著者
福井 憲彦
出版者
丸善
雑誌
学鐙
巻号頁・発行日
vol.98, no.11, pp.8-11, 2001-11
著者
松永 美輝恵 井関 智美 Mikie MATSUNAGA Satomi ISEKI 新見公立短期大学介護福祉学 新見公立短期大学介護福祉学
出版者
新見公立短期大学
雑誌
新見公立短期大学紀要 (ISSN:13453599)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.171-177, 2004

高齢者の尊厳を支えるケアを求めて認知症高齢者(認知症者)の8時間中のコミュニケーション量と感情の状況,言語コミュニケーション中の感情の状況等をコミュニケーション対象別にタイムスタディ法で調べその結果を検討した。その結果,認知症者はコミュニケーションなしの時間が7割余と多く,感情も不明が8割近くを占めて多かった。しかし認知症者と他の利用者,家族,介護者のそれぞれの間のコミュニケーション中の感情を比較すると,全ての対象者との言語コミュニケーション中の認知症者の感情は快感情が増加しており,特に家族との間で,快感情が最も増加していた。家族のコミュニケーションの意義が大きく,認知症者の介護では家族の機能の重要性が明らかになった。また,認知症者のコミュニケーション量を増やす関わりが認知症者の生活の質の向上につながるとみなされた。
著者
本多 留美 綿森 淑子
出版者
県立広島大学
雑誌
人間と科学 (ISSN:13463217)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.83-99, 2007-03
被引用文献数
1

人口の高齢化や介護保険サービス分野での雇用の増加によって、言語聴覚士(ST)が認知症の人とかかわる機会は増えている。そこで現任のST129名に調査票を送付し73名から回答を得て、認知症の人へのかかわりの頻度や内容などの実態、および今後のあり方についての意見を集約した。かかわりの頻度については、認知症をともなう例は言語聴覚療法の対象者にも多く、STが認知症の人とのかかわる頻度は高かった。内容については、「摂食・嚥下面の評価」が業務量・重要性の両者において最も高かった。今後のSTのかかわり方として、認知症にともなうコミュニケーションや生活上の障害にもかかわるのがよいという意見が多かった。STが認知症の人に広い範囲で適切にかかわるためには、認知症について学べる機会を増やし、障害特性に合った評価や介入の方法を開発するとともに、自らの役割についてST自身が自覚し、開拓する姿勢も重要と考えた。原著国立情報学研究所で電子化
著者
近藤 信太郎 金澤 英作 中山 光子
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
Anthropological science. Japanese series : journal of the Anthropological Society of Nippon : 人類學雜誌 (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.114, no.1, pp.63-73, 2006-06-01
被引用文献数
2

ヒトの上顎大臼歯と第二乳臼歯に見られるカラベリー結節は最もよく知られた歯冠形質のひとつである。この形質に関しては様々な観点から多数の研究が行われてきた。本稿では最近の研究を紹介するとともに,この形質が歯の人類学に与えた多くの課題を3つのキーワード「分布」,「遺伝」,「系統と発生」にしたがって検証した。「分布」の項では形質の基準,集団間の違い,ヨーロッパ人にカラベリー結節が多く見られる理由を検討した。「遺伝」の項ではカラベリー結節の遺伝,左右側の非対称性,性染色体とカラベリー結節,性差について考察した。「系統と発生」の項ではカラベリー結節の系統発生と個体発生,カラベリー結節は大きい歯にみられるのか,に関して検討した。歯の内部構造の研究方法の開発や分子生物学的な研究によりカラベリー結節は多方面からより詳細に研究され,未解決の課題が解明されることであろう。<br>
著者
恩田 千爾
出版者
歯科基礎医学会
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.163-170, 1999-06-20
被引用文献数
1
著者
近藤 信太郎 金澤 英作 中山 光子
出版者
一般社団法人 日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.114, no.1, pp.63-73, 2006 (Released:2006-06-23)
参考文献数
78

ヒトの上顎大臼歯と第二乳臼歯に見られるカラベリー結節は最もよく知られた歯冠形質のひとつである。この形質に関しては様々な観点から多数の研究が行われてきた。本稿では最近の研究を紹介するとともに,この形質が歯の人類学に与えた多くの課題を3つのキーワード「分布」,「遺伝」,「系統と発生」にしたがって検証した。「分布」の項では形質の基準,集団間の違い,ヨーロッパ人にカラベリー結節が多く見られる理由を検討した。「遺伝」の項ではカラベリー結節の遺伝,左右側の非対称性,性染色体とカラベリー結節,性差について考察した。「系統と発生」の項ではカラベリー結節の系統発生と個体発生,カラベリー結節は大きい歯にみられるのか,に関して検討した。歯の内部構造の研究方法の開発や分子生物学的な研究によりカラベリー結節は多方面からより詳細に研究され,未解決の課題が解明されることであろう。
著者
益子 幸江 佐藤 大和 峰岸 真琴 降幡 正志 岡野 賢二
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、強調の機能をイントネーションがどのように表すことが可能かを、タイプの異なる複数の言語について、音響音声学的データに基づいて検討した。言語タイプとして、音の高低を用いる声調言語と高低アクセント言語、音の強弱を用いる強弱アクセント言語を取り上げた。声調言語ではイントネーションは通常は用いられないのに対し、他のタイプの言語ではイントネーションが用いられることがわかった。また、発話における声調のピッチパタンは声調ごとの典型的なパタンからの逸脱(調音結合)では説明できず、声調の組合せからなる形態統語論上の単位に付与される動的パタンと考えられることが明らかになった。
著者
比企野純太 中野有紀子 安田清
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.195-197, 2011-03-02

