著者
Hideki Tokanai Masafumi Kuriyama Eiji Harada Hirotaka Konno
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
JOURNAL OF CHEMICAL ENGINEERING OF JAPAN (ISSN:00219592)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.728-734, 1997 (Released:2005-02-27)
参考文献数
8
被引用文献数
4 6

An experimental investigation is carried out for natural-convection heat transfer to air from an array of five cylinders which are arranged in an inclined plane. The heat transfer coefficient of each cylinder in the array and the average heat transfer coefficient of the array are obtained for a variety of combinations of cylinder spacing, cylinder surface temperature and array inclination angle.A correlation equation for the average heat transfer coefficient of the vertical array is proposed. A method for estimating the heat transfer coefficient of each cylinder in the array is also given. Application of these results and the previously proposed heat transfer correlations for the horizontal array shows good agreement with the heat transfer coefficient of each cylinder in the inclined array.
著者
Jun Kitazono Toshiaki Omori Toru Aonishi Masato Okada
出版者
一般社団法人 情報処理学会
雑誌
IPSJ Online Transactions (ISSN:18826660)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.186-191, 2012 (Released:2012-10-03)
参考文献数
22
被引用文献数
1 3

With developments in optical imaging over the past decade, statistical methods for estimating dendritic membrane resistance from observed noisy signals have been proposed. In most of previous studies, membrane resistance over a dendritic tree was assumed to be constant, or membrane resistance at a point rather than that over a dendrite was investigated. Membrane resistance, however, is actually not constant over a dendrite. In a previous study, a method was proposed in which membrane resistance value is expressed as a non-constant function of position on dendrite, and parameters of the function are estimated. Although this method is effective, it is applicable only when the appropriate function is known. We propose a statistical method, which does not express membrane resistance as a function of position on dendrite, for estimating membrane resistance over a dendrite from observed membrane potentials. We use the Markov random field (MRF) as a prior distribution of the membrane resistance. In the MRF, membrane resistance is not expressed as a function of position on dendrite, but is assumed to be smoothly varying along a dendrite. We apply our method to synthetic data to evaluate its efficacy, and show that even when we do not know the appropriate function, our method can accurately estimate the membrane resistance.
著者
手戸 聖伸
出版者
東京大学文学部宗教学研究室
雑誌
東京大学宗教学年報 (ISSN:2896400)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.93-106, 2000-03-31

When it comes to the problem of "religion in modern Japan", it seems necessary to use the concept of "religion" in a broad sense. From this perspective, "Kyoyo" (Bildung or self-cultivation) would be one of the most important concepts. It kept very closely relationed to "religion". The First High School (Ichiko) is a good example, because the concept of Kyoyo - to cultivate oneself throughout the acceptance of culture - came into existence there. First, this paper traces the process of the birth of Kyoyo in Ichiko. Second, it shows the complicated relationship between Kyoyo and religion with three hermeneutic frameworks -- religion as a part of Kyoyo, religion as an ideal of Kyoyo, religious function of Kyoyo. Finally, this case study is extended to the broader field of religion in modern Japan.
著者
早津 賢二
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.1-13, 1975-04-30 (Released:2009-08-21)
参考文献数
24

The Myoko volcano, one of the stratovolcanoes in the northern part of the Fossa Magna, Central Japan, has the complicated history (Table 1).The last activity of the Myoko volcano is called the IV stage, and is divided into precaldera, caldera, and central cone substages. The strata formed during this stage are collectively called the Myokosan group which consists of lavas, pyroclastic flow deposits, pyroclastic fall deposits, volcanic mud flow deposits, and lake deposits. They are described in detail and their stratigraphic relations are tabulated in Table 2 and Fig. 4.The rocks of the essential eruptives are basalt, pyroxene andesite and hornblende andesite. They change from basalt to pyroxene andesite and hornblende andesite keeping step with the eruptive order. Quantitatively, the hornblende andesite is predominant.
著者
早津 賢二
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.101, no.1, pp.59-70, 1992-02-25 (Released:2010-10-13)
参考文献数
18
被引用文献数
3 3

