著者
岩堀 信子 仲根 孝 小池 和彦 井上 政久 伊原 信一郎 本間 龍雄
出版者
青山学院大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

古典型リ-群の表現論とその表現空間上の多頃式環の不変式について、次のような結果を示した。有限型及びtame型zuivers(有向グラフで各失印の重複変は1)がA,D,E型及びA^^〜,D^^〜,E^^〜型のコクセタ-図形(但し矢印の向きは任意)と対応していることはよく知られており、有限表現型の代数の分類、及び単純成分が有限個の代数の分類に用いられている。quiverFの表現(各頂点iに対して,線型空間Vi(i←I,Iは頂点集合)を置き,矢印にその向きの線形写像をおく。)に対して、直積群G=TT GL(Vi)が、線形空間V=+Hom(Vi,Vj)(但し,i→j inF)に自然に作用する。よってGはV上の多項式環S(V)に自然に作用するが,その相対不変式の全体,及び絶対不等式環をquiversの型がA,D,A^^〜型のとき,(矢向の向きは任意)具体的生成元を与えることにより記述しその生成元が代表的に独立なことを示した。証明はリトルウッド・リチャ-ドソン規則,標準盤(ヤング図形の)の理論を用いた組合せ論的なものである。また球関数の変形であるジャック対称関数について、その具体形と特別な場合にシュ-ア関数の和として表わすスタンレ-の一つの予想を解いた。証明は、ウェイトの重複変と表わす。コストカ数の計算と,2頃係数の和のある種の変形(超式何級数 _4φ_3のうまいウェイトの場合に丁変対応する)に基づくものである。また、特にA^^〜型quiversで矢向の向きが一方通行のとき(このときのみ定数でない絶対不等式が現われる)絶対不変式環は多頃式になり、これは古典的によく知られた正方行列の絶対不等式環が固有多頃式の係数を生成元とする多頃式環になることの一般化である。
著者
横山 徳爾
出版者
宝塚造形芸術大学
雑誌
Artes : bulletin of Takarazuka University of Art and Design : 宝塚造形芸術大学紀要 (ISSN:09147543)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.75-90, 2005-03-31

ソールズベリー女伯マーガレット・ポール(1473-1541)は、クラレンス公ジョージとイザベル・ネヴィルの娘として1473年8月14日にウィルトシャーのファーリー城で生まれた。1487年にバッキンガムシャーのジェントルマンであるリチャード・ポールと結婚した。弟のウォリック伯エドワードは1499年にヘンリー七世によって処刑されていたので、マーガレットが1512年にヘンリー八世によってソールズベリー伯位を回復された。彼女はメアリー王女(のちのメアリー一世)の養育係に任命されたが、ヘンリー八世がアン・ブリンとの結婚を意図したとき、この結婚に反対して、キャサリン・オヴ・アラゴンとメアリーに味方し、ヘンリーの敵意をまねいた。宮廷から追われ、ハンプシャーのウォーブリントンへ引退したが、1536年にアンが没落したのちに、復帰した。息子のレジナルド・ポールがヘンリーを批判する論文を発表したとき、ヘンリーはポール一族を絶滅させることを決意した。マーガレットは1541年5月27日にロンドン塔内で斬首された。
著者
ベグム S
出版者
東京農工大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

本研究は、再生可能な木質バイオマスの量や質を決定する形成層活動の制御機構を細胞生物学的に明らかにすることを目的とした。そこで、交雑ヤマナラシとスギを用いて、形成層活動休眠中の冬期の樹幹に人為的な加温処理(約22℃)を行い、樹幹温度の上昇のみで形成層細胞の分裂開始が誘導されることを明らかにした。さらに、樹幹への局部的な加温処理をモデル系として、形成層再活動に伴うデンプンや脂質など貯蔵物質量の変化パターンを詳細に解析した結果、形成層細胞や師部柔細胞内に含まれる貯蔵物質量が細胞分裂や細胞分化に伴い減少することから、光合成年よる同化産物の供給が制限されている時期において、デシプンなどが細胞分裂開始に必要なエネルギーの供給源であると結論づけた。また、形成層細胞内の微小管を蛍光抗体染色法で観察し、微小管の低温に対する感受性が、形成層細胞の活動期と休眠期では異なることを明らかにした。一方、形成層活動の開始時期と最高気温、平均気温、最低気温との関連性を統計的に解析し、形成層活動の開始時期には最高気温との間に密接な関連性があることを明らかにし、形成層活動を制御する温度閾値を計算した。これらの結果を基に、形成層活動開始時期を予測するために有効な新しい形成層活動指標(Cambial reactivation index ; CRI)を提案した。さらに、CRIには樹種や形成層齢による特性があり、形成層細胞の温度に対する感受性の違いが形成層活動の開始時期の違いを制御していることを明確にし、冬期や初春の気温が上昇した場合の形成層活動の開始時期の変化を予測した。
著者
仲間 裕子
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

