著者
水谷 智洋
出版者
学習院大学
雑誌
研究年報 (ISSN:04331117)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.1-12, 2009
著者
榊原 正幸 井上 雅裕 佐野 栄 堀 利栄 西村 文武
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では,カヤツリグサ科ハリイ属マツバイなどの有害金属に対する重金属超集積植物を用いたファイトレメディエーション技術を実用化するため,スクリーニング調査,ラボ実験,室内・温室栽培実験,フィールド実験およびエンジニアリング設計ならびに経済性評価を行った.その結果,マツバイを用いたファイトレメディエーションが重金属汚染された土壌・水環境の浄化に有効であることが明らかになった.
著者
矢野 順也 平井 康宏 酒井 伸一 出口 晋吾 中村 一夫 堀 寛明
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.38-51, 2011 (Released:2011-03-24)
参考文献数
41
被引用文献数
11 2 2

国内都市部の一例として京都市を対象に,都市ごみ中のバイオマスである厨芥類および紙類の賦存量を推定した。厨芥類の発生量は22.2万ton-wet/年,紙類は22.3万ton-wet/年であり,ほぼ全量が焼却処理されている。これらを対象に利用システムの温室効果ガス (GHG) 削減効果およびエネルギー回収率を評価した結果,「バイオガス化 (高温乾式メタン発酵)+ガスエンジン発電 (GE)」は既存の「直接燃焼+蒸気発電」,「直接燃焼+堆肥化」よりも有利であった。また,バイオガス発電時の廃熱を利用する超高温可溶化技術を組み込んだ可溶化システムでは,現状の乾式方式に対してエネルギー回収率およびGHG削減効果で27%の向上が見込まれた。さらに,バイオガスの燃料電池利用により,GE利用の最大1.7倍まで効果向上が期待された。国内温室効果ガスの削減に向けて都市ごみ中バイオマスの高度なエネルギー変換技術の普及が望まれる。
著者
内沢 隆充 今田 慶行 鎌田 孝篤 佐々木 都子 目時 典文 萩井 譲士 前田 尚孝 舘山 俊太 畑中 光昭
出版者
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科 (ISSN:09145508)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.127-132, 2011 (Released:2011-07-26)
参考文献数
8
被引用文献数
1

We report a new computed tomographic (CT) finding of hyperacute ischemic stroke. We examined the CT findings of patients with acute ischemic stroke within 3 h of onset by using a very narrow CT window width. The CT number (Hounsfield unit, HU) of the ischemic area was decreased by only 1 or 2 units. The areas of decreased CT number were larger than the hyperintense areas observed in magnetic resonance imaging diffusion-weighted images (MRI-DWI). These areas were not detected as so called “early CT signs” of acute ischemia on conventional CT. We examined 3 patients of hyperacute stroke, and treated them with tissue-plasminogen activator within 3 h of onset. Their narrow-window CT examination revealed low-density areas that were not detected in the conventional study. After arterial recanalization and resolution of ischemic symptoms, these low-density areas reduced and the CT number was normalized. When recanalization did not occur, these areas showed signs of infarction. A low-density area in a narrow-window CT study may be a hypo-perfused area and include reversible ischemic area (or penumbra).
著者
村上 和人 成瀬 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.918-926, 2000-03-25
被引用文献数
11

本論文では, Hough変換を利用した高速な直線検出法について述べる.提案するアルゴリズムでは, 人の視覚の中心視特性を部分的に利用する.すなわち, まず, ある注目する局所的な窓領域内である程度の精度を保証する直線候補をHough変換によって抽出する.次いで, その候補線分を延伸して作られる線分候補存在領域内で, 検証処理を行って直線を検出する.そして, この局所的な窓領域を逐次的・適応的にシフトすることにより, 画像全体から直線検出を行う.これからの処理により, Hough変換の際に生起する量子化誤差の吸収を行うとともに, 従来型のHough変換による直線検出法が苦手とする短い線分抽出も可能にした.全体として, 従来型のHough変換の精度を保証した上で, 高速化(およそ数分の1から10分の1程度の計算コスト)を実現し, 並列処理によるいっそうの高速化の可能性を示した.
著者
佐藤 勝則
出版者
東北大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