Myoko volcano, situated in the northern part of Central Japan, is one of the composit stratovolcanoes whose life histories have been studied in detail. In this paper, ten volcanic ash layers belonging to the central cone stage of Myoko volcano are described, and more detailed volcanic history of the central cone stage is compiled in connection with the informations already known.The result are summarized as follows:(1) The central cone stage started ca. 5, 800 years ago. The central cone, Mt. Myoko, was almost built at the early time of the stage.(2) The youngest magmatic eruption of Myoko volcano took place ca. 4, 200 years ago, and produced pyroclastic flows and pyroclastic surges.(3) The youngest steam explosion of Myoko that was confirmed took place ca. 3, 000 years ago, and produced small pyroclastic surges.(4) For 1, 600 years between 5, 800 and 4, 200 years ago, a series of eruption whose ejecta were kept as an obvious stratum at the foot of Myoko volcano took place at the average rate of once for 200 or 300 years. After the violent eruption of ca. 4, 200 years ago, Myoko rapidly became less active, and the eruption in the similar scale took place only once or twice for ca. 4, 200 years up to the present.(5) The central cone stage was dominated mainly by the activity of dacitic magma, and coincided with the time when pyroclastic flows and pyroclastic surges were apt to be produced by explosive eruptions.
著者
味呑 翔平 倉園 博樹 山本 寛 星 立人 吉武 晃一 山崎 克之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.444, pp.83-88, 2012-02-16

雪国における道路の除雪作業は,車による交通事故防止の観点から重要な意味を持つ.そのため,効率的な除雪を行うためには,どのエリアにどの程度雪が積もっているかを把握し,必要なときだけ除雪車を出動させる必要がある.そこで本稿では,除雪車の効率的な除雪作業を支援することを目的として,超音波測距センサーを用いた積雪・降雪観測システムを提案する.平成22年12月から平成23年3月の期間において実施した積雪計測実験の結果から,センサーによって積雪量の検出が可能であることを示す.また,本システムでは積雪量から一定時間あたりの積雪量の導出も行い,降雪量も除雪車の出動を判断するためのパラメータとして活用可能であることを示す.
著者
平 英彰 嘉戸 昭夫
出版者
富山県林業技術センター
雑誌
富山県林業技術センタ-研究報告 (ISSN:09150013)
巻号頁・発行日
no.8, pp.19-23, 1994-12

1984年1月23日午前8時10分頃、杉の樹冠上部におわんをかぶせたような雪塊が発達していた。そして、それが約9日間保持され、2月1日その雪塊がとけて落ちたときに梢端が折れていることが確認された。樹幹上部に異常な雪塊が発達したときの降雪条件は、気温がプラスからマイナスに変化し、その間に約23cmの降雪があった。その後、気温は低温下で推移した。樹幹の変形過程を観察すると、冠雪が発達していく過程で梢端部は着雪によって大きく傾き、傾いた幹にさらに雪が積もって梢端部は下垂し、梢端部についている雪塊と下部の雪塊が融合し、梢端部は折りたたまれるような状態で大きな雪塊の中に埋もれた。その後、低温が続いたため、新雪がしまり雪に変化し、その時の雪の収縮に伴って梢端が折れたものと推定される。
著者
村上 正隆 Clark Terry L. Hall William D.
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
気象集誌 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.43-62, 1994-02-25
被引用文献数
7

新しい雲の微物理パラメタリゼーションを組み込んだ2次元3重ネステッド雲モデルを用いて、二つの事例について、日本海上での混合層の発達と対流性降雪雲の形成過程の数値実験を行った。一つは、集中観測期間中の1989年2月2-4日に、並の寒気吹き出しに伴って出現した雪雲である。この例は、雲の微物理構造について観測結果との詳細な比較がなされた。もう一つは、1990年1月24-26日の強い寒気吹き出しにともなって出現した雪雲である。この二例の比較を通して寒気吹き出しの強さが混合層の発達と雪雲形成に及ほす影響を調べた。モデルは、暖かい海面からの熱と水蒸気の補給(総熱フラックスは、1989年の例では439W/m^2、1990年の例では895W/m^2)と、それに続く対流輸送による混合層の発達をよく再現した。雲が形成されるまでの吹走距離、雲頂・雲底高度、混合層内での気温の増加等については、モデルと観測との良い一致が見られた。雲の力学及び微物理学的見地からは、上昇流、雲水量、雪水量などの観測値がよく再現された。また、雪雲中での霧雨(drizzle)の生成や、雲水の高濃度域と氷晶の高濃度域の一致という観測事実もよく再現された。モデルと観測結果の不一致の主なものは氷晶濃度で、モデルは観測値を約6倍過小評価した。一般的に、雲は大陸東岸から50-150km(寒気吹き出しの強さによる)風下で形成され、吹走距離とともに徐々に雲頂高度が高くなり、対流活動も活発になる。日本付近では、海岸から約30km風上側で雪雲の活動が強まり、その後、陸面からの熱と水蒸気の補給を断たれて徐々に衰弱する。これらの雲の中では、最初、主に過冷却雲粒の凍結によって氷晶が生成し、昇華凝結及び雲粒捕捉により成長する。代表的な降水粒子は、海上・海岸域ではアラレで、山岳域に進むにつれて雪へと変化する。山岳斜面上では、衰退しつつある上層の雪雲と地形による上昇流で形成された下層雲の間で顕著なSEEDER-FEEDERメカニズムが働いている。海上でも、ライフステージの異なる隣接する雪雲間で同様のメカニズムが働くが、山岳斜面上ほど顕著ではない。寒気吹き出しが強まる(低温になる)ことにより、雪雲の対流活動は活発になり混合層も厚くなる。昇華凝結核の活性化により、高濃度の氷晶が生成され、これら氷晶間での過当競争により雲粒捕捉成長が抑えられ、アラレの雪に対する比率が減少することが示された。
著者
森崎 直木 河井 弘次 山形 恵子 仁科 文男
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.187-187, 1966-04-25

