著者
松本 文夫
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

小型・分散・連携型の空間群からなる「領域型ミュージアム」のシステムデザインについて、建築・都市・情報の3つの視点から研究を行った。建築系研究では空間の小型化の手法を検討し、各種の展示空間ユニットの企画開発を行った。都市系研究では施設の分散配置のあり方を検討し、東京丸の内や札幌の領域型ミュージアムの配置案を検討した。情報系研究では空間の相互連携の手法を検討し、i-Compass(自分専用のコンパス)というiPhoneアプリケーションの試作開発を行った。
著者
川村 貞夫 飯田 健夫 小畠 敏夫 浮田 恭子 八木 良明 森島 知子
出版者
Japanese Society for Engineering Education
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.2_20-2_24, 2008 (Released:2008-04-04)
被引用文献数
1

This paper claims the importance of “FOR ALL Education of science and technology” for high school students. “FOR ALL Education of science and technology” means the following two points : (1) Science and Technology Education for all students including students who will not enter the departments of science and technology in universities. (2) Education for all science and technology fields. Generally it is difficult to realize “FOR ALL Education of science and technology” . In this paper, the authors propose several educational programs to overcome the difficulty.
著者
森際 康友 松本 恒雄 長谷部 恭男
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

研究代表者の森際康友が研究統括の他に、法曹倫理基礎理論と教育方法の開発に取り組み、研究分担者の松本恒雄が私法および司法の観点から、同長谷部恭男が公法および人権教育の観点から法曹倫理の研究・教育に関わった。その研究成果および教育実践・方法開発の報告を内外の国際会議で行った。たとえば、最終の2010年度には、森際が蘇州及び北京で編著の教科書の中国語訳出版を記念した招待講演を行い、6月末にはアンカラでトルコ弁護士会連合主催による弁護士倫理の国際シンポジウムを企画・報告し、7月には第4回国際法曹倫理会議(スタンフォード大学)にて比較裁判官倫理のパネルを企画し、報告した。8月には長谷部がオスロで、9月には森際がハイデルベルグで、10月にはパリで研究発表を行った。12月には森際がドイツ裁判官アカデミーで裁判官倫理の哲学的基礎について講演した。2011年2月には、東京で、「職域拡大時代の弁護士倫理」と題して次期研究計画を視野に入れつつ3年間の研究を総括する国際会議を企画・開催した。この間、森際は法科大学院における法曹倫理コアカリキュラム策定に携わるとともに、それに対応した教科書の改訂作業を行った。また、長谷部・森際はCCBEにおける欧州弁護士倫理統合作業について調査し、その成果をジュリスト誌上で発表した。これを含めて研究成果の出版数は雑誌論文21編、図書3冊である。教育研修実践については、森際が毎年ドイツ裁判官アカデミーで裁判官の倫理研修を行ったほか、本務校以外に学習院大学、ルンド大学(スウェーデン)で法曹倫理の講義を行った。こうして「法曹養成における職業倫理教育の理論と方法」を開発する研究と教育研修を履践した。
著者
柴田 一 塚本 昌彦 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学
巻号頁・発行日
vol.95, no.287, pp.25-32, 1995-10-06
被引用文献数
3

本稿では移動体計算環境における問合せ処理方法に関して、特に複数の移動ホストを問合せ対象とする場合について、5種の問合せ処理方法の性能評価を行う。ここで5種の問合せ処理方法とは、単一ブロードキャスト通知法(SBN:Single Broadcast Notification)、二重ブロードキャスト通知法(WBN:Double Broadcast Notification)、ブロードキャスト問合せ法(BQF:Broadcast Query Forwarding)、単一デフォルト問合せ法(SDN:Single Default Notification)、二重デフォルト問合せ法(WDN:Double Default Notification)である。問合せの種類。ネットワークの形状、移動ホストの移動頻度、問合せの発生率、問合せ対象の移動ホストサーバ数などのネットワーク・パラメータに応じて、これらのうちどの方法が最適となるかを示す。さらに、問合せ対象となる移動ホストサーバ数が最適な問合せ方法に及ぼす影響について明らかにする。
著者
西田 究
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

USArray,F-net,IRIS,ORFEUSの広帯域地震計データの大量のデータを用いることにより、グローバルに伝播する実体波の抽出に成功した。今後速度構造の時間変化を研究する上でも重要な知見である。海底地震計の自己相関により、東北地方太平洋沖地震に伴うS波速度の低下およびその後の回復、また異方性の時間変化を検出した。浅部の堆積層内が地震時に強く揺すられた事により、これらの現象を説明することが出来る。防災科学研究所のV-net観測点(岩手山)の上下アレーデータを用いて相互相関解析をしたところ、地震にともなう速度の低下と、それに続く地震波速度の回復を検出した。
著者
富山 慶典
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.1-16, 2004-03-31 (Released:2008-12-22)
参考文献数
60
被引用文献数
3