本年度は、スイスをフィールドとして、アルプス・ヨーロッパにおける空間秩序意識の形成について考察した。博物館としては、チューリヒ国立博物館、ベルン市立博物館、バーゼル市立博物館、サンクト・ガレン修道院歴史博物館を訪ね、誓約同盟スイスにおける地域空間秩序に関する、対照的な都市空間秩序形成に関する三類型を確定することができた。第一類型:チューリヒは、都市空間のスプロール化を特徴とする商工金融複合都市、第二類型:ベルンは中世都市空間秩序の化石化を特徴とする文化・政治都市、第三類型:バーゼルは、旧城塞・ライン河貫流によって規定されたメッセ(大市)国際商業・金融(BIS)都市。日本やアジア諸国には、基本的に第一類型のチューリヒ型のスプロール化された都市空間秩序しかない。北京も清朝時代の胡同を解体することで、政治文化都市としての性格を一掃させつつある。バーゼルは、ロッテルダムからバーゼルまでを同一の河川船舶で連結できる城塞を有するメッセ都市(大市特権神聖ローマ皇帝マキシミリアン賦与)であること。ベルンは1218年に神聖ローマ皇帝フリードリヒII世から認可された帝国自由都市形成の基盤が、湾曲するアーレ河に囲まれた台地状の地形によって決定されており、旧市街の街わりを維持してきた街区共同体(水くみ場=噴水)の強固な残存が中世都市を化石化したこと。歴史的には、自由農民、自治都市市民層主導の誓約同盟自治のスイスが、神聖ローマ帝国から分離後も、特に前方オーストリアにおいては、バーゼル八人衆がハプスブルク家による地域統合を支持していたことによってその伝統的空間秩序を規定していたことが明らかになった。
著者
鹿又 伸夫
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.251-264, 2004-09-30 (Released:2008-12-22)
参考文献数
9
被引用文献数
1

本稿で提示するロジスティック回帰分析では、独立変数として、時間の経過にかんする変数、従属変数(本人の階層)と同一カテゴリーにかんする父階層のダミー変数、そしてこれらの交互作用変数を投入する。この分析方法によって、移動表から計算される対数オッズ比に相当する移動機会格差(地位継承の強さ)を回帰係数としてえられ、またその機会格差の時間的変化も分析できる。SSM調査データをもちいて世代間移動(父階層×現職階層)を階層別に分析した。その結果、移動機会格差は、6階層分類のうち3階層で年齢が高まるにつれて低下し、1階層で調査時点が後になるほど減少していた一方で、2階層は時間的変化をしめさなかった。さらに、回帰係数を利用して計算した社会全体としての機会格差指標は、1955年から1965年にかけて機会格差が急激に減少し、1965年以降は新しいコーホートほど格差が緩やかに減少してきたことをしめした。
著者
田辺 俊介
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.235-249, 2004-09-30 (Released:2008-12-22)
参考文献数
19
被引用文献数
1

本論文は様々な外国人に対する認知構造について、多次元尺度構成法による把握を試みたものである。先行研究を受けつつ本研究では、26国民・民族集団についての類似度データ、10国民・民族集団の一対比較データ、海外経験の有無や外国人友人の有無についてのデータを、主に大学生を対象として収集し、分析した。 類似度データをクラスカルの非計量多次元尺度構成法で分析した結果、「西洋人(あるいは白人)か否か」、心理的距離、地理の3つの次元によって人々が外国人を分類していることが示された。さらに個人差多次元尺構成度法により認知構造の属性差を検討した結果、旅行経験の有無に関して旅行経験のある人の方が「西洋人か否か」(「白人か否か」)という次元をあまり重視しないという傾向が見られた。また一対比較データを選好度の多次元尺度構成法で分析した結果、「アジアびいき」、「欧米びいき」という異なる選好パターンが存在すること、またイスラム諸国やアフリカ地域の人々がどんな人からも「遠い」存在と考えられていることが示された。
著者
古川 成治 吉丸 博志 河原 孝行
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.341-345, 1999-11-16

ニホンギリ・チョウセンギリの混在する会津地方のキリを材料に, DNA分子マーカーにより分類を試みた。花の形態に基づき各種24個体, 計48個体を選抜し実験に供した。RAPD分析による多型的バンドデータをもとに分類した結果, 14タイプに分類された。また, 遺伝距離を算出しクラスター分析を行ったところ, 花の形態と一致しない二つのクラスターに分かれることが判明した。次に葉緑体DNAの一部のシークエンス決定を行った結果, matK遺伝子上に2カ所の塩基置換があり, この2カ所の塩基置換は制限酵素で切ることにより識別できることが判明した。48個体の識別を試みた結果, これも花の形態とは一致しない二つのタイプに分類された。この葉緑体DNAの制限酵素断片長多型で識別できる二つのタイプのキリは, RAPD分析の結果と一致したが, 花の形態による分類とは一致しなかった。
著者
佐藤 喜和 湯浅 卓
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.101-107, 2008 (Released:2008-07-16)
参考文献数
46
被引用文献数
13

