著者
矢田 英樹
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.382-389, 2015-11-25 (Released:2019-02-20)
参考文献数
3
被引用文献数
2

日本で芳香消臭剤が使われ始めて60年あまり,現在では家庭での手軽なにおい対策商品として,また香りを積極的に楽しむ商品として多くの人に認知され多数使用されるようになっている.芳香消臭剤で使用されている香りは時代と共に大きく変化し,1980年頃までは香りには消臭という機能的価値が求められていた.1990年頃以降は機能的価値に加えて香りを楽しむといった情緒的価値も求められるようになってきた.使用される香りの種類も時代と共に大きく変化しており,当初の比較的シンプルな香りから,最近では上質で高級志向の香りが多く使用されるようになってきている.
著者
大槻 明 町田 悠貴 川村 雅義
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.111-126, 2018 (Released:2018-11-08)
参考文献数
15

ユーザ(消費者)の潜在的なニーズを明らかにするために,最近ではサイレントカスタマー分析やサイレントマジョリティー分析などのアプローチが盛んに研究されている.また,スマートフォンやSNSの普及により,ユーザがいつでも簡単に趣向等をSNS上に投稿することが可能となった.そこで,本研究ではTwitterで「暇」と対外的に意思表示をしているユーザが何を求めているのか,という観点でユーザシチュエーション分析を行うことで,マーケティングに資するユーザの潜在的ニーズを明らかにする分析アプローチについて提案する.具体的には,独自に開発したスクリプトを用いて,2015年9月〜2016年8月の期間で,全国で「暇」というキーワードが含まれるツイートを約80万件取得し,これらのツイートを対象に,T値及びMI値を用いて「暇」と共起関係が認められる単語(名詞,動詞,形容詞,形容動詞)を抽出した.そして,三大都市を対象に,「暇」と共起関係が認められる単語の位置情報を日本地図に可視化することで,暇ツイートが集中しているスポットを明らかにし,極性分析を行うことで暇ツイートが集中しているスポットでは,どのようなつぶやきがされていて,それらがポジティブもしくはネガティブのどちらの意味でつぶやかれているのかについて,三大都市の違いを明らかにした.さらに,極性分析では拾い切れなかったユーザの潜在的な状況について,共起ネットワーク分析及びTF-IDFの両アプローチを用いて分析を行うことで三大都市の違いを明らかにした.
著者
吉安 京子 森本 元 千田 万里子 仲村 昇
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.21-48, 2020-06-30 (Released:2020-07-12)
参考文献数
2
被引用文献数
1

In 2002, the Japan Bird Migration Research Center compiled longevity records based on the research during 1961–1995. Subsequently, additional data have been updated in each issue of the Bird Banding Research Annual Report of Japan. However, no complete list has been published. Here, we report the top two longevity records of each species based on the Japan Bird Banding data during 1961–2017.
著者
瀬尾 明彦 砂川 久弥 土井 幸輝 鈴木 哲
出版者
ITヘルスケア学会
雑誌
ITヘルスケア誌 (ISSN:18814808)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.96-105, 2008 (Released:2008-12-09)
参考文献数
18
被引用文献数
1

本研究では,睡眠時間が翌日全体の認知・運動機能に及ぼす影響を評価することを目的とした.具体的には,睡眠時間の長い条件(6時間)と短い条件(3時間)の2条件で,起床後の身体の「知覚」,「思考」,「記憶」,「運動」の一連の認知から運動に至るまでの機能に対応した作業を被験者に行わせ,脳波計測による各作業時の覚醒度,自覚症調査による各作業後の主観的負担感,各作業の結果により総合的に評価した.また,本研究では実験中の被験者の生体リズムの変化についても体温・心拍数計測により確認した.その結果,体温,心拍数の変化から,睡眠時間の長短による生体リズムの顕著な差は見られなかったが,短睡眠では主観的負担感が高くなることがわかった.脳波についても短睡眠時には翌日に覚醒度の低下が確認された.また,翌日の作業結果にも大きく影響することがわかった.具体的に,知覚機能,思考機能,記憶機能においていずれも低下が大きいことがわかった.一方,動作機能の顕著な変化は見られなかった.
著者
稲垣 真澄 米田 れい子
出版者
一般社団法人 日本児童青年精神医学会
雑誌
児童青年精神医学とその近接領域 (ISSN:02890968)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.205-216, 2017-04-01 (Released:2019-08-21)
参考文献数
24

