著者
太田 敬一
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.396-401, 2005 (Released:2013-02-19)
参考文献数
8
著者
荻原 琢男 井戸田 陽子 木暮 悠美 原田 瞳 河合 妙子 矢野 健太郎 柿沼 千早 宮島 千尋 笠原 文善
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第41回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.P-176, 2014 (Released:2014-08-26)

【目的】アルギン酸(Alginic acid :Alg)は天然の藻類に含まれる多糖類であり,食品添加物や健康食品あるいは医薬品の原料として使用されている.また,そのナトリウム塩(Na-Alg)はストロンチウム(Sr)の体内取り込みを低減させる作用を有することが報告されている.しかしながらNa-Algの服用はナトリウムの過剰摂取に繋がる可能性があるため,Algの他の塩においても同様なSr吸収抑制効果が認められ,さらにSrに対してだけでなくセシウム(Cs)などの他の重金属においても同様な作用が認められれば,Algの有用性はさらに増すものと期待される.そこで本研究ではNa-Algおよびアルギン酸カルシウム(Ca-Alg)による重金属の吸収抑制および排泄促進効果を検討した.【方法】各種濃度のNa-Alg溶液に各種重金属の塩を加え,メンブレンフィルターを用いて遠心分離し,フィルター透過率を算出することによりNa-Algの重金属との吸着作用を検討した.また,ラットに通常飼料(control群)またはNa-AlgあるいはCa-Alg含有飼料を14日間与え,経時的に血漿中SrまたはCs濃度を測定し,その排泄促進効果を検討した.さらに,これらの飼料を14日間与えたラットにSrまたはCsの溶液を経口投与し,経時的に血漿中のSrまたはCs濃度を測定し,吸収抑制効果を検討した.加えて,同様に14日間飼育したラットの生化学検査および病理解剖を行い,各種血中パラメータおよび主要臓器への影響を観察し,安全性を評価した.【結果・考察】in vitroの検討において,Na-Algはその濃度依存的に各種重金属を吸着した.またラットにNa-AlgまたはCa-Alg含有飼料を与えたところ,control群と比較して血中のSr濃度は徐々に低下したが,Csの濃度はCa-Alg投与群でのみ低下した.さらに,SrまたはCs溶液を経口投与したとき,control群と比較してSrのラット血漿中濃度はNa-AlgおよびCa-Algいずれでも低下したが,Csの濃度はCa-Algにおいてのみ低下が認められた.これらのことからCa-AlgにはSrのみならずCsの排泄促進および吸収抑制効果があるものと考えられた.
著者
若土 正史
出版者
日本保険学会
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.628, pp.628_117-628_137, 2015-03-31 (Released:2015-10-30)
参考文献数
25

欧州における地中海・バルト海・北海を結ぶ海運交通では,14世紀後半から既に海上保険制度が普及し,海上リスク対策の一手段として海運関係者に広く利用されていた。1498年ポルトガルはインド航路を開設し,同国の基幹航路となった。本稿はポルトガルと日本の交易に関して,隣国スペインのブルゴスに残る当時の契約史料と同航路の海難事故事例を分析し,この航路における海上保険の活用状況に関し一次史料と先行研究の二次資料とを使って検証したものである。その結果,「『大数の法則』に見合う引受件数の確保」と「一定水準で安定した損害率」という要件が十分にカバーされなかったため,ポルトガルはインド航路では海上保険は積極的に利用していなかった,という結論を得た。
著者
喜多村 真治
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.187-190, 2017-12-15 (Released:2018-03-15)
参考文献数
11
著者
新井 春美
出版者
日本マクロエンジニアリング学会
雑誌
MACRO REVIEW (ISSN:09150560)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.2_33-2_39, 2011 (Released:2011-03-16)
参考文献数
11