ドイツのドレスデン美術館やロシアのエルミタージュ美術館を始めとした国外調査を経て、ドイツ・ロマン主義画家のフリードリヒの作品分析を行い、画家の世界観、および近代における視覚の変容がいかに作品に反映されたかを考察した。また、フリードリヒの作品の受容をめぐる諸問題を、フリードリヒが"再発見"された1906年の「ドイツ100年展」を主軸に調査し、国家権力に左右された経緯とともに考察した。さらにこうした受容の反省に立つ戦後のドイツ美術作品を"崇高性"、"アイロニー"、"社会関与"の観点から分析し、ドイツ・ロマン主義の20世紀における継承と変容を指摘した。研究結果は、まず、フリードリヒ研究成果をまとめた著書、『C.D.フリードリヒ、《画家のアトリエの眺め》-視覚と思考の近代』(三元社、2007年3月)である。第1章《画家のアトリエからの眺め》、第2章フリードリヒの「抽象」、第3章リューゲン島の風景-自然、主体をめぐる言説、第4章北方の風景-トポグラフィーとアイデンティティ、第5章観照の美学から新しい美学へ、第6章「ドイツ100年展」、第7章メランコリーとロマン的イロニー-フリードリヒから今日のドイツ美術へ、から構成されている。また、フリードリヒの手記を翻訳・解説した『ドイツ・ロマン派風景画論』(共訳、三元社、2006年)を出版した。次に、海外共同研究者のエアランゲン=ニュルンベルク大学のハンス・ディッケル教授を日本に招聘し、2007年9月21日に京都国立美術館でシンポジウム「ドイツ・ロマン主義の<現在>」、24日に国立新美術館で講演会「ドイツ・ロマン主義と現代美術」を開催し、ドイツ・ロマン主義の伝統と今日性について様々な角度からの報告とパネリストを交えた討論の機会を得た。
著者
児玉 元平
出版者
長崎大学経済学部研究会
雑誌
経営と経済 (ISSN:02869101)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.1-31, 1973-06
著者
苧阪 直行
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.3_93-3_98, 1997-09-01 (Released:2008-10-03)
参考文献数
11

Neural correlates of consciousness (NCC) with a special reference to visual awareness elicited by motion after effect (MAE) was investigated using neuroimaging method (SQUID). MAE is a negative after effect caused by prolonged viewing of real visual motion: After gazing at a moving pattern for a while, a stationary image will appear to move in the opposite direction. Evoked magnetic field (magnetoencephalogram; MEG) was measured when a subject observing MAE in which concentric circles appear to continuously contracting after viewing the rings moving in a single local direction (continuously expanding motion). Magnetic evoked field at latency of 182 ms was averaged from 37 cortical points over occipital, temporal and parietal areas during observing MAE after adaptation period of 5 s with low spatial frequency. MRI (Magnetic Resonance Imaging) brain image and measured dipole locus was fitted for each subject. The results clearly indicated the main unitary locus subserving visual awareness due to MAE and real motion, i.e., both illusory and real visual awareness, appear to be surrounding region over lateral occipito-temporal area in the human brain which is close to MT area.
著者
木山 博資 小西 博之 中込 咲綾
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

神経再生を促進する分子群の発現を統合的に制御している中核的転写機構が存在すると予想されていた。今までの成果から、転写因子のATF3,cJun,STAT3の関与がとりわけ重要であることが分かっていた。本研究では、神経損傷特異的に発現する遺伝子DINEのプロモーターを用いて、これらの転写因子が別の転写因子であるSp1に結合し、Sp1を介してDNAに結合していることを明らかにした。この新たな転写因子複合体は、一部の他の神経再関連分子の転写も同様に制御することから、神経再生を起動する新たな再生コア因子複合体であることが明らかになった。
著者
佐久間 一郎 児玉 逸雄 本荘 晴朗
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,計測は1台の高速度カメラで行い,撮影フレームごとにVm用/Ca2+用2種の光学フィルタを高速で切り替えて2つの信号を同時に取得するシステムを開発した.標本からの計測光は複数枚のレンズを組み合わせた光学レンズ系によってフィルタ位置で絞られ,撮影素子に復元する.本システムによりウサギ摘出心を用いて同時計測を行い,ペーシング時の活動電位波形,Ca2+動態を観察に成功した.また当初の基礎的検討では1台カメラ・フィルタ回転同期システムの光学機構設計に難航したため,平行して2台カメラとダイクロイックミラーを組み合わせた従来手法を改良し,Mutual Informationを用いて膜電位変化とCa動態を精緻に画像位置補正する装置も開発した.
著者
松村 浩昭 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.345, pp.63-68, 2006-11-07
参考文献数
10
被引用文献数
5