近年,我が国における認知症患者は年々増加傾向にあり,患者数に対して介護者の数が全く足りていないという現状がある.本研究では,会話エージェントが患者に対応することにより認知症患者の精神安定,介護者の負担軽減を目指している.そのための基礎的な検討として,本稿では,簡単な質問を認知症患者に行うとともに,患者の発話に対して適当なタイミングで頷く会話エージェントを実装し,認知症患者複数名による評価実験を行った結果を報告する.特に,会話エージェントの静止画を用いた場合,テレビ番組を視聴した場合と比較して,開発した会話エージェントが聞き役になることによって,患者がどの程度落ち着いた様子でいられたかを定量的に評価するとともに,それによる介護者の負担の軽減について考察した結果を報告する.
著者
後藤 哲雄
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.125-127, 2008-11-25
著者
伊藤 隆 渚 勝
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

一般のノルム空間をヒルベルト空間上の作用素のなす空間(作用素空間)へ埋め込めるが、ノルム空間が順序を有する場合、順序とノルムの両方を保存して埋め込むことは、一般には成功していない。そこで正値性を保存するために、埋め込みと可換な作用素の研究が必要となった。本研究では、特に埋め込みと可換(テンソルの形)なテープリッツ作用素のなすテープリッツ環の重層構造(アップワードルッキング位相)を解析し、極大イデアルの形を決定した。
著者
有村 公良 高嶋 博
出版者
鹿児島大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

甲状腺中毒性周期性四肢麻痺(thyrotoxic periodic paralysis: TPP)はアジア系の男性に多く、遺伝的背景が発症に関与していると考えられる。本年度は甲状腺中毒性周期性四肢麻痺(TPP)の新たな候補遺伝子の検討、その他の低K性周期性四肢麻痺(hypoKPP)の遺伝子検査と臨床所見の検討、および東南アジア各国との共同研究の推進を行った。(1)、本年度は従来TPPでは検討が行われていない、内向き整流性K+チャネルから5種類、KCNJ1、KCNJ5、KCNJ6、KCNJ11、KCNJ12を候補遺伝子とし、TPPの男性患者11名の末梢血DNAから蛋白コード領域をPCRで増幅後、塩基配列を調べた。その結果、KCNJ1遺伝子に1個、KCNJ5遺伝子に4個、KCNJ6遺伝子に2個、KCNJ11遺伝子に3個、KCNJ12遺伝子に7個の変異を認めたが、全てSNP databaseに登録済みの正常多型であり、病因となるような変異は認めなかった。TPPの原因遺伝子検索および異常多型の検出の目的で、Na+チャネル、Ca2+チャネル、K+チャネルを含むTPP専用のresequencing arrayの設計を行ったが、作成には800万円のコストが必要であり、今後は、本年度行ったように、従来の方法による原因候補遺伝子の同定を試み、それでも発見できない場合は、十分なDNAサンプルを収集後、市販のSNP arrayを用いて異常多型の検出を試みることとした。(2)TPP以外のhypoKPPの遺伝子検索で、本邦では弧発例が多く、かつ従来hypoKPPで報告されているチャネル遺伝子異常を認めない例が多数を占めた。特徴的なことはその全例が男性であり、TPPの臨床像と極めて類似していた。このことはTPPの病態を考える上で非常に重要かも知れない。(3)前年、アジア各国と共同研究を進めるべく、共同プロトコールを作成したが、現在そのプロトコールに従い、共同研究を推進中である。各国でのIRB申請の遅れのため、当初予定していたDNAサンプルの収集は果たせなかったが、今後も継続する。
著者
桑村 仁
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.59, no.461, pp.123-131, 1994
被引用文献数
8 5

Cyclic tension and compression test was performed to clarify the transition from fatigue fracture to ductile fracture in structural steel. The fracture transition was clearly identified in the plastic strain accumulation pattern, the fractographic appearance, and the crack penetrating profile. When the elongation amplitude a is less than the transition amplitude aTr, the fatigue is predominant, so that the skeleton strain in the stress-strain hysteresis curve approaches zero, striation patterns are observed in the fractographic picture, and the crack goes straight into the thickness without any void around the crack tip. On the other hand, when a is greater than aTr, the ductile fracture is predominant, so that the skeleton strain increases with the elevated amplitude, mashed dimple patterns are observed in stead of striations, and the crack penetrates in zigzags joining coalesced voids.
著者
高崎 俊之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 = THE JOURNAL OF THE INSTITUTE OF ELECTRONICS, INFOMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.89, no.3, pp.194-198, 2006-03-01
参考文献数
7
被引用文献数
3