今日、水は危機的な状況にあり、水をめぐる戦争が中東、とくにトルコとシリア間で起きると予測されてきた。実際にトルコは水問題を他の外交問題と関係づけ、水問題の解決を遅らせてきた。しかしトルコ•シリア間の外交関係の改善によって、水問題に関するETICという多国籍の枠組みが形成されることになった。これによって両国間の水問題解決への展望に期待が持てるようになってきた。
著者
藤田 博曉 潮見 泰藏
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.319-324, 2007 (Released:2007-08-18)
参考文献数
15
被引用文献数
6 3

本稿では,理学療法モデルの変遷を述べ,新たな理学療法介入として「課題指向型アプローチ」,「Motor Relearning Program」について論じた。脳卒中を中心とする中枢神経系の理学療法介入は,単に麻痺の改善を目的とするだけでなく,生活を見据えた実践的な治療が求められている。
著者
小林 美咲
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.110, no.3, pp.275, 2000 (Released:2014-08-19)
被引用文献数
7

アトピー性皮膚炎患者の掻破行動について,患者自身が1ヵ月以上にわたり毎日記録したノートをもとに解析を行った.32例の記録が得られ,検討の結果,通常の痒み刺激による掻く行動の他に,情動と相関して多くは自動的無意識的に起こり,定期的に毎日長時間繰り返されている習慣的な掻破行動の存在が認められた.この習慣的な掻破行動には精神的依存が生じており,コントロールを欠いた状態も見られた.これは単に習慣を越えて嗜癖addiction,または嗜癖行動addictive hehaviorに相当するものであり,嗜癖的掻破行動addictive scratching,さらに,掻破行動依存症scratch dependenceと考え得ると思われた.また掻破行動はほぼ同じ様な掻き方に様式化していることが認められた.そのため,掻破の関与した皮疹は左右対称性に限局して分布する特徴があった.また掻破行動の道具として使用される患者の両手にはpearly nailなどの特徴的な変化が生じていた.嗜癖的掻破行動がアトピー性皮膚炎の病変形成に関与している事が示唆された.
著者
曽我 史朗
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.141, no.1, pp.9-14, 2013 (Released:2013-01-10)
参考文献数
13
被引用文献数
1

天然物由来の生理活性物質(Geldanamycin,Radicicol)の生理活性メカニズムを,酵母やがん細胞を使ったバイオロジーを組み合わせて解析していくことによって,heat shock protein 90(Hsp90)が重要な抗がん薬標的であることが明らかにされてきた.Hsp90は,がんの増殖・生存に関わる多くの“クライアントタンパク質”の機能維持に必須であり,Hsp90阻害によってこれらクライアントタンパク質の機能をマルチに阻害することによって種々のがん細胞に対して抗腫瘍活性を示す.Hsp90阻害薬の臨床応用はGeldanamycin誘導体で先行して実施されてきたが,それらとは全く異なる骨格を持つ新規Hsp90阻害薬KW-2478を創製し臨床試験が進んでいる.本報ではHsp90が抗がん薬標的として発見されてきた経緯,新規Hsp90阻害薬KW-2478の研究開発,およびHsp90阻害薬開発の現状等について紹介する.
著者
増田 富士雄
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.114, no.3, pp.419-433, 2005-12-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
67

A new research field is introduced for strata science in geology. The new stratigraphy is that a layer, a bed and/or a band of “a year, a month, a day, and several hours” we actually experience everyday, are defined from strata. In this paper we introduce the following four case studies of high-resolution determination for 1) annual beds, 2) historical river-flooding beds, 3) tidal bands, and 4) cross-beds. We also describe new information obtained from the results of these high-resolution stratigraphic studies, which include : discovery of millennial oscillations of solar cycle from the 500 Ka lake varves (annual beds) date determination of every fluvial-flooding beds from the intercalated human wastes and, 600-million-year history of Earth's rotation detected from an annual band in fossils and tidal beds in strata.
著者
森田 浩之
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.37-48, 2012-03-25 (Released:2016-09-06)
参考文献数
14