限局性学習症/学習障害(learning disorder/specific learning disorder; LD)は全般的知能が正常で, 学習意欲があるにもかかわらず, 「読字」「書字」や「算数」などの特定領域の獲得が障害され, 学業, 日常生活, あるいは職場で著しい支障をきたす発達障害の一つである。中枢神経系の機能異常によるとされ, 近年脳機能画像による解析も試みられている。本稿は, 代表的LDである「発達性読み書き障害」と, 「算数障害」について, それぞれの概念, 診断につながる臨床症状の診かた, わが国で使用可能な検査と診断手順について解説した。前者では問診におけるチェックリストの活用, ひらがな音読検査での読みの評価が, 後者では KABC-Ⅱの習得度評価が役にたつ。的確な教育的支援のために医療サイドができることは, 言語発達に関する詳細な問診, 神経学的診察, 知能評価, 読み書き・算数の基本的能力や子どものもつ認知特性の評価を行うことであると考えた。
著者
山田 順子 鬼頭 美江 結城 雅樹
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.18-27, 2015 (Released:2015-12-22)
参考文献数
40
被引用文献数
1 11

本研究の目的は,友人関係および恋人関係における親密性の文化差の原因の検討である.近年の国際比較研究は,北米人の方が東アジア人よりも,対人関係のパートナーに対して感じる親密性が高いことを示してきた.本研究は,社会生態学的視点に基づき,この文化差をもたらす原因を,北米社会における対人関係選択の自由度,すなわち関係流動性の高さに求めた.この仮説を検討するため,日本人とカナダ人参加者を対象に,親友・恋人および最も親しい家族に対する親密性,また参加者を取り巻く身近な社会環境における関係流動性の認知を尋ねた.その結果,まず先行研究と一貫して,日本人よりもカナダ人の方が,親友や恋人に対してより強い親密性を感じていた.さらに,理論仮説と一貫して,親友に対する親密性の日加差は,対人関係選択の自由度によって有意に媒介され,自由度が高いほど親密性が高いことが示された.
著者
平野 浩彦
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.249-254, 2014 (Released:2014-08-12)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

日本の認知症の数は465万人との報告(厚労省研究班2013年)がなされ,“身近な病気:common disease”の一つになっている.歯科医療従事者も認知症を理解し,予知性のある歯科治療,口腔衛生管理を継続的に認知症高齢者に提供することが,超高齢社会での歯科に求められている最も重要なミッションの一つと考える.以上を踏まえ,本稿では認知症高齢者の歯科治療立案プロセスに必要な視点を明確にする目的で,アルツハイマー型認知症に代表される変性性認知症を中心に,その進行とともに変遷する口腔の治療・ケアニーズについて調査知見等を中心に解説した.
著者
村田 ひろ子
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.80-103, 2021 (Released:2021-07-20)

NHK放送文化研究所が加盟する国際比較調査グループISSPが、2020年に実施した調査「環境」の結果から、日本人が環境問題とどう向き合い、どう行動しているのかについて報告する。 「気候変動による世界的な気温の上昇」が危険だと思っている人は75%に上る。また、「原発」が危険だと思う人は、前回の2010年調査の36%から59%へと大きく増えた。 環境問題に関する政策への態度では、気候変動についての日本の取り組みが「進んでいない」と回答した人は62%で、「進んでいる」の37%よりかなり多い。 レジでレジ袋をもらっている人は、有料化前の94%から、有料化後は50%に減少した。レジ袋の有料化がプラスチックごみの削減に「つながる」と考える人は70%で、「つながらない」の28%を大きく上回った。 環境保護への姿勢や負担意向についてみると、「私だけが環境のために何かをしても、他の人も同じことをしなければ意味がないと思う」人は6割近くに上り、特に30代までの若い年代では7割前後を占める。この割合は、日本が36か国中3番目に多かった2010年調査と変わらず、「個人の取り組みだけでは限界がある」という考えを持つ人が日本では多い。また、環境を守るためでも今の生活水準を「落としたくない」人は44%で、「落とすつもりがある」人の32%を上回っている。「落としたくない」人は、30代以下では過半数を占め、若い年代ほど多くなっている。
著者
西川 一二 雨宮 俊彦 楠見 孝
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.93.21208, (Released:2022-08-30)
参考文献数
34