世界の子供のための「つながり」を育むIT国際理解環境(Universal Playground)の構築を目指す研究開発型NPO活動を背景とし,絵文字を使って言語の違いを乗り越え,互いの文化を受容し合える国際コミュニケーションシステム「PictNet」が開発されている.これは,精密で最適な情報変換を目指した「多言語翻訳」ではなく,「Picton」と呼ばれる絵文字を用いた文化的独自性及び情報の冗長性を許容・促進する「互いの差異と類似の共有」というアプローチによるコミュニケーション支援手法である.
著者
金川 克子 山岸 映子 田村 須賀子 西村 真実子 大木 秀一 杵淵 恵美子 伴 真由美 浅見 洋 曽根 志穂 梅山 直子 高窪 美智子 杉原 敏雄 田中 理 吉村 香代子
出版者
石川県公立大学法人 石川県立看護大学
雑誌
石川看護雑誌 (ISSN:13490664)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-9, 2007

石川県立看護大学はJICAの依頼のもとに,タジキスタン共和国の母子保健の向上に資する目的で,2005年から概ね3年間の予定で「母と子の健やか支援プロジェクト」の企画,運営を通して,支援活動に加わることになった.その一環として2005年10月から12月まで,タジキスタンより研修員6人を受け入れ,県内の他機関との協力のもとで,研修を実施した.本旨は研修プログラムの企画,内容,評価等の実施状況と,研修のありかたについての考察についての報告である.研修の目的はわが国における母子保健や公衆衛生活動の現状を理解するのみでなく,研修員がこれらの成果を生かして,自国での母子保健の改善や新しいプログラム開発に向けてのアクションプランを作成し,実践することが課せられている.われわれもその目的に向けての研修のあり方の工夫が必要である.(著者抄録)
著者
杉浦 光夫 森 光弥 丹羽 敏雄 片山 孝次 大槻 真 笠原 乾吉
出版者
津田塾大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1995

1995年12月9日-12日,津田塾大学において、20世紀シンポジウムを行った。講演者および講演題目は次の通りである。20世紀数学の種々の局面をとらえた興味ある講習が多かった。11月9日13時00-14時 杉浦光夫(津田塾大)ヒルベルトの問題から見た20世紀数学、14時10分-15時10分斎藤利弥(河合塾)ポアンカレのAnalysis Situs.15時20分-16時20分松本幸夫(東京大)基本予想をめぐって、16時30分-17時30分三宅克哉(都立大)類体論とイデ-ル.11月10日 10時-11時 高瀬正仁(九州大)数学史家としてのアンドレ.ヴェイユ,11時20分-12時10分(河合文化研)20世紀数学基礎論の成果と展望、13時30-14時30分齋藤正彦(放送大)超準数学の理想A. RobinsonからE. Nelsonへ、14時40分-15時40分、高橋陽一郎(京大数理研)カオスを巡って、15時50分-16時50分宮野悟(九州大)計算量理論の誕生とその展開11月11日 鹿野健(山形大)解析学が数論してもたらしたもの、11時10分-12時10分堀田良之(東北大)簡約群の表現論における幾何学的描像、13時30分-14時30分佐武一郎(中央大)代数群と保型系数、14時40分-15時40分吉沢尚明(岡山理大)Radon変換の概念の発見と展開、15時50分-16時50分金子晃(東京大)コンピュータ・トモグラフィの歴史-数学者は何故ノ-ベル賞を取り損ねたか-、17時-18時足立恒雄(早稲田大)-フェルマークからヴェイユまで、11月12日 10時-11時小田忠雄(東北大)20世紀における代数幾何の発展、11時10分-12時10分上野健爾(京都大)20世紀代数幾何学-重複度と交点数をめぐって-、13時30-14時30分飛田武幸(名城大)ゆうぎの解析、14時40-15時40分再評価期の確率微分方程式、山田俊雄(立命館大)、15時50分-16時50分池田信行(立命館大)終路空間上の微積分-確率解析とFeynmanの経路積分-、17時-18時山口昌哉(熊谷大)20世紀の数学について、(これらの講演は「20世紀の数学」という題で日本評論社より出版される。)
著者
丸山 俊明
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.75, no.651, pp.1225-1230, 2010-05-30 (Released:2010-07-26)

The first Juraku-tyo was the first castle town where was built along with Jurakudai in Tensyo 14-18 (1586-90).Toyotomi government assembled the wealthy commonalty and ordered to inhabit in Juraku-tyo. The row houses were formed by intention of government and the financial power of commonalty. This paper is intended as an investigation of the row houses, which were found out in “Gosyo-sandai-Jurakudai-Gyoukou Screen”. It is clear that Toyotomi government intended to complete the row two-storied houses, which made the same eaves height.