著者
板野 肯三 新城 靖 佐藤 聡 中井 央
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

現在のWorld Wide Webは、クライアント・サーバ・モデルに基づき構築されている。この形態は、個人情報の繰り返し入力、サーバでの安全な保管、および、攻撃やクロスサイト・スクリプティング攻撃を防ぐことが簡単ではないという問題がある。これらの問題を解決するために、本研究では、現在のWorld Wide Webのアーキテクチャを再設計する。具体的には、本研究では、サービス提供者側から利用者側を呼び出す(コールバックする)という方法を用いる。本研究では、コールバックのプロトコルを設計し、それに基づき新たにWebサーバ、Webブラウザ、ルータ、個人情報バンクを実現し、提案手法を検証した。
著者
辻 雄一郎
出版者
日本法政学会
雑誌
法政論叢 (ISSN:03865266)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.108-137, 2009-11-15

In the United States, the Brandenburg test has been applied to the incitement of the illegal action in the physical world. In this paper, the author asks whether this Brandenburg test is applicable in the internet. Cyberspace has several special factors which do not exist in the physical world. Everyone can be the speaker at a cheap price. The message is sent all over the world instantly. This convenient tool has dark sides such as email bombs, and intimidation homepages. In the internet age, we need to ask the question whether the Brandenburg test is modified or abolished totally in this information society because of these special features of the internet. There are various tools to send messages via internet such as e-mail, homepage, blog, newsletter, mailing list, etc. In this paper, the author focuses just on the expression opened to the public. The author believes that before seeing the internet problem, it is necessary for us to see the origin and applicability of the Brandenburg test in the physical world. The Brandenburg test is not a given. Its origin is clear and the present danger test shaped in common law. In the conclusion, the author suggests that the Brandenburg test has some future since it has been used to protect the opinion of the minority in the real world. However, this test was used mostly in the peaceful period. We need to be vigilant to see this test for internet society.
著者
小池 はるか 吉田 俊和
出版者
高田短期大学
雑誌
高田短期大学紀要 (ISSN:09143769)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.1-6, 2011-03

目的は、共感性・社会考慮と公共の場における迷惑行為実行との関連を検討することである。調査の結果、社会考慮の高い者は、目の前に被害者となりうる人物が少なくても、「社会」に迷惑をかけることを好まない傾向があることが示された。また、共感性の高い者は被害者が多い場合には迷惑行為を抑制するが、被害者が少ない場合には迷惑行為を実行すること、共感性の高い者が被害者の視点をとるとは限らず、別の他者の視点をとり迷惑行為を実行する場合があることが示唆された。
著者
笠原 誠司 小町 守 永田 昌明 松本 裕治
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.4, pp.1-6, 2011-09-09

本稿では日本語学習 SNS において,ローマ字で書かれた学習者の文を仮名に変換することで,添削者が訂正を容易に行えるよう支援する方法について述べる.我々のシステムは外国語の単語を検出し,日本語の単語のみを変換する.また単語のスペルに誤りが含まれていても変換することができる.学習者の作文に対し実験を行い既存の日本語入力システムよりも 10% 高い単語変換精度を達成した.誤り解析を行うことにより,母音同士を混同しやすい,母語の発音の影響を受けた書き方をしてしまう,といった学習者の誤りの傾向を明らかにした.We present an approach to help Japanese editors on language learning SNS correct learners' sentences written in roman characters by converting them into kana. Our system detects foreign words and converts only Japanese words even if it contains spelling errors. Experimental results show that our system achieves about 10 points higher conversion accuracy than one of traditional input methods. Error analysis reveals tendency of errors made by learners. For example, learners tend to be confused by vowels and make errors caused by nature of their native language.
著者
石川 幸一
出版者
国際貿易投資研究所
雑誌
国際貿易と投資
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.64-74, 2010
被引用文献数
1
著者
石井 由理 塩原 麻里
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