東京女子医科大学学会第135回例会 昭和41年1月28日(金) 東京女子医科大学本部講堂
著者
森藤 大地
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2004

統語知識の中でも特に,複文構造の獲得に焦点を当てシミュレーションを行った.英語において,複文には4種類の構造が存在する.これらの構造は,関係節によって修飾される名詞が,「主節内」および「関係節内」で主格または目的格のどちらの役割を果たすかという2つの要因によって生成される.複文の4つの構造に対する成人の理解度は異なっており,右分岐文の理解が中心埋め込み文に比べて容易であることが示されている.この理解の困難さの違いは,複文自身が持つ構造的な複雑さ,および言語環境における複文構造の典型性の2点から説明されている.また,最近の幼児における複文理解を調べた研究からも,複文それぞれの理解度は構造の典型性や頻度など言語刺激のもつ統計的な性質を反映していることが示唆されている.もし,この示唆が正しいものであるならば,統計的な性質を反映した統語獲得を行う能力を有するニューラルネットワークモデルに対して幼児が経験する言語刺激として尤もらしいコーパスで学習を行えば,人の示す複文理解を再現できると考えられる.尤もらしいコーパスとは,複文だけを含むのではなく,単文や等位接続文,分裂分や関係節修飾名詞句など多くの文構造を含むコーパスである.シミュレーションには,私達が提案した自己組織化マップを含む再帰的ニューラルネットワークを用いた.シミュレーションの結果,複文だけで学習したネットワークに比べ,単文や等位接続文を含む尤もらしいコーパスで学習したネットワークは,人の複文理解をよく再現し,構造による理解の困難さの違いを示した.この結果から,先行研究で示唆されているように,人の統語学習,特に複文学習は言語刺激の統計的性質を反映した形でなされること示した.
著者
小塩 允護 肥後 祥治 干川 隆 佐藤 克敏 徳永 豊 齊藤 宇開 竹林地 毅
出版者
独立行政法人国立特殊教育総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究の目的は、国内外の知的障害のある人の生涯学習の展開について、法制度の変遷、文化的背景等の社会的要因、参加者及び保護者のプログラムに参加した経緯、これまで受けてきた支援や教育のヒストリー等、支援者の障害に関する認識とプログラムの内容等の個人的要因を検討し、わが国における知的障害のある人のために有用な生涯学習プログラムや支援方法等を開発することである。本研究の成果として,海外の生涯学習のプログラムの開発を行うための資料を整理し,生涯学習における支援プログラムの開発に寄与することができた。研究最終年次である平成18年度は、年度当初に研究協議会を開催し、3年間に得られた結果を整理し、報告書の項立てと執筆分担などを決めて、平成19年2月までに報告書を作成した。アメリカのシラキュウス地区では、シラキウス大学とシラキウス学区との提携で行われているオン・キャンパス・プログラムについて、プログラム参加者、支援者、企画責任者との面接調査を行った。また、障害のある人の自己権利擁護運動と生涯学習との関連についてシラキウス大学の研究者から情報収集した。イギリスのロンドン地区では、イギリスの自閉症協会が運営する自閉症学校2校(初等教育学校、中等教育学校)、ハートフォード州立の初等教育学校1校、特別学校2校(初等教育学校、中等教育学校)を実地調査するとともに、自閉症協会の教育部門責任者、自閉症協会運営の高機能自閉症に特化した就労支援機関(プロスペクツ)責任者、ハートフォード州教育委員会のスベシャリスト・アドバイザリー・サービス担当者との面接調査を行い、イギリスが推進する教育改革やインクルーシブ教育、自閉症協会が推進するSPELLに代表される支援理念が自閉症のある人の生涯学習を進める上でどのようなインパクトを持つかについて資料収集した。報告書では,知的障害のある人の成人教育の概略,北米における知的障害のある人の高等教育機関での生涯学習の展開,オーストラリアにおける知的障害のある人の生涯学習,フィンランドにおける特別ニーズ教育と障害のある人の生涯学習,ニュージーランドの知的障害のある人の生涯学習,イギリスにおける特別な教育的ニーズに応じる教育と生涯学習の項目で,分担執筆した。
著者
安田 喜憲
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.16, pp.101-123, 1997-09-30