ヘア・トラップによる非侵襲性サンプリングおよび遺伝マーカーを用いた個体識別による捕獲再捕獲法に基づく個体数推定がクマ類を対象に広く実施されるようになり,日本でも各地でこの手法の適用に向けた試行錯誤が進められている.この方法には,動物を捕獲する必要がない,捕獲を伴う方法よりも広い範囲でサンプリングが実施できる,生け捕りに比べ偏りのないサンプリングが期待できる,遺伝マーカーによる標識であるため消失する心配がないなどの利点がある.このように理論的には高い可能性を秘めた方法であるが,方法の全体像を理解することなく安易に導入しても,信頼できる個体数は推定できない.日本の実情に,より適した方法論を再検討して行く必要がある.そこでヘア・トラップを用いた個体数推定法を行うための手順,すなわちトラップの構造,調査地の選定とトラップの配置,サンプリング,DNA分析による個体識別,および個体数推定に用いるモデルについてそれぞれ整理し,注意すべき点とともにまとめた.
著者
Masao SUZUKI Chizuru TSURUOKA Yukio UCHIHORI Hisashi KITAMURA Cui Hua LIU
出版者
Journal of Radiation Research Editorial Committee
雑誌
Journal of Radiation Research (ISSN:04493060)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.395-399, 2009 (Released:2009-09-16)
参考文献数
23
被引用文献数
2

We studied cellular responses in normal human fibroblasts induced with low-dose (rate) or low-fluence irradiations of different radiation types, such as gamma rays, neutrons and high linear energy transfer (LET) heavy ions. The cells were pretreated with low-dose (rate) or low-fluence irradiations (~1 mGy/7-8 h) of 137Cs gamma rays, 241Am-Be neutrons, helium, carbon and iron ions before irradiations with an X-ray challenging dose (1.5 Gy). Helium (LET = 2.3 keV/μm), carbon (LET = 13.3 keV/μm) and iron (LET = 200 keV/μm) ions were produced by the Heavy Ion Medical Accelerator in Chiba (HIMAC), Japan. No difference in cell-killing effect, measured by a colony forming assay, was observed among the pretreatment with different radiation types. In mutation induction, which was detected in the hypoxanthine-guanine phosphoribosyltransferase (hprt) locus to measure 6-thioguanine resistant clones, there was no difference in mutation frequency induced by the X-ray challenging dose between unpretreated and gamma-ray pretreated cells. In the case of the pretreatment of heavy ions, X-ray-induced mutation was around 1.8 times higher in helium-ion pretreated and 4.0 times higher in carbon-ion pretreated cells than in unpretreated cells (X-ray challenging dose alone). However, the mutation frequency in cells pretreated with iron ions was the same level as either unpretreated or gamma-ray pretreated cells. In contrast, it was reduced at 0.15 times in cells pretreated with neutrons when compared to unpretreated cells. The results show that cellular responses caused by the influence of hprt mutation induced in cells pretreated with low-dose-rate or low-fluence irradiations of different radiation types were radiation-quality dependent manner.Translated and modified from Radiat. Biol. Res. Comm. Vol.43(4); 424-435, (2008, in Japanese).
著者
室住 正世 中村 精次 横山 裕之 茶木 一寿 津谷 直樹 福田 薫
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.35, no.8, pp.759-765, 1986-08-05
被引用文献数
1

^<107>Ag,^<116>Cd,^<65>Cu,^<61>Ni,^<296>Pb,^<203>Tl,^<68>Znの7安定同位体をスパイク(標準添加法で使用するトレーサー)として用いる水中の銀,カドミウム,銅,ニッケル,鉛,タリウム,亜鉛の同位体希釈表面電離質量分析法による同時定量法について報告する.水とは水道水,蒸留水,サブボイリング蒸留法によって得た純水で,各成分の濃度は10^<-6>g kg^<-1>ないし10^<-11>g kg^<-1>である.検出限界は成分によって相違があるが,10^<-12>gないし10^<-15>gであり,^<109>Ag/^<197>Ag,^<114>Cd/^<116>Cd,^<63>Cu/^<65>Cu,^<58>Ni/^<61>Ni,^<208>Pb/^<296>Pb,^<295>Tl/^<203>Tl,^<66>Zn/^<68>Znの測定精度は9回以上の繰り返し測定値の相対標準偏差としてスパイクで0.5%,水試料では1%であった.この方法は単に水試料に限らず無機材料一般に応用できるが,ここでは超微量分析の見地から述べる.
著者
鈴木 郁郎
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

