著者
大栗 博司
出版者
素粒子論グループ 素粒子研究編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.231-249, 1984-12-20

発散積分から有限部分を取り出す処方について概説しその応用としてζ函数正則化を考える。一般化されたζ函数は発散級数Σ__nλ_n^<-s>の中から紫外cut-offについて正羃で発散する部分を取り除き,その残りを条件収束させたものであることが具体的に示される。
著者
SHIOZAKI Shozo SHIMIZU Sakayu YAMADA Hideaki
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
Agricultural and Biological Chemistry (ISSN:00021369)
巻号頁・発行日
vol.48, no.9, pp.2293-2300, 1984
被引用文献数
11 40

In survey studies on microbial accumulation of S-adenosyl-L-methionine (AdoMet), various yeasts were found to accumulate AdoMet intracellularly to a high concentration when they were grown in medium containing L-methionine. A group of sake yeasts (<i>Saccharomyces sake</i>) exhibited especially high accumulation. Of these yeasts, <i>S. sake</i> Kyokai No. 6 (K-6), which exhibited the highest accumulation, produced 12.6 μmol (5.03 mg) of AdoMet/ml broth. Almost all AdoMet produced was accumulated in cells, extracellular accumulation of AdoMet being very low. The maximum content of AdoMet of cells was 5.31 μmol (205 mg)/g dry cells. This was the highest value that had been reported. Methionine adenosyltransferase (EC 2.5.1.6) activity was significantly higher in this yeast compared to those in other yeasts tested. Ultraviolet photomicrographic studies on <i>S. sake</i> K-6 suggested that AdoMet was gradually accumulated in vacuoles with the passage of cultivation time.
著者
廣田 洋 棚橋 善昭 高橋 武美
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.19, pp.54-61, 1975-10-01

Structure elucidation of LB, one of the volatile components of "San-shion" (Ligularia species), was accomplished in the following way. LB, C_<15>H_<26>O, was assumed to be a saturated guaiane-type sesquiterpene ether from its spectra and the dehydrogenation reaction. INDOR experiments on LB and 1-epiguaioxide(13) showed that LB is one of the eight stereoisomers of guaioxide(10). As six compounds of them are already known, the structure of LB must be represented by either 14 or 16. The reaction of LB with NBS in CCl_4 gave 4-bromo-LB(22) in 8〜18% yield. The compound(22) was dehydrobrominated into 23, which reacted with diborane to give 27. The oxidation of 27 with Jones' reagent gave the ketone(29), which then isomerized to 26. The structure of 22, 23, 26, 27, and 29 were confirmed by their spectral data, obtained by double resonance and lanthanide-induced shift techniques in PMR. The absolute structure of 29 was determined by the ORD and CD experiments. The hydrogenation of 23 gave 4-epi-LB. The compound(14) obtained by tosylation of 27 followed by reduction with LiAlH_4, was identical with 4-epi-LB. Therefore, the structure of LB was determined to be 16, including the absolute configuration.
著者
本多 一彦
出版者
名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.97-104, 2011-03-31
被引用文献数
2

平成23年度より名古屋文理大学情報メディア学科で入学者全員にiPad を無償提供し,講義や演習で利用することが決定している.このiPad は新しい種類のデジタル機器であるが,突如出現したものではなく,モバイル機器から発展し急速な広まりを見せたものである.モバイル機器は歴史上様々なものが開発され,消滅していった.本論文では,現在に至るモバイル機器の歴史の中でiPad の特徴を考察し,その特徴を活かした効果的な教育方法について議論する.
著者
中谷 誠 Jatowt Adam 大島 裕明 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. データベース・システム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.146, pp.253-258, 2008-09-14
参考文献数
13

検索語が属する分野における専門語は,ユーザが検索結果に含まれるウェブページの内容を理解する上で重要な役割を持っている.専門語が多く含まれるウェブページは,非専門家ユーザにとっては理解しづらいが,一方で専門家ユーザにとっては読みやすく詳細な情報を得る上で有用である.本研究では,Wikipediaのリンク構造とカテゴリ構造を用いて,ユーザの入力した検索語からその語に関する専門語を抽出する手法について述べる.Wikipedia中で検索語が含まれている記事のカテゴリ情報を集約することによって検索語の属する専門領域を検出し,その領域の内外でリンクの出現頻度を分析することによって専門語を抽出する.本研究の提案手法は幅広い分野を網羅しており多言語対応しているWikipediaを用いているので,検索語の分野や言語に関係なく専門語を取得することができる.
著者
五野井 郁夫
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2004