This study aimed to develop an Interpersonal Curiosity Scale. In Study 1, a questionnaire with a preliminary pool of 56 items was administered to undergraduates, and from these, 11items were selected. The main survey was administered to college students (n = 839) and as a web-based survey (n = 1,500). Factor analysis revealed three factors: curiosity about personal emotions, curiosity about privacy, and curiosity about personal attributes. Cronbachʼs alpha showed that these subscales had sufficient reliability. In Study 2, the validity of the Interpersonal Curiosity Scale was examined using the Five-Dimensional Curiosity Scale, the Sensation Seeking Scale, the Multidimensional Empathy Scale, and the Psychological Well-being Scale. The results of correlation analysis confirmed the validity of the three subscales. Implications about using the Interpersonal Curiosity Scale are further discussed.
著者
淺野 良成
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.2_256-2_279, 2020 (Released:2021-12-15)
参考文献数
33

本論文では、日本の有権者が外交・安全保障イシューを重視する条件を、置かれた情報環境に注目して検討する。近年、選挙で外交・安全保障を重視する有権者が増加傾向にある。一方で、日常生活で実感し難い対外関係を重視する人たちの特徴について、投票行動研究は十分な説明を用意していない。また、マスメディア研究ではしばしば、有権者の関心はメディアの報道総量の多寡が規定するとされるが、その説明力は必ずしも高くない。しかし、外交問題が直接経験し難い分野である以上、その重視度と情報環境が無関係だとも考えにくい。そこで本論文では、報道総量の多寡とは異なる側面から情報環境を取り上げ、選挙で外交争点が重視される条件付けを検討する。具体的には、メディアが外交・防衛問題の報道で取り上げるアクターの党派的な偏りへ注目する。分析の結果、報道対象が与党へ偏った新聞に接触した場合、有権者は外交・安全保障に関わる主要政党の主張をより幅広いスケール中で認知し、選挙でも外交・安全保障問題を重視する傾向を確認した。
著者
九後 汰一郎
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.110, no.3, pp.C22-C35, 2004-12-20 (Released:2017-10-02)

今年2004年はYang-Millsの記念すべき論文が発表されてから50年になる。この機会にゲージ理論の発展の歴史を振り返り、ゲージ理論をめぐっての考察を行う。
著者
谷 謙二
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.324-341, 2012-07-01 (Released:2017-11-03)
参考文献数
38
被引用文献数
1

本研究では,これまで十分な検討がなされてこなかった1940年代の国内人口移動の動向に関して,当時行われた人口調査と臨時国勢調査を使用してその動向を明らかにした.これらの調査は調査日が異なるものの,年齢が各歳の数え年で表章されており,コーホート分析が可能である.まず1944年時点では,兵役の影響で男子青壮年人口が極端に少ない特異な年齢構成を示す.都市部では若年男子人口が集積したが,その傾向は軍需産業の立地動向に影響を受けていた.終戦をはさむ1944~1945年にかけては,男子の兵役に関わる年齢層を除き,全年齢層にわたって都市部からの大規模な人口分散が起こった.大部分の人員疎開は縁故疎開であり,疎開先は戦前の人口移動の影響を受けた還流移動のかたちをとった.1945~1947年にかけての東京都と大阪府での人口回復は限定的で,疎開先にとどまった者が多い.その結果,東京都と大阪府では終戦をはさんで居住者がかなりの程度入れ替わった.
著者
Masashi Kanai Takuya Toda Kojiro Yamamoto Marina Akimoto Yuta Hagiwara
出版者
The Japanese Circulation Society
雑誌
Circulation Reports (ISSN:24340790)
巻号頁・発行日
vol.4, no.7, pp.322-329, 2022-07-08 (Released:2022-07-08)
参考文献数
41
被引用文献数
1

Background: The overlap of multiple lifestyle-related diseases increases the risk of vascular diseases. This study investigated the effects of a mobile health (mHealth)-based disease management program on blood pressure and the safety of this program in people with multiple lifestyle-related diseases at risk of developing vascular disease.Methods and Results: This retrospective observational study was conducted using secondary data collected by PREVENT Inc. People with a full history of hypertension, diabetes, and dyslipidemia and who participated in a 6-month mHealth-based disease management program were included in the study. The primary outcome was blood pressure. Adverse events during the program were investigated to evaluate safety. In total, 125 participants (mean [±SD] age 55.3±6.2 years) were examined. Systolic and diastolic blood pressure were significantly lower after the intervention than at baseline (systolic blood pressure, 128.0±12.3 vs. 131.9±12.7 mmHg [P<0.001]; diastolic blood pressure, 81.2±9.3 vs. 83.6±8.9 mmHg; P=0.003). No serious adverse events occurred during the program.Conclusions: The present results indicate that the mHealth-based disease management program may reduce blood pressure in people with multiple lifestyle-related diseases at risk of developing vascular disease and that the program is safe. These findings will help shape future health instructions using mHealth-based interventions.