民主的な社会には、2つの異なる集合的意思決定問題がある。ひとつは、人々の選好をいかに集約して社会的選好を導き出すかという問題である。もうひとつは、人々の判断にもとづいていかにして社会的判断を形成するかという問題である。これらの問題を解決するためには、それぞれに相応しい理論と方法が必要となる。これまでの集合的意思決定研究は選好集約論の探求に偏りすぎていた。置き去りにされてきた判断形成論の探求をすすめなければならない。そうだとすれば、選好集約論と判断形成論の基本的な特徴は何か、判断形成論の探求は民主的決定の隣接領域における最近の研究動向といかなる関連性をみてとれるのか、それは現代社会にとってどのような意義があるのか。本稿の目的は、古代ギリシャから現代までの集合的意思決定研究の歴史を概観することにより、これらの問いにたいする展望的な答えを得ようとすることにある。本稿の主張は、選好集約論の探求がもはや不要であるという点にはない。判断形成論の探求をすすめる必要があり、これらの理論が民主的決定にとって相補的な関係にあるという点にある。
著者
家根橋 伸子
出版者
東亜大学
雑誌
東亜大学紀要 (ISSN:13488414)
巻号頁・発行日
no.14, pp.33-43, 2011-07

教室では参加者たちが交流しながら自分自身のことを開示し,表現し合う「交流型言語教室活動」が近年,数多く提案されている。このような活動は,日本語学習だけでなく学習者の自己成長,さらに多文化共生活動としても意義がある。しかし,その理論的基盤の不明瞭さから,実践・研究双方において日本語教育方法として広く受容されているとは言いがたい。本稿では活動が基盤とする人間性心理学の理論について明示するとともに,そこに内包された言語論・言語学習論を検討し,日本語教育方法としての可能性を示した。 : This paper considers the potential of interactive classroom activities for Japanese language education. In recent years Japanese language education practitioners and researchers have frequently advocated these activities, expecting them to be effective not only for language learning but for cross-cultural communication. However, because their theoretical basis lacks clarity they haven't been widely understood. This paper shows that the activities all have humanistic psychology in common and discusses humanistic psychology's language and language-learning theory.
著者
吉村 忠与志
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.37, no.11, pp.612-618, 1988-11-05
被引用文献数
7 2

複数種の半導体ガスセンサーを集合させたシステムを作り,そのセンサー応答を計測し,それらのデータをパターン認識法を用いて解析することにより,化学物質のにおい識別を試みる研究を進めていく中で,計測データの精度管理は重要な研究ポイントである.本報告において,化学物質のガスに対して多少なりとも選択性を有している市販の半導体ガスセンサーを8種類複合させて用いた場合の同時計測データの精度管理とセンサーの対ガス選択性の向上についてその成果を報告する.センサーシステムの雰囲気条件の設定が重要である.個々の設定条件の中で,化学物質のガスを注入した後(サンプリングごとに)に行うセンサーの洗浄には,エアブラシ法を開発し実用化した.この方法により,ガスセンサーのエアレベル(センシング・ベース)を一定に確保することが可能になり,個々の異種センサーを一定の条件下で同時計測に用いるうえで,有効な再現性を実現することができた.その結果,客観視のむずかしいにおいの識別のために有効なパターンベクトルを得ることができるようになった.
著者
林 友直 高橋 武
出版者
東京大学宇宙航空研究所
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.13-23, 1974-01

宇宙観測用二次電子増倍管への応用を主目的とした小型,軽量の直流高圧安定化電源を試作した.ここに述べる回路は,出力側からの帰還による安定化回路をもったCockcroft Walton型整流器で,出力電圧3,000 V, 負荷電流30μAに設計されている.この方式の整流回路を用い,さらに特殊な実装法を適用することによって装置の小型,軽量化を達成することができた.資料番号: SA0124466000
著者
稲場 純一
出版者
北海道大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