本稿は、東日本大震災後にメディアに表れたスポーツにからむ「物語(ナラティブ)」を検証し、その功罪を検討する。 「未曾有の国難」に沈む日本と被災地を、スポーツとトップアスリートが元気づける──そうした動きと思想は、まずヨーロッパでプレイするサッカー選手3人が出演するACジャパンの公共CMにみられた。「日本の強さは団結力です」「日本がひとつのチームなんです」という選手たちのせりふは何げないものに聞こえるが、そこには日本のメディアスポーツが語りつづけてきた物語が詰まっていた。 メディアが大震災と最も強く結びつけた大ニュースが、「なでしこジャパン」の愛称で知られるサッカー日本女子代表のワールドカップ優勝だった。ひとつは国家的悲劇であり、もうひとつは国民的慶事と、対照的にみえるふたつの出来事が、メディアによって強く接合された。なでしこジャパンは被災地から「元気」をもらったとされ、なでしこが世界一になったことで被災地も「元気」をもらったとされた。それらの物語はどのメディアをとっても均質的、類型的であり、東北出身の選手や東京電力に勤務したことのある選手には特別な役回りを担わせていた。しかもメディアが意図したかどうかにかかわらず、「あきらめない心」や「粘り強さ」といったなでしこジャパンの特徴とされるものは、3.11後の「日本人」に求められる心性と重なっていた。 このような均一化された物語の過剰は、「絆」ということばが3.11後のキーワードになることに加担した。被災地との「絆」がつねにあるかのように語られることで、現実には存在する非・被災地との分断が覆い隠されるおそれもある。
著者
宋 大光
出版者
一般社団法人 日本児童青年精神医学会
雑誌
児童青年精神医学とその近接領域 (ISSN:02890968)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.191-204, 2019-04-01 (Released:2020-02-28)
参考文献数
19

児童精神科の臨床現場では子ども本人が受診を嫌がる,外に出られない,親が子どもに話を聞かせたくないなどの理由で親だけで受診したいと希望するケースが少なくない。しかし親が医療機関に問い合わせると子ども本人が来ないと治療ができないと言われ,親が困っているケースに出会う。そこで筆者は患者本人が通院できない症例に対して,患者本人がいなくても治療が可能と言われるシステムズアプローチを用いて治療を行い,その有効性について検討した。本症例は4年間の盗癖を主訴に初診時は患者と母で来院したが,家族の背景から患者は2回(1回は診察,1回は心理士による心理検査)しか来院できず,実際に筆者が患者に会えたのは1回のみで,それ以降は母だけが通院することになった。そこで筆者はそれ以降母に対してシステムズアプローチによる精神療法を行い,患者の盗癖の症状と家族関係のある程度の改善が見られた。今回の精神療法で用いたシステムズアプローチは親だけが受診する場合にも治療を行える可能性があるため,児童精神科臨床において一度は試みられるべき方法であると考える。
著者
数馬 広二
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.27-38, 1992-07-31 (Released:2012-11-27)
参考文献数
51
被引用文献数
2