BCI (Brain Computer Interface)は人間の手足等の運動器官を用いず,生体信号のみでマン・マシンインタフェースを実現する技術である.本報告では,非侵襲で測定した脳波(EEG)のみを用いてヒューマノイドロボットを制御する,脳直結型制御システムの検討を行う.脳波の特徴量には従来手法におけるα波,β波等の周波数成分ではなく,フラクタル次元を用いる.また,階層型ニューラルネットワークにより脳波の時空間ダイナミクスを実時間で解析し,被験者の意志を判別,ロボットを制御するシステムを提案する.提案するシステムでは,ロボットに対する指令である「動作」,「停止」及び「動作」,「右」の2種類について,90〜100[%]での判別が可能な結果が得られた.また,「動作」,「停止」,「左」,「右」の4種類については30[%]程度の判別が可能である結果が得られ,脳波によるロボット制御可能性が示された.
著者
橋本 俊顕 森 建治 原田 雅史
出版者
鳴門教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

自閉症には脳の器質的障害があり、「心の理論」、実行機能、中枢統合機能などの機能不全が生じ社会性の障害、コミュニケーションの障害、想像力の障害の3徴候を示すと推測されている。このことから、社会のルール、特に明文化されない暗黙の了解、道徳的、倫理的事柄の把握が困難である。さらに、学校生活での問題行動や日常生活においての様々なトラブル、触法行為を起こしてしまうことも報告されている。本研究では自閉症児に見られるこのような問題行動と脳機能の関係を明らかにするために、倫理・道徳的場面を画像として課題負荷し、良い、悪いの判断を求め、その情報処理の過程の脳活動をfMRIを用いて測定した。対照は無意味図形とした。刺激は課題負荷45秒-コントロール課題45秒を2回、1シリーズ3分の構成のbox-carデザインで行い、判断できた合図は右手でスイッチを押させた。対象は高機能自閉症男児7名(11〜17歳)と健常男児3名(13歳)、健常成人7名、非自閉症のてんかん、Sotos症候群各1例の計19名である。検査に際しては保護者及び被験者に十分に説明し納得と同意を得た。健常者では側頭・後頭境界部〜側頭葉中部(左>右)、左右前頭葉背外側および前内側に活動性の亢進が見られた。高機能自閉症では前頭葉背〜腹(左<右)、前頭葉全部内側、頭頂葉〜側頭・後頭境界部〜側頭葉前部(左<右)に活性が見られた。その他、左中心前回、右前頭葉腹側および正中部に活性が見られた。自閉症と健常児の間では課題の正答率に差はなかった。課題の正答率に差がなかったがこれは課題内容が簡単であったことが想定されるが、実際の場面とこのような課題負荷では情動の影響が異なっていること、自閉症ではいかに行動すべきか解っているが実際に採るべき行動が採れない解離現象があることから、差が出なかったとも考えられる。fMRIの結果から自閉症では課題処理の系が健常者と異なることが想定されるが、さらに例数を増やし、課題の工夫をして検討することが必要である。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア : 医療・介護の経営情報 (ISSN:18815707)
巻号頁・発行日
no.271, pp.49-52, 2012-05

サービス付き高齢者向け住宅を中核に、介護と医療の11サービスで構成する「あやせコミュニティパーク」。同じ建物の中で、サ高住入居者の状態の変化に応じた適切なケアを提供できるのが強みだ。開設から1年がたち、各サービス間の連携もうまく取れるようになった。 昨年4月1日、東日本大震災後の混乱が続く中、東京都足立区でユニークな介護・医療の複合施設が産声を上げた。
著者
鈴木 祥之 小松 幸平 下川 雄一 中尾 方人 北守 顕久 秦 正徳 中治 弘行 森 拓郎 須田 達 松本 慎也 向坊 恭介 向井 洋一 山田 耕司 後藤 正美 斎藤 幸雄 斎藤 幸雄 棚橋 秀光
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2007

伝統構法木造建築物では、仕口・接合部や耐力壁など構造ディテールの性能評価を含めた総合的かつ合理的な構造設計法は、いまだ確立されていない。本研究では、木材のめり込みなどによる仕口・接合部の耐力発現のメカニズムおよび土塗り壁や木造軸組の力学特性や破壊性状を実験的かつ解析的に解明するとともに、構造ディテールに基づく伝統木造建築物の設計法に適用するための評価手法を開発した。