文化のグローバル化と混合における学校教育の役割を解明すべく、日本とタイの政策比較と質問紙調査を行った。日本の2世代間、日・タイ大学生間の比較から、明治以来の学校教育を通した音楽文化の近代化は、日本の全体の音楽文化に唱歌・童謡として根付いたが、個人の領域では西洋ポップスの影響が大きいこと。政府が積極的に介入しなかったタイでは、国、個人のいずれにおいても西洋ポップスの影響が大きいことが明らかとなった。
著者
丸島 令子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.52-62, 2000
被引用文献数
1 1

本研究は「生殖性」の発達と自己概念との関連性について, 一般成人390人 (M/143, F/247) と成人患者 41人 (M/23, F/18) を対象者として (1) 成人期3段階における生殖性の発達,(2) 中年期の自己概念の因子構造の分析,(3)「生殖性/停滞」の発達要因と自己概念の検討の3つの目的から追究する。主な結果は, 1)「心理社会的バランス目録: IPB」(Domino & Affonso, 1990) を用いて一般成人を3年齢群と性による相違を検討したところ, 生殖性は年齢の順に得点が高くなった。2) 中年期の自己概念の因子構造に「達成因子」と「適応因子」および「社会性因子」の3つが抽出され, それらが検討された。3) 中年群と患者群を「GHQ」により精神健康状況を査定して, 2つの精神健康群 (「健康群」「リスク群・患者群」) に再分類し, 各群の生殖性の発達に影響を及ぼす要因を検討したところ, 健康群にはほぼ自己概念の「達成」「適応」の両因子がかかわり, 性差も見られたが, もう一方の停滞状況のリスク群・患者群の生殖性の発達には「適応」因子がかかわった。以上の結果から達成, 適応の自己概念は中年期の心理社会的発達と有意に関連していることが示唆された。
著者
平野 勝也
出版者
東北大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1998

平成11年度は,昨年度の,店舗単位でのイメージ分析の街路単位への拡張を行った.まず特徴的な街並みを含むように,東京を中心に実際の11街路19区間について調査を行い,実際の街並み写真及び地図等の基礎資料収集を行った.街路の景観特性は、店舗のパターン認識の集積であると捉え,店舗のイメージから,街路のイメージを説明する論理的枠組みの整理を行った.即ち,店舗パタンにはイメージの代表値があり,その代表値を昨年度の成果である店舗パタンごとに店舗イメージ平面の重心として算出し,これに基づき,実際の街並みのイメージ指標を,店舗軒数による重み付き平均及び分散を,街並みイメージ計量手法として提案した.これに基づき調査した19区間について,街並みイメージの計量を行った.一方,昨年度の店舗と同様,街並みイメージを,被験者に分類試験,SD法心理実験を行うことを通じて,街並みイメージの実験的把握を行った.その結果と,街並みイメージを計量手法による結果を比較検討を行ったところ,極めて良好に,双方が一致することが確認された.これは即ち,提案した街並みイメージ計量手法の有効性の証左であると考えられる.このことにより,概ね街路単位においても,店舗同様,店外論理記号猥雑さを演出し,店外直感記号がそれを補完している点,店外直感記号及び店内直感記号の多さが親近感を演出している点,論理記号の多さが疎外感を演出していること等が明らかとなった.
著者
SHOEMAKER Michael
出版者
九州大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本研究のテーマは、カメラ画像を用いた深宇宙探査機の自律航法システムについての研究である。探査機に搭載されたカメラで得られる画像では、探査機の運動に伴い画像中の点が移動する。これをオプティカル・フローという。本研究では、無人小型航空機(MAV)の分野で最近注目されている自律視覚航法の手法を、宇宙探査機に適用することを考えた。自律視覚航法とは、ハエや蜂などの複眼をもつ生物の視覚を模倣した状態推定法である。このオプティカル・フローをワイド・フィールド・インテグレーション(WFI)と呼ばれる広域統合処理をすることで、未知の天体表面形状にも頑健(ロバスト)な状態推定が可能になる。しかもこの手法は、低解像度のカメラを用いることができ計算負荷も小さいために、質量や電源に制限がある小型探査機による宇宙探査ミッションに適している。WFIの計算手法を詳細に再検討した結果、積分計算を必要としない、従来の手法よりも簡単な数学的定式化を行った。提案手法は、計算負荷がより小さくなるが、数学的には従来の手法と等価であることを証明した。したがって提案した手法を用いることにより、従来のWFI手法と同程度の衝突防止や相対航法推定精度を得ることができる。また、小惑星探査機だけでなく、他の自律視覚航法システム(例:MAV)にも適用可能である。本研究では、表面形状が未知である小惑星への接近・ホバリングミッション・フェーズを考え、提案手法を適用した場合の数値シミュレーションを行った。その結果、表面の凹凸がわかっていなくても、小惑星に衝突することなく探査機をホバリングさせることができることを示した。さらに、小惑星に相対的な探査機の並進速度と角速度を推定できることを示した。
著者
原 政之 日下 博幸 木村 富士男 若月 泰孝
出版者
日本流体力学会
雑誌
ながれ : 日本流体力学会誌 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.353-361, 2010-10-25
被引用文献数
1