我々は、Cucumber mosaic virus (CMV)を改変したウイルスベクターであるA1ベクターに野生型ペチュニアV26系統のchalcone synthase (CHS)遺伝子のpromoter領域を挿入したA1-CHSproを用いて、CHS遺伝子を標的にTGSを誘導することが出来た。またA1-CHSproを用いて誘導されたTGSはこのウイルスベクターが存在しない、自殖後代個体においても維持されることが前年度の研究で明らかにした。これまでpotato virus X (PVX)ベクターなどを用いて内在性遺伝子に対するTGS誘導の試みがなされたが、成功事例は報告されていない。今回CMVベクターでは内在性遺伝子に対するTGS誘導を行うことが出来たことは特筆すべきことである。今年度は、なぜ「CMVベクターを用いて内在性遺伝子を標的としたTGSが誘導できたのか」という点に着目し研究を行った。すなわちCMVベクターが持つ2bタンパク質の役割がTGS誘導の促進に大きく関わっていると考えた。この仮説を証明するため、本研究ではプロトプラストassay systemを用いた。まずCHS promoter領域の配列に相同な二本鎖RNA(dsCHSpro)を作製した。dsCHSproと2bを同時に花弁から得られたプロトプラストに対し導入したところ、dsCHSproのみの対照に比べ、CHS mRNA量がより大きく減少し、大きなヒストン修飾の変化が観察された。つまり2bタンパク質はTGSを促進する能力を持つと考えられる。2bタンパク質は宿主細胞の核に局在する。またRNA silencingの引き金となるsmall interfering RNA (siRNA)と結合するという特徴をもつ。CMVベクターから発現する2bタンパク質がTGSを誘導するsiRNAと結合することによって宿主細胞の核への移行を促進することが明らかとなった。
著者
中西 祥彦
出版者
神戸常盤女子高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2008

ID(インストラクショナル・デザイン)でみる数学の授業の提案である。(y=距離、t=時間)本校3年家庭科生を対象に、1クラスを4班(数名)に分けて実施。お互いに役割分担をさせ、協力作業を進めながら、ICT活用のもと、「歩く」という共通体験を通して、「一次関数(y=○t+△)のグラフとその意味するところを理解させる」ことが本授業の大きな目的の一つである。<初めに現象ありき>で、体験学習を通した実験から始めて、同じような理解(○=(y-△)÷t)をえる。グラフの傾き=○から、<速さ>が<距離>÷<時間>という比の関係で、与えられることの理解に到達させる。しかしその過程が、通常と異なるのは、生徒たちが、机上に置かれた距離センサーに向かって、「歩いたり/退いたりする」行為をくりかえすことから始まるからである。そしていろいろな歩き方を工夫する中で、グラフのプロットと歩き方の意味づけ等の考察を通して、まさに自発的な行動や思考が生まれ、連続または不連続なグラフの動き方もみつけだしたりしながら、一定の結果をだしてくれたのでこちらもわくわくしてくる。(生徒の実験の様子はVTRに記録)それから、「共通」体験とか「共通」理解という、言葉「共通」の意味を一寸考えてみたい。一般的には、「共通」=「最大公約数」である。だから<殆ど100%に近い>という意味をもたすには、生徒全員が同じような気持ち体験が必要。それにはICTハイテク技術が、授業の流れの下支えをしているからこそ可能で、教師は思い通りのIDが実践できることになる。一歩ずつの生徒の動きは、グラフ電卓の小さな画面で、ほぼ直線のプロットに変換され、PCを経て、リアルタイムで目の前の大画面に投影されここで目が釘付けになる。このビジュアルな共通感覚がとても大切。これこそが持続可能な思考を引きだす泉のような原点だと思う。最後に、この授業から、生徒に教えられたことがある。ガニェ先生が書かれなかった、学ぼうとする生徒の側からのIDの視点の発見である。幸いなことに、次の課題までえられたことになる。
著者
竹末 俊昭 西澤 明洋 朝霧 重治
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.13, no.13, pp.40-45, 2008-03-30

本案件は、埼玉県川越市(通称:小江戸)のビールブランド「COEDO」のブランドデザインプロジェクトである。商品パッケージを含む、全ブランドアイテムのリニューアルを行い、かつてのいわゆる「地ビール」から「プレミアムビール」へのブランドリニューアルを行うことが最大の目的であった。ブランドロゴと日本の色をコンセプトとしたデザインはブランド認知の向上とプレミアムブランドに相応しい表現の両立を狙った。大手メーカーがひしめくビール市場の中で「中小企業でもデザインによって確固たるアイデンティティを獲得できる」ことを実践するため、コンセプトから商品の細部、ブランド戦略に至るまで時間をかけて丁寧に作り込んだ。デザインが一企業の為だけにとどまらず、川越地域(小江戸)全体のイメージ向上に貢献できることを目指し、COEDOの世界観を構築していった。