神経回路システムの動作原理の理解を目指して、1神経細胞単位で任意の回路パターンを作り、その活動を評価する構成的アプローチによる研究を行ってきた、今年度は昨年度までに開発した技術に改良を加え以下のことを行った。(1)<光学計測可能な多電極アレイ基板の開発>既存の電極では、電極上の細胞が可視化できないという問題があったため、白金黒付を薄くして光学計測可能な電極基板を作製した。電極インピーダンスは、従来電極より20倍高かったが、細胞と電極のコンタクトを増すことでS/N比が高い活動記録ができることがわかった.(2)<1神経細胞の発火特性の検出>上記電極を使って、電極上に1細胞単独で培養し、長期自発活動計測を行った。活動が記録されたサンプルの多くは、培養2週間前後から自発活動が観察され、培養1カ月以上の問、長期計測することができた。記録された1神経細胞が示す発火パターンの性質は、計測期間中保たれていたことから、1神経細胞は固有の自発発火パターンを持っていることがわかった。(3)<2神経細胞系からの発火特性の検出>電極上に2神経細胞系を構築し、活動特性を調べた。Burstする神経細胞とsingleスパイクで高頻度発火する細胞(GABA neuron)の共培養した系で計測した結果、burst神経細胞の発火によってGABA neuronが誘発応答を受ける様子が観察され、誘発を受けることによって、自発活動リズムが乱され、時間と共に元のリズムに戻って行く現象等(細胞間相互作用)が観察された。これらの結果により、1細胞単位で構成的に回路を構築することによって、細胞数や発火パターンの組み合わせに依存した神経回路システムの挙動を評価してゆくことが可能となった。この系を使って、高頻度刺激を与えたLTP実験や、医療への応用としてアミロイドβ投与による実験を行い、現在解析中である。
著者
大谷 直輝
出版者
京都府立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、前置詞の文法機能と談話機能の体系的な記述を行い、前置詞の意味拡張や機能範疇の変化を動機づける認知的な基盤を考察した。本研究の成果は『A Cognitive Analysis of the Grammaticalized Functions of English Prepositions』(179頁)として開拓社より出版された。また、overとunderの非対称的な機能・意味を『English Linguistics』と『言語研究』に、upの完了用法を『言語の創発と身体性』で発表した。また、定量的な言語分析の研究手法を『認知言語学研究の方法』で提示した。
著者
竹内 誠 河合 政岐 野田 篤 杉本 憲彦 横田 秀晴 小嶋 智 大野 研也 丹羽 正和 大場 穂高
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.110, no.11, pp.715-730, 2004 (Released:2005-02-18)
参考文献数
44
被引用文献数
3 3

飛騨外縁帯北東部の白馬岳地域にはペルム系白馬岳層が分布する. 白馬岳層は従来から言われていたようなメランジュやオリストストロームからなる付加体ではなく, 火山弧周辺の浅海で堆積した珪長質火砕岩類を主とする整然層である. 白馬岳層下部層形成時では珪長質火砕岩の堆積を主とするが, 下部層の上部形成時には玄武岩の水中噴火が生じ, バイモーダルな火山活動がみられる. 中部層形成時では, 火山活動が沈静化し頁岩や砂岩が堆積した. 上部層形成時では再びバイモーダルな火山活動が始まり, かつスランピング又は斜面崩壊によって石灰岩角礫や岩塊が珪長質凝灰角礫岩とともに堆積した.白馬岳層は角閃岩岩塊を含む蛇紋岩に衝上断層で覆われ, 蛇紋岩の構造的下位に位置する. その後NW-SE方向とNE-SW方向の高角度断層の形成に伴って, 古生界岩塊を含む蛇紋岩メランジュが形成された.
著者
入谷 忠光 井原 敬能 片岡 実 大家 隆弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.378, pp.37-40, 1998-10-30
被引用文献数
1

日本の交通事故による死亡者が年間1万人であり, このうち交差点での出会い頭の事故が40%で, そして0.5秒速くブレーキかけることができれば50%の, また1秒ならば90%の事故が防げると言われている.このようにブレーキ操作を速くかけることを目的とした新しい車車間通信を提案する.すなわち各車両は現在の位置, 速度, ブレーキなどの情報を周りの車に電波で知らせると同時に, 他の車両と信号機の状態を受信する.各車両は周波数が異なる放送局であり, 同時に他の車の電波を受信する方式なので, アドレスを割り付ける必要が無い.マルチパスに打ち勝つために周波数ダイバーシティを用いたFSK方式で, しかも同期が容易な方法を提案する.
著者
相原 茂夫 森田 雄平
出版者
日本結晶成長学会
雑誌
日本結晶成長学会誌 (ISSN:03856275)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.467-472, 1994-09-25
被引用文献数
2

Protein single crystals of diffraction quality should be prepared for determination of three dimensional structure of whole protein molecule by X-ray crystallography. Microgravity environment obtained by space flights using space shuttle and space station has been ascertained to be convenient for protein crystallization since the first experiment by Littke in 1983. In space microgravity, there are no sedimentation and no convection of prtein and solute molecules in the solution. Also, crystal growth slowly proceeds by diffusion control nearby where crystal nuclei grew. Several times of our space experiments regarding protein crystallization are explained, and the space-grown crystals are emphasized to be of better difrraction quality and of less mosaicity. It is, therefore, expected that these characteristics of the space-grown crystals will contribute to the establishment of the time-resolved X-ray crystallograpy by the Laue method.