ギルガメシュ叙事詩は四六〇〇年前にメソポタミヤ南部で書かれた人類最古の叙事詩である。この叙事詩のメインテーマはウルクの王ギルガメシュと友人エンキドゥが、森の神フンババを殺す物語である。フンババはメソポタミヤの神エンリルに命ぜられてレバノンスギの森を数千年の間守ってきた。そこに青銅の斧をもったギルガメシュとエンキドゥがやってきた。フンババは怒り狂い口から炎を出して襲いかかった。しかしギルガメシュたちは強く、とうとうフンババは殺されてしまった。フンババの森の神を殺したことによって、ギルガメシュはレバノンスギを自由に手に入れることができた。人類が最初に書いた物語は森林破壊の物語だった。フンババの殺害を知ったエンリルは激怒し、大地を炎にかえ、食べ物を焼き尽くすという。すでにギルガメシュ叙事詩の作者は森林破壊の恐ろしさを知っていたのである。フンババが殺されてから三〇〇〇年後、日本では八世紀に日本書紀が編纂された。その日本書紀のなかにスサノオノミコトとイタケルノミコトの物語が書かれている。二人は新羅国より日本にやってきて、スサノオノミコトは髭からスギを胸毛からヒノキを産みだし、イタケルは持ってきた木の種を九州からはじめて日本全土に播いた。この功績で紀ノ国に神としてまつられた。この二つの神話にかたられる神の行動はあまりにも相違している。ギルガメシュはフンババを殺しレバノンスギの森を破壊した。スサノオノミコトとイタケルノミコトは木を作りだし木を植えた。この神話の相違は花粉分析の結果から復元した両地域の森林の変遷にみごとに反映されていた。フンババの森の神を殺したメソポタミヤや地中海沿岸では森はすでに八六〇〇年前から大規模に破壊され、五〇〇〇年前にはアスサリエ山などのメソポタミヤ低地に面した山の斜面からはほとんど森が消滅していた。そして森は二度と回復することはなかった。これにたいし、日本でもたしかに森は破壊された。しかし、八―一〇世紀の段階で、すでに植林活動が始まっていた。このためいったん破壊された後地にふたたび森が回復してきた。日本では今日においても国土の六七パーセントもが森に覆われている。二つの神話はそののちの二つの地域がたどる森の歴史をみごとに予言していた。フンババの森の神を殺したメソポタミヤでは森という森はことごとく消滅し文明も崩壊した。これにたいしスサノオノミコトとイタケルノミコトが森を植えた日本は、今日においても深い森におおわれ繁栄を享受しているのである。
著者
片野 修
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.773-776, 2012 (Released:2012-09-08)
参考文献数
2
被引用文献数
2
著者
藤原 直子 竹下 輝和
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.75, no.657, pp.2547-2554, 2010-11-30 (Released:2011-02-25)
参考文献数
45

In this study we analyzed alteration of teachers-space of junior-high-school, where they have changed from departmentalized classroom system to special classroom system, and got some insights of the teachers' room. Since it is essential for teachers of the same school year to have much communication and cooperation for student guidance, teachers' working space should not be separated. The teachers' room must be arranged to enable them to discuss or to hold meetings freely, regardless of the school scale or the school management method. Besides, if all members are sets, it is best from overall viewpoint of the school management.
著者
山本 晃
出版者
大阪教育大学養護教育教室
雑誌
障害児教育研究紀要 (ISSN:03877671)
巻号頁・発行日
no.23, pp.29-37, 2000

現場での要求から、障害のある青年、特に情緒障害や知的障害のある青年の心理的問題を解明するために、本研究が企てられた。情緒的問題、知的障害を伴なった青年の発達を、健常青年のこころの発達に対する、ある種のバリエーションとして、位置づけようと考えている。この第2報では、Blosの青年期の発達分類を紹介した。そしてその発達期にしたがって、健常の場合の児童期と前青年期における発達と問題点について述べた。その際、理論のみに偏らないように事例をできるだけ多くとりあげた。第2報と同様、論述を具体的にするために、事例をたくさん引き合いに出す。しかし、差し障りのない事例以外は、特定の事例をさしているわけではなく、これまでの私の事例経験などから創作している。いくつかの事例を繋ぎ合わせ、変更も加えたりした。青年期の課題を典型的に表現するように、また本来の問題点を歪曲しないように工夫した。This study is attempted from the needs in the school of mental handicapped children. Many teachers and parents want to know about the mentality of their adolescents with mental handicap. Their Mentality should be placed as the variation of the mentality of normal adolescents. This second report is dealt with Blos' classification of periods during adolescence. According his classification the development and the problems of childhood and pre-adolescence are illustrated. To avoid the abstract theory several cases are adopted.