The Taihei-Shinkyo-Ryu (Kenjyutsu School) was founded by Wakana Shinkyosai, a masterless Samurai (Ronin), in 1778. This study aimed at explaining the situation behind Taihei-Shinkyo-Ryu, one of the Military Arts schools, among Hachioji-Sennin-Doshin.Results are summarized as follows:1. At the beginning of the. Edo Period, a group of Ronin (who were the last Takeda followers from the Kai District), were deployed at the crucial points in Hachioji for the defense of the Edo Castle by the Tokugawas. They were composed of three classes (Senninkashira, Kumikashira and Hiradoshin), and had to practice military arts.2. After the Kansei Era, the Tokugawas encouraged Sennin-Doshin to practice martial arts, and at that time Wakana Shinkyosai taught his philosophy to Hachioji-Sennin-Doshin.In case of Hachioji-Sennin-Doshin, the number of students was as follows: (for example, in case of Wakana Seishinsai >Shinkyosai's son< ) Senninkashira had 16, Kumikashira 11 and Hiradoshin 36.In this way, members from all classes practiced Taihei-Shinkyo-Ryu.3. The best student of this school was Shiono Tekisai, from Kumikashira. He spread the school philosophy to all classes of Sennin-Doshin. For example, during every winter, he practiced martial arts early in the morning with his students for about 50 days. The Dojo (practicing hall) was in the open air. It was so cold that they got their hands chapped, but they devoted themselves to practicing. Then, his Dojo came to be supported by Senninkashira. And some of students were selected to demonstrate Kenjyutsu in front of the Tokugawa Shogun and were given awards.4. The philosophy was derived from Confucianism. The parents of students needed it for the education of their children. They wanted their children to become the students (Nyumon) at the age of 16.5. Many Hiradoshin who lived in the village were farmers. So they harbored ill feeling toward Samurai who lived near the Edo Castle. But on the other hand, they had a dream to be promoted to higher classes.6. Specially, in the Tama District, there ware a lot of Ronin who came from the Kai District. They continued to practice Kenjyutsu as the followers of the Takeda Clan, despite the fact that the practice of Kenjyutsu had been prohibited in the village. They were thought to be Samurai who had practiced Kenjyutsu.7. And Hachioji-Sennin-Doshin wanted to be recognized as Samurai, so Shiono Tekisai set up his school with the Hachioji-Sennin-Doshin and became the chief mentor in many areas around Hachioji.
著者
高荷 久昌
出版者
The Tohoku Geographical Association
雑誌
季刊地理学 (ISSN:09167889)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.73-91, 2002-07-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
81
被引用文献数
1

東京湾は, 1950年以降港湾施設や臨海工場の立地のため広大な埋立造成が行われ, 自然の海岸が多く失われてしまった。このため1970年代後半から東京湾各港において, 港湾地帯の環境改善を進める計画がたてられるようになった。本研究は東京港で実証した公園緑地の形成過程を, 東京湾内の千葉港, 川崎港, 横浜港における公園緑地を中心とした環境施設に対して同様な分析を行って東京港と比較することにより, 東京湾の港湾地帯における環境施設の形成過程の体系化とそれぞれの港湾がもつ地域特性を明らかにすることを目的とする。研究の結果, 東京湾の港湾における環境施設の形成過程は, 1970年代から港湾環境整備施設の制度化により, 港湾管理者を中心とする環境施設が整備され, その形成過程は緑地広場, 運動施設整備期から始まり, 70年代後半からの自然環境回復施設整備期を経て, 80年代から90年代にかけて親水施設整備期, 90年代の集客施設整備期に進展している。さらに東京湾の港湾における環境施設形成の内容を見ると, 複数の自治体を後背地にもつ東京港, 千葉港と, 同一の自治体である川崎港, 横浜港の2つのグループに分けることができ, 後背地の都市がもつ地域の特性が形成過程に差をもたらしている。
著者
光藤 英彦
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.363-375, 1994-01-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
14

鍼灸医学における穴位主治の伝承は, 古方における方と証に匹敵すると考えられる。しかし唐代以後, その伝承の整理にはほとんど手がつけられなかった。その最大の理由は, 明堂経の亡佚である。近年, 黄帝内経明堂類成の一部が我が国の仁和寺において発見され, この研究に端緒が生まれた。1980年代の善本の復刻事業がこの方面の研究に拍車をかけた。私共の研究も, この流れの一端に位置する。私共の研究の特徴は, 穴位主治条文の字列構成を解析するという方法論を用いている点と, 医心方穴位主治の執筆者の見識を研究対象にしている点にある。私共は, この2つの視点から, 穴位主治の伝承を整理し, 伝承の本来の姿を明らかにすることを試みた。
著者
黒須 朱莉
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第70回(2019) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.103, 2019 (Released:2019-12-20)