過去100年間における全球平均の地上気温上昇は0.66℃である一方,東京の地上気温上昇は約3℃である.この違いの原因は,この間に顕著になった都市ヒートアイランドによる影響が大きい.都市ヒートアイランドによる地上気温の上昇は,冬季に最大となる.本研究では,都市キャノピーモデルを含む高解像度領域気候モデルWRFを用いて過去気候の再現実験を実施し,さらに擬似温暖化手法を用いて,SRES A2における2070年代を想定した将来気候実験を行った.これらから全球規模の気候変動が冬の東京都市圏における都市ヒートアイランド強度(Urban Heat Island Intensity;UHII)に与える影響を評価した.その結果,気候変動によって,夜間のUHIIは約20%以上強まることが示唆された.
著者
池田 孝之 平良 博紀 小場 京子 崎山 正美
出版者
琉球大学
雑誌
環境科学特別研究
巻号頁・発行日
1986

1.壁面緑化省エネ効果実例実験の方法(1)実験対象は、屋上緑化収集事例より沖縄県読谷村の住宅とした。当地は始めは米軍家族用住宅として造られた屋根スラブのみの平屋コンクリート住宅約30戸の住宅地である。実験は、屋根スラブ上面に棚をこさえ緑をはわせた緑化住宅と屋根スラブのみの住宅を比較対象とした。(2)測定は、気温を中心に屋根緑ネット内,屋根上部空気層,屋根表面,天井内,室内,戸外で行なうと同時に、室内湿度,屋根面日射量,微風速も測定した。測定器具は、自記温度計(マルチロガー12CH,銅・コンスタンタン熱電対),自記湿度計ロビッチ自記日射計,風速型指示風速計を用いた。(3)期間は、残暑厳しい10月22〜25日の4日間の快晴日で、自動記録で終始継続的に行われた。2.壁面緑化のふく射熱緩和効果一日の最も大きな温度変化は、緑化なし屋根面で、19.9℃(6:17)〜43.0℃(14:4)と23℃の変動があるのに対し、緑化住宅屋根面では終日22℃(6:14)〜25.7℃(16:44)と大きな変動はなく安定している。特に、13時〜15時には、両邸の差は最大23℃と著しい。直ぐに日射を受ける屋根面と、緑を施した場合とではふく射熱の差が大で、緑による遮へい効果の高さがうかがえる。(2)室内温の日変化は、緑化なし住宅が23.3℃〜29.7℃で6℃の変動に対し、緑化住宅では24.3℃〜28.7℃と変動が小さい。両邸における室温の差は17時に最大3℃となる。(3)但し屋根面温度の著しい差がそのまま室内温に反映される訳ではなく、天井ふところによる緩和作用も大きいことが伺える。(4)緑なし住宅の室温や天井内温が緑化住宅のそれと同様な値となるのは21〜22時頃からであり、日中のふく射熱がかなり遅くまで蓄積されていることを如実に示す。

1 0 0 0 残暑の季節

著者
安藤 彦太郎
出版者
一般社団法人中国研究所
雑誌
アジア經濟旬報
巻号頁・発行日
no.1092, pp.1-6, 1978-09-21