- 著者
-
中林 敏郎
- 出版者
- Japanese Society for Food Science and Technology
- 雑誌
- 日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
- 巻号頁・発行日
- vol.24, no.9, pp.479-483, 1977-09-15 (Released:2009-04-21)
- 参考文献数
- 10
- 被引用文献数
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2
コーヒー豆の遊離糖のほとんどを占め,焙煎コーヒーの風味形成に重要な役割を演じている蔗糖の含量について検討を行なった。(1) コーヒーなどポリフェノールを多く含む試料の単糖類と蔗糖の分離定量に有効な方法として,活性炭カラムクロ々トグラフィーを確立した。(2) コーヒーの蔗糖含量の平均値は,生豆で7.02%,メデイアムで0.33%,イタリアンで0.05%,インスタントコーヒーで0.70%であった。(3) 焙煎中,コーヒー豆の蔗糖含量は,クロロゲン酸の減少や褐色度の増加に先だって,速やかに低下して,遂にはほとんど消失する。(4) コーヒーには遊離の単糖類は含まれないが,それより低分子のカルボニル化合物と考えられる単糖類よう物質が,生豆で0.18%,メデイアムで0.28%,イタリアンで0.13%,インスタントコーヒーで1.98%含まれ,焙煎中わずかに増加した後減少する。