本研究の「IOCにおける国歌国旗廃止案」とは、オリンピック競技大会における国歌や国旗を用いた儀礼を廃止しようとする案のことを指す。これまで、1953年から1974年までのIOC関連会議では、国歌国旗の廃止を求める提案が審議されてきたことが明らかになっている。この間の廃止案の展開は、第1期(1953-1957)国歌廃止案の提起、第2期(1960-1963)国歌廃止案に対するIFの賛同とIOC総会での支持の広がり、第3期(1965-1968)国歌国旗廃止案の提起とIOC総会での支持の広がり、第4期(1973-1974)IOC総会における国歌国旗廃止案の消滅に区分することができる。その後の国歌国旗廃止に関わる諸事実は、オリンピックを対象とした文献や研究の中で断片的に触れられているものの、廃止案の連続性という観点からの検討は行われていない。以上のことから、本発表では1974年に総会の審議事項から消滅した廃止案のその後の展開を、1975年から1981年までに定め、この間のIOC関連会議における国歌国旗廃止に関する提案の有無、及び提案と審議の内容を整理し、1974年以前との連続性を検討することを目的とする。
著者
菅原 尚子 武藤 泰明
出版者
日本スポーツ産業学会
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.2_211-2_226, 2021-04-01 (Released:2021-04-26)
参考文献数
15

One of the authors has analyzed the relationship between playing and spectating sports behavior during school-hood by setting adult sports spectating behavior as an explained variable, and confirmed a certain relationship. The purpose of this study was to clarify what timing of school-age the groups which come into contact with sports tend to continue or resume spectating sports in adulthood, based on the theory of carry over effect. The data was secondarily obtained from the research conducted by the Japan Volleyball League organization through an online survey. The respondents were asked whether or not they had experienced spectating or playing sports at each school-age stage (elementary school, junior high school, high school and university). Spearman′s rank correlation coefficients between spectating or playing sports in each school-age and the behavior modification stage of spectating were calculated, and Fisher's z-transformation and Bonferroni correction were used to evaluate the significance of difference in correlation coefficients for each school-age. As in the previous research on playing sports, the results revealed that spectating in university indicated significantly higher correlation with the behavior modification stage of current spectating, compared with other school-ages. In some cases of excluding the group that had been spectating since school-age, the correlation coefficients between spectating in elementary school/junior high school and the behavior modification stage of current spectating showed significant differences in comparison with other ages. This suggested that past experience may be carried over and facilitate resumption of spectating in adulthood, even when interrupted. Our results suggest that sports organizations are required to have a medium- to long-term perspective that takes into account the re-socialization of spectators while consciously targeting the school-age in which significant tendency is confirmed.
著者
吉村 有矢 今 明秀 野田頭 達也
出版者
一般社団法人 日本外傷学会
雑誌
日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.304-311, 2016-07-20 (Released:2016-07-20)
参考文献数
28

【目的】地方病院におけるPreventable Trauma Death(以下PTD)の検討,外傷診療の質の評価と向上【対象と方法】当院の2010〜2014年度における日本外傷データバンク登録症例を対象とし,Trauma and Injury Severity Score(TRISS)法と第三者を加えたpeer reviewによりPTDを判定した.【結果】死亡例は147例.受傷30日以内に死亡した予測外死亡は17例.peer reviewで5例をPTDと判定した.その原因は救急室の初期治療の遅れ4例,搬送先選定の誤り1例.一方,予測外死亡が死亡回避不可とされた理由は,既往症4例,重症頭部外傷3例,高齢2例,死因不明2例,合併症1例であった.【考察】本邦におけるPTDの報告は少ない.TRISS法のみのPTD判定には限界がある.第三者を加えたpeer reviewを追加することで,外傷診療の質の評価と問題点の抽出が可能となり,改善に取り組んだ.【結語】客観的なpeer reviewによるPTDの検討が必要である.