本研究の目的は、国際社会での規範形成においてグローバルに連携した人々やNGO、すなわちトランスナショナルな市民社会(以下TCSと略す)が果たしている役割について、(1)国際政治理論と(2)TCSのキャンペーンにかんするフィールドワークを通じた事例研究の架橋から明らかにすることである。本年度もMake Poverty Historyキャンペーンの政治過程を把握すべく英仏各国の研究機関・NGOに調査をすることでTCSによるメディアを駆使したアドボカシーの手法を学び、一部を研究成果として発表した。海外査読誌発表では、第二次大戦後の国際経済体制の制度構想と実務家の実践において周縁化されていた地域の存在、途上国債務発生メカニズムの関連性を"Conceptual Relevance of "Embedded Liberalism" and its Critical Social Consequences", PAIS, Graduate Working Papers Number 03/06で明らかにした。海外学会では、米国ISA研究大会の査読を通過した報告要旨において、戦後日本の社会運動と現在のグローバル公共圏へのリンクについて論じた。国内実績では、現在日本の若い世代で旧来とは異なる市民意識が醸成されつつあり、それらを基底としたポスト新しい社会運動的方向への移行を「ホワイトバンドの国際政治学-トランスナショナルな市民社会による国際規範形成と途上国重債務救済をめぐって-」『創文』491号でひろく江湖に問うた。また、日本国際政治学会と日本社会思想史学会で報告を2本行った。これら研究調査から得られたTCSによる規範形成の理論と実践にかんする知見の一部を、査読誌『相関社会科学』に「世界秩序構想としてのコスモポリタン・デモクラシー」として発表した。さらに国際政治学会院生研究会を組織するとともに、TCSの可能性とグローバル規範の動態についても、青山学院大学と筑波大学のシンポジウム等で報告と討論を行い、国際関係論と政治思想史の欧米を代表する政治哲学者と国際関係論研究者の翻訳をし、うち一冊が出版された。
著者
森川 英明 高寺 政行 鮑 力民 後藤 康夫 佐古井 智紀
出版者
信州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

日本で多発する刃物による傷害(事件)に対応するため,軽量で快適な防刃被服について検討を行った.研究は,防刃性能の工学的評価法の確立,高性能ナノ材料および複合層構造による貫通遮断機構の開発,防刃被服の温熱環境評価と改善法の検討,被服構成学に基づく防刃被服の評価・構造設計,の4つの側面から行った.その結果,防刃材料の開発に必要な物理量による評価手法を構築すると共に,防刃用繊維材料,防刃衣服の冷却機構などの提案が可能となった.
著者
二見 喜章
出版者
サンケイ新聞社
雑誌
正論
巻号頁・発行日
no.291, pp.126-137, 1996-11
著者
吉井 隆
出版者
甲子園短期大学
雑誌
甲子園短期大学紀要 (ISSN:0912506X)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.51-61, 1996-03-01

