、その構造を明らかにした。これには、水温、塩分、溶存酸素、栄養塩、全炭酸、pH、アルカリ度ばかりでなく、トレーサーのCFCs、トリチウム、C-14なども含まれる。その結果、太平洋水はもともとCO_2を吸収しやすい海であるが、沿岸域(大陸棚ポンプを提唱)や高緯度域から海洋に大量に送り込まれ、またSiが主導する生態系と太平洋中層水が働いて、大きな吸収量になることが明らかとなった。5については、炭酸塩をあまり含まない西部北太平洋の堆積物について、オパールなどを用いて氷期と間氷期間の差異を明らかにし、海水循環の違いから、炭素循環の違いを考察した。また、CO_2の吸収量に影響する生物ポンプの働きを海底での化学成分の挙動から明らかにした。
著者
佐々木 信之 並川 巌
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.1230-1239, 1991-10-20
被引用文献数
6

マラソン中継において, 現場から送られてくる映像信号を処理して計測, カメラ制御を行うシステムを構築した.このシステムは計測用の特殊な映像を用いることなく, 通常の放送用の映像を処理してマラソンランナーのピッチ周波数を計測し, さらに, 中継用カメラのリモート制御を行うものである.このために必要な画像処理は, 2値変換, 面積計算, 動きベクトル検出, クロマキー, 縮小拡大, 領域検出, FFTなどであり, 汎用映像信号処理システム-Picotシステムを使用して実現した.Picotの持つ汎用性のため, 必要とされる各種処理を極めて短時間に効率良く開発することができた.
著者
山田 登世子
出版者
愛知淑徳大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

初年度に実施したフランスにおける贅沢研究は、ココ・シャネルというキーパーソンを得て、現地でのフィールドワーク(シャネルが青春をすごした修道院の視察など)が豊かな成果をあげたと思う。また、日本における贅沢の研究も白州正子という対比項を得て、二人を比較しつつ著作『贅沢の条件』にまとめることができた。アメリカについては想定外のリーマン・ショックのため贅沢研究がすすめられる環境がなく、余儀なく割愛した。今後に記したい。
著者
中込 和幸 最上 多美子 兼子 幸一
出版者
独立行政法人国立精神・神経医療研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

認知矯正療法(NEAR)のRCTについて、サンプル集積がはかどらなかったため、並行してquasi-experimentalデザインを用いて、認知機能及び近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)を用いた前頭部での血流変化に対するNEARの効果を検証した。統合失調症患者19名に6か月間NEARを実施し、その前後で認知機能および前頭部での血流変化を測定した。患者12名を対照群とし、6か月間の通常治療前後で評価し、群間比較を行った。対照群に比して実施群で運動機能、遂行機能の改善及び右前頭極部で有意な血流増大効果が認められた。NEARは前頭機能の活性化を介して認知機能の改善をもたらす可能性が示唆された。
著者
周 一川
出版者
一般社団法人中国研究所
雑誌
中国研究月報 (ISSN:09104348)
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.15-30, 2010-09-25

「満洲国」女性の日本留学は,医学を目的とするものが中心であった。しかし,「満洲国」政府が最も重視したのは師範留学(教員を養成することが目的)であった。1940年代に入ってから女子留学生がさらに増えていき,留学生総数の中で女子は2割前後を占めるまでになった。その原因として考えられるのは,「満洲国」の積極的な女子留学政策の裏に,国内の女子高等教育の環境水準の低さがあったということである。また,女性が自立する道を探すために留学するという動向も影響していた。彼女たちの学生時代は,戦乱にまき込まれた時期が長かったが,その多くは厳しい環境の中で学業を続けたのである。中華人民共和国成立後の彼女たちは,医学などの分野で中堅として,中国,特に東北地方の発展に貢献した。
著者
瀬崎 圭二
出版者
東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻
雑誌
言語情報科学 (ISSN:13478931)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.175-190, 2003-03-01

明治40年代に本格化するデパートメントストア的な販売法は、実際的行為のレベルにおける<万引>の可能性を広げることとなった。急増する<万引>を前にした目本精神医学の泰斗呉秀三は、「万引(窃盗の一種)の精神状態」(明治42・1)の中で、欧米の精神医学が呈する<窃盗癖=kleptomania>なる概念を導入し、<万引>の原因を女性の<ヒステリー>から生じる<虚栄心>へと帰着させる。この呉の医学的見解こそが、呉服店/百貨店における女性の<万引>に対する認識のパラダイムを形象することになるが、言うまでもなくそれは性的な偏差を伴った欧米の精神医学を反復するものでしかなく、<万引>する女性達に対して<病>の認識を付与していくことになった。このような認識のパラダイムに亀裂を入れるのが寺田寅彦の「丸善と三越」(大正9・6)であり、寅彦の言説は、医学的認識の中で保持されている<虚栄心>という読解コード自体を疑問に付すと同時に、消費システムの虚構性を暴露する可能性を持った行為として<万引>を捉えている。こうした試みは、物理学という内部に自足することのない寅彦の言説における<エッセイ的思考>によって支えられていたと言えよう。

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出版者
日本地図学会
雑誌
地図 (ISSN:00094897)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.AP1-AP1, 1991-06-30 (Released:2011-07-19)
著者
仙石 泰雄
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は,過去の100kmマラソンのレース結果を元にレースペースの類型化を行い,高いパフォーマンス発揮につながるレースペースパターンを明らかにすることを目的とした.さらに,100kmマラソン走行中の血糖変動を連続的に測定し,レースペース変動との関係を明らかにすることを目的とした.その結果,100kmマラソンレースを7時間以内でゴールする一流ウルトラマラソンランナーは100kmマラソンレース中の走速度変動を小さく抑えて走行していることが明らかとなった.また,9時間以降にゴールするランナーは50km以降に急激に速度が低下する特徴が示された.さらに,7時間以内でゴールしたランナーは,9時間でゴールしたランナーと比較して,レース中のエネルギー摂取量が少ないものの,血糖低下率は小さいことが明らかとなった.このことより,100kmマラソンにおいてトップパフォーマンスを達成するためには,レースペース変動を小さくすることが重要であり,レースペース変動の抑制には,エネルギー摂取量の多少に関わらず血糖値の低下を防ぐ能力および効果的なエネルギー補給のタイミングが関与している可能性が示された.
著者
木村 桂 齋野 朝幸 佐藤 洋一 黒坂 大次郎
出版者
岩手医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

プロテアーゼ活性化型受容体(PARs)はGタンパク共役型受容体の一種である。涙腺でのPARsの機能をCa2+イメージング法にて検討した。RT-PCRでPAR2のみの発現を認めた。PAR2刺激によって細胞内Ca2+の上昇を認め、この上昇は細胞外Ca2+除去によっても消失せず、PLC抑制薬やIP3受容体抑制薬でも阻害されなかった。Ca2+流入機構では、低濃度Gd3+等の投与で完全抑制されず、NO donorの投与で流入の増強を認めた。以上から、PAR2は細胞内ストアを刺激して[Ca2+]iの上昇を引き起こすが、これはIP3非依存性の反応と考えられ、Ca2+流入機構としてNCCEが優位に働いている。
著者
星野 豊
出版者
筑波法政学会
雑誌
筑波法政 (ISSN:03886220)
巻号頁・発行日
no.48, pp.1-7, 2010-02