コンピュータに関連した技術の進歩は急激で、情報処理環境も急速に変化しつつある。また、初等中等教育機関にパソコン等が導入され、情報処理教育が行われつつある。そのような状況の中で、短期大学等の高等教育機関での情報処理教育のあり方が問われている。これからの一般情報処理教育のあり方を検討するに当たり、今回まず、学生が情報処理をどのように捉えているかを調査し、これからの一般情報処理教育のカリキュラムについて考察した。アンケート調査の結果、本学に入学した学生の多くは、短大で初めてパソコンを操作する学生で、やがて訪れる高度情報化社会を予想し、その社会で生きてゆくために、情報処理を勉強することが必要だと強く感じている一方、コンピュータに対して、またその操作に対して強い不安を感じているのがわかった。当面はキーボード操作、特にブラインドタッチによる速くかつ正確な人力操作の習得を目標に、演習をすすめていくべきと考えるが、今後、入学者のレベルを把握しながら、また、これから社会に普及するであろう情報処理環境・技術を意識しながら、カリキュラムを見直し、それにあわせて修正を加えていくことが必要である。
著者
三井 慶治
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は、あらゆる生物が生きてゆく上で必須な細胞内イオン環境(特に細胞内pHとNa^+濃度)の制御機構を、その中枢に位置するイオン輸送蛋白質(Na^+/H^+交換輸送蛋白質)のイオン輸送メカニズムや制御メカニズムを分子レベルで明らかにすることである。平成19年度は、出芽酵母Na^+/H^+交換輸送蛋白質に結合し、その活性を制御しうる蛋白質分子を探索した。その方法としてNa^+/H^+交換輸送蛋白質の細胞質ドメインをベイトとしたYeast Two-Hybrid法による探索を試みた。Yeast Two-Hybrid法により内膜型Na^+/H^+交換輸送蛋白質の細胞質ドメインに結合する因子を出芽酵母cDNAライブラリーから探索した。その結果、陽性クローンとして複数のクローンが単離できた。そのなかで、非常に強い相互作用が予測されるクローンからMTH1遺伝子が同定された。また、大腸菌において発現させ精製した内膜型Na^+/H^+交換輸送蛋白質の細胞質ドメインとMTH1蛋白質が直接相互作用することを確認した。これらのことから、出芽酵母に内膜型Na^+/H^+交換輸送蛋白質と相互作用しうる因子が存在し、これらの因子が内膜型Na^+/H^+交換輸送蛋白質の機能を制御していることが示唆された。
著者
深澤 安博
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

1910年代~1920年代にスペイン人青年男性をスペイン軍の兵士にさせえた1912年兵役法の内容と意義、徴兵の実態、モロッコでの植民地軍の創設、モロッコ植民地「平定」後の「原住民」統治、植民地モロッコの一大軍事基地化、アフリカ派軍人たちが「平定」後にも独自の軍人社会を維持しつづけ軍内で最有力の勢力となったこと、以上のことを明らかにした。総じて、スペイン内戦が「アフリカからやってきた戦争」であることの意味を解明した。
著者
柴山 元彦 寺戸 真 中川 要之助
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 第III部門 : 自然科学 (ISSN:03737411)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.251-262, 1996-02-28 (Released:2009-02-20)

1995年1月17日に起きた兵庫県南部地震によって淡路島にあらわれた野島地震断層は,延長10km以上にもなる地震断層である。この断層を横断する12測線を設定し,放射能探査を行った。その結果断層部分で,高放射能値がいずれの測線でも認められた。また,簡易測定機器でも断層部分で高い値を示すことが分かった。筆者等はこれまで大阪平野下に存在する活断層の可能性を放射能探査法によって明らかにしてきたが,野島地震断層の放射能探査により活断層の発見がこの方法でより確かなものになった。 The Nojima Earthquake Fault, which has been formed by the earthquake of magnitude 7.2 occurred in the southern part of Hyogo prefecture, Japan, on January 17, 1995, extends more than 10km from Ezaki Lighthouse located at the northern end of Awaji Island to Toshima-cho. The fault runs parallel to the northern of the Nojima geological Fault. The former research (SHIBAYAMA・NAKAGAWA 1995 etc.) has been carried out to present the active faults found beneath Osaka Plain by Radioactivity Prospecting Method. This research was carried out to draw the distribution map of radioactive level by radioactivity prospecting method in the area of Nojima Fault. From the present study which 255 points of intensity of radioactivity could be checked, the following two could be shown; 1> there are some high radioactive level zones in this investigating area, 2> One of these zones are in agreement with the Nojima fault as new fault. From these it has become apparent that higher level zones show an active fault.
著者
森 麻紀 栗原 一貴 塚田 浩二 椎尾 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.454, pp.69-72, 2008-01-17
被引用文献数
4

日常生活の中で欠かせない食事をより楽しくするために,我々は食卓の彩りに着目し,いろどりんシステムを構築した.本システムはまず,ユーザが盛り付けした料理を食卓上でカメラを用いて撮影し,取得画像から料理に使用されている色を分析し,彩り色(料理の彩りをよく見せるための色)を計算する.次に,得られた彩り色で柄を生成し,プロジェクタを用いて皿に投影する.これにより,ユーザがテーブルに置いた料理の,視覚的なおいしさの向上を実現する.